企業兼大株主SWCC東証プライム:5805】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ。」のSWCCパーパスのもと、経営理念である「SWCCグループは、信頼の輪をひろげます。」に基づき、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としております。

 そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けるために、「SWCCはソリューション提案型メーカーへ!」をビジョンとして掲げております。

 また、当社グループは、ビジョンを実現するために大切にすべき価値観や行動を示した行動基準として、「「迅速」・「情熱」・「考動」で価値創造を実現する」とする「SWCCウェイ」を定めております。

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループでは、2022年度を起点とし2026年度を最終年度とする中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」を2021年11月に公表しました。そして2024年5月、2年間の進捗と足元の事業環境変化を織り込んだ「Change & Growth SWCC 2026 ローリングプラン2024」を公表しました。ローリングプランでは、3つの基盤事業の強化に伴うオーガニック成長を見込み、2026年度の利益目標をアップサイドに見直しましたが、当連結会計年度において、エネルギー・インフラ事業の事業環境が想定以上に好調であり、計画を大きく上回り推移したことから、2025年2月、2026年度の営業利益および株主還元の目標をさらに上方修正いたしました。

 その折に開示しましたローリングプランの位置づけと主な数値目標は以下のとおりですが、2025年3月に株式を取得した㈱TOTOKUの業績を織り込んだ2026年度の数値目標については「SWCC VISION 2030」を具体化する新たな中期経営計画の公表と共に、2026年2月にお知らせする予定です。なお、新たな中期経営計画の策定においては、2025年度にスタートした新経営体制で推し進める「Change & Growth」の主な取り組みである、1.成長牽引事業のさらなる強化、2.第2の成長事業の確立、3.DX経営の加速、を含む成長ステージへのあらたな戦略を具体化していくものです。

 ローリングプランの位置づけと主な財務数値目標は以下のとおりです。

(3)経営環境および優先的に対処すべき事業上の課題

 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、少子高齢化による労働人口減少、米国の関税政策に伴う原材料価格の上昇やサプライチェーンの混乱、さらに国際情勢の不透明化など、先行きに対する不確実性はより一層高まっております。その中で、当社が直面する主要課題の一つである労働力不足への対応として、特に、エネルギー・インフラ事業において、2024年問題による施工面および物流面への労働力不足に対し、「製品(ユニバーサルデザインの推進)」「人(サステナブル人材教育の確立)」「物流(ロジスティクスのDX推進)」の3つの視点から、省力化・省人化・作業効率化を推進し、着実に対策を推進しております。

 さらに、会社の対処すべき課題として、2025年2月7日に開示いたしました「持分法による投資損失および貸倒引当金繰入額(営業外費用)の計上ならびに業績予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、中国の持分法適用会社の対応につきましては、中国の政府機関等と協力しながら対処に努めてまいります。

①セグメント別の状況および課題

各セグメントの状況および課題については以下のとおりであります。

(エネルギー・インフラ事業)

 エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル、免制震部材が主体の事業となっております。

 電力インフラ事業は、国土強靭化対策による底堅い需要に加えて、再生可能エネルギーへのシフト、データセンターの市場拡大や送配電網増強に伴う旺盛な需要に対し、主力製品である高電圧電力ケーブル用コネクタ「SICONEX®(サイコネックス)」の増産投資が旺盛な需要を捉え受注を拡大したことを受けて、2025年度からさらなる第二期増産投資に着手します。また、少子高齢化や2024年問題を背景とする施工作業員不足の課題に対しては、施工人財開発センターにてDX教材活用・模擬施設訓練・知識習得・現場OJTによる技術者の早期育成プログラムを実施して優秀な人材を確保してまいります。さらにスキルレスなユニバーサルデザインケーブルの浸透等をとおして省力化、省人化、作業効率化を推進することで旺盛な需要に対応できる体制を構築してまいります。

 国内の建設関連向け電線・ケーブル事業は、工事現場の働き方改革による大型案件の遅れや資材価格の高騰により、一時的に需要が調整局面にありますが、今後については、大型プラントやデータセンター向け案件が堅調に推移しており、需要は底堅く継続すると見込んでいます。合弁会社のSFCC㈱では、この調整期間を活用して三重事業所をマザー倉庫化して在庫管理を強化し、キャッシュ・フローの改善を図っていきます。さらに、顧客の購買利便性を高める営業支援ツール「Web Sales Office」の拡充などDXを通じた各種生産性向上施策を進め、さらなる収益改善に取り組んでまいります。

