企業兼大株主太平洋工業東証プライム:7250】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 記載したリスクは全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)事業活動リスク

① 世界経済情勢・グローバル展開

 当社グループは、日本・アジア・欧米に生産拠点を有して事業展開しており、海外売上高は連結売上高全体の約63%を占め、今後も増加が見込まれます。グローバルな事業展開を推進するにあたり、予期せぬ法令・税制・輸出入その他各種の規制の変更、戦争・テロなど地政学リスクによる政治的・社会的混乱の発生、感染症対策による人・モノの移動制限などにより、生産・販売活動の縮小を余儀なくされるおそれがあります。こうした事態に適切に対処できない場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、各国・地域の主要市場の政治・経済動向、各種法令の制定・改廃などの把握に努め、需要変動に応じた柔軟な生産体制づくりを推進しております。また、生産拠点の操業停止を回避する施策として、社員の感染防止対策の徹底、原材料・部品調達先の拡大等サプライチェーンの維持、グループ内資金を有効活用する資金マネジメント、地域社会・行政との連携などを実施し、有事に強い企業として顧客の信頼を得るべく取り組みを進めてまいります。

② 得意先への依存

 当社グループは、トヨタ自動車株式会社をはじめとする取引先上位5社に対する売上高が、全体の約5割を占めており、特定得意先への依存度が高くなっております。これら主要得意先の業績不振や予期せぬ方針変更による受注の減少により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、新規事業の確立や新規顧客の獲得に注力するとともに、得意先との長年の信頼関係を礎に、得意先のニーズを先取りした製品や新工法の提案による新規製品の受注獲得に努めております。

③ 新製品・新技術開発

 当社グループでは、連結売上収益の大部分を自動車関連部品が占めております。国内外で再編・提携の動きが加速し、技術開発競争が激化する自動車関連業界において、技術の急速な進歩と市場ニーズの変化に十分に追従できず、継続して魅力ある新製品を開発できない場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「思いをこめて、あしたをつくる」をパーパスとして掲げ、将来の飛躍に向けた成長基盤の構築を進めております。プレス・樹脂製品事業では軽量化に寄与する超ハイテン製品やアルミ製品、電動化により求められる快適性能向上のための樹脂製品の開発を進めております。バルブ製品事業では、TPMSの事業領域拡大に向けた開発、センシング技術や流体制御技術などのコア技術を活かした電動車向けの製品開発を加速しております。

 また、主力製品への開発投資に加え、長期的な事業領域の拡大を見据え、センシング技術などを活用し、モビリティ以外の分野を含め社会課題や顧客課題を先取りした新事業開発にも果敢に挑んでまいります。

④ 価格競争

 当社グループの主要事業分野である自動車関連業界は、国内外で競合他社との厳しい価格競争下にあります。また、原材料の供給不安や仕入れ価格の高騰が価格競争力を弱める要因となる可能性があります。価格競争力や製品の優位性が維持できない場合、受注機会の喪失により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、高品質な製品の提供を前提とした原価低減活動を推進し、価格競争力の維持・向上、新技術・新工法を駆使した高付加価値製品の提供に努めるとともに、ニーズのある地域でグローバルに生産できる体制を整備することで、優位性の確保に努めております。

⑤ 製品の品質不具合

 当社グループは、高度な加工技術を要するプレス・樹脂製品や非常に精度の高い品質が要求されるバルブ製品を生産しており、大規模な製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合が発生した場合には、多額のコスト負担や売上の減少、当社グループの信用低下による失注などを招き、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、高品質な製品を提供するため、設計・生産準備の段階から品質の造り込みを行うとともに、各工程で徹底した品質チェックと製品データ管理を行い、グローバル基準での品質保証体制を構築しております。

⑥ 原材料の調達

 当社グループは、鉄鋼材料をはじめ黄銅材料などの金属材料や、ゴム材料、樹脂材料などを原材料として使用しており、これら原材料の価格が高騰し、当社で吸収または、販売価格に転嫁できない場合や、需給の逼迫や物流停滞による納入遅延等、供給能力の制約により、生産に必要な量を確保することが困難になった場合、製造コストの増加や売上収益の減少により当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、原価低減等の改善により、価格上昇分を吸収するよう努めております。また、原材料の需要予測に基づく在庫管理、グローバル調達による調達先の多拠点化、物流ネットワークの強化などサプライチェーンの最適化に取り組み、原材料の需給逼迫に備えております。

