企業兼大株主SWCC東証プライム:5805】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 (1)会社の経営の基本方針

  当社グループは、「いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ。」のパーパスのもと、経営理念である「SWCCグループは、信頼の輪をひろげます。」に基づき、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としております。

そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けるために、「SWCCはソリューション提案型メーカーへ!」をビジョンとして掲げております。

  また、当社グループは、ビジョンを実現するために大切にすべき価値観や行動を示した行動基準として、「「迅速」・「情熱」・「考動」で価値創造を実現する」とする「SWCCウェイ」を定めております。

 (2)中長期的な会社の経営戦略

  SWCCグループの中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」

 ①「Change & Growth SWCC 2026」策定の背景

 当社グループは、2021年11月に、前中期経営計画の構造改革フェーズから成長フェーズに移行するべく、創立90周年を迎える2026年度(2027年3月期)を最終年度とする中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」を策定いたしました。

 中期経営計画においては、エネルギー・インフラ事業でのSICOPLUS®戦略の展開強化と建設関連事業の収益向上施策の推進、電装・コンポーネンツ事業でのxEVシフトを捕捉する増産体制確立と高機能製品の新用途展開、通信・産業用デバイス事業での精密デバイスや高密度光ファイバ(e-Ribbon®)を中心としたグローバル事業の強化を進めることで確実に既存事業を伸ばしながら、新市場・新領域への事業拡大のための成長投資を行ってまいります。

 中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」の基本方針、戦略および連結業績・計数目標は以下のとおりです。

 ②「Change & Growth SWCC 2026」基本方針

 イ)基盤事業の収益力強化

 ロ)新規事業の創出

 ハ)海外事業の新展開

 ③「Change & Growth SWCC 2026」戦略

 イ)Change 構造改革のさらなる積み上げ

 ・ROIC経営の浸透による資本効率の向上

 ・DXによるバリューチェーン改革とビジネスモデル変換

 ・コーポレート・ガバナンス体制の強化

 ロ)Growth 成長フェーズへの移行

 ・社会課題解決型ビジネスの推進

 ・成長事業へのポートフォリオシフト

 ・拡大投資による成長フェーズへの移行

 ④「Change & Growth SWCC 2026」連結業績・計数目標

 (3)経営環境および優先的に対処すべき事業上の課題

  今後の見通しにつきましては、脱炭素社会を背景に電力網の強靭化や再生可能エネルギー関連をはじめとする電力インフラ需要に加え、xEV車をはじめとする環境対応製品需要の拡大等が見込まれる一方、原材料価格の高騰や為替変動、世界的な気候変動リスクの顕在化について引き続き予断を許さない状況が見込まれます。

  その中で、当社グループは、本年4月の経営体制および商号変更に伴い新たにSWCCパーパスを策定するとともにグループの理念体系を整え、新生SWCCとして新たなスタートを踏み出しました。2年目を迎える中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」においては、3事業セグメントを中心とした基盤事業の強化に加え、さらなる成長フェーズへの移行に向けた取り組みを確実に進めてまいります。また、ROIC経営については、事業別ROICを設定し、各部門の業務レベルにまで浸透させるとともに、事業ポートフォリオの最適化のための見直しや事業性評価、投資判断への活用を徹底してまいります。

①セグメント別の状況および課題

  各セグメントの状況および課題については以下のとおりであります。

(エネルギー・インフラ事業)

  エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル、免制震部材が主体の事業となっております。

  電力インフラでは、国土強靭化対策による底堅い需要に加えて、再生可能エネルギーへのシフト、送配電網増強に伴うさらなる需要増加も見込まれることに対して、主力製品である接続部品「SICONEX®(サイコネックス)」の増産強化を進めてまいります。また、施工作業員不足の課題に対しては、接続工事技術の効率化・省力化にサステナブルな人材育成プログラムを付加した接続工事システムの展開を新たなブランド「SICOPLUS®(サイコプラス)」の下で進めてまいります。なお、人材育成プログラムにおいてはAVR®をはじめとするDXの導入により、教育期間の短縮を図ってまいります。

  建設関連向けの電線・ケーブルでは、原材料価格高騰に対して構築したスキームを活かしエネルギーコスト・ 物流費等の上昇に対し引き続き販売価格の見直しを行うとともに、製販事業統合をしたSFCC㈱において、ROICを指標にDX導入を含む経営効率の改善を進めてまいります。

