グルメ杵屋
【東証プライム:9850】「小売業」
へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「仕事を通じて人生を楽しみ、社会に貢献する」を経営理念として掲げ“食”を通じて社会に貢献する企業を標榜しております。また、「人が育てば企業が育つ」の固い信念に基づいて、経営のあらゆる場面において“教育”を最重点課題として取り組んでおります。さらに、当社は株主を大切にする企業でありたいとの強い願いから株主との対話を重視し、1989年の株式上場以来“開かれた株主総会”を他社に先駆けて実践してまいりました。
今後共、安定収益企業として顧客、株主、取引先、従業員それぞれの期待に応えるべく“バランスのとれた経営”を行っていきたいと考えております。
(2)経営環境及び経営戦略
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費やインバウンド需要の拡大など経済活動の正常化を背景に景気は緩やかに回復してきております。しかしながら、米国の政策動向や、円安の長期化、地政学的リスクに起因するエネルギー資源や原材料価格などの高騰等もあり、依然として先行きは不透明な状況となっております。
外食産業におきましては、経済活動の正常化による人流増加に加え、インバウンドの回復も追い風となり、需要は堅調に回復したものの、米をはじめとする原材料の価格高騰、光熱費等様々なコストの上昇、人手不足による人件費の増加が継続しており、事業を取り巻く経営環境は依然として厳しいものとなっております。
このような状況の中、当社グループはグループ一丸となって事業収益の最大化を図るため、戦略構築と実行を徹底し、企業風土の変革を希求し続けてまいりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 当社グループは、グループビジョン「おもてなしで付加価値の創造を紡ぐ」を掲げ、お客様と従業員、お取引様と事業会社、部下と上司など関係者間の「対等と尊重」「和」などを重んじ、企業風土を変革し続け、付加価値の創造を希求する経営を目指しております。
チェーン展開による日本の外食産業が勃興した前回の大阪万博の頃、実演手打うどん「杵屋」1号店を開店して以来、うどん・そばを中心に多様な業種業態のレストラン事業を展開してまいりました。
加えて、M&A等を重ねることで、①ニッポンの食の魅力を国内外に適正な価格で提供する事業、②地域から求められる生活に欠かせない事業、③参入障壁の高い事業、にもチャレンジし、業容を拡大してまいりました。具体的には「機内食事業」「冷凍おせち料理製造業」「地方卸売市場の開設(建替え・不動産賃貸業)」「地方鉄道・バス事業」「マレーシアにおけるコンビニ弁当・おにぎり等製造業」などであります。
そうした歴史を踏まえて、2025年5月に策定した中期経営計画においては、コロナ禍の守りから転じて、再成長のための戦略実行を各事業で徹底するとともに、ホールディングスである当社が中心となり、M&Aを手段に含めてグループシナジーを創出することで付加価値を高めてまいります。
② 当社グループが主に事業展開する国内市場が少子超高齢社会となり、ライフスタイルの多様化、働く女性・高齢者および外国人労働者の更なる増加、孤食や食の外部化の拡大傾向など外部環境の変化を踏まえ、2030年3月期の目標達成に向けて、初年度である2026年3月期に取り組む各事業の主要な施策は以下のとおりであります。
(レストラン事業)
建築費及び人件費・材料費等の高騰を踏まえて、出店は投資効率を重視し、競争力発揮の再現性が高い立地・業種業態で展開します。また、既存店舗においてもオペレーション改革や業態変更などを行うことで利益率の向上を目指します。
(機内食事業)
コロナ禍を脱し、業績が急回復した前年度に続き、生産体制の改善と更なる効率化を追求するとともに、EXPO2025大阪・関西万博の開催により増加するインバウンド等に対して、強みであるハラール対応を含めた安全安心の食事を提供します。
(業務用冷凍食品製造事業)
業界有数の地位を占める冷凍おせち料理製造業に加えて、近年、急成長する働く世代向けの冷凍宅配弁当市場のODM・OEM事業を強化し、同市場においても有力な業界プレイヤーとなることを目指します。
(その他)
2022年10月に開校した日本語学校が大阪出入国在留管理局から適正校に選定された実績を踏まえ、教室の拡大投資を行い、定員を1.5倍に増やすことを目指します。また、特定技能1号の外国人材を中心とした登録支援機関としては、グループ会社からの委託を受けることで実績を積み上げ、将来的にフードビジネスを中心としたグループ外の人材不足対応への貢献を果たします。
③ 1970年の大阪万博以降に拡大する外食産業を中心に成長してきた当社グループとして、今回のEXPO2025大阪・関西万博に積極的に参加し、祖業とも言える手打ちうどんや創業の地である大阪の食文化を支える全国の産地の食材等の魅力を伝えます。これにより、外食産業だけでなく幅広くフードビジネスを展開する企業グループとしての認知度を高め、新たなビジネスチャンスやパートナーを探索します。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが目標としている経営指標における当連結会計年度の実績値は下表のとおりであります。
経営指標 | 目標数値 | 2025年3月期実績(連結) |
売上高経常利益率 | 5%以上 | 2.2% |
自己資本当期純利益率 | 8%以上 | 7.2% |
自己資本比率 | 50% | 29.4% |
配当性向 | 30%以上 | 24.7% |
当連結会計年度におきましては、売上高は前年同期比50億39百万円増加、営業利益は前年同期比5億25百万円増加、経常利益は前年同期比5億59百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比4億47百万円減少となりました。それにより、売上高経常利益率は2.2%(前年同期比1.2ポイント改善)、自己資本当期純利益率は7.2%(前年同期比6.1ポイント悪化)、自己資本比率は29.4%(前年同期比6.2ポイント改善)となりました。グルメ杵屋グループの次世代に向けた事業構造構築に果断にチャレンジすることで、これらの指標について改善するよう取り組んでまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング