高田機工
【東証スタンダード:5923】「金属製品」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は創業以来、橋梁、鉄骨など鋼構造物の設計、製作、架設を専門に行う企業として全国に事業を展開してまいりました。そしてこの間一貫して社会に貢献することを目標とし、高度な技術力で安全を重視した施工を行い良質な社会資本を提供することで、顧客の皆様の信頼を得ることを経営の基本としております。
2024年5月10日に開示した「中期経営計画2024」において、当社が目指す姿として、ビジョンを「世代を超えて、感動と笑顔あふれる豊かな世界を創造する」、ミッションを「人とまちをつなぎ、空間に価値を創り出す」といたしました。
持続的な豊かな社会創造と成長を続ける企業を目指し、橋梁・鉄構事業で培ってきた「設計・施工技術」を基に、新たな素材の活用、技術の開発に取り組むとともに、市場要請に応える新たな事業の創造に挑戦してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年5月10日に開示した「中期経営計画2024」においては、数値目標は期間平均の売上高205億円、営業利益10億円とし、2032年の会社設立100周年に向けて本中期経営計画で『持続的な企業成長』を実現するために「基幹事業の集中と選択」及び「事業変革への挑戦」の3ヶ年と位置づけておりました。「中期経営計画2024」の初年度の結果は売上高184.5億円、営業利益2.3億円となり、売上高は計画を下回るものの、次年度以降での挽回が可能な水準を確保できました。一方、営業利益は計画を大きく下回り、非常に厳しい結果となりました。
また、株主還元方針として配当性向50%以上、下限配当50円を設定しておりましたが、厳しい事業環境下で橋梁事業の採算悪化から期末配当は下限配当での対応となりました。
保全事業及び競争優位性のある生研トラス事業に経営資源を集中し、「中期経営計画2024」の実現に向けて努力してまいります。
(3)経営環境
新設鋼橋の発注環境は想定以上に厳しい状況にあることから、2026年3月期は和歌山工場の生産体制の最適化と人財の再配分を最優先の課題とし、成長分野である保全事業及び生研トラスの受注拡大による売上高の補完と採算性の向上に努める方針です。
なお、保全事業は工場製作物が限定的であり、生研トラスは協力会社での製作が中心であるため、投下資本に対する収益性の改善が見込まれることから、ROE並びに企業価値の向上に努めてまいります。
2026年3月期の重点施策
①工場生産体制の見直し
②成長分野への積極的な投資
③全社でのDX及び自動化の推進
④人的資本の強化
⑤組織体系及び意思決定体系の最適化
(4)経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「中期経営計画2024」の進捗
<総括>
「中期経営計画2024」の計画初年度にあたる2025年3月期は、体制整備と成長分野への経営資源集中を重点的に取組みました。中期経営計画の全社的な実効性を高めるため、代表取締役社長を委員長とする「経営計画推進委員会」並びに管掌取締役を委員長とする「業務プロセス改善委員会」「サスティナビリティ委員会」を設置いたしました。また、今後の成長が期待される保全事業及び競争優位性のある生研トラス事業に経営資源を集中するため、「保全推進室」並びに「空間創造部」を設置いたしました。なお「保全推進室」につきましては、本格的に当社事業の柱に成長させるため、2025年4月1日付で「保全本部」に再編しております。2025年3月期末の受注残高には、橋梁に保全事業15.5億円、鉄構に生研トラス7.8億円が含まれております。
<キャピタル・アロケーション>
2025年3月期は事業投資・成長投資・人財投資の合計で9.1億円の投資を実施しております。
事業投資については、ヤード整備や基幹システム更新関連等に2.1億円(3ヶ年累計計画15億円)を実施いたしました。
成長投資については、ソーラーカーポート設置他で3.5億円(3ヶ年累計計画15億円)を実施しております。
人財投資は賃上げや人財の確保並びに東京本社移転拡張等で3.5億円(3ヶ年累計計画10億円)となりました。
株主還元については、下限配当を設定していることから年50円配当(配当性向86.4%)を実施し、配当総額は2.9億円(3ヶ年累計計画10億円)となりました。なお、自社株取得3.5億円を実施したことにより、株主還元総額は6.5億円(総還元性向190.0%)となりました。
「中期経営計画2024」の概要は以下のとおりであります。
・計画期間 2024年4月 ~ 2027年3月
・主要戦略
①事業ポートフォリオの高度化戦略
「橋梁事業」「鉄構事業」の新設工事市場を主力としてきた事業ポートフォリオを再編し高度化を図り、事業の持続的な成長・安定化・高収益化を目指す。
②経営基盤戦略
迅速な経営判断を可能とする経営管理基盤の強化及び、生産部門の品質・生産性強化を目指す。
③サスティナビリティ戦略
環境や社会の配慮、企業統治を重視することにより、「持続可能な社会」への貢献と「企業価値の向上」を目指す。
・財務目標及び株主還元策
財務指標 | 数値目標 | 備考 |
売上高 | 205億円 | 期間平均 |
営業利益 | 10億円 | 期間平均 |
ROE | 5.0%以上 | 最終年度 |
配当性向 | 50%以上 | 期間中 |
新設鋼橋の発注量が2024年3月期から2025年3月期にかけて2年連続で大きく減少した影響により、2025年3月期末の受注残高は180億円に届かない厳しい数字となっています。そのため、2026年3月期の業績予想は売上高175億円、営業利益2.5億円、当期純利益2.45億円と厳しい数字となっておりますが、「中期経営計画2024」の主要戦略を確実に実行し、最終年度での目標達成に向け、全社一丸となって取り組んでまいります。
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