(電装・コンポーネンツ事業)

  電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と、無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や、環境対応車向け高機能巻線といった高機能製品が主体の事業となっております。

  高機能製品は、自動車減産の影響が前年度より生じておりますが、今後のxEV車需要の急回復を見込み、無酸素銅MiDIP®、ヒータ用銅合金線および車載向け平角巻線の増産計画について進めてまいります。

(通信・産業用デバイス事業)

  通信・産業用デバイス事業は、国内やアジア圏向けの通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向け精密デバイスが主体の事業となっております。通信ケーブルでは、通信トラフィックの増大に伴うインフラやオフィス向けの需要の取り込みに注力してまいります。

  ワイヤハーネスは、中国・ベトナムの2拠点体制による生産拠点の多元化と、現地調達・地産地消の推進により、中国・東南アジアをはじめとする旺盛な家電向け需要の取り込みに注力してまいります。

  精密デバイスは、サプライチェーンの変化に対応するため、海外向けの生産ラインをベトナム子会社のSWCC SHOWA(VIETNAM) CO., LTD.に移管しており、地産地消をさらに加速させてまいります。

(その他)

  モビリティ、インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進しております。IT事業の強化としては、㈱アクシオにおいてクラウドでのID管理マネージドサービスを中心とするゼロトラスト事業の拡大を推進しております。また、当社グループでは、これまで培ってきた技能やデータと DX に関する技術やツールを掛け合わせ、新しいビジネスモデルを創出する「SWCC Smart Stream(スマートストリーム)事業」を推進してまいります。

②当社グループ製品の不適切な品質管理に関する調査結果および再発防止策

  2021年2月、外部から、当社子会社で事業会社の昭和電線ケーブルシステム㈱が製造および販売する製品の品質管理に関する指摘を受け、同年7月21日付で当社グループ製品の品質試験に関する不整合の判明と特別調査委員会の設置について、また同年10月29日付で当社グループ製品の品質試験の不整合に関する調査結果の報告について公表いたしました。

  その後も、当社は、昭和電線ケーブルシステム㈱の製品品質に対する信頼性をより高めるために引き続き調査を行っておりましたが、調査の結果、一部の製品について不適切な品質管理があったことを把握いたしました。いずれの事例についても特定のお客様との間で定められた仕様に基づき製造された製品が対象であり、汎用製品は含まれておりません。当社では、品質の健全性に問題が無いことを確認し、お客様へのご説明を真摯に進めてまいりました。そして、社内調査チームによる調査が全て終了いたしましたので、2023年1月20日付で今回の調査結果の報告について公表いたしました。

  当社では、前回の調査結果を受けて、計測データ管理システムの早期導入、コンプライアンス意識を確立する体系的な教育制度の整備および実施等の再発防止策を引き続き進めておりますところ、今回の調査結果を受けて、さらなる再発防止策として、適切な人事ローテーションの実施、品質保証部門の独立性確保の促進および監督機能の強化、品質保証部門全体での人員の適正化、検査標準の見直し、コンプライアンス基本方針の周知を図ることに加え、グループ全体の品質マネジメントシステムを強化するため、品質・環境管理統括室を品質管理に特化した社長直轄の品質管理統括室に再編し、品質保証業務の監査・モニタリングを進めております。

  なお、本件による業績への影響につきましては、軽微と判断しております。また、昭和電線ケーブルシステム㈱は、2023年4月1日を効力発生日とする吸収合併により当社に吸収されております。

 (4)2023年度のグループ経営方針

  2023年度も引き続きエネルギー価格や原材料価格の高止まりによる事業への影響は免れない状況が見込まれますが、SWCCパーパスを基軸として、中期経営計画達成に向けた変革を着実に実行するとともに、市場や環境の変化に応じた柔軟でスピード感のある判断と施策を実施することで、このような経営環境下にあってもより一層、経営体質を強化し資本効率を高めてまいります。その観点から2023年度のSWCCグループ経営方針は次の5点としております。

 ・Changeの精神に基づく継続的な改革

 ・Growth戦略のための施策の具体化と実行

 ・資本効率の向上

  (ROIC経営の考え方の浸透、キャッシュフロー経営の深化とバランスシートの圧縮)

 ・品質管理および安全優先の取り組みの徹底

  (信頼を取り戻すための覚悟と仕組みづくり)

 ・エンゲージメントの向上

  (働きやすい職場づくりと健康経営の推進)

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