豊和工業
【東証スタンダード:6203】「機械」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念とパーパス(存在意義)
当社グループは、「ものづくりを通じて、社会に貢献し、企業価値の向上を目指します」という経営理念のもと、「より良い商品とサービスを提供し、顧客の期待と信頼に応える」「コンプライアンスを重視し、社会から信頼される会社であり続ける」「議論・対話を尽くし、活力ある企業風土を醸成する」を重要な行動規範と位置付けております。
また、この経営理念をもとに、将来にわたって当社グループが存在し続ける意義を、以下の通り「まもる」をキーワードとする「パーパス」として掲げております。
まもる:人々の幸せな社会生活をまもり、ものづくりと共に成長し続ける会社
・技術の発展を支え、世界のものづくりを「まもる」
・社会インフラ整備に貢献し、社会の発展を「まもる」
・国防に貢献し、国の安全と平和を「まもる」
・災害から人々を防ぎ、安心な生活を「まもる」
当社グループといたしましては、この経営理念とパーパスに基づき、人々が幸せな社会生活を送るうえで、大切なものを「まもる」ために貢献することを常に意識しながら、企業価値の向上に努めてまいります。
(2)サステナビリティの基本方針と今後の取組み
当社グループは、ものづくりを通じて、社会に貢献し、企業価値の向上を目指すことを経営理念として掲げ、100年を超える歴史の中で蓄積された技術とノウハウを結集し、幅広い分野で革新的な製品を産み出し、ものづくりの発展に携わってきました。
これからも、当社グループのパーパスである「人々の幸せな社会生活をまもり、ものづくりと共に成長し続ける」に基づき、透明性の高い企業統治の下、環境課題の解決や社会との調和に意欲的に取り組み、ステークホルダーとの信頼関係を強固なものとし、中長期にわたって企業価値を向上させてまいります。
また、基本方針に基づき、サステナビリティの今後の取組みにおける重要課題として「事業を通じた価値創造と社会的課題の解決」と「持続的成長に向けた経営基盤の強化」を掲げ、更にそれぞれの項目別に、以下の通り「マテリアリティ」として分類しております。
マテリアリティの具体的な実行に向けては、形骸化することのない、サステナビリティ経営を推進することが重要であり、マテリアリティの中でも「気候変動対応」、「人的資本の強化」と、「デジタル化対応」を早急に対処すべき課題と認識し、長期ビジョンの策定を進めてまいります。
(3)経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
①前中期経営計画の振り返り
当社は、前中期経営計画の最終年度となる2025年3月期におきまして、連結売上高248億円、連結営業利益20億円、ROE8.0%の数値目標を掲げました。
前中期経営計画期間中では、政府より防衛予算の増額方針が示され防衛装備品の納入数が大幅に増加する一方で、世界的なEV車需要の鈍化や中国市場の景気低迷などにより自動車関連設備投資が減退しました。このような変化の中、防衛装備品の生産ラインの拡張による生産量増強並びに生産性の向上を図り、ものづくりを通じた企業価値の向上と持続的な成長を目指し、企業競争力の強化と収益力の抜本的な改善に取り組んでまいりました。
しかしながら、最終年度の実績は以下の通りとなり、中期経営計画で掲げた財務目標達成には至らず、企業価値向上の取組は道半ばの状況にございます。
財務目標 | 目標値(2025年3月期) | 実績値(2025年3月期) |
連結売上高 | 248.0億円 | 248.2億円 |
連結営業利益 | 20.0億円 | 12.5億円 |
ROE | 8.0% | 4.2% |
②新中期経営計画において目標とする経営指標および2026年3月期の見通し
前中期経営計画の結果を踏まえ、2028年3月期を最終年度とする3ヵ年中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期、以下「本計画」)を策定いたしました。本計画におきましては、「工作機械関連事業の市場規模に適合した収益構造への変革」と「既存事業の生産性向上による収益力の向上」が喫緊の課題であると認識し、工作機械関連事業を主体とする体制から事業ポートフォリオを変革し、4つの事業領域がそれぞれの特性を生かしたニッチな分野を探求して事業戦略に取組む体制とし、「収益力の向上」を図ります。また、当社の特性を活かすことができる新規事業の創出に取り組み、将来の事業拡大に向けた基盤を構築します。さらに、収益力の向上により得た原資により財務基盤の健全性を維持しながら「成長投資」と「株主還元」の強化を図ることで、企業価値向上と持続的な成長を目指します。
