企業兼大株主電気興業東証プライム:6706】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、経営理念に「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」ことを掲げ、同じく「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」ことを実現すべく、長年培ってきた電気通信技術・高周波応用技術に関する豊富な知識と経験に基づき、経営重点方針のもと、たゆまぬ技術開発の推進と品質性能の向上を目標とした各施策を行うことにより、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることを経営上の最大基本方針と位置づけております。

 また、2021年3月に中長期経営戦略を掲げ、「社会貢献への積極的関与」と「企業価値の向上・成長の実現」により、当社グループのありたい姿である「未来の当たり前をつくる企業(Pioneering the future)」の実現に向けた取り組みを進めております。

 これらを踏まえ、2023年3月期からの3ヵ年計画である中期経営計画(DKK-Plan2025)を2022年5月に策定し、社会課題の解決を通じた持続的な成長の実現に向けて事業活動を展開してまいりました。しかしながら、原材料等の価格高騰や既存顧客の設備投資抑制などの外部環境の変化が業績面に強く影響する状況等を鑑み、外部環境の変化に対応できる体制や基盤を構築、早期の業績回復を目指すため、2024年3月にDKK-Plan2025のローリングプランを策定し、事業構造改革による収益体制の構築を推進しております。

 なお、当社グループは、2025年5月に中期経営計画(DKK-Plan2028)を策定いたしました。DKK-Plan2028では「収益創出体制の確立による成長の実現」を基本方針に据え、重点施策に「事業構造改革」「経営資源の最適化」「サステナビリティ経営の発展」を掲げ、成長の実現・加速に向けた各種取り組みを進めてまいります。詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、中期経営計画(DKK-Plan2025)ローリングプランにて、DKK-Plan2025で設定した数値目標である自己資本当期純利益率(ROE)5%の達成年度を2年延期し、2027年3月期の達成を目指すこととし、利益及び資本収益性を重視し、営業利益を新たな定量的目標として掲げ、事業構造改革と財務戦略の推進により収益創出体制の構築を目指しております。また、2024年3月に公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」の記載のとおり、収益性の向上と市場評価の向上のための取り組みを進め、2027年3月期を目標に株価純資産倍率(PBR)1.0倍超を目指してまいります。

 また、当社は「サステナビリティ経営の推進による企業価値の向上」に向け、マテリアリティ(重要課題)に掲げる「職場風土・働き方改革」「コーポレートガバナンスの強化」「社会インフラ整備への貢献」「環境経営の推進」「新規事業の創出」の5つの課題に対するそれぞれのKPIの達成に向け、その取り組みを進めております。

 なお、2025年5月に中期経営計画(DKK-Plan2028)を策定し、2028年3月期を達成年度とした新たな経営指標を設定するとともに、DKK-Plan2028との連動性を高め、事業と一体となったサステナビリティ経営を推進するために、マテリアリティ及びKPIの見直しを行っております。詳細につきましては、当社ウェブサイト及び「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに、継続的なコーポレートガバナンスの強化に向けた取り組みを進めることで、企業価値の増大を図ることを基本としています。

 当社の中長期的な経営戦略としては、2021年3月に開示いたしました「中長期経営戦略」に記載しておりますとおり、「社会貢献への積極的関与」と「企業価値の向上・成長の実現」により、当社グループのありたい姿である「未来の当たり前をつくる企業(Pioneering the future)」の実現を目標としております。

 また、上記「中長期経営戦略」のビジョン達成に向けた第2ステップとして、2026年3月期からの3ヵ年における目標及び施策として中期経営計画(DKK-Plan2028)を策定いたしました。DKK-Plan2028は、2022年3月に策定した前回中期経営計画であるDKK-Plan2025による経営基盤の構築に続く、成長の実現と加速に向けた経営計画となります。「収益創出体制の確立による成長の実現」を基本方針に据え、重点施策に「事業構造改革」「経営資源の最適化」「サステナビリティ経営の発展」を掲げております。

 詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。

①事業構造改革

・主な取り組み:「事業ポートフォリオの深化」「収益改善の取り組み推進」「経営管理の高度化」

「事業構造改革」においては、収益創出体制の確立と成長の実現に向けて、市場成長性と現状の事業収益性を踏まえ、事業ポートフォリオの再定義を実施いたしました。ローリングプランで定めた注力セグメントを成長事業グループと導入期事業グループに区分し、成長事業グループとして、防衛関連分野と誘導加熱装置分野、熱処理受託加工分野を設定いたしました。導入期事業グループには、ソリューション分野と高周波新領域関連分野を設定し、収益の柱である成長事業グループへ育成を図ります。移動通信関連分野や固定無線関連分野などのセグメントは、再構築事業グループに区分し、事業の収益性改善を推進してまいります。