(電装・コンポーネンツ事業)

 電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や、環境対応車向け高機能巻線といった高機能製品が主体の事業となっておりますが、2025年度より通信・産業用デバイス事業とともに通信・コンポーネンツ事業として統合いたします。

 特にモビリティおよび半導体領域を成長分野とし、素材製品の付加価値をより高めるべく、2025年3月に㈱TOTOKUの株式を取得し子会社化いたしました。半導体製造工程などにおける両社の技術開発のほか、製造、営業・マーケティング等に係るリソースをクロスセルや共同開発により融合させることで、事業の成長を実現していきます。

(通信・産業用デバイス事業)

 通信・産業用デバイス事業は、通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向けデバイスが主体の事業となっておりますが、2025年度より電装・コンポーネンツ事業とともに通信・コンポーネンツ事業として統合いたします。

 通信ケーブルは、通信トラフィックの増大によるオフィスネットワーク向け需要の取り込みや海外のテレコム・データコム市場の拡大およびADAS市場拡大に伴う需要捕捉に注力してまいります。

 また、グローバルに事業を展開する㈱TOTOKUの技術開発、製造、営業・マーケティング等に係るリソースをクロスセルや共同開発により融合させることで、事業の成長を実現していきます。

(その他)

 インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進しております。IT事業の強化としては、㈱アクシオにおいてクラウドでのID管理マネージドサービスを中心とするゼロトラスト事業の拡大を推進しております。また、当社グループでは、これまで培ってきた技能やデータとDXに関する技術やツールを掛け合わせ、新しいビジネスモデルを創出する「SWCC Smart Stream(スマートストリーム)事業」を推進してまいります。

②品質向上に向けた取り組み

 当社グループは、法令・規制、お客様との合意事項を遵守し、お客様に寄り添い、迅速な技術開発、サービスとものづくりを実現するため、グループ営業力を発揮して、お客様のニーズを確実に共有し、販・技・製一体での新たなサービスを提案するとともに、お客様に信頼いただける品質優先のものづくりを実現いたします。また、お客様、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーに満足を得られる品質活動を推進しております。

 また、品質におけるコンプライアンスに関し、法令・法規、お客様との合意事項を遵守することを基本方針とし、品質不正を防止するためのチェック機能の強化、品質コンプライアンス教育の拡充を進めるとともに、トップマネジメントと第一線の社員とのコミュニケーション強化として、タウンホールミーティングなどを実施しております。

 さらに、当社グループでは、2018年度より失敗コストの概念を導入し、品質向上に取り組んでおります。製品の企画・開発、設計、製造、検査、納入に至るまでのプロセスにおいて、品質管理体制を構築し、2026年度に品質起因による失敗コストを、2021年度比50%減とする目標の達成に向け取り組みを継続し、内部失敗コスト削減を重点的に取り組んでおります。

 あわせて、ものづくりの基盤強化にむけ、モノづくり人財開発センターおよび2035ファクトリーPJを新たに立ち上げるとともに、DX取り組みの一環として、品質データのデジタル化に取り組むことにより、検査記録および合否判定の自動化も進めております。品質データのデジタル化では、全社報告会をとおし各部門の取り組みを共有化することにより、全体のレベルアップを図っております。

(4)2025年度のグループ経営方針

 2025年度におきましても、先行き不透明な国際情勢を背景とした事業環境への影響は免れない状況が見込まれます。SWCCパーパスを軸に、多様性に富んだ従業員のエンゲージメント向上に取り組みながら、中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026 ローリングプラン2024」の達成に向けた変革を着実に推進してまいります。あわせて、市場や経営環境の変化に応じて柔軟かつ迅速な意思決定と施策を実行することで、厳しい経営環境下においても経営体質の一層の強化と資本効率の向上を図り、持続的に成長する高収益企業を目指してまいります。こうした考えのもと、2025年度の当社グループの経営方針を以下のとおり定めております。

(ⅰ)「Change & Growth」のスローガンのもと、果断な構造改革と積極的な成長戦略の継続

(ⅱ)ROIC経営のさらなる高度化による、フリーキャッシュフローの最大化と資本効率向上

(ⅲ)安全・快適な職場づくりと業務改革に向けたIT戦略による、生産性の向上

(ⅳ)ゼロ災への強いこだわり「ご安全に!」、信頼に応える「品質遵守」の徹底

(ⅴ)新たな価値創造に向けた人材開発と現場改善の強化

PR
検索