企業兼大株主三井住友建設東証プライム:1821】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

 当社は、経営理念として「顧客満足の追求」「株主価値の増大」「社員活力の尊重」「社会性の重視」「地球環境への貢献」を掲げ、安全で快適な社会の実現に取組んでいます。2023年10月に、当社グループとして持続可能な社会の実現に向けた社会的責任を果たすため、グループ各社の役員・従業員がとるべき行動の指針として「三井住友建設グループ企業行動憲章」を改訂しました。

 三井住友建設経営理念

https://www.smcon.co.jp/company/policy/

 三井住友建設グループ企業行動憲章

https://www.smcon.co.jp/company/company-policy/corporate-behavior-charter/

<理念と経営計画の体系>


(2) 中長期的な会社の経営戦略

 当社と、インフロニア・ホールディングス株式会社(以下、「インフロニア」といいます。)は、建設と建設サービス(維持管理、運営)の両輪で成長する総合インフラサービス企業の創出を目的に、インフロニアによる当社の普通株式の公開買付け(以下、「本公開買付け」といいます。)を通じた経営統合をすることを決定いたしました。

 当社は2025年5月14日開催の取締役会において、本公開買付けが開始された場合には、賛同の意見を表明するとともに、株主様に対しても本公開買付けに応募していただくよう推奨する旨の決議をしています。

① 建設業界の環境認識について

 当社とインフロニアの中核企業のひとつである前田建設工業株式会社(以下、「前田建設工業」といいます。)は、ともに国内大手の総合建設会社であり、以下の建設業界の市場環境についても、おおむね同様の認識を持っています。

 建設業界では少子高齢化による担い手不足の深刻化や、いわゆる「建設業界の2024年問題」と呼ばれる時間外労働への上限規制の適用により、人的なリソース不足の課題はすでに顕在化しています。一方で、国内においては高度経済成長期に全国に張り巡らされた膨大な数の社会インフラの多くが、整備から50年を越え、老朽化が一斉に進んでいます。

 短中期的には防災・減災・国土強靭化、カーボンニュートラルへの対応といった観点から、国内の公共投資額は底堅く推移し、さらに国内インフラの維持・更新の事業は拡大傾向にあります。ただ、長期的には人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保険費の増大により財政が悪化することで、特に新規の公共工事のための投資は縮小が見込まれています。今後競争が激化することが予測される中で、競争の源泉であるエンジニアリング力(設計・計画から施工管理まで、技術的な知識とスキルを活かして効率的かつ安全にプロジェクトを進める能力)の強化が求められています。

 海外については特に新興国(東南アジア、南アジア、アフリカ等)で進む急速な経済成長により、旺盛なインフラ需要を見込んでいます。

 こうした激しい産業構造の変化に対応していくため、建設業各社としては、競争力を高めることが急務となっており、企業規模やエンジニアリング力、稼ぐ力といった経営要素を抜本的に見直す等、大きな変化が必要だと考えています。

② 本公開買付けを通じ目指す姿

 当社とインフロニアは、本公開買付けを通じて資本関係を構築することにより、両社がこれまで築いてきた成長市場への事業接点、事業基盤、及び顧客接点を最大限活かすことで、激しい変化が予想される建設業界においても、両社の強みである官公庁、民間事業者や、新興国でのインフラ案件の受注を着実に獲得することを目指します。

 特に国内におけるインフラサービスは、防災・減災・国土強靭化の観点からも、豊かな国民生活の基盤をつくるという意味で社会を支える事業そのものであると認識しています。両社あわせての建設事業の年間売上高は単純計算で1兆円以上の規模となることが見込まれ、トンネルや橋梁、河川改修、土地造成、上下水道施設、道路など、フルラインナップで川上から川下まで対応可能となり、インフラ運営事業も含めると業界で唯一無二の立ち位置の企業体となることを見込んでいます。

 当社は土木事業及び建築事業の2つのセグメントで事業展開をしており、特に土木事業における橋梁分野では業界屈指の設計・施工実績を有しており、新たな構造形式などによる工期短縮・省力化施工等の技術開発を推進し、高品質で耐久性に優れ、維持管理に配慮された橋梁を提供しています。建築事業においては超高層住宅で豊富な実績を築いているとともに、幅広いプレキャスト技術を保有しています。さらに、海外事業においては東南アジア、南アジアを中心に土木事業におけるODA事業やインフラ事業、建築事業における日系企業の工場施設建設などに強みを有しています。

