企業兼大株主SBIグローバルアセットマネジメント東証プライム:4765】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「投資家の皆様の資産形成に役立つ」ことを事業目的としております。「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つ」ファイナンシャル・サービス事業と「投資家の皆様の資産形成に役立つために、投資家にとって望ましい投資信託を提供する」アセットマネジメント事業を拡大し、投資家の皆様の資産形成に役立つことで、金融を中心とした情報社会に不可欠な企業グループとして成長していきたいと思っております。

(2)経営環境

① 基本的経営環境

 金融庁の「平成27事務年度 金融レポートについて」は、「我が国の家計金融資産の構成等を他の先進国と比較してみると、現預金比率が高く、株式・投信等の比率が低いといった特徴がある。株式・投信等を直接に保有している比率は、米国が3割を超えているのに対し、我が国では1割強に留まっている。(47頁)」、我が国の預金は長期にわたり、低金利が続いていますので、「家計金融資産の構成にこうした違いがあることは、米英と比べ、我が国の家計金融資産の伸びが緩やかなものに留まっていることの一因となっているものと考えられる(47頁)」、「高齢化が進む中でいかに老後の資産を形成するか、また、勤労世代の資産形成をいかに行っていくかが重要な課題である。公的年金等にも自ずと財政的な制約がある中では、勤労世帯の自助努力を促し、安定的な資産形成を進めることを実現していくことが重要であると考えられる。(49頁)」として、いわゆる「貯蓄から資産形成」を政府として進めていく旨が記載されています。

 その一環として、国民の資産形成のために、NISA、つみたてNISAやiDeCoなど資産形成を税務上優遇する制度が創設されました。

 前述のとおり、当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つ」ファイナンシャル・サービス事業と「投資家の皆様の資産形成に役立つために、投資家にとって望ましい投資信託を提供する」アセットマネジメント事業を行っています。

 当社グループの事業目的は、政府の指針・政策に適合しており、当社グループの事業は、我が国の現状と政府の指針・政策を背景とする需要が存在しますので、当社グループの基本的な経営環境は良好であると考えております。

 また、当社グループは、国内外の投資信託をはじめとする金融情報をデータベースに蓄え、このデータベースを基盤として、順次提供情報の質的・量的拡充に努めてまいりました。また、より多くの一般投資家の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、当社グループの客観的な比較・評価情報を入手する機会を増加させ、投資信託をはじめとする金融情報なら「モーニングスター(旧商号)」とのブランドを社会的に確立し、多くの一般投資家の信頼と利用を拡大してきました。これらの金融情報を金融機関、一般投資家へ提供するASPやアプリケーションの開発にもかなりの資金を投資してきました。

 このように、一般投資家に金融情報についての社会的ブランドを確立し、金融情報のデータベースを構築し、さらにそれを収益化することは容易ではなく、当社グループと同じ事業形態で、ファイナンシャル・サービス事業に参入するのは困難であり、投資信託を中心とする金融情報に関しては、当社グループは他の追随を許さないリーディングカンパニーとなりました。

2023年3月30日に、米国モーニングスター・インクに、「モーニングスター」ブランドを返還しましたが、その対価は80億円となりました。モーニングスター・インクが、当社が築き上げた日本における「モーニングスター」のブランド力を評価した結果です。

 「モーニングスター」ブランドの返還は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、サービス名称の変更です。2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

 そのため、今後は、「ウエルスアドバイザー」のブランドを社会的に確立する努力をし、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、「ウエルスアドバイザー」のブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。

 また、当社グループは、モーニングスター・インクとの提携を維持拡大し、モーニングスター・インクの米国を中心とする海外金融データベースや様々な金融商品に関する調査分析情報を利用して、引き続き、優良な海外金融を情報を提供していきます。

 当社グループは、親会社であるSBIホールディングス株式会社とその傘下に擁する金融関連のグループ企業各社と緊密な関係を保つことで、相互のシナジー効果によって競争力の強化を図ることができ、効率的な経営と事業展開を追求していくことができます。

② 最近の経営環境

3 事業等のリスク に記載のとおり、当社グループは、投資信託を中心とした金融情報を提供し、投資信託を組成、運用しています。

 そのため、投資信託市況に影響を受け、投資信託の構成要素である株式市況、株価、為替、市場金利の影響も受けます。

 当社グループのアセットマネジメント事業は、運用する投資信託の運用残高の一定割合の信託報酬を得ています。

 特に、子会社 SBIアセットマネジメント株式会社が運用する公募追加型株式投資信託は、投資信託への資金流出入額と投資している株式の株価により、運用残高が変動し、信託報酬が変動します。

