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星1つ 企業日本無線  企業概要

 当社グループの研究開発活動は、中長期的な視野に立った基礎研究から、事業活動に直結した新技術の開発まで、総合的な研究開発活動を行っており、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は6,804百万円であります。セグメントごとの当連結会計年度における主な研究開発活動は、次のとおりであります。なお、基礎研究等の当連結会計年度における研究開発費は2,471百万円であり、セグメントの研究開発費には含めておりません。

(1)海上機器事業

 海上機器事業の当連結会計年度における研究開発費は1,212百万円であります。

 ①中小型船向け機器

 主に漁船・ワークボート市場をターゲットに中型レーダーを開発しました。本開発は新型Xバンド25kWタイプ空中線および新型指示機で構成されます。

 空中線は輻射部を薄型化することで耐風速性能の向上や省電力化を実現しています。指示機はレーダー探知処理性能の向上に加え、航海用電子参考図(日本水路協会発行 new pec;new personal electronic chart)の海図表示機能、高速描画、高輝度モニタの採用による視認性向上などを実現しています。

 更に本指示機は従来のXバンド 10kW、Sバンド 30kWおよびSバンド 250W固体化タイプ空中線との組み合わせも可能で、顧客要求に合った構成とすることができます。

商船向け機器

 商船ブリッジにおけるデザインおよびGUI(Graphical User Interface)の共通化を進めています。今回、国際VHF無線電話装置、対水SDME(船速距離計)、DGPS航法装置、測深機を開発し、ブリッジ構成のラインナップに追加しました。タッチスクリーン対応の小型カラーディスプレイを用いた共通表示器を採用することで、視認性と操作性を大幅に向上させています。また、各機器は共通表示器と制御部または無線部で構成されており、柔軟な装備性を実現しています。

海上情報サービス

 電子チャートテーブル(NeCST:Navigation electrical Conning Station Table)を開発しました。本装置は大型タッチパネルを採用し、紙海図の利便性である手書きメモ機能、航海機器との連携によるデータの表示と記録機能、気象情報など外部からのデータの表示機能、航路計画の読込と編集機能などが可能となります。またクラウドサーバの活用により、船舶と海運会社との情報共有が可能となり、船舶運航の最適化に寄与します

(2)通信機器事業

 通信機器事業の当連結会計年度における研究開発費は359百万円であります。

①ITS(高度道路交通システム)

 交通の高度化分野では、DSSS( Driving safety Support System:安全運転支援システム)関連機器であるITS路側機を開発しました。ITS路側機は交差点における対向車や歩行者をセンサーで感知し、交差点に進入する車両の車載機にその感知情報と信号機情報を700MHz帯の電波で通信してドライバーに知らせ、安全運転を支援します。

 また、交通量を計測するトラフィックカウンタをレーダーによる計測方式で実現しました。フィールド試験で高い測定精度が得られ、この方式の優位性を確認しました。

②通信システム

 業務用機器として作業員安全支援システム等で使用する高信頼性のタブレット端末を開発しました。本タブレット端末は、作業現場等で作業員の位置を把握し、無線通信でシステムから取り込む現場の周囲状況を監視する事で作業員の安全を監視しています。作業員に危険が迫った場合は注意喚起を行います。自社製のGPS受信機を内蔵し、高精度な位置把握が可能です。また、堅牢構造の採用や内部処理の二重化による自己故障検出機能を搭載する等、高い信頼性を実現しています。

(3)ソリューション・特機事業

 ソリューション・特機事業の当連結会計年度における研究開発費は2,380百万円であります。

①放送機器

 地上デジタルテレビ用のマイクロ波中継装置を開発しました。今回開発した装置は視聴世帯数の多い重要な中継回線に用いる伝送方式であり、電波の乱れに対しても安定した中継を維持するスペース・ダイバーシチ受信機能や放送中でも画像が乱れることなく予備機に切替えて保守が出来るシームレス切替機能を有しており、信頼性と保守性の高い製品となっています。

②気象レーダー

 海外向けのCバンド2偏波気象レーダーを開発いたしました。フィールド評価の後、2018年度より市場投入予定です。特長としては、大型機器ながら、レーダーのレドーム内に空中線装置、送受信装置、信号処理装置を実装し、オールインワン化したことで、電力の低損失化と設置の容易さ実現しています。

③港湾向け機器

 国際標準化が進められているVTS(Vessel Traffic Service:航行安全情報提供)システムのシミュレータを開発しました。国際航路標識協会(IALA)の標準システムに準拠可能で、将来的に各国に導入されるVTSシミュレータの要求に対応可能です。今後、VTMS(Vessel Traffic Management System:港湾管理システム)の必須アイテムになる装置として、世界市場への拡販を進めていく予定です。

(4)メカトロニクス・電源事業

 メカトロニクス・電源事業の当連結会計年度における研究開発費は58百万円であります。

①メカトロニクス機器

 昇華インクリボンを用いたICカードへのカラー印刷技術を開発しました。本開発により、低コストの昇華インクリボンを使用して、ICカードに高画質の写真印刷が可能となるため、消耗品の費用削減が期待できます。

②電源機器

 低温域においても高効率な電源(LLC方式)を開発しました。通信インフラ機器など厳しい温度環境下で省エネルギー化が求められる機器の電源としての需要が期待できます。

③車載用部品

 電装機器に使用される巻線部品の小型・軽量・低価格化のニーズに対応したDC/DCコンバータ用のパワートランスと平滑用チョークコイルの開発を行いました。放熱構造の最適化・高周波損失の改善などにより、従来品に対して体積、重量、コストの大幅な削減を達成しました。

(5)医用機器事業

 医用機器事業の当連結会計年度における研究開発費は322百万円であります。

①超音波センサー分野

 血管内部の検査用である血管内超音波カテーテルの高周波化製品を開発しました。本製品により高い解像度の検査が可能となります。

 超音波診断装置に使用される小型振動子を開発しました。本開発品を使用することにより超音波診断装置の小型化(スマートフォンサイズ)が期待でき、救急・在宅・往診等での利用が考えられます。

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