⑦ 情報セキュリティ

 当社グループは、生産管理などの管理業務、会計システム、社内外の情報伝達などにITを活用しております。コロナ禍でのリモート・オンライン業務の増加やデジタルトランスフォーメーションの進展によりIT活用の重要性が高まる中、悪意あるサイバー攻撃や過失によるシステムダウンなどの危険が増大しております。このようなリスクの完全な排除は困難であり、情報システムの障害発生による事業活動の一時的な中断や情報漏洩による信用低下が、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、セキュリティ監視機器の強化、従業員への啓蒙・教育によるITリテラシーの向上、バックアップ環境の強化、有事に備えた生産継続体制を構築し、サプライチェーン全体でセキュリティ対策を継続的に推進しております。

⑧知的財産管理

 当社グループでは、独自性、先進性を有する技術を駆使した高付加価値製品の開発に取り組み、多くの知的財産権を有しております。これら知的財産権が侵害され、または第三者から思いがけない権利侵害の指摘を受けるなど、適切な知的財産管理が行われない場合、経済的損失や信頼失墜など、当社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、当社製品に使用される独自性、先進性を有する技術を、特許出願により確実に保護するとともに、他社による権利侵害が持続しないような対策を講じております。また、技術開発・製品設計プロセスの各段階で知的財産権に関する調査を行い、他社の権利を侵害しないよう努めております。

(2)金融・財務リスク

 為替レートの変動

 当社グループは、為替レートの変動により、海外連結子会社の外貨建取引の売上高・原価、資産・負債およびキャッシュ・フローならびに連結財務諸表における売上高・原価、資産・負債の現地通貨の円換算額の二つの側面で影響を受ける可能性があります。

 為替レート変動の影響を軽減するため、米ドル、ユーロ等の主要通貨では為替予約を中心としたリスクヘッジを行っております。また、グループ間決済の一部について、同一通貨で入金と支払いの相殺を行っております。

(3)気候変動リスク

① 災害などの影響

 当社グループでは、過去の被災経験やハザードマップなどから、国内外の各拠点にて、大規模地震、集中豪雨・河川氾濫等の風水害、火災・爆発等の事故など、人的・物的被害が生じるリスクを想定しております。また、新型ウイルス等の感染症による影響が長期化、深刻化した場合、国内外のサプライチェーンや当社グループの事業活動の停止・停滞などが生じるおそれがあります。こうした災害・感染症の発生・拡大が生じた場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、災害の発生に備え、人命第一・地域復興・早期復旧を柱とするBCPや従業員の行動ガイドラインを策定し、建屋・設備の耐震対策、社員安否確認システムの導入、定期的な防災訓練の実施、感染症対策など有事を想定した対策を講じております。
 一極生産のリスクを回避するため、生産拠点の分散化や各拠点間で設備・生産方法の互換性を担保し、代替生産が可能な体制を構築するなど安定的な供給の確保に取り組んでおります。

② 気候変動による影響

 当社グループは、気候変動によるリスクへの取り組みを最重要課題の一つとして認識し、グループ全体でCO2削減に取り組んでおります。脱炭素社会への移行リスクとして、炭素税の導入・原材料価格の高騰に伴う製造コストの増加、燃費・排ガス規制の強化、市場・顧客ニーズの変化に適切に対処できないことで、競争力や企業価値の低下を招くおそれがあります。また、物理的リスクとして、局地的豪雨や洪水、気温上昇による水不足や干ばつ、熱中症の増加等、工場の操業停止やサプライチェーンの分断により生産能力の低下や製品供給の遅延が発生する可能性があります。

