企業西武ホールディングス東証プライム:9024】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本資料に記載されている当社グループの業績予想、目標、計画、予想その他の将来情報については、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき作成した当該時点における当社の判断又は考えに過ぎず、実際の当社グループの業績、財政状態その他の結果は、国内外の政治、経済、金融情勢の変動や、意図する施策の状況その他の本資料の作成時点で不確実な要素等により、本資料の内容又は本資料から推測される内容と大きく異なる場合があります。

 当社グループは、2006年に制定したグループの経営理念及び経営方針である「グループビジョン」と、グループのコンプライアンスに関する基本原則を定めた「西武グループ企業倫理規範」のもと、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業、不動産事業のほか、スポーツ事業など幅広い事業活動を通じて、その社会的責任を果たし、新たな行動と感動を創造することにより、お客さまに信頼され、選ばれる企業グループを目指しております。

 「グループビジョン」は、グループの役割・使命及び基本姿勢を示した「グループ理念」、この理念を実現するための行動指針「グループ宣言」及びこれらをお客さまへのメッセージとして集約した「スローガン」から構成され、内容は以下のとおりであります。

<グループビジョン>

 

☆グループ理念

 私たち西武グループは地域・社会の発展、環境の保全に貢献し、安全で快適なサービスを提供します。また、お客さまの新たなる感動の創造に誇りと責任を持って挑戦します。

 

☆グループ宣言

 私たちは、「お客さまの行動と感動を創りだす」サービスのプロフェッショナルをめざします。

①誠実であること

・常に、「安全」を基本にすべての事業・サービスを推進します。

・常に、オープンで、フェアな心を持って行動します。

・常に、お客さまの声、地域の声を大切にします。

②共に歩むこと

・常に、自然環境、地球環境への配慮を忘れません。

・常に、地域社会の一員として行動します。

・常に、グループ内外と積極的に連携を図ります。

③挑戦すること

・常に、グローバルな視点を持って行動します。

・常に、時代を先取りする新しいサービスを提案します。

・常に、お客さまの生活に新しい感動を提供します。

 

☆スローガン

 でかける人を、ほほえむ人へ。

 

 企業価値の極大化に向け、「西武グループ長期戦略」に基づき、当社グループが保有する経営資源の有効活用をおこないながら、様々な事業・サービスを組み合わせて提供できる領域・付加価値を拡大し、あらゆる場面でお客さまの生活を応援していく企業グループとなることで、今後とも持続的かつ健全な成長を目指してまいります。

 このような中、当社グループは、2021年5月13日に「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とし、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」(以下、「中期経営計画」)を策定いたしました。

 中期経営計画では、当社グループの「アフターコロナの社会における目指す姿」を「最良、最強の生活応援企業グループ」とし、その実現に向けて取り組んでいく3ヵ年としております。コロナ禍で進んだ価値変容、行動変容はアフターコロナの社会に定着するとの想定から、それに対応しビジネスモデルを変革することに加え、コロナショックのような危機は今後も繰り返し起こるものと想定し、いかなる事業環境下においても、企業価値、株主価値の極大化を果たしていけるように企業体質を強化してまいりました。

<中期経営計画の取り組み>

 ここからは、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みについて、その進捗と翌連結会計年度以降の取り組みをご説明いたします。

Topic1:経営改革

 コロナ禍で浮き彫りになった経営課題にまっすぐ挑み、以下のとおり、「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」という3つのテーマに対し、聖域なく「経営改革」を断行してまいりました。

テーマ① アセットライトな事業運営

 繰り返し起こると想定される危機に対してより強固な体質を構築すべく、アセットの「保有」と「運営」の一体構造から、「アセットライト」をテーマにビジネスモデルを変革すべく、下記の方針に基づき、すべての資産・事業の内容について保有メリットや開発の余地、また、売却・流動化によるキャッシュ創出規模などを総合的に勘案し、峻別を進めてまいりました。

 「売却・流動化」については、2021年7月1日には西武建材株式会社の株式譲渡、2021年12月に新横浜スクエアビルなどオフィスビルの流動化を実施いたしました。さらに、一歩踏み込んだ事業ポートフォリオの見直しとして、西武建設株式会社の株式95%を、2022年3月31日に株式会社ミライト・ホールディングス(現 株式会社ミライト・ワン)へ譲渡いたしました。

 また、ホテル・レジャー事業については、ホテルアセットライトを進めました。GIC Private Limited(以下「GIC」といいます。)の関係会社に対し、ザ・プリンス パークタワー東京など、当社連結子会社である株式会社西武リアルティソリューションズが保有するホテル・レジャー事業の一部資産26物件の譲渡をおこないました。譲渡した物件については、ホテルオペレーター会社「株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド」が対象物件の運営業務を受託しております。今後は、GICとの長期的かつ強固なパートナーシップに基づき、GICが国内外において有するホテル経営の知見及び資金力を活用した安定的な成長投資により、また、GICが有する国内外の豊富なネットワークの活用により、ホテル・レジャー事業に係る資産の本源的な価値の極大化、及び業界No.1のホテルチェーンの構築を実現し、当社グループの「企業価値向上の原動力」であるホテル・レジャー事業の中長期的な成長をはかってまいります。