 インフロニアは建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業まで幅広く展開しています。外的要因に左右されずに持続的成長を実現するビジネスモデルの確立を目指し、「総合インフラサービス企業」をグループ全体戦略として設定しています。当社との経営統合により、グループ各社のエンジニアリング力の結集と積極的なM&Aやグローバルなアライアンスによる事業領域の拡大によって競争力を早期に最大化し、高収益かつ安定的な収益基盤を確立・拡大していくことを目指しています。

 今回の経営統合により、インフロニアの中核会社のひとつである前田建設工業と当社が建設部門では兄弟会社となり、得意分野を相互補完することでインフラの全ての分野で強みを持つことができ、「総合インフラサービス企業」として、さらなる進化を遂げていくものと確信しています。

 なお、当社普通株式については、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従って、上場廃止となる可能性があるほか、本公開買付け成立時点では当該基準に該当しない場合でも、インフロニアの完全子会社となった時点で、東京証券取引所における株式の上場を廃止することとなります。以下は、今後のスケジュールとなりますが、フィリピン競争法の手続等に要する期間次第で変更となる可能性があります。

2025年7月上旬頃まで(予定)

フィリピン競争法の手続き

2025年7月上旬(予定)

株式公開買付けの開始

2025年8月下旬~9月上旬(予定)

株式公開買付けの終了・結果公表

2025年12月中(予定)

経営統合に向けた手続き

2026年1月~(予定)

インフロニアグループへ参画

(3) 対処すべき課題

① 当社施工の横浜市所在マンションの件

 当社施工の横浜市所在マンションの事案につきましては、2017年11月28日付にて、本件マンションの発注者の1社である三井不動産レジデンシャル株式会社(以下、「レジデンシャル社」といいます。)が、本件マンション全棟の建替え費用等の合計約459億円(その後2018年7月11日付にて約510億円に増額、2022年9月30日付にて約510億円から約506億円に減額)を当社並びに杭施工会社2社に対し求償する訴訟を提起し、現在係争中であります。本訴訟及びその関連訴訟(以下、「本訴訟」といいます。)は、調停に付されていたところ、2025年3月13日付で東京地方裁判所により民事調停法第17条に基づく調停に代わる決定(以下、「本件17条決定」といいます。)がなされたものの、他の当事者より民事調停法第18条1項に基づく異議の申立がなされ本件17条決定は効力を失いました。なお、本件17条決定の当社に関連する部分といたしましては、a.レジデンシャル社に対し、解決金として30億7,500万円を支払うこと、b.当社とレジデンシャル社及び杭施工会社2社の何れとの間でもその他に何らの債権債務のないことを相互に確認すること、を主な内容としておりました。本訴訟については、引き続き審理及び裁判がなされることとなるところ、当社としてはレジデンシャル社の請求は根拠、理由を欠くものであると考えており、引き続き裁判において、当社の主張を適切に展開してまいります。

② 国内大型建築工事及び建築事業の業績改善

 現在施工中の国内大型建築工事におきましては、施工・品質管理体制の強化、本支店による施工全般に対する支援や技術的な指導、外部の有識者に参画いただいた調査委員会の提言を踏まえて策定した再発防止策を徹底の上、工事を進めており、2025年8月の竣工を予定しています。加えて、建築事業全般の業績改善につきましては、施工体制逼迫の改善と現場支援体制の再構築、受注プロセスにおけるガバナンス強化と最適な受注ポートフォリオの構築、利益を重視した目標管理の徹底の3点を確実に実施するとともに、リスク対策を実施した工事への入れ替えを進めており、引き続き建築事業の業績改善に取り組んでまいります。

③ 当社子会社に対する公正取引委員会による立入検査の件

 当社子会社である株式会社SMCRが関東地区所在のマンションにおける大規模修繕工事受注に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、2025年4月に公正取引委員会による立入検査を受けました。このような調査を受ける事態を真摯に受け止め、同社は、公正取引委員会の調査に全面的に協力してまいります。当社グループでは、かねてより、全社を挙げてかかる不正行為の根絶に取り組んでいます。

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