クロスキャット
【東証プライム:2307】「情報・通信業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、創業以来「知識・技術・創意」という知的要素である「技」を高め、お客様には「誠意」~どんな困難な局面においても意欲・忍耐・信念を失わない「心」~で対応する「心技の融和」を企業理念とし、社会に貢献する企業を目指して企業経営を推進しております。
また、当社は、先進的なアプリケーション開発技術と、多様な運用ノウハウを駆使し、顧客への総合的かつプロフェッショナルなサービスの提供に努めます。そして、常に時代を見る眼と、みずみずしい感性を持ち、世のトレンド、環境にフレキシブルな対応ができるよう、新技術の獲得には他社より一歩先んじて取り組んでおります。
これら企業理念及び経営理念をベースとした独自の価値を提供し、様々なステークホルダーに選ばれる企業を目指し、中長期的(10年)な企業のあり方を示す経営ビジョンを「独立系情報サービス企業として、持続的な企業価値向上と社会への貢献」と定めております。
独立系情報サービス企業として株式上場を維持し、お客様、株主、従業員など全てのステークホルダーの期待に応え、社会への貢献を果たします。そして、創業50年を経て、次の100年を目指す企業として持続的な成長を実現してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経営の基本方針であります企業理念及び経営理念をベースとした中長期的(10年)な企業のあり方を示す経営ビジョンの財務目標・KPIsとして、売上高300億円以上、営業利益30億円以上、1株あたり当期純利益200円以上、時価総額450億円以上、社員数1,200人以上を掲げております。
顧客の視点に立った経営を基本に、品質と生産性の向上により顧客満足度を高めると共に、収益性及び資本効率性を重視した経営の効率化を進め、企業価値の向上と事業の拡大を目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中長期的な経営方針である経営ビジョンの方針のもと、新中期経営計画「Growing Value 2026」を2024年4月よりスタートさせました。新中期経営計画では「提供価値を高め、お客様に必要とされる企業」を目指し、その企業像を実現するための基本方針として、「当社の提供価値である品質・効率性・専門性・ノウハウを組み合わせたサービスの質を高め、カスタマーサクセスへの貢献を目指す」と定め、この基本方針に沿った以下5つの基本戦略ごとの取組を推進しております。
① 価値提供モデルへの転換
両利きの経営を推進し、カスタマーファーストの考えのもと、人的リソース依存から脱却し、クロスキャット独自の強みを追求して付加価値を高めてまいります。
② アセットベースビジネスの拡大
公共や銀行、クレジットなど、様々なプロジェクトで蓄積されるノウハウや技術等のナレッジをアセット化し、活用・再利用することで知識集約型企業への転換を図ります。
③ 顧客基盤の強化
エンドユーザー比率の拡大に向けて、既存顧客への積極的な情報提供や提案活動、アライアンス先との共創活動、「CC-Dash」のフル活用したクロスセル・アップセル活動などを通じて、エンドユーザーコミュニティの拡充を図ります。
④ 人材・組織力強化
当社の価値の源泉である社員に対して積極的に人的投資を行い、IT人材の強化を図るとともに、自発的貢献意欲の醸成、組織風土や職場状況の改善などのエンゲージメント施策を推進します。
⑤ 各社の強みや特徴を活かしたグループ経営の展開
クロスキャットグループ各社の連携によるグループシナジーを追求することで、グループの提供価値と効率性を高め、グループ全体の収益性を向上させてまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
わが国経済は、国内では雇用や所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が持続しているものの、米国の通商政策の懸念や不安定な国際情勢に伴う原材料や燃料価格の高騰、円安による物価の上昇等により、景気の先行きは依然として不透明な状況が予想されております。