 その他、継続保有する資産については、株式会社プリンスホテルが保有するホテル・レジャー事業の資産を「株式会社西武リアルティソリューションズ(2022年4月1日株式会社プリンスホテルから商号変更)」に集約するグループ内組織再編を実行し、新体制での運営に移行しております。今後、総合不動産会社を目指すとともに、グループの保有資産の価値極大化をはかってまいります。

 翌連結会計年度においては、これまで進めてきた「アセットライトな事業運営」をさらに進め、私募ファンド、私募REITをはじめ、当社グループにおける有効な不動産回転型ビジネスの検討を進めてまいります。

テーマ② 損益分岐点の引き下げ

 有価証券報告書提出日現在においては、ウクライナ情勢に端を発する原油高の影響などにより、固定費は増加傾向にありますが、当連結会計年度までの取り組みとして、都市交通・沿線事業におけるダイヤ改正やホテル・レジャー事業における要員コントロールなどにより、恒常的な固定費低減に取り組んでまいりました。また、「バックオフィス業務の共通化」を企図し、柔軟な働き方、及び専門性の高い人財により最適なシェアード・サービスを提供する「株式会社西武プロセスイノベーション」を2022年12月1日付で設立し、2023年6月1日に運営を開始いたしました。管理支援業務の集約及び選択式週休3日制等フレキシブルワークを実現し、多様な人財が活躍することで生産性の向上をはかってまいります。

テーマ③ ニューノーマルに合わせたサービス変革

 当連結会計年度までに「プリンスグランドリゾート軽井沢」を国内を代表する「ワーケーションリゾート」としての地位確立を目指すエリアと位置づけ、東日本旅客鉄道株式会社などと連携し、施設やサービス、商品の充足をおこないました。さらに、株式会社ステップアウトが、アウトドア事業領域の拡大に向けバーベキュー事業の開始やキャンプ場のオープンに向けた取り組みを進めてまいりました。引き続き、新たな時代において、西武グループのサービスをご利用いただくお客さまを広げ、満足いただくことで、多様なサービスを繰り返しご利用いただく「西武グループのファン」を増やしてまいります。

都市交通・沿線事業の経営改革

 都市交通・沿線事業においても西武鉄道株式会社の定期収入はリモートワークの定着などにより需要減少が継続しており、人々の行動変容・価値変容が進むことによって、「移動」頻度も大きく見直されることとなり、定期収入がコロナ前の状態まで完全に回復する可能性が低くなっております。こうしたことから、上記の取り組みに加え、当連結会計年度については、都市交通・沿線事業の損益構造をさらに見直すべく、「組織・運営体制の見直し」「売上高向上」「固定費の低減」を柱に、「都市交通・沿線事業の経営改革」を進めてまいりました。

<組織・運営体制の見直し>

 西武鉄道株式会社は、中核事業である鉄道業、ならびに沿線価値創造機能に特化するため、西武園ゆうえんちなど鉄道業以外の不動産を当社連結子会社である株式会社西武リアルティソリューションズへ移管いたしました。また、西武園ゆうえんちについては運営主体を当社連結子会社である株式会社横浜八景島へ運営委託をいたしました。このような不動産の移管及び沿線観光事業の運営体制見直しをおこなうことで、より専門性を高め、収益力の強化やグループシナジーを発揮できる最善の組織・運営体制を構築いたしました。

 今後は、グループ事業運営におけるノウハウ・リソースの集約や専門性向上により、各事業のさらなる成長につなげてまいります。

<売上高向上・固定費の低減>

 西武鉄道株式会社において、混雑分散化及び沿線施設利用促進の取り組みとして、2022年7月より平日朝の乗車ピーク時間帯以外の特定時間帯に入出場した際や、西武線沿線の観光地や開催イベント等へのおでかけなど特定の条件で乗車するとSEIBU Smile POINTが貯まる乗車ポイントサービスの運用を開始いたしました。また、2022年12月からはWebで特急券・指定券を購入できるチケットレスサービス「Smooz」をフルリニューアルし、西武グループの会員組織「SEIBU PRINCE CLUB」と会員基盤を統合することで、会員連携を強化し、利用促進をはかってまいりました。

 今後も駅業務のスマート化、保有車両数の削減、従業員エンゲージメント向上のための環境改善等、売上高向上や固定費の低減にむけて損益構造の見直しに取り組んでまいります。