本計画の初年度となる2026年3月期は、火器の20式小銃の納入数は増加するものの、米国関税政策の影響やその他防衛装備品の減少により火器の収益は減少すると見込んでおります。しかしながら、工作機械関連の収益構造改革をはじめ、特装車両、建材の各事業の収益力の向上により、2025年3月期比で増収、増益を目指してまいります。
これらの状況を踏まえ、2026年3月期の業績予想につきましては、売上高24,900百万円、営業利益1,310百万円、経常利益1,420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は930百万円と予想しております。
財務目標 | 2025年3月期 実績 | 2026年3月期 中計初年度予想 | 2028年3月期 中計最終年度予想 |
連結売上高 | 248.2億円 | 249.0億円 | 250.0億円 |
連結営業利益 | 12.5億円 | 13.1億円 | 22.0億円 |
ROE | 4.2% | 4.9% | 8.0% |
③本計画の戦略の骨子
本計画では、以下の基本方針と戦略を掲げております。
基本戦略 | 収益構造の抜本的な改革 |
事業戦略 | 事業環境の変化に応じて経営資源を配分し、事業特性を活かしたニッチトップを目指す体制の構築により既存事業の強化及びオーガニック成長による稼ぐ力の向上を図る |
財務戦略 | 財務基盤の健全性を維持しながら、成長投資と安定的な株主還元を実現することで、持続的な成長による企業価値の向上を図る |
ESG経営 | 特定したマテリアリティに基づき、優先項目への取組みを推進 ・ カーボンニュートラルの実現に向けた推進 ・ 人的資本、DX推進による経営基盤の強化 |
④事業環境認識と対処すべき課題
本計画においては、以下の事業環境認識をし、対処すべき課題を掲げております。
事業環境認識
・自動車のEV化の流れが鈍化しており、サプライチェーンの不確実性により自動車関連メーカーの設備投資需要が不透明である
・防衛予算の増大や地政学的なリスクの増加により防衛装備品に対する 需要は増加すると想定される
・ニッチマーケットである路面清掃車や防音サッシは継続して一定の需要が維持される見込み
対処すべき課題
・工作機械関連事業において市場規模に適合した収益構造への変革
・既存事業の生産性向上による収益力の向上
・新しいマーケット開拓や新しい製品の開発
⑤重点施策
本計画において、以下の3つの重点施策を掲げております。
工作機械関連事業の収益構造改革
・市場規模に合わせた体制への再編(人員削減、工場縮小、中国子会社の縮小)
・採算性を重視した製品戦略・販売戦略の推進
・生産性向上とコストダウンの推進
・ニッチトップとなる領域の開拓と競争力の強化
既存事業の収益力向上
・生産性向上、コスト低減による利益率向上
・安定供給体制の確立による安定収益の確保
・営業力強化による販売促進
・成長分野へのメリハリのあるリソース再配分
・本社及びグループ会社の最適化
新事業・将来事業の創出
・既存製品の拡充、新市場への投入
・関連ビジネスの創出やサービスの転換
・当社の特性を活かすことができる新たな製品・市場の調査
⑥人事制度改革
以上の事業戦略を実現するため、これまで進めてまいりました組織横断的なプロセス改善に加え、従業員一人一人が能力を最大限に発揮し、成果を高め、業績へ貢献できる人材へと成長することを動機付ける取り組みとして、人的資本への投資と人事制度改革を推進しています。
2023年4月より、役割に応じた目標設定と成果評価を行う人事評価制度を、また2024年4月からは、資格等級体系及びそれらに求められる役割を明確にし、役割に対する達成度を評価しステップアップにつなげる、新たな賃金制度を開始しています。更に、2024年7月からは会社の業績向上への意欲・士気を高めるため、成果を上げた従業員に対し自社の株式を給付する制度を導入いたしました。
⑦配当還元方針
1株当たり20円の安定配当を維持しつつ、配当性向30%を目途とすることで、利益が増加した場合の株主の皆様への還元を強化する方針としております。
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