企業扶桑化学工業東証プライム:4368】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの研究開発活動は、ライフサイエンス事業については新大阪事業所および東京研究所、電子材料および機能性化学品事業については神戸研究所および東京研究所を拠点としています。各拠点において、販売戦略ターゲットに対応し、海外子会社を含む営業関連部門や品質保証部門等との相互連携、ユーザーとの相互協力を図りながら、新規事業・製品の開発、技術開発情報の収集等を行いました。また、当社では各セグメントに配分できない研究開発活動を行っています。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は、次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は850百万円となりました。うち、各セグメントに配分できない研究開発費は9百万円となりました。

(1)ライフサイエンス事業

 環境への問題意識の高まりによる持続可能な食品の需要増加、特定の健康目的を食品に期待するといった健康志向の高まりなど、食品業界はどんどん変化しており、これらのトレンドは食品業界の将来に大きな影響を与えていくと考えています。当社として、主力製品である各種有機酸を活用しながらこれらの変化に対応するべく、コート果実酸や食品添加物製剤といった付加価値を有する商品の開発に注力しました。

 既存の有機酸粒子の表面を油脂で均一にコーティングしたコート果実酸については、積極的に外部での評価を進め、市場増大が見込まれるグミ・キャンディー向けを中心に、大阪工場に導入した生産設備を活用しながら本格的に供給を開始しました。そして、酸のダメージを受けやすい他成分への影響を軽減できる特徴を活かし、菓子はもとより麺やパンなどの加工食品からサプリメントや粉末プロテインといった健康を目的とする食品まで、幅広くお使いいただけるよう取り組みを行い、引き合いを多数いただいています。

 また、有機酸とその塩類を複数組み合わせることによって、これまでにない形態にできることを見出せており、それら技術に関する特許出願を行いながら検討を進めました。通常液体である酢酸を、他の有機酸やその塩類と組み合わせて加工することにより、酢酸を比較的高濃度で粉末化したものについては、食品の保存性向上はもとより健康目的のサプリメントなどへ利用いただくことを想定して、引き続き研究開発を行っていきます。

 そして、グルコノデルタラクトンを米飯加工品の保存性向上に、アスコルビン酸(ビタミンC)を食品の褐変・変色防止に、グルコン酸ナトリウムを大豆等の植物性原料特有の不快風味改善にと、その対象となる課題に対し有機酸類の効果がより発揮できるような食品添加物製剤の開発を行いました。そして、積極的に拡販活動を進め、それぞれの得意とする分野においてそれら開発商品が採用されるに至りました。食品ロスの低減という問題解決に有機酸類がますます貢献できるよう、今後とも取り組みを継続していきます。

 その一方で、電子材料業界向けに有機酸中の不純物を極力排除して超高純度化する技術の確立など、新たな分野に対する取り組みも鋭意行っています。こういった技術をベースにしながら有機酸に新たな機能を付与することを引き続き追求し、お客様に満足いただけるような商品づくりに努めます。

 なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、315百万円となりました。

(2)電子材料および機能性化学品事業

 シリコンウエハ研磨および半導体CMP研磨スラリー向けの超高純度コロイダルシリカ製品および新規用途向け応用製品の開発は、神戸研究所および東京研究所の2拠点での人員配置の最適化や継続的な研究設備の導入・整備により順調に進んでいます。

 テクノロジーノード2nm以降の次世代半導体の研磨スラリー向け超高純度コロイダルシリカ製品分野では、粒子のサイズや形状、表面状態、粗大粒子数等をより精密にコントロールする技術の発展に引き続き注力しており、顧客ニーズにマッチした新製品の開発が進み採用に結びついています。また、新たなコンセプトを導入した超高純度コロイダルシリカの開発については、顧客へのサンプル提出や評価結果のフィードバックを受けて改良を進めています。さらに、2023年度に導入した最新鋭分析装置による分析技術の高度化により半導体のさらなる微細化に向けたシリカ粒子の開発取り組みは順調に進んでいます。

 製造技術については、半導体配線幅の微細化に対応した製造工程品質管理体制を継続的にブラッシュアップ、および最新鋭の機器を含む既設製造ラインを高い水準で稼働しています。また、2023年4月に完成した鹿島事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備は顧客認定が進められており、さらに京都第二工場への超高純度コロイダルシリカ製造設備の新規増設についても計画通り進行しています。これにより2025年度には、2022年度比約1.5倍の生産能力増強を達成し、旺盛な半導体業界の需要に迅速に対応する計画は変更なく進んでいます。

 情報産業向けに上市しましたナノシリカ粉末製品の販売や顧客へのワーク継続と共に、新規用途向け応用開発品について、ビジネス獲得に向け技術要求に合わせた開発を東京研究所にて進めています。加えて神戸研究所においてコア技術をベースとした新規分野向け製品の拡充に向け、開発活動を継続しています。

 なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、525百万円となりました。

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