Topic2:デジタル経営

 当連結会計年度においては、当社に「DX・マーケティング戦略部」を設立し、スピード感を持ってデジタル経営を推進してまいりました。

 翌連結会計年度については、新たな取り組みとして「SEIBU PRINCE CLUB」において、2023年4月1日よりSEIBU Smile POINTを「PASMO」へチャージすることが可能となりました。また、2024年度には海外事業所にてSEIBU Smile POINTのポイント進呈及び利用ができるようになるなど、お客さまに西武グループの多様なサービスを繰り返し利用していただけるよう努めてまいります。

 今後も、攻めと守り双方の視点からデジタル経営を実現すべく、グループ会員組織「SEIBU PRINCE CLUB」を中心にグループ内外のデータをつなぎ利活用できる「グループマーケティング基盤」を構築し、その利活用により、前述のニューノーマルに合わせたサービス変革、さらには「西武グループのファン」獲得につなげてまいります。

 また、管理系基幹システムのグループ共通システム化などを進め、業務改革、働き方改革を実現し、固定費削減につなげます。

Topic3:サステナビリティ

 安全、環境、社会、会社文化の4領域12項目のアジェンダにおいて持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組んでまいりました。中でも、環境への取り組みは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同や、2020年度に設立した西武アグリ株式会社などにより西武グループ初となるソーラーシェアリングを開始するなど、気候変動が進む中でリスク・ビジネス機会双方の影響を適切に認識し、積極的に対応していく「グリーン経営」の実現に努めてまいりました。

 当連結会計年度は、環境領域において、2022年4月1日より、株式会社西武リアルティソリューションズが管理をおこなう大規模オフィスビル「ダイヤゲート池袋」で使用する電気の全てを、西武グループが運営する「西武武山ソーラーパワーステーション」による発電(環境価値が付いた電力)で賄い、実質CO₂排出ゼロでの運営を実現いたしました。また、軽井沢・プリンスショッピングプラザにおいてオンサイトPPAによる太陽光発電を導入し、2023年3月より稼動を開始しております。引き続き、気候変動への対応について、スピード感を持った対応が求められることから、より一層の削減を着実に進めるため、CO₂排出量削減目標について、変更・新設(長期目標:2050年度ネットゼロ 中期目標:2030年度までに2018年度比46%削減 短期目標:毎年度 前年度比5%削減)いたしました。

 また、翌連結会計年度については、引き続きCO₂排出量削減目標の達成に向け、利用エネルギーの削減、再生可能エネルギー導入に努めてまいります。その一環として、西武バス株式会社では2023年4月より100%電気で走る大型路線バスの導入を開始いたしました。その他、2023年4月にはG7広島サミットの主会場となったグランドプリンスホテル広島をはじめ、軽井沢プリンスホテル、札幌プリンスホテルの3ホテルで、観光品質認定制度「サクラクオリティ」及びSDGsを実践する宿泊施設の国際認証である「Sakura Quality An ESG Practice(通称:サクラクオリティグリーン)」を同時取得いたしました。

 今後も引き続き「サステナビリティアクション」を推進することで、持続可能な社会実現に向け努めてまいります。

<今後に向けて>

 上記で述べた、中期経営計画の取り組みを踏まえ、当社グループにおける各社の役割を明確にし、アフターコロナにおいて企業価値・株主価値の最大化を果たす体制を構築いたしました。

 構築した組織体制に合わせ、経営改革による主力事業の専門性強化と連動した西武グループ人財戦略の基本コンセプトを策定いたしました。「人財の見える化」「従業員満足度(ES)向上」「マネジメント強化」「人財の創出・精鋭化」「多様性推進」「経営人財育成」の6つの戦略テーマに沿った各施策を推進することで、エンゲージメント向上、人財創出を実現し、「プロフェッショナル集団」を目指してまいります。

<重視する経営指標>

 「アフターコロナの社会における目指す姿」に向けて、「アセットライト」を意識し、下記4つの資本効率や最適資本構成を示す経営指標について「中長期的に目指す水準」を2021年5月の中期経営計画策定時に設定いたしました。

   ・ROE                10%以上

   ・ROA                3.5%以上

   ・自己資本比率             25~30%

   ・ネット有利子負債/EBITDA倍率  6倍台

 今後、これらの重視する経営指標の水準に近づくよう努めてまいります。

 当社グループは、これまでもこれからも「でかける人を、ほほえむ人へ。」を変わらぬスローガンとして掲げ、お客さま、地域社会とともに成長していく企業として、お客さまの行動と感動を創造し、豊かで持続可能な社会を実現してまいります。また、お客さま、地域社会、地球環境にとって「最良」であり、それを支えるために揺るがぬ安全・安心を守り抜き「最強」であることを目指し、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)をキーワードにイノベーションに挑戦し続け、企業価値・株主価値の極大化に向けて企業運営をおこなってまいります。

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