企業ネクストジェン東証スタンダード:3842】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)経営方針

 当社グループは企業理念を「時空を超えてヒトやモノをつなぎ、豊かな社会を創造する」としています。大手通信事業者が求めるキャリアグレード(短時間の停止も許されない公共的社会インフラを支える技術や品質)の製品・サービスを提供するとともに、グローバルスタンダードであるインターネット技術をベースにした先進的なコミュニケーション・サービスを提供していきます。

(2)経営戦略等

 当社グループは、NTTの技術者を中心に創業され、電話公衆網で必要とされる技術・品質レベルを理解し、かつ短時間の停止も許されない信頼性を実現する技術力を持っています。また、ネットワークやコミュニケーションの最新技術を同時に活用し、クラウドサービスとして提供することが可能です。従来得意としている、グローバルスタンダードな海外製品を、日本国内の制度やシステムに適応させ、多種多様なソリューションとして提供するなど、当社グループの特性を活かしたビジネスモデルを展開しています。

 当社グループの事業は単一セグメントで、いずれもコミュニケーションに関する最先端の技術を提供する事業を行っています。この事業には2つの事業領域があり、2つに分けて管理しています。一つ目は、「ボイスコミュニケーション事業」、二つ目は「コミュニケーションDX事業」です。

 ボイスコミュニケーション事業において、当社グループのコア製品であるSBC(Session Border Controller)を始めとして、当社グループのネットワーク技術をベースとした音声技術製品群は、大手通信事業者様の電話通信網で引き続き重要な役割を果たしており、安定した稼働を保証する保守サービスを提供することが、求められています。大手通信事業者は、IP化された電話通信システムの更改・機能強化を進めており、当社グループのソフトウェアSBC「NX-B5000」は、今後も販売、保守サービスにおける需要が見込まれます。また、企業向け電話システム市場においても、働き方改革、DX推進の進展によりクラウドPBX(クラウド型社内電話交換システム)サービスの契約数が伸びています。そのほかには、コンプライアンスの強化の観点から、コンタクトセンターにおける通話録音や音声認識の引き合いも増加傾向にあり、それに伴い、老朽化した通話録音装置のリプレイスに関する案件の獲得も増加しています。

 今後は、当社グループのソフトウェアIP-PBX「NX-C1000 for Enterprise」やソフトウェアSBC「NX-B5000 for Enterprise」をベースに開発した当社グループの「U-cube voice」や「U-cube friends」等のクラウドサービスを、パートナー事業者を通して一層拡大していきます。あわせてクラウドサービスを提供する事業者や、クラウドサービスを開始する事業者に対して、当社グループのソフトウェアPBXやソフトウェアSBCを提供し、同事業者がサービスメニューを速やかに立ち上げ瞬時に拡充し、販売を拡大できるというビジネスモデル「Enablerサービス」の推進にも注力します。

 こうした取り組みの一環として、クラウドサービス事業者間の連携を強化することを目的に、パートナー各社を組織化し情報交流、技術交流を進める場、「NextGen CaMP」を設立しており、現在はエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社始め、18社に加盟頂いています。

 コミュニケーションDX事業においては、海外のトレンドに目を向け、国内への導入展開をする取り組みを進めています。一つ目の取り組みは、長年取り組んできたAIによる音声認識を活用し、工事現場での安全ミーティングの質を高めるためのシステムである工事KY(工事危険予知)ソリューションの高度化などがあります。二つ目の取り組みは業務プロセスにおいて、分析・設計・実行・監視、改善を行うBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)システムとクラウド技術を活用して、「業務の効率化・最適化」を推進する事業です。三つ目の取り組みは、特殊電話詐欺対策として、「電話を取らない」のではなく、発信者の正当性を証明する仕組みを構築し、必要な電話や重要な通話を安心して受けられるようにするシステム等、様々な事業アイディアの創出です。今後もこうした新規性のある構想に積極的にチャレンジしていく予定です。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの中長期的な見通しにつきましては、経営環境の変化に柔軟に対応し、より現実的な数値目標を設定すべく、毎年、直前事業年度の業績等を踏まえて次年度以降の中期経営計画の見直しを行っております。

 事業の成長とともにキャッシュを生むことが重要であるとの経営判断に基づき、2028年3月期(通期)の連結売上損益として、売上高 50億円、営業利益 4億円、EBITDA 7億円を計画しています。利益率の高いサブスク型ビジネスが収益の安定基盤となることで、当社グループ事業の成長を見込んでいます。

(4)経営環境

 当社は、経営基盤のさらなる強化と企業価値向上を図るため、2025年2月17日付で東京証券取引所グロース市場からスタンダード市場へ上場市場区分を変更するとともに、名古屋証券取引所メイン市場への重複上場に至りました。これにより、さらなる幅広い投資家層への認知拡大と流動性の向上を目指し、経営環境の変化に柔軟に対応できる体制を整えています。