当社が属する情報サービス産業を取り巻く環境は、IT人材の不足等の供給面に課題を残しつつも、クラウド、生成AIなどをはじめとする先端IT技術を活用したDXの推進など、社会課題解決に向けたIT投資が引き続き堅調に推移していくと考えております。
このような経営環境下、当社グループは、長期的な経営方針である経営ビジョンのもと、中期経営計画の達成に向け、以下の対処すべき課題に取り組んでまいります。
① 業容の拡大
IoT(Internet of Things)の発展で世の中のあらゆる事象のデータを取得し、取得したデータから新たな価値を創造できるビッグデータやAIは、社会に欠かせない技術となってきており、経営やビジネスの競争優位の獲得に向けたIT投資の戦略性が高まっております。情報サービス業界では、企業のIT投資意欲は高いものの、当社グループが業容を拡大していくには、他社との競争において優位に立つ必要があります。当社は、多様なDX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズに対応する専門部署を社長直轄の組織とし、先端技術を活かしたDXへの取組みを一層推進しております。
また、当社は、長年にわたり金融・保険・公共など、非常に公益性の高い分野にシステム開発を提供しており、お客様と信頼関係を構築しております。お客様の課題を先取りし、当社の提供価値である品質・効率性・専門性・ノウハウを活かした積極的な提案活動を行い、柔軟な資源配分を行うことで顧客内シェアの拡大を図ってまいります。
グループとして、子会社であるクロスユーアイエス・クロスアクティブ・クロスリード各社の得意領域と特徴を活かし、グループ経営のシナジー創出はもとより、事業提携やM&Aについても戦略的検討を継続してまいります。
② 収益力の向上
収益力を向上させるためには、提供サービスの付加価値を高め、1人当たり売上高及び利益を高めていくことが重要となります。
当社は長年、社会のインフラでもある金融・官公庁・製造など様々な組織のシステム開発や保守を担当してきました。社内には多くのナレッジ・ノウハウなどが蓄積されており、これは当社の強みとなる知的財産であると考えています。この知的財産をベースにサービスモデルを変革するとともに、ブランディングの強化により従業員・社会の認知を高め、新規の事業領域の拡大を図ってまいります。
合わせて不採算プロジェクトの未然防止と作業品質の確保のため、長年運用実績のあるQMS(Quality Management System)と国際的なソフトウェア開発プロセスの能力成熟度モデルであるCMMIのノウハウを活かし、PMO(Project Management Office)による監視強化と併せて高いレベルでの品質管理活動を実践してまいります。
③ 人材の育成と確保
情報技術の進化は目覚ましく、当社に求められる技術水準も高く、新たな技術習得も企業成長のために必要です。また当社が属する情報サービス業界ではIT人材が不足しており、最も重要な経営資源である技術者の安定的確保とスキルの向上は、継続的な経営課題といえます。そのため、スペシャリスト採用やリファラル採用などの様々な手法を通じて、新卒採用、キャリア採用ともに力を入れる一方で、M&Aも選択肢とし、人材の確保に努めます。迎え入れた人材が戦力として活躍できるよう、最新技術習得とプロジェクトマネジメントスキルの習得を中心とした社内・外部研修による人材育成に努めております。
人事制度では2025年4月に人事制度を見直しました。中核人材が力を存分に発揮し、活躍の度合いに応じた処遇を受けられることを重視するとともに、従業員自身が適性に合ったコースを選択できるようにコースを細分化し、処遇格差も見直しました。
④ サステナビリティへの取組み
国連が提唱する「持続可能な2030年までの開発目標(SDGs)」の達成を社会的責務と捉えており、当社においてもサステナビリティへの取組みは重要な課題であります。
クロスキャットグループは、サステナビリティ基本方針として「ITソリューションサービスの提供を通じて、お取引先の環境課題をお取引先と一緒に解決する」社会課題解決型ビジネスに取り組むIT企業グループを目指しております。当基本方針に従い、マテリアリティを特定し、年度ごとにKPIの達成を目指すことで、本業を通して社会課題の解決に貢献し、一層のサステナビリティへの取組みを推進してまいります。
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