企業兼大株主近鉄グループホールディングス東証プライム:9041】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、経営理念『「いつも」を支え、「いつも以上」を創ります。』のもと、誠実な企業活動により暮らしの安心を支え、果敢な挑戦により新たな価値を創出し、多様な人々との協働により社会に貢献することを経営の基本方針に、鉄道、不動産、国際物流、流通、ホテル・レジャーなど幅広い事業を営んでおります。

 それぞれの事業において、サステナビリティを重視して社会課題の解決に努めることにより、持続的な成長を目指すとともに、多様なステークホルダーの皆さまと「共創による豊かな社会」の実現に貢献してまいります。

(2)中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

 今後の当社グループを取り巻く事業環境は、インバウンド需要の拡大に加え、大阪・関西万博、大阪IR等を契機とした地域経済の活性化が見込まれる一方、国内人口減少・少子高齢化、人財不足、さらなる物価・金利の上昇、地政学リスクの高まりなどの懸念材料があり、これらに加えて地球温暖化の影響を強く受けるものと予想されます。

 このような事業環境に適切に対応し、当社グループが将来にわたり顧客・地域社会・株主・取引先・従業員等のマルチステークホルダーの皆様から信頼され選ばれる存在となるため、「近鉄グループが目指す方向性」を明示したうえで、10年後の「ありたい姿」を「長期ビジョン2035」としてとりまとめ、その実現に向けてバックキャスト思考で目標・施策を設定した「中期経営計画2028」を策定いたしました。

 目指す方向性は、「地域社会のパートナー、そして新しい“時代”へ」としております。「近鉄グループにしかできないこと」にチャレンジし続け、幅広いフィールドで躍動し、強さとしなやかさを両立した、社会に貢献し続ける企業グループを構築するという将来像を描いております。沿線から沿線外、さらにグローバルへと幅を広げ、営業利益規模のイメージとして、沿線・沿線外・グローバルの割合を同じ水準に、また、BtoB事業とBtoC事業の割合を同程度にすることを目指します。

 当社グループは、各事業セグメントで高いプレゼンスがある会社を複数有しており、その有機的な連携に加えて、積極的な外部アライアンスを取り入れることで、コングロマリット・プレミアムを創造できると考えております。このような当社グループの強みを踏まえ、長期ビジョンを「グループ総力の結集と果敢なチャレンジにより、国内外での暮らし・交流を支えるビジネスを柱に、持続的に価値を創造する企業グループへ進化」と定めました。マルチステークホルダーとのエンゲージメントを持続的に高め、サービス・情報などにより「社会」を支える近鉄グループを目指してまいります。

 その具体化に向けた重点戦略として、「あべの・上本町・なんばの魅力拡充」「伊勢志摩のブランド力強化」「夢洲周辺ベイエリア開発による事業拡大」「インバウンド需要の取込み拡大」の4つのテーマにより沿線の価値深化・活性化を図るとともに、「首都圏等沿線外での事業基盤強化、事業ドメイン拡大」「グローバルでの事業の深化・拡大、プレゼンスの向上」の2つのテーマにより沿線外・グローバルでの事業深化・拡張に取り組んでまいります。

 また、「中期経営計画2028」では、2025年度から2028年度までの期間を「長期ビジョン2035」の「種まきと育成期」と位置づけております。これまでに培った信頼というブランドや成長余地の大きい事業群等を活かし、価値を創造する企業グループへの進化に向けた「新たな基盤構築」と「着実な成長」を実践してまいります。

 各部門別の中長期的な重点施策は以下のとおりであります。

① 運輸

 運輸業におきましては、鉄軌道事業で、省エネ効果の高い新型一般車両の導入を拡大するとともに、DX・ITによる業務効率化や各種設備の更新を進めるなど、安全輸送を大前提とした効率的な事業体制の強化を図ります。また、沿線の魅力深耕による交流人口の拡大、地域共創を通じた定住人口の維持拡大、名阪特急増発など需要に応じたサービス強化、コンセプトやテーマ性の高い列車の導入検討等により、沿線活性化と需要喚起の取組みによる収入の拡大を目指してまいります。