 また、各事業分野の成長や、収益改善に関する取り組みを確実なものとするため、業績や営業パイプラインのモニタリング体制を強化いたします。業績の進捗や事業分野別の状況をタイムリーに管理し、スピード感ある意思決定や問題の早期発見、軌道修正ができる経営管理体制を構築いたします。

②経営資源の最適化

・主な取り組み:「考動できる人財の育成と事業戦略に沿った最適配置」「研究開発の選択と集中」

「アセットライトとキャピタルアロケーションによる資産活用」

「経営資源の最適化」においては、当社グループ全体での効率性や収益性を高めるために、適切な配分・戦略をもった活用を通じて、企業価値の向上を目指してまいります。

 人的資本戦略としては、人財管理、スキルアップ支援、DE&Iや健康経営に関する各種施策を実行することで、「考動」により変革を成し遂げる人財を育成するとともに、従業員エンゲージメントの向上を目指します。また、各事業分野の状況に応じた柔軟な組織設計により、人財の最適配置や生産性向上を実現いたします。

 研究開発戦略は、新規事業分野における当社グループの技術の社会実装を加速するとともに、コアコンピテンシーの維持拡充と、その応用市場分野の拡大を目指してまいります。

 資本戦略については、現状の事業環境を踏まえ、新たなキャピタルアロケーションを策定いたしました。M&Aや成長投資を中心にキャッシュを活用し、安定的かつ継続的な株主還元を実施することにより、成長の実現と株主還元の強化を目指していく所存です。

③サステナビリティ経営の発展

・主な取り組み:「事業を通じた社会貢献」「持続可能なサプライチェーンの構築」「気候変動への対応」

「サステナビリティ経営の発展」においては、新たに策定した中期経営計画(DKK-Plan2028)に併せ見直した5つのマテリアリティ「人的資本経営の推進」「コーポレートガバナンスの強化」「環境経営の推進」「事業の持続的成長と発展」「イノベーションの推進」に基づきKPI(目標)を設定し、サステナビリティに関する取り組みを推進してまいります。製品の生産性と信頼性の確保に努め、社会課題に対応した研究開発を行うことで「事業を通じた社会貢献」を実現いたします。またサプライチェーンマネジメントを社内、社外両面に対し徹底することで「持続可能なサプライチェーンの構築」を確立します。そして温室効果ガス排出量削減の取り組みを中心に環境保全に関する活動に取り組み「気候変動への対応」を目指していく所存です。

(4)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱い動きが見られますが緩やかに回復しております。生産活動は一進一退の動きとなっておりますが、物価高の影響で一部弱い動きが見られている消費は持ち直しており、高水準の企業収益を背景に設備投資が底堅く推移しております。

 一方、商品市況の高止まりや資材価格の高騰は継続しており、米国による関税を始めとした通商政策の見直しにより、先行きについては不確実性がさらに高まる状況となりました。

 当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野では、顧客の設備投資計画が依然として全般的に抑制されております。固定無線関連分野では、自治体の防災体制の強化等により防災行政無線の需要に回復傾向が見られており、防衛関連分野においては防衛費予算の増額の影響から堅調に推移しております。放送関連分野においては放送事業者による設備更新需要は依然として停滞しておりますが、メンテナンス需要は改善傾向にあります。高周波応用機器業界におきましては、米国の関税政策に対する懸念の影響が表面化しておりますが、自動車関連分野における設備投資需要は全般的には回復傾向にあります。

(5)会社の対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、国内景気は緩やかに回復傾向にありますが、変化する事業環境や価格競争の激化から、当社グループを取り巻く経営環境につきましては、幾分回復の兆しは見られるものの厳しい状況が続くことが想定されます。

 以上のような環境の中、2024年3月に公表した中期経営計画(DKK-Plan2025)のローリングプランに記載した事業構造改革による収益体制の構築を一層と推進し、当社グループの業績回復を確実なものとしてまいります。

 電気通信関連事業においては、移動通信関連分野では、通信品質改善に向けた設備投資需要に対し、移動通信基地局用アンテナに加え、無線装置の拡販に注力してまいります。固定無線関連分野においては、緊急防災・減災事業債の期限が最終年度となるため、地方自治体向け防災行政無線の需要の積極的な獲得と確実な施工を進めてまいります。防衛関連分野においては、防衛費の予算増額を背景とした需要の増加に対し、装備品の安定供給と既存設備の維持・点検整備事業への積極的な提案による受注獲得を図ってまいります。ソリューション関連分野においては、AIソリューションによる社会課題解決に向け、提案力・開発力の増強に向けた組織改編を実施したうえで、子会社である株式会社サイバーコアとの協業による受注拡大を進めてまいります。また、高周波関連事業においては、高周波誘導加熱装置分野では、米国の通商政策の影響等による自動車関連業界における設備投資動向を見定めたうえで、新たに稼働した試作拠点の活用による自動車EV化に伴う需要を含めた受注の獲得や既存設備のメンテナンス需要の掘り起こしを進め、熱処理受託加工分野についても、需要の着実な獲得、国内外における生産体制の構築に取り組んでまいります。

 また、2025年5月に中期経営計画(DKK-Plan2028)を公表いたしました。DKK-Plan2028は、前回中期経営計画であるDKK-Plan2025による経営基盤の構築に続く、成長の実現と加速に向けた経営計画となります。「収益創出体制の確立による成長の実現」を基本方針に据え、重点施策に「事業構造改革」「経営資源の最適化」「サステナビリティ経営の発展」を掲げております。

 当社の経営環境はエネルギー及び部品価格等の高騰や人件費の高騰、既存顧客の設備投資抑制、社会構造の複雑化など大きく変化しております。そのような環境の中、収益創出体制を確立し、事業戦略・人的資本戦略・研究開発戦略・サステナビリティの取り組みを連動させ、持続的な社会の実現と企業価値の向上を目指してまいります。

(経営理念)

・優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する。

・時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す。

・絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する。

・一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める。

(中長期経営戦略のビジョンと戦略)

 ビジョン:ありたい姿である「未来の当たり前をつくる企業(Pioneering the future)」の実現

 戦略:「新規事業の創出」、「既存事業の更なる拡大」、「経営基盤の強化」

(サステナビリティ経営の実現に向けたマテリアリティ(重要課題))

 マテリアリティ:「職場風土・働き方改革」「コーポレートガバナンスの強化」「社会インフラ整備への貢献」「環境経営の推進」「新規事業の創出」

(中期経営計画DKK-Plan2025ローリングプランの方針と重点施策)

 基本方針:「事業構造改革による収益体制の構築」

 重点施策:「収益改善のための構造改革」「中長期的な成長戦略」「適切な資本構成」

(次期(2026年3月期)の経営重点方針)

 全体目標:「業績の更なる改善と収益創出体制の確立」

 取組方針:「グループ全体で強い意志を持った利益の最大化と事業構造改革の推進」「研究開発の選択と集中と新規事業の確実な創出」「業務の見える化による業務改善と効率化の実現」「考動できる人財の育成」「コンプライアンスと安全・品質・情報管理の徹底」

(次期中期経営計画(DKK-Plan2028)の基本方針と重点施策)

 基本方針:「収益創出体制の確立による成長の実現」

 重点施策:「事業構造改革」「経営資源の最適化」「サステナビリティ経営の発展」

(次期サステナビリティ経営の実現に向けたマテリアリティ(重要課題))

 マテリアリティ:「人的資本経営の推進」「コーポレートガバナンスの強化」「環境経営の推進」「事業の持続的成長と発展」「イノベーションの推進」

<その他>

 当社は、2024年12月5日に公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請法」といいます。)に基づく勧告(以下、「本勧告」といいます。)を受けました。当社では、当社製品の一部部品の製造について、下請法の対象と認定されたお取引先様(以下、「下請事業者様」といいます。)に委託しておりますが、当該部品の製造に使用する当社所有の金型等を下請事業者様に貸与していたところ、当該金型等を用いて製造する部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、当該金型等を無償で保管させていた行為が、下請法第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の規定に違反すると判断されたものであります。

 当該金型等を無償で保管させたことによる費用に相当する額については、公正取引委員会の確認を得た上で、速やかに下請事業者様にお支払いいたします。また、対象となる金型等のうち、次回以降の具体的な発注時期を示せない金型等167個については、2022年10月から2024年8月までの間に廃棄の対応を既に実施しております。

 当社は、本勧告を厳粛に受け止め、今後の取引において同様の問題が発生することのないよう、当社取締役会の決議により確認するとともに、勧告内容を全役職員に周知徹底の上、下請法遵守の社内教育の実施、チェック体制を強化するなど、コンプライアンスの強化と再発防止に努めてまいります。

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