長野計器
【東証プライム:7715】「精密機器」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、圧力計測・制御分野でのリーディングカンパニーとして、「安全・安心・信頼」をお届けすることを使命とした製品の提供を通じて、社会貢献を継続することをグループ全体の基本方針としております。
経営目標の達成に向けて、日本及び米国を主要拠点としたグローバルな展開を行ってまいります。
(2)当社グループをとりまく経営環境
当社グループの業績は、主に設備関連の投資動向に影響を受ける可能性があると想定しております。また、エネルギー価格・物流・資材、光熱費・原材料価格の高騰に加え、米国の関税政策も不安材料として業績に影響を及ぼす懸念があります。
2023年度まで好調であった半導体業界の動向については、当社グループ製品においても現在在庫調整局面となっており、本格的な回復は2026年以降を見込んでおります。
このような状況下ではありますが、当社グループの中核をなす圧力計事業、圧力センサ事業における製品群は、多岐にわたる業種において生産設備をはじめ生産活動に欠かせない重要な役割を果たしています。
「FA・建設機械・半導体製造装置・社会インフラ」等、様々な業界で圧力計測のニーズが拡大しており、需要はさらに増加すると見込んでおります。
これらのニーズに対応するため、これまで培ってきた計測技術を活かし、デジタル化に対応した新製品開発は勿論、最新の生産設備導入にも注力してまいります。
(3)第2次中期経営計画(対象期間:2023年度~2025年度)
当社グループは、2023年4月よりスタートした第2次中期経営計画において、『モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む』をスローガンに、対象となる3事業年度を、2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な3ヵ年と位置付けております。
2025年3月期は、第2次中期経営計画の2年次でありましたが、売上高、営業利益ともに前年度実績を上回ったものの、中期経営計画に対しては未達となりました。
最終年度となる2025年度は、中期経営計画当初に掲げた売上高753億円、営業利益率12.9%、株主資本利益率(ROE)10%確保を設定するも、製造業における設備投資の抑制傾向が続いていることを受け、今期(2025年度)の連結売上高の見通しを671億円といたしました。
第2次中期経営計画に掲げる基本施策である既存事業の競争力強化、グローバル戦略の強化、新たな事業領域の拡大、経営基盤の強化の4つの成長戦略に沿った具体的取組を実行し、今期の計画達成にとどまらず、次期の中期経営計画に向けた持続的成長を目指してまいります。
優先的に対処すべき事業上及び財務上課題
《成長戦略1 既存事業の競争力強化》
既存事業の強化と再構築により事業効率の向上を図ります。
① 製品の事業採算性向上
a.不採算製品に対する価格改定とコスト低減による収益改善
b.機種統廃合による部品・構造の共通化と製品体系の再構築
c.今後の事業拡大を見据えた生産能力の増強
② 顧客要望に対する迅速な製品開発
a.技術部門の新組織体制による開発力強化
b.成長分野における商品開発
・水素・アンモニアビジネスに注力した脱炭素化事業の拡大
・半導体用途市場に対する製品拡充
c.ICT・デジタル技術を活用した高付加価値サービスの構築
《成長戦略2 グローバル戦略の強化》
グローバル市場で圧力センサのAshcroftブランドを確立し、地産地消を推進します。
① メキシコのケレタロ工場で北米市場を主体に生産拡大・機種拡充へ
② 中国工場でメキシコ同様の製造ラインによる生産拡大・機種拡充へ
③ 欧州の製造拠点をドイツに集約し、生産効率改善と現地生産を進める。
《成長戦略3 新たな事業領域の拡大》
独創技術による製品開発で事業領域を拡大します。
① 光学式圧力センサの特性(極微圧から超高圧、極低温から超高温)を活かし、極限環境下における用途開発
と品揃えの拡充
② 高精度圧力計測・制御開発
高精度圧力校正機器の開発・補完により、計測制御機器セグメントを強化
《成長戦略4 経営基盤の強化》
サステナビリティ・ESG経営を推進します。
環境・社会・ガバナンスの社会課題に取組み、環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治を強化し、企業価値の向上を図ります。
① GHG削減活動の推進
② 環境負荷低減製品の開発・供給推進
③ 廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給
④ 女性・中核人材等における多様性の確保
⑤ 人材育成と社内環境整備への取組
⑥ サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築
⑦ グループガバナンス強化への取組
⑧ DXの推進とサイバー・データセキュリティの強化
⑨ サステナビリティへの取組と開示
(4)生産能力増強設備
今後の事業拡大を見据えた設備増強として、2024年度には、空圧機器業界向け小型圧力計の新製造ライン及び半導体業界向け圧力センサの増産ラインを新たに稼働させ、生産能力の向上とさらなる生産効率の改善を実現いたしました。
現在、当社の丸子電子機器工場においては、圧力センサ素子の加工及び研磨工程における生産能力を強化するための工場増設を進めております。この工場増設により圧力センサ素子の製造工程を集約し、より効率的な生産体制を構築することを目指しており、2025年9月の稼働開始を予定しております。
また、圧力計事業及び圧力センサ事業においては、水素を含む新エネルギー分野、医療関連分野、さらには半導体技術の進化に伴う市場拡大が見込まれております。これらのニーズに応えるため、さらなる生産設備の導入や新工場の建設を視野に入れ、より高い生産性と品質を実現するとともに、お客様からの信頼を得られる企業として、企業価値の向上に努めてまいります。
今後も積極的な設備投資を通じ、持続的な成長を追求し、業界内での競争力を一層高めてまいります。
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