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【東証スタンダード:2354】「情報・通信業」
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企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
デジタル社会は、より一層の拡大と進化を続け、私たちの社会や生活において“DX(デジタルトランスフォーメーション)”更には“デジタルエンタープライズ”へと進化していくものと思われます。
また、デジタル社会において、生成AI等の新たなデジタル技術の浸透などによってICT技術も飛躍的に進歩し、ソフトウエアなどの製品やシステムは所有から利用へ消費スタイルの変化が進み、デジタルビジネスのサービス化が加速していくものと思われます。
こうした変化において、当社グループは、これまでのシステム導入やデジタルデータ基盤を構築 (デジタルテクノロジーを提供)するビジネスモデルから、システム導入からデジタルとデータを活用し、組織の革新やビジネスモデルを共創・実現していく伴走型DX推進を支援するビジネスモデルへシフトさせていきます。
また、当社グループは創業以来、製造業の「ものづくり」のエンジニアリング技術をソフトウエア開発の分野に応用し生産性を向上させ、開発するソフトウエアの品質を高めてきました。
IoT事業において、こうした製造業の「ものづくり」で培った技術、ソリューションやサービスの開発、提案力を物流や畜産、スマートシティなどの分野を中心にDXソリューションやプラットフォームを展開し、カスタマーサクセスに導くプロダクト・サービスを提供することで、顧客の期待を超える体験や価値を追求していきます。
また、当社グループはサステナビリティ経営の推進が最重点課題の一つであることを認識し、サステナビリティ経営を強く推し進めることで持続可能な社会に貢献し、社会と共に成長を続けることを目指していきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は売上高、営業利益率およびRОEであります。当社グループは、経営効率の向上に努め、企業の存続と発展に必要な利益を確保するため、第49期(2026年2月期)を初年度とする中期経営計画において、第51期(2028年2月期)には売上高250億円、営業利益30億円を目標とし、3年間で売上高を約25%増加させるとともに、営業利益率は12.0%、RОE25%を達成することを目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、新中期経営計画(2025-2027)を策定し、プロダクト・サービスの機能的価値から顧客体験価値を軸にした事業モデルに変革し、顧客や社会のDXやCXを加速させ、「最高のエクスペリエンスを支援するデジタル・サービス企業」を目指します。
なお、中期経営計画の基本方針は以下のとおりです。
方針1.顧客起点のマーケティング戦略の展開
顧客ニーズ・課題を起点として、部門・他社を超えて様々な手法や形態で連携し、DX(デジタルプロダク
トやサービスの提供)を通じて顧客の期待を超える体験や価値を追求することで、カスタマーサクセスを実
現します。
方針2.カスタマーサクセスに導くプロダクト・サービス力の実現
システム導入から、データ活用、ビジネス変革までのトータル支援により、継続的に顧客のDXを支援する
とともに、支援チャネル全体で品質向上を図り、継続した伴走型DX支援を通じてカスタマーサクセスを実
現します。
方針3.ビジネス拡大を支える投資戦略の推進
事業ポートフォリオマネジメントの強化を図るとともに、管理体制や管理手法の見直し・強化とデータを活
用する人材の育成によりデータドリブン経営を推進します。
方針4.持続的成長を支えるサステナビリティ経営の推進
サステナビリティ経営を強く推し進めることで持続可能な社会に貢献し、社会と共に成長を続けることを目
指します。
(4) 2022-2024中期経営計画「お客様に選ばれるNo.1企業へ」の遂行状況
2024年度は、当社グループは、中期経営計画「お客様に選ばれるNo.1企業へ」の最終年度として、次期中期経営計画に向けて事業構造のシフトチェンジと事業資本への積極的な投資等により高度成長軌道を描く起点となるべく取り組んでまいりました。
