J-オイルミルズ
【東証プライム:2613】「食品業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2021年4月に、私たちの目指すべき未来、私たちの使命、私たちの価値/存在意義をあらわした、新たな企業理念体系を制定いたしました。同時に、コミュニケーションブランド「JOYL」を導入し、新企業理念体系を基にした企業活動およびすべてのステークホルダーの皆様とのコミュニケーションで「JOYL」を活用し、「JOYL」を受け皿として、生まれた価値を蓄積、資産化していきます。
コミュニケーションブランド「JOYL」の下、「Joy for Life® -食で未来によろこびを®-」のビジョン実現に向け、ステークホルダーの皆様や社会、環境の「Joy」を「おいしさデザイン®」で創出し、社会課題の解決に貢献してまいります。
(2) 経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2024年度の経営環境は、依然として不透明性が高い状況が続きました。インバウンド需要の伸長等で中食・外食市場には明るい兆しが見られる一方で、物流費やエネルギーコスト、原材料費の高騰、円安の継続、さらにオリーブオイルの価格高騰の影響が残るなど、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況にあります。また、気候変動リスクや国内市場の少子高齢化に伴う縮小傾向など、構造的な社会課題への対応も必要とされております。
このような環境下において、当社グループは「Joy for Life®-食で未来によろこびを®-」の理念のもと、「おいしさ×健康×低負荷」を通じた社会課題の解決と企業価値の持続的向上に向けた取組みを推進しております。特に2025年度は、これまで推進してきた構造改革の成果を踏まえたうえで、「復活」から「成長」へと舵を切る重要な転換期と位置づけ、下表の「成長戦略」「構造改革」「経営基盤強化」の3つの柱を軸に経営課題への対応を進めてまいります。
中期経営計画達成に向けた対処すべき課題は以下のとおりです。
<成長戦略>
企業理念に「おいしさ×健康×低負荷」を掲げており、その中でも「低負荷」を差別化された強みとして、製品力強化とコミュニケーション強化の施策を通じ、高付加価値品の拡販に注力しております。家庭用油脂では、環境配慮型パッケージ「スマートグリーンパック®」シリーズや、油使用量と油ハネを半減する「ダブルハーフ」の販売が順調に拡大しております。さらに、オリーブオイルの価格高騰に対応した「オリーブオイルたっぷりクッキングオイル」を発売し、価格競争力とお客さま満足の両立を図りました。業務用油脂では、長持ち油「長徳®」シリーズや「JOYL PRO®」など業務負荷を低減する製品を展開するとともに、油脂×スターチでお客さまの課題解決を図るソリューションの深化とチャネル拡大を推進しております。海外では、重点地域として位置づけているASEANおよび北米を中心に、油脂加工品やスターチ素材の販売拡大に注力し、大豆シート食品「まめのりさん®」の北米市場拡大、新素材開発による製品ラインアップの強化など、多面的な施策により海外売上比率の引き上げを目指しております。これら以外に、次世代技術を活用した脱炭素社会実現に向けた取組みの一つとして、食用に適さない植物の種子から生成した国産SAF(Sustainable Aviation Fuel/持続可能な航空燃料)の活用などにも取り組んでおり、将来を見据えた事業基盤の革新と環境負荷低減の両立への挑戦も行っております。
<構造改革>
2023年度より実行してまいりました家庭用マーガリンなどの不採算事業からの撤退により、利益体質の改善を実現しました。また、DXの取組みの一つ目のステージとして業務プロセスの改善、SCM改革、スマートファクトリー、顧客接点の強化、AIプラットフォームの導入といった新たな取組みへシフトできる体制の構築を目指しております。その他にも引き続き、遊休資産・投資有価証券の処分といった資産効率の改善、原価低減、在庫水準最適化等を推進し、収益構造の強靭化を図ってまいります。
<経営基盤強化>
人的資本経営の推進として、2023年度に制定した「人財ポリシー」に基づいて、従業員への成長機会の提供およびエンゲージメント向上のための施策とKPI設定を行っております。また、サステナビリティ領域ではCO2排出量削減やプラスチック廃棄ゼロ、女性管理職比率20%などを掲げるKPI達成に向け、気候変動対応やDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)施策を継続しております。健康経営においては、「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」の認定を受けるなど、従業員のウェルビーイングに資する環境整備と意識醸成に取り組んでおります。基幹システムの再構築としては、業務プロセスの改善および効率化を目的に、データ連携の強化を進めました。また、ガバナンス強化の一環として、知的財産の専門部署を研究開発部門の傘下に設置し、特許ポートフォリオの戦略的なマッピングを通じて、自社技術の排他性および有効性の向上、さらには、マネジメント座談会などを通じて、経営トップと次世代リーダーとの対話の場を積極的に設けることで、戦略浸透と現場の実行力強化を図っております。
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