武蔵精密工業
【東証プライム:7220】「輸送用機器」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、Origin(創業の精神)、Purpose(使命)、Way(行動指針)で構成されるムサシフィロソフィーを基軸に事業を運営しております。
ムサシフィロソフィー
激変する事業環境の中、当社は長い歴史の中で培った挑戦のDNAを受け継ぎ、長期ビジョン「Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~」を実現することで、新たな価値の創出と更なる成長を目指します。
・ムサシ100年ビジョン Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~
-人:自らの限界を壊し、ワクワクする仕事をしよう!
-しくみ:組織・風土の壁を壊し、常に変革を起こそう!
-事業:常識・既成概念を壊し、世界をあっと驚かせよう!
(2)中長期的な経営戦略
当社グループにおいては、ムサシ100年ビジョンの実現に向け、人・しくみ・事業の各視点で以下の方針を定め、既存事業(コア事業)の深化と、新規事業の創出による更なる成長を目指しています。
・人:ムサシフィロソフィーの体現、ビジョンへの挑戦
ムサシ100年ビジョンのグローバルでの実践に向けて、将来を担う、高いスキルを持ったプロ人財や、新しい働き方で価値を生み出す自律人財の育成を目指しています。
全ての活動の基軸であるムサシフィロソフィーについて、階層別の期待行動を具体化し、実践のための教育プログラムの整備やそれに連動した人事評価制度のしくみを導入することで、各個人が能力を高め、発揮し、活躍できる環境・企業文化づくりを進めてまいります。
・しくみ:Musashi DXの実現
デジタル技術を活用した業務の標準化、自動化、最適化により業務プロセスを高効率化し、さらにデジタル化されたプロセスの中で蓄積されるデータの利活用により、新たな価値の創出にも挑戦します。
また、デジタルトランスフォーメーション実現のため、進化したツールを使いこなし、価値を生み出すことができるデジタル人財の育成にも取り組んでいます。デジタル技術に対するリテラシー向上や、クラウドツールを活用した業務改善アプリの製作といった実践スキルを学ぶプログラムを整備し、新たな時代の成長基盤となるデジタル前提の企業文化を構築してまいります。
・事業:強いコア事業の確立、新規事業の創出
電動化の機会をとらえた、コア事業の拡大と収益性の向上に取り組みます。QCD+E(品質、コスト、デリバリー+環境)の観点で最適なものづくりを追求していくとともに、将来を担う新技術の仕込みや、オープンイノベーションによる新規事業の創出にも取り組みます。
当社グループの得意技術を活かした電動車向け商品の競争力強化・ラインナップの拡充に加え、既存商品の稼ぐ力を継続的に高めることで、電動化時代のキーデバイスサプライヤーとしての成長を目指します。また新規事業領域においては、主要4分野(e-Mobility、Energy Solution、Smart Industry、Well-being)において、社会課題の解決に貢献できる事業の創出に取り組んでいます。
・Musashi GX(グリーン戦略の推進)
当社は、2021年5月にカーボンニュートラルの実現に向けた中長期目標を発表いたしました。当社が創業100周年を迎える2038年までに事業活動(*1)でのカーボンニュートラル(グリーンオペレーション100)、2050年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルの実現を目指します。全ての事業活動を対象に、省エネ化や再生可能エネルギーの利用拡大などの取り組みを価値に変えるグリーン戦略を策定・実行してまいります。
製造工程においては、CO2の見える化と徹底的な省エネ化、再エネ活用を進め、CO2排出を抑えた低炭素商品の実現を目指しています。また、自動車のCO2排出低減に貢献できる技術・商品の開発や、一人ひとりの意識・行動を変えていくことによる事業活動全般における低炭素化を通じ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
(*1) GHGプロトコルのScope1,2を対象
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループでは、収益性の向上を経営上の重要課題の一つとして捉えています。競争力の高い商品開発や生産プロセスの効率化、財務規律の確保に向けた諸施策により、売上高に対する利益率や資本効率性(ROA・ROE・ROIC)を高め、長期的な企業価値向上を目指しています。このほか、自己資本比率や借入金依存度などの指標により財務の安全性や健全性にも配慮しております。
(4)経営環境及び対処すべき課題等
自動車業界では、米国による新たな関税政策の導入など、事業環境が急激に変化しています。これまで進んできたEVシフトについても、中国ではEV比率が50%近くまで上昇し現地メーカーの躍進が著しい一方、欧州では補助金政策見直しにより市場成長が鈍化しています。米国ではハイブリッド車のシェアが増加するなど、地域ごとでばらつきが見られてきています。当社グループでは、これらの外部環境変化を踏まえ、自動車部品事業の競争力を維持しつつ、テクノロジーを活かした新規事業展開を加速するため、以下を重要課題として取り組んでいます。
1.グローバルオペレーションの強化+マネジメント体質の向上による"稼ぐ力"の最大化
今後の成長につなげる原資を確実に確保するため、既存のインフラを最大限に活用します。生産現場では、デジタル技術をフル活用した工場自動化に取り組んでいます。生産体質の改善を進めることにより、収益力の向上につなげます。
2.EV時代をリードする事業構造への転換
当社グループは、EV、ハイブリッド車、内燃機関車、それぞれの機構変化に柔軟に対処できる多様な戦略オプションを構築しています。特に、EV化の進展に伴い必要とされるデファレンシャルアッセンブリィのコンパクト化、減速ギヤ/シャフトの高精度化・静音、リンケージ&サスペンション部品の軽量化・低フリクション化を通じ、顧客に選ばれる付加価値の高い商品を提供します。
3.新規事業の1→10フェーズの加速
新規事業領域では、Energy Solution事業が成長期に入っています。ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)は、高い出力密度とエネルギー密度を高度に両立する特性を持ち、大規模データセンター向けのニーズが高まっています。旺盛な需要にお応えするため 、急ピッチで生産体制の整備を進めています。既存工場の生産能力拡張に加え、山梨県南アルプス市に年間生産能力500万セルの新工場を建設しています。e-Mobility事業では、インドで2輪EV向けe-Axleの量産を開始しました。アフリカではケニアやエチオピアの政府や現地パートナーと連携し市場開拓を進めています。Smart Industry事業では、北米でAI外観検査機の受注が拡大しました。物流分野での効率化ソリューションの提供も目指しています。
4.事業活動を通じたサステナビリティの実現
当社の事業活動は、ムサシフィロソフィーを基軸にしています。ムサシ100年ビジョン"Go far beyond!"の実現を目指し、事業活動そのものを通じて社会課題の解決に貢献することで、持続的な成長とサステナブルな社会の実現に取り組みます。
5.貿易環境の変化に対応する強靭なサプライチェーンの構築
当社グループでは貿易環境の変化に迅速かつ戦略的に対応するため、各市場の特性に合わせた現地生産体制の強化や、国・地域間の部品供給ネットワークの最適化を進めています。生産体制の最適化だけでなく、調達の見直しも含めた包括的な対応策を講じることにより、関税政策の変化に柔軟に対応できる強靭なサプライチェーンの構築を目指します。
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