企業兼大株主太平電業東証プライム:1968】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループの研究開発は、工事施工の能率および安全性の向上を目的とした機械・工具等の開発・改良と、受注領域拡大のための新分野技術の研究・習得を主体として行っております。開発品および開発工法を通じ、社員指導教育も併せて実施することで社員の専門知識の向上、技術レベルの向上を目指し活動を行っております。

当連結会計年度における各種プラント設備の建設、補修、維持関連の研究開発費はグループ全体で158百万円であり、その主なものは次のとおりであります。なお、当社グループの研究開発活動においては、各セグメントに関連したものが非常に多いため、セグメント別の記載はしておりません。

(1) CO2利活用・基礎試験(生育環境が農作物へ与える影響について)

 当社は、国際連合が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の一つである「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の達成に貢献するため、バイオマス発電所を中心に地域循環型社会の実現に向けた取り組みを進めております。

 バイオマス発電とは、木材などの植物資源を燃料とし、燃焼時の熱を利用する発電のことを指します。植物を燃焼した際、CO2が排出されますが、植物は成長過程でCO2を吸収するため、CO2の排出量と吸収量は相殺され、大気中のCO2を増加させない、「カーボンニュートラル」な発電方法であります。当社は、これをさらに発展させ、バイオマス発電所から排出されたCO2を回収し、農業ハウス内の農作物へ施肥することで、排出量を実質的にマイナスにする「カーボンネガティブ」の実現を目指しております。

 この活動の基礎となるデータ収集のため、2022年度から広島大学と共同で研究を進めております。2024年度は、当社所有の「西風新都バイオマス発電所」の排ガスから回収した純度の高いクリーンなCO2を敷地内にある農業ハウスに供給し、実際の栽培環境で多品種の農作物のCO2吸収量を測定する比較試験を行いました。CO2を供給した農作物は、収量増加や風味向上といった効果が期待できます。

 本研究の成果を全国展開し、持続可能な社会の実現に貢献できるよう、今後も研究を進めてまいります。

(2) 廃止措置工事に向けた福井工業大学との共同研究

 原子力発電設備の廃止措置分野は、今後、廃炉ユニットの増加が予想されます。当社は、原子力発電所における豊富なメンテナンス・補修実績を生かし、廃止措置工事における技術的課題をいち早く掴み、当該分野における技術的優位性の確立と受注拡大を目指しております。そこで、原子力発電設備の廃止措置工事に適応可能な技術について、2017年度から産学連携で福井工業大学と共同研究を継続して行っております。

2024年度は、「超音波とゲルを組み合わせた除染技術の開発」について共同研究を行いました。当初、物理的除染法に関して、超音波によって発生するキャビテーション(液体中の圧力差による微細な泡の発生と消滅)の衝撃波を利用し、構造物表面に付着した放射性物質を除去する技術を検討しました。しかし、超音波は伝播距離や媒質によって減衰するため、大型構造物の除染には装置の大型化が必要となること、また、付着物を脱離させることは可能でも、化学的に強固に結合している酸化物を除去することは困難であることが判明しました。そこで、超音波の使用を改め、2023年度に開発した除染剤の性能向上を図る研究に取り組みました。具体的には開発した除染剤に研磨剤を添加し、ウェットブラスト装置を使用して除染することの検討※1を行い、また、噴霧作業の環境改善を目的とした、除染剤に増粘剤を加えペースト状にする手法※2を考案しました。本件に関して下記2件の特許を出願しております。

※1 「スラリー及び除染方法」 (特願2024-211711)

※2 「ペースト状組成物及びペースト状組成物の生成方法」 (特願2024-155383)

 次年度は、2024年度に開発したこれらの手法の現場適用性を検証するための研究を進めてまいります。

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