 当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向かい、景気の持ち直しの動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化などが懸念される中で、物価上昇や世界的な金融引き締めにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの事業に関連性の高い投資信託市場においては、ETFを除く公募追加型株式投資信託の純資金流入額が、前連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の9兆6,885億円から当連結会計年度は7兆4,775億円に減少しました。一方、当連結会計年度末の日経平均株価は、前年度末比0.79%上昇し、28,041円となりました。

 このような経営環境下で、当社グループのアセットマネジメント事業は、インデックスファンドを中心に公募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高が、前連結会計年度末の9,317億円から54.7%増加し、1兆4,413億円となりました。また、地域金融機関の有価証券運用の高度化と多様化を支援する私募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の1兆9,517億円から23.4%増加し、2兆4,081億円となりました。

 当社グループ全体の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の、3兆6,976億円から26.8%拡大し、4兆6,920億円となりました。

 ファイナンシャル・サービス事業のデータ・ソリューションは、投資信託の販売金融機関が活用する「Wealth Advisor」の提供台数が前連結会計年度の114,680台から115,645台に増加しました。金融機関の販売員の方に顧客への商品説明に使っていただくタブレットアプリによるファンドデータの提供を中心に、「モーニングスター」ブランドの返還や新型コロナウイルス感染症の影響をあまり受けることはなく、堅調に推移しています。

 一方、メディア・ソリューションは、「モーニングスター」ブランド変更に伴い、モーニングスターアワード「ファンドオブザイヤー」等のライセンスおよびセミナーを取り止めたことにより、メディア・ソリューションの売上高が減少いたしました。

 新型コロナウイルスの感染法上の分類が2023年5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。新型コロナウイルスの発生から3年余りが経ち、対面での資産運用セミナーが開催できない状況が続いてきましたが、新型コロナウイルスの感染法上の分類の引き下げにより、本格的に制限がない対面でのセミナーを開催できると考えております。

 また、「モーニングスター」ブランドの返還は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、サービス名称の変更です。2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

 そのため、今後は、「ウエルスアドバイザー」のブランドを社会的に確立する努力をし、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、「ウエルスアドバイザー」のブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。

(3)経営戦略

 当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つこと」を事業目的に、金融を中心とした情報社会に不可欠な企業グループとして成長していきたいと考えております。

 そのために、当社グループの信用力・ブランド力の向上を図るとともに、提供情報・商品を発展・拡充して、投資家のためにより有用な情報を提供すること、投資家本位の投資信託を提供すること、そのための情報提供チャネル、販売チャネルを開拓していくこと、フィデューシャリー・デューティー(金融機関の顧客本位の業務運営)へ適格に対応することなどにより、中長期の事業運営を行なっていく所存です。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 具体的には以下の施策に重点を置いて中長期の事業運営を行なってまいります。

① ブランディング

 当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つ」ためには、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただく必要があり、当社グループの客観的な比較・評価情報を入手する機会を増加させる必要があります。

 当社グループは、設立以来25年間、「モーニングスター(旧商号)」ブランドを社会的に確立する努力をしてまいりました。

 2023年3月30日に、米国モーニングスター・インクに、「モーニングスター」ブランドを返還しましたが、その対価は80億円となりました。モーニングスター・インクが、当社が築き上げた日本における「モーニングスター」のブランド力を評価した結果です。

 「モーニングスター」ブランドの返還は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、サービス名称の変更です。2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

 そのため、今後は、「ウエルスアドバイザー」」のブランドを社会的に確立する努力をし、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、「ウエルスアドバイザー」のブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。

② 評価情報の中立性および信頼性の更なる向上

 当社グループの営業基盤は、当社グループが行なう各種の評価情報の客観性と中立性にあると考えております。そのため、ユーザーからの当社グループの信頼性が損なわれないように、評価情報が客観的事実に基づくものか否かのチェック体制を構築しております。今後も評価情報の客観性を高め、中立性の確保を図り、信頼性をさらに向上させる必要があると考えております。

③ フィデューシャリー・デューティー(金融機関の顧客本位の業務運営)への対応

 政府が2016年6月2日に閣議決定した「日本再興戦略2016」のなかに「金融機関に対しては、利益相反の適切な管理や運用高度化等を通じ、真に顧客・受益者の利益にかなう業務運営がなされるよう、フィデューシャリー・デューティーの徹底を図ることとし、これにより、国民の安定的な資産形成への貢献を促す」とあります。これは当社の事業の目的と合致するものであります。

 また、金融庁は2016年9月15日に公表した「平成27事務年度金融レポート」のなかで、金融機関に対し、(1) 良質な金融商品の提供と投資信託選定プロセスの透明化、(2) 金融機関と顧客の間にある「情報の非対称性」の解消と顧客本位の業務運営、(3) 顧客の金融リテラシー強化と顧客の「投資への興味促進」を求めています。当社は、これらのソリューションとなるサービスを金融機関に提供してまいりました。

 (1)について、当社は、金融機関に投資信託のラインナップ分析や導入ファンドの選定支援などのファンドレポートを提供しております。(3)について、当社は投資家の皆様に金融情報をWEB上で無料提供し、資産運用セミナーには無料でご招待しております。

 特に、(2)について、金融機関の販売員の皆様が顧客である個人投資家に、適切に金融商品の説明ができるツールとしてタブレットアプリを提供しております。その台数の増加に努め、より多くの投資家が適切な金融商品の説明を受けるようにすることで、フィデューシャリー・デューティーに貢献し、同時に当社グループの安定した収益基盤を拡大していきたいと考えております。

④ 提供情報の拡大および情報環境の変化に迅速かつ適切に対応できる体制の構築

 当社は、国内外の投資信託をはじめとする金融情報をデータベースに蓄え、このデータベースを基盤として、順次提供情報の質的・量的拡充に努めてまいります。また、スマートフォンやスマートタブレットなどの最新の情報端末による金融情報提供を行ない、金融市場、インターネット環境の変化に適宜対応する努力をしてまいりました。

 2011年3月期に開始したタブレットアプリによるファンドデータの提供は、当連結会計年度末には115,645台となり、タブレットアプリ「Wealth Advisors」によるデータ提供は、当社の収益の大きな柱となりました。

 当社グループは、国内・海外のファンドデータ、株式、企業情報、暗号資産等のデータをさらに拡充し、他社の追随を許さない総合的金融情報を提供する体制を整え、情報環境の変化に対応できる体制を構築し、常に最新の情報機器、コミュニケーションツールを活用した商品・サービスを提供していきたいと考えております。

 そのために、設備投資の状況に記載のとおり、提供サービスの品質向上、情報データベースの拡充のための設備投資を怠りなく実施していきたいと考えております。

⑤ アセットマネジメント事業の強化

 当社グループは、アセットマネジメント事業の強化を図ってきました。

 当社グループは、これまで子会社SBIアセットマネジメント株式会社が行なっている公募追加型株式投資信託の運営を中心にアセットマネジメント事業に、2019年2月に子会社とした米国の資産運用会社Carret Asset Management LLCが運営する海外債券型ファンド等を、2019年12月に、子会社としたSBIボンド・インベストメント・マネジメント株式会社およびSBI地方創生アセットマネジメント株式会社が運営する地域金融機関の自己資金を受託する私募の投資信託を加え、2022年10月にアクティブファンド・オブ・ファンズ等の運用を行う新生インベストメント・マネジメント株式会社を子会社化し、アセットマネジメント事業の範囲を拡大してきました。

 これにより、運用する投資信託の種類・範囲と残高が拡大し、グローバル・アセット・アロケーションの進展に対応し、収益の安定、拡大を図ることが可能な体制となりました。

 お客様の多様化する投資ニーズに対してグローバルな幅広い商品を迅速に提供する事により、当社グループが運営するファンドの運用資産残高は、2019年3月末の12,846億円から2022年3月末には36,976億円、2023年3月末には46,920億円と大幅かつ急速に拡大いたしました。その結果、収益の安定的な拡大を実現する事ができました。

 今後は、新NISAへの先行した対応による競争力のある低コストのインデックス型公募投信により個人資産形成への貢献すること、変化する金利状況に問題解決型の提案による金融機関の運用資金を獲得することで、運用資産の更なる増加を目指してまいります。

 一方で、システム、データ、人員等の経営資源を統合し、業務の効率化と収益力の強化を図り、リスク管理体制およびコンプライアンス体制の一層の強化を図ることで、利益の拡大を目指してまいります。

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