関電工
【東証プライム:1942】「建設業」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、経営会議等で合理的な検討を行っている。
(1)経営の基本方針
株主の皆様、お客様及び地域社会との共存を目指すことが当社存立の意義であるとの考えから、「人間第一」を社是とし、
①人間尊重のもと、企業の社会的責任を遂行し、豊かな人間環境づくりに貢献します。
②お客様のニーズを先取りし、技術革新を図り、最高のサービスと設備を提供します。
③絶えざる自己革新によって、株主の皆様のご期待に応える未来指向型の企業を目指します。
を経営理念として掲げております。
(2)経営戦略等
2024年度の業績は、旺盛な民間建設投資を背景とした収益性改善や、全社大で取り組んできた生産性向上などが奏功した結果、2024年度からスタートした中期経営計画の最終年度である2026年度業績目標を2年前倒しで達成し、過去最高業績を更新いたしました。
今後の事業環境につきましては、米国の通商政策が世界経済に与える影響が懸念されるものの、国内建設投資は堅調に推移するものと見込んでおります。
このような状況を踏まえ当社は、中期経営計画のスローガン「さらにかわる。より豊かな未来をつくる」のもと5つの方向性に則り、事業戦略及び経営基盤強化戦略に掲げる施策の一部見直しと併せて数値目標を上方修正することといたしました。DXによる生産性向上や施工要員の拡充・最適配置、従業員エンゲージメントの向上などを更に強力に推し進め、新たな目標の達成に努めてまいります。
①方向性
1. 従業員とともに幸せな成長を実現
2. 社会インフラ及びお客様設備の維持・構築に貢献
3. グリーンイノベーションを推進
4. あらゆる手段で生産性・効率性を向上
5. ステークホルダーと確固たる信頼関係を構築
②数値目標(2026年度)
連結売上高 | 7,160億円 |
| ROE | 10%超 |
連結営業利益 | 670億円 |
| ROIC | 10%超 |
配当性向 | 40%程度 |
| 温室効果ガス排出量※ | 2020年度比 △18% |
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※対象:Scope1,2
(3)経営成績
①当期の経営成績
当期のわが国経済は、企業業績が堅調に推移するとともに、賃上げの定着により雇用・所得環境も改善が進むなど、引き続き緩やかな景気回復軌道を歩みました。
このような情勢下にあって、民間建設投資はAI・半導体関連投資やオフィス・商業施設の建設需要増大などにより高水準を維持いたしました。また、電力設備投資につきましても、計画的な設備投資を電力会社に促すレベニューキャップ制度に基づく設備更新工事を中心に増加いたしました。
このため当社グループは、的確な市場動向分析に基づく戦略的な受注活動を推進するとともに、脱炭素、防災・BCPなど社会やお客様からの要請に応えるリニューアル提案営業を強化いたしました。加えて、現場業務を支えるバックオフィス機能の更なる浸透・拡充による生産性向上を図り、受注の獲得と利益の創出に努めました。
この結果、当期の業績は、下記のとおりとなりました。
(連結業績) |
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完成工事高 | 671,888百万円 | (前期比 112.3%) |
営業利益 | 58,326百万円 | (前期比 142.5%) |
経常利益 | 59,498百万円 | (前期比 139.5%) |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 42,380百万円 | (前期比 155.0%) |
(個別業績) |
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新規受注高 | 647,307百万円 | (前期比 113.1%) |
完成工事高 | 583,128百万円 | (前期比 111.9%) |
営業利益 | 48,801百万円 | (前期比 142.5%) |
経常利益 | 50,215百万円 | (前期比 139.0%) |
当期純利益 | 37,319百万円 | (前期比 181.2%) |
②今後の見通し
米国の通商政策が世界経済に与える影響が懸念されるものの、国内建設投資につきましては、社会のデジタル化進展に伴う半導体工場、データセンターの建設や首都圏を中心とする大型再開発事業などが数多く計画されており、今後も堅調に推移するものと見込まれます。また、激甚化・広域化する自然災害に備えるレジリエンスの強化や再生可能エネルギーの導入拡大に向けた送配電網の拡充・保全工事など電力関連投資の計画的な実施が予想されます。
このような情勢を踏まえ、次期の業績予想につきましては、
(連結業績) |
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完成工事高 | 703,000百万円 | (当期比 104.6%) |
営業利益 | 63,000百万円 | (当期比 108.0%) |
経常利益 | 64,000百万円 | (当期比 107.6%) |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 46,000百万円 | (当期比 108.5%) |
(個別業績) |
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新規受注高 | 655,000百万円 | (当期比 101.2%) |
完成工事高 | 607,000百万円 | (当期比 104.1%) |
営業利益 | 53,200百万円 | (当期比 109.0%) |
経常利益 | 54,700百万円 | (当期比 108.9%) |
当期純利益 | 41,500百万円 | (当期比 111.2%) |
を見込んでおります。
(4)対処すべき課題
今後の見通しについて申し上げますと、米国の通商政策が世界経済に与える影響が懸念されるものの、国内建設投資につきましては、社会のデジタル化進展に伴う半導体工場、データセンターの建設や首都圏を中心とする大型再開発事業などが数多く計画されており、今後も堅調に推移するものと見込まれます。また、激甚化・広域化する自然災害に備えるレジリエンスの強化や再生可能エネルギーの導入拡大に向けた送配電網の拡充・保全工事など電力関連投資の計画的な実施が予想されます。
このような状況の中で当社グループは、2年前倒しで達成した中期経営計画の最終業績目標を再設定し、より一層の飛躍を遂げるため、以下の重点経営施策を実践してまいります。
まず始めに、中長期的な建設市場予測を踏まえた成長分野への営業活動やカーボンニュートラルなどお客様ニーズを先取りしたソリューション営業を強力に展開するとともに、グループ会社とのシナジー強化による産業空調分野への参入を図るなど受注拡大を目指してまいります。
次に、業務のデジタル化・集約化によって管理・間接部門から現場支援部門への要員シフトを促進するとともに、プレハブ化・ユニット化工場の機能・拠点の拡充、AIを活用した積算業務の迅速化を推し進めるなど、DXを通じた業務・生産プロセス改革による利益の創出に注力してまいります。
更には、社会が抱えるエネルギー課題の解決に貢献するグリーンイノベーション企業を目指すため、当社の開発した建物のエネルギー利用状況を見える化するシステムを活用し、脱炭素コンサルティングの事業化を図ってまいります。同時に、事業所への再生可能エネルギーの積極的な導入や業務用車両の電動化比率向上など、事業活動における環境負荷低減に努めてまいります。
加えて、社員のエンゲージメントを更に高める人事・賃金制度の見直しや一人ひとりの働き方やキャリア形成に応じた柔軟な勤務・研修体系の整備に取り組んでまいります。併せて、海外人材の採用拡大やシニア社員の活躍促進などダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進し、魅力的な職場づくりと社会を支える人づくりに尽力してまいります。
また、長年にわたり培ってきたステークホルダーからの信頼を守り、お客様から選ばれる企業で在り続けるため、安全・品質の確保とコンプライアンスの遵守が経営の最優先事項であるとの意識をグループ全社員に徹底し、公正かつ適正な事業活動の遂行に全力を傾注してまいります。
今後とも当社グループは、基盤事業の深化と事業領域の拡大に向けた成長投資を通じて中長期的な企業価値の向上を目指すとともに、自ら変革し未来を切り拓く柔軟かつ強靭な企業体質を確立してまいります。
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