 当社グループの主要事業であるボイスコミュニケーションサービス分野においては、国内大手通信事業者、海外からのサービス事業者(例えば、ZOOM等)、新規参入のサービス事業者による新サービスの市場への導入や価格競争があり、市場は活性化しています。また、コロナ禍をきっかけに、リモートワークは多くの人にとって一般的な働き方のひとつとなり、オンライン会議も日常的な打ち合わせの手段として定着しました。

 こうした中、当社グループが創業以来事業の中心としてきた音声通信ネットワーク技術、IPによるボイスコミュニケーション、電話の通信技術の変革は、大きな節目を迎えました。日本の固定電話通信サービスのネットワークである公衆交換電話網をインターネット技術によって置き換えるという大事業を完了させました。これにより、音声通信の効率は劇的に改善し、またその結果として国内の音声通話料金は大幅に低下致しました。当社グループの事業機会は益々拡大していくものと認識しています。

 一方、これらの市場の変化は、同時に販売形態の変化を伴うことがあります。1件あたり数億円の大きなプロジェクトでハードウェアとソフトウェア・ライセンスを通信会社へ一括販売するワンタイム型のビジネスが減少傾向にあり、顧客自らハードウェアを持たないクラウドサービス、サブスク型のビジネスへ移行するという売上構造のシフトです。これは売上の観点から見ると、大型プロジェクト一括での売上が減少となり、そのギャップを埋めることが過去数年の課題となっていました。そのギャップを埋めるため、保守サービスの増加や、クラウドサービスの拡大、パートナーとのより深い共同事業を行うための新たなビジネスモデルであるEnablerサービスの導入等により、安定した収益を生む構造への転換が進んでいます。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが今後優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。

① 人材の確保と働き方の改革

 当社グループの属する情報通信分野においては、高度化する技術への対応、高度な専門知識を持った技術者の不足等の難題を抱えており、有能な人材の採用と育成、働き方の改革は大きな経営課題となっています。当社グループでは、かねてより柔軟な働き方に対応した制度の導入や生産性を向上させるため、自社のソリューションを活用してきました。このため遠隔地へ転居しても、勤務を継続することや育児・介護を行いつつ仕事も進められる環境が整い、能力ある人材が無理なく仕事を継続できるようになっております。多様な働き方が許容され、必要に応じてテレワークが選択可能である働き方の改革は、優秀な人材の確保に役立ち、当社グループの重要な強みとなっています。当社グループは、引き続きワークスタイルの変革を推進し、優秀な人材の採用・育成を進めていきます。

② 収益力の向上

 売上の拡大と安定した利益の確保を図るため、いわゆるサブスク型の事業・サービスを強化することが重要であると考えており、安定した収益源である保守サービスやクラウドサービスを成長させることに注力しています。株主でもある事業パートナーとの連携により、さらなる売上成長を目指していきます。

 また、収益確保の上で課題である新規プロジェクトの採算管理、スケジュール管理の見直しを進め、着実に収益を上げることができる体制が構築されてきています。今後もさらに改善を進め、プロジェクトの進捗管理に努め、無駄なコストを削減し、DXの推進によって効率アップに取り組んでいきます。

③ 新製品の企画開発

 先期に開発完了し、市場導入したコミュニケーション・プラットフォーム・サービスであるCPaaS(Communications Platform as a Service)は、従来、輸入していた製品サービスを自社開発のソフトウェア、クラウドサービスとして置き換え、音声通話、ショートメッセージ(SMS)、オンラインチャット等、様々なコミュニケーションツールをシームレスに使用できる統合的な基盤です。この基盤を利用し新たなサービスを開発し提供しています。

 当社グループはAI音声認識分野において産学連携を進めており、人材交流や共同研究を通じて、基礎技術の蓄積を図っています。こうして培った技術を安全管理に応用し、工事現場での安全ミーティングの音声収録・評価システム「工事KY(工事危険予知)」を製品化しています。

 これらの技術や取り組みを広く認知いただくためには、広報活動を通じて、当社グループの提供するソリューション・サービスをわかりやすくステークホルダーの方々へ伝えていくことが重要であると考えています。ニュース・リリースやビデオ映像による事業紹介等、情報発信の取り組みを、今後さらに充実させていきます。

④ 品質向上に向けた活動

 当社グループの創業以来培ってきた通信事業者向けソフトウェア開発においては、通信事業者の厳しいサービス運用基準への適合が要求されます。これらのソフトウェアをクラウド上で提供するクラウドサービスにおいても、品質の確保は必須であり、事業を継続していく上で当社グループの重要課題であると認識しています。より高いレベルでの品質確保のため独立かつ客観的な立場で判断ができる品質管理担当を設け、全ての開発プロジェクトに品質プロセスを適用し品質の担保に努めています。

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