企業阿波製紙東証スタンダード:3896】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、果たすべき使命として「紙の可能性を追求し、多様な機能材との新結合を図ると同時に、環境との調和を目指した商品・サービスの提供を通じて、人類・社会に貢献すること」を掲げ、独自の製品・技術・サービスで世界一の会社を目指しております。

(2)経営戦略

 当社グループは、長期経営について以下の基本方針を掲げております。

 「新市場の開拓と事業領域の拡大」

「中核商品のグローバル市場における競争優位の追究」

「SDGsと高収益の両立」

 「新市場の開拓と事業領域の拡大」については、マーケティングとベンチマーク活動、アライアンス戦略により、次世代中核商品の開発と生産体制を確立し、事業領域をさらに拡大してまいります。

 「中核商品のグローバル市場における競争優位の追究」については、世界に浸透するブランドの構築により売上・利益の最大化を図ってまいります。

 「SDGsと高収益の両立」については、当社グループはSDGsにおいて注力する10の目標を設定しております。当社は持続可能な社会の実現と利益追求の両立を目指し、優しい素材を使い、優しい機能を提供し、優しい社会を考え、目標達成を目指してまいります。

(3)経営環境

 次期の見通しにつきましては、足元の金融政策の動向や為替の変動に加え、米国の関税政策や地政学的リスクの高まりなど、不確実性の高い事業環境が継続すると見込まれます。当社グループを取り巻く環境におきましては、自動車関連資材の需要は、電動化の流れが鈍化している影響もあり当面は底堅く推移するものと見込まれ、水処理関連資材については、引き続きアジア・中東地域を中心に海水淡水化や廃水処理用途を軸とした需要拡大が期待されます。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 第4次中期経営計画(2024年4月~2026年3月)の初年度となる当連結会計年度において、当社グループは「事業ポートフォリオの最適化」と「知的資本のフル活用による経営基盤の強化」を重点課題とし、主力製品の拡販と新製品の開発、国内生産体制の再構築、人的資本の強化等の施策を進めてまいりました。一方で、人手不足による人材の確保、為替の乱高下、市場競争の激化、サプライチェーンのリスク増大、米国関税政策による市場環境の不透明化等、不確実性の高い経営環境が続いております。

 このような中、当社は新工場の稼働を開始し、生産能力・供給体制の強化を進めるとともに、第4次中期経営計画に基づく各施策の推進を加速することで、企業価値の持続的向上を図ってまいります。

 第4次中期経営計画 参照 https://www.awapaper.co.jp/ir/strategy/plan/

Ⅰ. 事業ポートフォリオの最適化

① 主力製品の拡販と新製品の開発

・分離膜支持体の供給体制強化

 当社は、世界的な水資源問題へ対応すべく、需要が拡大する逆浸透膜(RO膜)用支持体の分野において、新工場の本格稼働により生産能力を増強し、安定供給体制を構築してまいります。

・分離膜支持体の拡販

 当社は、グローバル市場でのシェア拡大や多用途展開を図るべく、重点市場での営業体制強化とともに提案型営業の推進に取り組んでまいります。

・新製品の開発

 当社は、伸びゆくNEV(新エネルギー車)市場の熱課題に対応する耐火・断熱商品の拡販に取り組んでまいります。

・顧客対応力の強化

 当社の強みである品質の安定性、納期対応力、技術支援機能を生かし、顧客の課題解決や製品開発を支援することで、信頼性の高い関係構築と競争優位性の確立を目指してまいります。

・価格適正化と生産性向上によるコスト対応力強化

 当社は、原材料費・人件費が上昇する中、販売価格の見直しに加えて、生産現場における工程改善や省力化、自動化の推進、生産技術の高度化を通じて、更なるコスト競争力の向上を目指してまいります。

② 生産体制の再構築

 当社は、新工場の稼働を契機として、国内における生産体制の見直しと効率化に取り組んでおります。収益性の低い製品群や事業については段階的な縮小・撤退を進めるとともに、生産ラインの統合や稼働バランスの調整を通じて、コスト競争力の向上を図ってまいります。

 また、海外工場との連携を強め、グローバルな経営資源の再構築を通じ、収益力と生産効率の最大化を目指してまいります。

③ 新たな顧客価値の創造

・市場ニーズに対応した製品開発の加速

 当社は、研究開発体制を強化し、外部研究機関や顧客との共創型開発を推進することで、製品設計とプロセス開発の並行化を実現し、開発期間の短縮化と市場投入の迅速化を図っております。実証試験やプロトタイプ評価を早期に実施することで、顧客の期待に即応してまいります。

 また、当社の技術的強みを生かしながら、環境負荷の低減や持続可能な社会の実現にもつながる製品・技術を創出してまいります。

・既存市場の深耕

 当社は、顧客の環境対応ニーズに応える製品開発や提案型営業に注力し、協働によるVA(価値分析)や環境負荷の低減に配慮した製品を提案し、深耕を図ってまいります。

・カーボンニュートラルへの取り組み

 当社は、Scope1〜3の温室効果ガス排出量の算定を行い、全社的なCO排出の可視化を進めてまいりました。今後は可視化したデータをもとに、原材料の選定、物流の効率化、省エネ設計の推進など、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に取り組んでまいります。

Ⅱ.知的資本のフル活用

① 人財の確保

 当社は、持続的な成長に向けた人的基盤の強化を図るべく、人財の確保を重要課題の一つと位置づけています。採用競争の激化や地域の人手不足により、人財の確保が年々困難になっております。また、若手を中心とした人財流出も課題であり、採用から定着までを見据えた一体的な対応が求められております。

 現在は、採用広報の強化や制度・育成環境の見直しを通じて、確保と定着の両面から基盤づくりに取り組んでおります。

② エンゲージメント向上と組織力強化

 当社は、定期的なエンゲージメントサーベイを通じて、社員の意識や職場の課題を可視化し、キャリアや働き方に関する対話の促進、共通の価値観を醸成する仕組みづくりを進めることで、社員のウェルビーイング向上と組織の活性化を図ってまいります。

③ 社員能力開発と人財育成支援

 当社は、社員一人ひとりのキャリアビジョンの明確化と、その実現に向けた支援を重要な人財戦略と位置づけております。定期的な面談を実施し、自らの役割や将来像への理解を深める機会を設けるとともに、教育体系に基づいた研修プログラムを通じて、専門性と実行力を兼ね備えた人財の育成を進めています。こうした取り組みを推進することで、社員の成長意欲を引き出し、挑戦を後押しする組織風土の醸成と、持続的な人財の定着を図ってまいります。

④ 知的財産・パートナーシップの活用

 当社は、「守りの知財」と「攻めの知財」の両面からの活用を進め、技術競争力の維持・強化を図り、外部機関・顧客との連携によるオープンイノベーションを進めてまいります。

 さらに、当社製品に適した知的財産権の活用を進めるべく、外部の知見を習得し、社内で活用することにより、これまで以上に開発成果を知的財産権で保護し、当社技術力の強化に努めてまいります。

Ⅲ.サプライチェーンの強靭化

 当社は、環境規制の強化や原材料メーカーの再編など、従来の供給構造が大きく変化する中、原材料の安定調達を課題の一つと認識しております。調達先の多様化や代替検討を進めるとともに、安定供給体制の確保に向けた取り組みを強化してまいります。

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