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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon Group DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon Group DNA」は経営理念と社是で構成され、ピジョングループの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は、存在意義とSpiritで構成されており、当社グループが社会において存在する意味と全ての活動における“心”と“行動”の拠り所として定義しております。

 当社グループはこの考えに基づき、Pigeon Wayの軸である存在意義(赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします)の実現に向けて事業を展開しており、その達成に向けた5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。また、事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決をすること、さらに新しいビジネスにも挑戦することで、社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。

(2)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの主な事業領域である「育児用品及び女性向け用品」を取り巻く事業環境は、主力市場である日本・中国をはじめ世界的に出生数が減少する中、原材料及びエネルギー価格等の高騰による物価高や、コロナ禍を経たお客様の価値観、消費行動、育児スタイルの変化、地場ブランドの台頭による市場競争激化等の影響を受けております。これらの事業環境の変化は目まぐるしく、さらに世界経済の先行きに対する不透明感の増加や、国家間の緊張や紛争の発生といった地政学的リスクの高まり等もあり、将来の予測も非常に困難な状況にあります。

 一方、当社グループの主力市場である中国では少子化が進行しているものの、年間900万人規模の出生数や、中間層の拡大ペースを見ても依然として巨大市場であることには変わりなく、また、アジア各国やその他新興国等においても出生数の大きな市場が複数存在し、中長期的にはEコマースの浸透・発達や経済成長に伴う消費の拡大等が見込まれております。さらに、成熟市場である日本においても、お客様の育児スタイルや消費行動の変化をとらえた新たな成長機会の創出や、これまでは限定的であった欧米市場における育児用品の本格展開に加えて、世界全体では当社グループが未参入の市場も多く、これら既存及び新規市場における事業活動の強化・深耕によって、今後の成長が十分期待できるものと考えております。

 このような環境の中、当社グループは、「存在意義」を実現し、社会になくてはならない存在として中長期的に成長するために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、以下5つの要素を設定しております。

1. 事業競争力向上とビジネス強靭化

2. 環境負荷軽減

3. 社会課題への貢献

4. 存在意義実現のための人材・組織風土

5. 強固な経営基盤の構築

「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」においては、これら重要課題(マテリアリティ)を念頭に、グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、次に示す3つの基本戦略を着実に実行してまいります。加えて、既存事業領域での持続的な成長はもとより、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力し、事業構造の再構築を積極的に行ってまいります。

1. ブランド戦略:

 存在意義を企業活動の軸とし、商品を通じたブランド力向上に注力する。

2. 商品戦略:

 ものづくりを強化し、自社の優位性を活かせる哺乳器・乳首、ベビースキンケアへの集中と新規領域の探索を行う。

3. 地域戦略:

 各事業での自己完結体制を強化し、市場特性に合わせた生産・販売体制の革新による効率化や収益性改善、サプラ イチェーンの安定化、新規市場への拡大準備を積極的に行う。

 既存事業領域においては、自社の優位性・競争力を活かせる基幹商品として、特に哺乳器・乳首、ベビースキンケアカテゴリを更に強化すべく、新たな育児スタイル提案、新素材の検討、環境やローカルニーズへの対応など、ポストコロナの社会変化に沿った製品・サービスの充実を図ってまいります。あわせて、各事業における各種商品・販売戦略の抜本的な見直しやサプライチェーン改善等の構造改革の実行により、持続的な成長を目指してまいります。一方、当社グループが未参入かつ自社優位性の応用が期待できる領域として、顧客ターゲットの拡張につながる高月齢の赤ちゃん・キッズ向けの商品(エイジアップ)や、顧客親和性の高い女性ケア商品などをはじめとする新規商品カテゴリの創出・育成、またアフリカ地域をはじめとした新規市場への参入なども積極的に検討及び実施することで、次世代の成長を担う新規領域の探索・育成にも注力してまいります。

 加えて、当社グループ全体を統括するグローバルヘッドオフィス(GHO)の機能は引き続き強化するとともに、事業の運営と成長を担う4つの事業部門(日本事業、中国事業、シンガポール事業及びランシノ事業)の役割と責任を明確にし、相互に連携することにより、事業の永続的な成長及びコーポレート・ガバナンス等の経営基盤の強化を図ってまいります。なお、当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。また、重要課題(マテリアリティ)への取組みを着実に行い、環境(E)、社会(S)及びガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求することによって、事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決することに加え、新しいビジネスにも挑戦することで、当社グループは社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上、そして存在意義の実現を目指してまいります。

 また、2024年8月14日に公表いたしました当社グループ子会社元従業員による架空発注や転売等の不正行為の発生につきましては、株主・投資家、お取引先等の皆様をはじめ、全てのステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けする事態となりましたことを深くお詫び申し上げます。当社は、社内及び外部有識者による調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、2024年12月10日に公表のとおり、「発注及び支払にかかる業務フローの見直し」をはじめとした全4項目の再発防止策を策定し、引き続き迅速な実施と徹底を図ってまいります。また今後もグループ一丸となってコンプライアンス経営の推進に一層注力し、皆様の信頼回復に全力で取り組んでまいります。

(3)経営戦略等

「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」においては、既存事業領域での持続的な成長に加え、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行いながら、グループの事業拡大と経営品質向上を目指してまいります。

 なお、本中期経営計画期間における各事業戦略の概要は、下記のとおりであります。

「日本事業」

・価格改定や商品ポートフォリオ見直しによる収益力改善

・新規カテゴリ創出(エイジアップや女性ケアなど)

・自社ECサイトの強化

「中国事業」

・哺乳器・乳首、ベビースキンケアの更なる強化

・新規カテゴリ創出(エイジアップや女性ケアなど)

・サプライチェーンの見直しなどによる事業再編(韓国での自社直販体制への移行など)

「シンガポール事業」

・哺乳器・乳首、スキンケアを核とした事業成長の加速

・上位中間層~プレミアム層向けのものづくり強化

・サプライチェーンの見直しなどによる事業再編

「ランシノ事業」

・さく乳器、産前・産後ケアカテゴリの強化及び育成

・バイオデザインを活用した新商品、新カテゴリの開発

・販売体制の見直しなども含めた欧州事業の効率化

(4)目標とする経営指標

2023年12月期を初年度とする第8次中期経営計画に沿った取組みを着実に実行していくことで、最終年度である2025年12月期の到達目標水準を、売上高113,800百万円、営業利益16,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,400百万円とし、また収益性、資本効率の一層の改善を図るために、ROE、ROICやPVA(Pigeon Value Added)などを経営指標として重視し、更なる向上を目指してまいりました。しかしながら、2023年に発生した中国でのALPS処理水の影響など、想定外の課題にも直面し、最終年度である2025年度の当初目標達成は難しい状況です。

2025年12月期の業績見通しにつきましては、当連結会計年度の業績を踏まえ、売上高109,700百万円(前期比5.3%増)、営業利益12,900百万円(同6.3%増)、経常利益12,900百万円(同2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,400百万円(同0.3%増)と予想しております。第8次中期経営計画期間の最終年として、各事業において取組みの成果を最大限創出するとともに、本中期経営計画期間に新たに顕在化した課題に対処し、次期中期経営計画も視野に入れた成長への布石を打ってまいります。

より抜粋
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