東邦瓦斯 【東証プライム:9533】「電気・ガス業」 へ投稿
企業概要
(1) 経営の基本方針
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
2050年カーボンニュートラル実現に向けた動きやコロナ禍を契機とした急速なデジタルシフトなど、取り巻く環境はかつてないほど変化している。加えて、当社グループでは、導管部門の分社化という大きな体制変更があり、時代の大きな変曲点にある。
そうした中、2022年3月に公表した「東邦ガスグループビジョン」において、当社グループの社員が共通認識に立ち、新たな時代を切り拓けるよう2050年の社会像を思い描くとともに、中間地点となる2030年代半ばに目指す姿として、「地域におけるゆるぎないエネルギー事業者」「エネルギーの枠を超えたくらし・ビジネスのパートナー」「持続可能な社会の実現をリードする企業グループ」の3つを掲げている。
目指す姿の実現に向けた第一ステップとして、中期経営計画(2022~2025年度)で定めた「カーボンニュートラルの推進」、「エネルギー事業者としての進化」、「多様な価値の創造」、「SDGs達成への貢献」の4つのテーマへの取組みにより、新たな成長に向けた道筋を確かなものにする。
〇目標とする経営指標
<方針>
・営業キャッシュ・フローの創出力を維持しつつ、持続的な成長に向けた投資を加速。
・投資拡大局面においても効率性や健全性のバランスをとって全体を管理。
| 経営指標 | 経営目標 |
収益性 | 営業キャッシュ・フロー | 2,100億円以上(2022~2025年度累計) |
効率性 | ROA | 3%程度※1 > WACC※2 (2025年度) |
健全性 | D/Eレシオ | 0.6程度 (2025年度) |
※1 2025年度の連結経常利益250億円程度 ※2 WACC=資本コスト:2%台半ば
株主還元方針 | 安定配当を基本とし、機動的な自己株取得・消却を合わせ、中長期的に連結当期純利益の4~5割を目安として株主還元を実施。 |
中期経営計画におけるキャッシュ・フロー
キャッシュイン | 営業キャッシュ・フロー 2,100億円 借入等 460億円 |
キャッシュアウト | 株主還元 260億円+α 投融資(コア事業:戦略事業=1:1) 2,300億円 |
(2) 対処すべき課題
中期経営計画(2022~2025年度)の2年目となる2023年度は、各テーマの取組みを更に加速させて確実に成果を出すとともに、都市ガス・LPG等のコア事業から電気・再生可能エネルギーをはじめとする戦略事業への経営資源シフトによる事業構造の変革を進める。
①カーボンニュートラルの推進
「カーボンニュートラルに向けて、できること、ぜんぶ。」をコンセプトに、お客さまとともにカーボンニュートラルの実現に取り組む「CN×P事業」を拡大する。
国内では、知多市と連携したメタネーションの実証を開始するとともに、海外では、他社と共同で「e-methane」の製造から輸入までのサプライチェーン構築に向けた検討を進める。また、CO2分離回収技術の高効率化・低コスト化に関する技術開発を着実に推進する。
水素サプライチェーンの構築に向けて、知多緑浜工場で水素製造プラント建設に着手する。また、供給体制の検討や、水素燃焼・混焼等の消費に関する技術開発などの取組みを推進する。
再生可能エネルギー電源の取扱量を拡大し、電気の低・脱炭素化に資するサービスを提供する。
②エネルギー事業者としての進化
「くらしのアレコレ、東邦ガス。」をテーマとした多様な商品・サービスの展開等によりお客さまとの接点を拡大し、中期経営計画に掲げたエネルギーお客さま数300万件の早期達成を目指す。
導管網整備の着実な推進、自然災害対策への取組み、スマートメーター等の先進技術の活用により、ゆるぎない安全・安心と安定供給を追求する。
低廉かつ安定的な調達に向けて、環境変化に強いLNG調達ポートフォリオの構築、多様な電源確保に取り組む。
タイ、ベトナムでのエネルギー事業の開拓や金沢エナジー㈱の事業拡大をはじめ、国内外各地でのエネルギー関連ビジネスの強化を進める。
③多様な価値の創造
「Club TOHOGAS」や業務用お客さま向けビジネスサポートサイト「TOHOBIZNEX」のコンテンツの強化や利便性の向上を進め、お客さまとのデジタル接点を拡大する。
地産情報発信メディア「みたすくらす」と地域の隠れた名品を購入できるECサイト「みたすショップ」を立ち上げ、デジタルプラットフォーム「ASMITAS」の魅力を向上し、お客さまのリピート率を高める。
トラウトサーモンの陸上養殖や高効率農業の実証に続き、他業種との共創等による新領域での事業拡大に積極的に取り組む。
④SDGs達成への貢献
2023年2月に策定した「サステナビリティ方針」のもと、新たにサステナビリティ委員会を設置し、グループ全体でESG課題への取組みを着実に推進する。
地域新電力や包括連携協定による自治体等との連携をこれまで以上に深め、社会課題解決やレジリエンス向上に繋がる地域共生の取組みを強化する。
ダイバーシティや柔軟な働き方に資する制度を整備するとともに、公募型ローテーションをはじめ、社員の挑戦機会を拡充する。
- 検索
- 業種別業績ランキング