② 不動産

 不動産業におきましては、大阪上本町駅等の沿線主要駅前での再開発や首都圏等沿線外の開発プロジェクトを推進するとともに、アセット事業およびマンション事業に加えて仲介・リフォームなどのハウジング事業の強化を図り、これらを3本柱として確立してまいります。また、米国・豪州等における多様なアセットタイプの不動産ファンドへの投資により情報ネットワークの拡大を図り、これを基盤に実物投資など海外での業容拡大に取り組んでまいります。

③ 国際物流

 国際物流業におきましては、㈱近鉄エクスプレスが掲げる長期ビジョン「“Global Top 10 Solution Partner”~日本発祥のグローバルブランドへ~」の実現に向けて、グローバルに事業展開する大手顧客を中心とした販売強化のほか、競争優位性のあるアジア市場でのさらなる販売強化や、成長領域であるアジア・欧米間の航空・海上レーンの強化を図ることで、取扱物量の拡大を通じた成長に努めます。また、コーポレート部門の機能強化を図り、成長を支えるグループ・プラットフォームの構築による経営基盤の強化にも取り組んでまいります。

④ 流通

 流通業におきましては、百貨店業で、あべのハルカス近鉄本店および周辺施設のリモデルを通じたあべの・天王寺エリアの魅力向上に取り組むとともに、地域店においては、駅前の立地を活かし地域のインフラ機能も担う存在として、地域の価値向上に貢献してまいります。

 ストア・飲食業では、お客様のニーズに合わせた売場づくりに注力するほか、駅ナカの活性化に向けた取組みや地元の産地連携商品の開発・拡充により、地域振興のコアとして地域の価値向上に努めてまいります。

⑤ ホテル・レジャー

 ホテル・レジャー業におきましては、ホテル業で、外資ブランドとの協業により積み重ねてきたグローバルスタンダードに準拠した運営ノウハウをもとに、世界水準のサービスクオリティを追求し、国際的にも確固たる評価の獲得を目指します。また、国内外を問わず、直営型と運営受託型の両軸で運営ホテルの拡大を図り、収益力とブランド力の向上に取り組んでまいります。

 旅行業では、クラブツーリズム㈱と近畿日本ツーリスト㈱がもつ強みを掛け合わせ、地元関係者との連携を通じた地域共創モデルの構築や訪日ツアーの誘致等により、成長領域である地域共創事業および訪日事業の拡大に取り組むとともに、両社の事業運営基盤の共通化を進めてまいります。

(3)目標とする経営指標

 これらの施策を推し進めることにより、「中期経営計画2028」の最終年度である令和10年度には、営業利益1,000億円以上を目指します。また、新たにROIC(投下資本利益率)を経営指標として導入し、回転型不動産ビジネスへの参入を含め、資本効率性をより強く意識した経営を実装するとともに、有利子負債の圧縮と着実な成長投資、株主還元のバランスがとれたキャッシュアロケーションを実現してまいります。

[中期経営計画2028における目標指標]

 

 

令和6年度実績

令和10年度計画

収益性

営業利益

843億円

1,000億円以上

資金調達

純有利子負債

1兆255億円

1兆円未満で

コントロール

経営効率

ROE

8.8%

更なる向上

 

ROIC(新指標)

4.2%

4.5%以上

財務規律

自己資本比率

21.7%

25%以上

 

純有利子負債/EBITDA倍率

6.8倍

6.0倍程度

(注)純有利子負債=有利子負債(借入金+社債)+リース債務(IFRS第16号による計上分を除く)-現預金

ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本

ROIC=税引後営業利益(営業利益×(1-実効税率))÷(純有利子負債+株主資本)

EBITDA=営業利益+減価償却費(IFRS第16号による計上分を除く)+のれん償却費

 近鉄グループが目指す方向性のもと、長期ビジョンの実現に向けて、グループの総力を結集して本中期経営計画に取り組むとともに、マルチステークホルダーの皆様とのエンゲージメントを一層充実させ、企業価値と株主価値の向上を目指してまいります。

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