ビジネスソリューション事業において、大規模プロジェクト遂行・管理の徹底と品質確保、戦略的パートナーとの連携を軸としたERP領域の新規開拓・拡大に加え、運用におけるデジタルとデータを活用した新たなサービス展開の促進等によって事業拡大を図ってまいりました。
IoTソリューション事業においては、物流DX分野では、需要旺盛な市場への当社ソリューション「MMLogiStation」の拡販加速によって事業拡大を推進してまいりました。年度後半に、品質問題への対応により事業成長が鈍化しましたが、事態も収束し、再加速による成長軌道回帰に取り組んでおります。畜産DX分野においては、政府の飼料流通合理化支援に応じ飼料メーカーやJA等を中心としたエリア拡販展開(面攻勢)による受注拡大、スマートシティ分野では駅周辺地域の再開発事業等をターゲットに自治体へ向けた営業攻勢の強化やパートナーとの連携強化等により事業展開の加速を図ってまいりました。
サービスビジネスにおいては、ビジネスDXサービスモデルの深化と拡大、物流DXサービスセンターを最大限に活用したサービス化を促進する等、ストック率の拡大、安定的かつ高収益ビジネス化を促進してまいりました。
その結果、売上高は計画180億円に対し199億円と計画を達成し、営業利益は計画15億円に対し14億円と計画に未達の結果となりました。
なお、各基本方針の遂行状況は以下のとおりです。
方針1 世界水準のビジネスDX推進力による顧客ニーズの獲得拡大
・安川電機が取り組むDXプロジェクト(YDX)のプライム経験によりDX推進の経験・ノウハウ蓄積を継続しました。
・健康保険者向けシステムのプロジェクト管理徹底により品質を確保しプロヘクトを遂行しました。
方針2 社会をリードするAI・IoT製品による事業規模・領域の拡大
・MMLogiStation(倉庫実行システム)は、自動化の進む大規模倉庫などでの需要など引き続き受注が拡大しました。
・畜産DXやスマートシティ向けソリューションを本格的に市場への投入を開始しました。
・Milfee(飼料タンク残量管理システム)を提供開始から2年で1000農場以上に導入しました。
方針3 顧客に感動を与えるサービス提供によるストック率の拡大
・Smart Service AQUA内に拡大する物流DX分野の保守サービス拠点として物流DXサービスセンターを開設しました。
・Smart Service AQUAの施設・機能を活用したサービスモデルを確立しました。
方針4 社員と会社の挑戦と成長によるサステナビリティ経営の実現
・採用活動、人材育成、エンゲージメント向上など人的資本経営を推進しました。
・継続的な社内DX化による業務改革を推進しました。
(5) 対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く経済環境の見通しにつきましては、企業収益は改善し、雇用者所得や設備投資も増加する等、景気は緩やかに回復しております。その一方で、物価上昇の継続や人手不足による供給制約、米国の政策動向や中国経済の停滞、地政学リスクの長期化等の不確実な海外情勢等、依然として先行きは不透明な状況が続くことが予想されます。
そうした中、当社グループが属する情報サービス業界では、生成AI等の新たなデジタル技術の浸透、デジタル技術とデータを活用した社会や企業のDX化が更に進み、デジタル技術とそれに関連するサービスの需要は高い水準で続くものと思われます。
2025年度は新中期経営計画の初年度に当たり、以下のとおり取り組んでまいります。
①市場や顧客のニーズを起点とした戦略的かつ効率的なマーケティング・営業活動と社内連携による最適なソ
リューションの提案により受注の加速と拡大を目指します。
②前年度の品質問題を踏まえ、QCD(品質・コスト・納期)の厳守・安定化により、顧客信頼性・満足度の
向上と製品・サービスの品質・利益向上を追求します。
③世界で急速に広がりを見せる生成AIを開発工程におけるプログラミング支援や、会議の議事録作成など、
各業務において最大活用することにより、生産性の向上・収益性の向上につなげます。
④経営管理システムの刷新・強化と事業ポートフォリオマネジメントの強化によるデータドリブン経営を推進
します。
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