日本鋳造 【東証スタンダード:5609】「鉄鋼」 へ投稿
企業概要
当連結会計年度の主な研究開発の内容は次のとおりであり、研究開発費の総額は357百万円であります。
1.素形材関連開発
(1)商品開発
低熱膨張材料LEX®(Low Thermal EXpansion Material)のラインナップの増強のために、半導体用セラミック基板と—100℃~600℃までの広範囲の温度域において同等の熱膨張率を有する低熱膨張材料の開発に成功し、お客様に試作品をご提供し試験中であります。
金属3Dプリンターで製造する低熱膨張材料LEX®に関し、JAXA様や早稲田大学様と共同研究を重ね、その成果の一端として、本年8月頃に北海道・大樹町より当社の金属3Dプリンター製品を搭載した衛星の発射実験が採択されました。さらに、民間企業様からの航空宇宙部品のご注文が増加しており、今後とも、当社の金属3Dプリンター技術の開発に磨きをかけてまいります。
(2)プロセス開発
当社は、我が国で素形材事業を継続するために、スマートファクトリーを実現し、生産性の向上を目指しております。
その実現のために、これまで熟練工に頼っていた作業をいち早くロボット化・3Dプリンター化・AI化を進めております。
2023年度末には高温作業として厳しい環境の「押し湯切断作業のロボット」を実用化いたしました。
2024年度は、「砂型3Dプリンター」「自動溶接ロボット」の技術開発を進め、スマートファクトリーの実現を目指してまいります。
2.エンジニアリング関連研究開発
(1)支承部耐震補強のための簡易的な移動制限装置の開発
橋梁支承部の耐震補強に用いる移動制限装置において、従来製品にエネルギー吸収性能を付加することで、地震時における桁の移動量を抑制するとともに、復旧性を高める装置の開発を行っています。今後も、ニーズとシーズの両視点から、環境に配慮した製品ラインナップの充実を図るとともに、より高い価値とサービスを社会に提供できるよう努めてまいります。
(2)既設支承に対する応急的な補強構造の開発
橋梁支承部の耐震補強において、構造上等の制約から既設支承を現在の耐震基準に見合った支承に取替える、あるいは水平力分担装置などを設置するまでに時間を要することがあります。そのような場合において、既設支承部の保有耐力を応急的に向上させる装置の開発を行っています。今後も、顧客の様々なご要望に対応するとともに、当社のノウハウを生かした製品の開発に努め、持続可能な社会の実現に向けソリューションビジネスを展開してまいります。
(3)高性能型高減衰ゴム支承(HDReX)の拡販
HDReXは、次世代の免震ゴム支承であり、大規模橋梁の新設工事などで採用の多い免震形式への提案に努めています。引き続きHDReXを橋梁へ適用した場合の優位性を解析的に検証しながら、拡販に向けてHDReX の提案と実適用を図ってまいります。
(4)独自技術を生かした水平力分担装置(DCストッパー)の拡販
当社の高じん性鋳鋼を用いたDCストッパーは、橋梁支承部に設置する水平力分担装置です。DCストッパーは、橋梁の耐震性向上のみならず、想定を上回る地震動が生じた場合でも橋梁の危機耐性向上にも寄与できることから、耐震補強への提案に努め、引き合いをいただいております。今後は、付加価値のあるDCストッパーをより積極的に提案するとともに、更なる高機能化・高付加価値化を目指し、商品開発に尽力してまいります。
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