 当社グループは、気候変動、有害化学物質、産業廃棄物、水資源、生物多様性等の環境課題に取り組んでおります。特に気候変動を最重要課題の一つとして認識しており、2020年に「PACIFIC環境チャレンジ2050」を策定しグループ全体でCO2削減に取り組んでおります。2050年カーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)に向けて、2030年にCO2排出量を2019年比で50%削減する目標を掲げ、省エネ活動の推進、再生可能エネルギーの積極導入、設備投資判断へのICP導入による設備の高効率化など、継続的にCO2削減活動に取り組んでおります。また、TCFD提言に沿ったシナリオ分析の実施により、リスクと機会を明確にし、事業戦略への反映と開示に向けた検討を進めております。また、BCPへの洪水リスクや感染症リスク対策の盛り込みに加え、熱中症対策として、各工場へのエアコン設置等の対策を進めております。

 当社グループは、車両軽量化に不可欠な超ハイテン加工技術を活用したプレス部品や省エネに寄与するTPMSの拡販など、CO2削減に寄与する電動化・軽量化製品の開発・販売を促進してまいります。

(4)人権

 当社グループは、強制労働、児童労働、ハラスメント等の人権課題を重要なリスクとして認識しております。これらの人権課題に対し、バリューチェーンを通じて適切な行動がとられていないと、顧客との取引停止や行政罰、社会的信用の失墜につながり、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、2021年度に、「国際人権章典」や「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」など国際規範に沿った「太平洋工業グループ人権方針」を策定・開示し、パーパスである「思いをこめて、あしたをつくる」に基づき、バリューチェーン全体で人権リスクの低減に取り組んでおります。

(5)コンプライアンスリスク

 コンプライアンス

 当社グループは、日本、アジア、欧米に拠点を有し、各国の法規制の適用や当局による法的措置により金銭的な賦課を課され、または事業活動を制約される可能性があります。また、適正な取引が図られない場合、取引に関する訴訟提起や損害賠償請求など法的手続きの当事者となるリスクがあります。こうしたリスクが当社グループの重大なコンプライアンス違反によって顕在化した場合、社会的信用の失墜による事業への影響などにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、社会から信頼・共感されるためには、従業員が高い倫理観を持って公正・誠実に行動することが重要と考え、ガイドラインを策定し、全従業員に配布して意識向上を図っております。海外では、競争法、腐敗防止をはじめとする各国・地域の法令・慣習を反映した自国の行動ガイドラインを運用し、各国・地域の実情に即したコンプライアンス活動を行っております。また、「贈収賄・腐敗防止の基本方針」、「仕入先サステナビリティガイドライン」を制定し、腐敗防止ルールを整備、従業員への啓発・教育、サプライチェーンへの展開を実施するととともに、「自動車産業適正取引ガイドライン」の遵守に努めております。

(6)人事・労務リスク

① 人財の確保・育成

 当社グループでは、事業の持続的な成長には、優秀な人財の継続的な獲得・育成が不可欠であると認識しており、計画通りに人財の獲得・育成が進まない場合、競争力の低下を招き、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、事業を通じて社会的課題を解決していくため、人財戦略のなかで、多様な個性やスキル、経験を持った人財の育成を掲げ、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンを積極的に進めております。

 また、人的資本経営を推進するため、働きやすい環境づくりに努めることにより会社と従業員との信頼関係を構築することでエンゲージメントを向上させ、従業員自ら挑戦できる風土への変革を進めております。さらには日常業務の改善に全社員が取り組む改善活動の実施など、自らがスキルアップを実感できる教育・育成を実施しております。

② 安全・健康

 当社グループでは、大小様々な生産設備を有しており、重大な労働災害が発生するリスクを負っております。重大な労働災害が発生すれば、社会や取引先からの信頼を失い、事業停止を余儀なくされるなど、当社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、従業員の健康状態が悪化した場合、当社の生産に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、STOP6(挟まれ・巻き込まれ、重量物、車両、墜落・転落、感電、高熱物による災害防止)の視点に基づき、設備・機械の設計・導入段階から作業アセスメントを実施し、設備への安全装置の付設や危険エリアの見える化などリスク低減と安全な作業環境づくりを進めております。また、机上・体感教育を通じて、危険予知能力の向上やリスクアセスメント手法・安全な異常処置の体得など、危険感受性を高め、安全のために考えて行動できる人財の育成に取り組んでおります。また、当社は従業員の健康を重視し、「太平洋工業グループ健康宣言」にその姿勢を明文化し、積極的に健康経営に取り組んでおります。

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