虹技
【東証スタンダード:5603】「鉄鋼」
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企業概要
KOGI C&Eグループ(当社及び連結子会社)は多様な技術を追求する企業として有用な商品を創出し、この国の産業の礎と未来の発展のために資することを行動指針として日々の研究開発に勤しんでおります。
鋳物関連事業分野では、機能性に優れた鋳鉄材などの材料開発を進める一方で、既存技術の醸成と適用によって広い分野において寄与できる新たな材料の創造・開発にも取り組んでおります。また当社の高品質な鋳鉄材を産業界に幅広く供するための最新解析技術の開発も実施しております。
他方、機械・環境関連事業分野では省力化・省エネ化などに対応した先進的な機能性素材、機械・環境関連設備の設計及び技術開発を推し進めております。
現在、研究開発活動は当社の開発部員、各事業部の技術スタッフ等で実施しております。また海外子会社の天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司では技術スタッフが実施しております。研究開発に専門的に携わっている人数は準構成員含めて当社グループ全体で43名であります。
当連結会計年度における全社の研究開発費は482百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。なお、研究開発費には、当社の開発部で行っている熱解析、流動解析、応力解析などのためのシミュレーション技術の開発や全社的な基礎的研究など、各事業に配分できない費用が12百万円含まれております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。
1 Casting Field
主に開発部と関連事業部の技術スタッフが研究開発活動を実施しております。
開発部では通常の一般鋳鉄材では成し得ない高剛性と高強度を有する低炭素球状黒鉛鋳鉄を開発しました。本開発材は継続的に新聞記事に取り上げられ、昨年の7月末には下水道展(於:東京ビッグサイト)にPR出展し、各産業界から注目を集めております。さらにお客様への技術PRを重ねた結果、今年5月には試作品を納入し、現在評価を進めております。また同開発材の量産化についても様々な形状及び方法にてその技術の成熟を図っております。
鋳鉄材以外の開発についても事業部門と共同で新商品・新商材の開発及び創製に取組んでおります。その一環として2019年から産学官連携プロジェクト「ひょうごメタルベルトコンソーシアム」に委員として参画し、関連大学や企業との交流を積極的に推し進め、技術の質的な向上を図っております。
解析の分野においてはお客様の設計仕様を踏まえつつ、より質の高い鋳物製品を提供するため、流動解析と熱解析に応力解析を連動させた鋳造CAEの技術向上にも取り組んでおります。一方ではそれら解析ソフトの機能を応用し、鋳造にて発生する欠陥の予測技術の開発にも着手しております。本技術は鋳造方案、条件及び鋳造欠陥情報を機械学習させることで種々の製品における鋳造欠陥予防措置が可能となります。今後は当技術を醸成することで、鋳物製品の品質確度の向上を図ってまいります。さらに幅広い鋳造プロセスに対応した最新の鋳造解析ソフトの適用も事業部門と共に進めております。
また鋳鉄の原材料に関してコストダウンを目的とした研究にも着手しており、今後の利益拡大につながることが期待できます。
研究開発活動以外においては技術力向上を目的とした様々な支援活動を行っており、入社5年以内の技術系社員を対象とした鋳鉄の基礎と入社15年以内の中堅技術系社員を対象とした鋳鉄材料の学び直しをベースとした社内教育を定期的に実施することによって専門技術知見と技術課題の達成力の醸成にも力を注いでおります。
事業部門においては連続鋳造鋳鉄棒に関して製品品種拡大や品質の維持向上を図ることによって多彩なラインナップを取り揃えており、ゆるぎない業界随一のシェアのさらなる向上と売上拡大に貢献しております。
大型鋳物製品においてはこれまでに培ってきたフルモールド鋳造法の技術をさらに錬成し、高難度の鋳物を製造しております。また高い品質を要求される量産鋳物や大型工作機械鋳物の製造については最新の解析技術を駆使しており、高確度の品質を担保出来ております。今後は更なる用途拡大を進めてまいります。
圧延ロール関連商品についてはこれまで国内外の製鋼メーカーに納入し、お客様から高評価をいただいております。その製造過程においては同部門の熟練した技術を元に様々な鋳造方法を用いて形鋼やその他向けに質の高いロールを製造しており、売上拡充の一役を担っております。
また公共関連商品においては安全性及びセキュリティ性能を向上させた自社型マンホールや解析によって強度を担保した電線共同溝(CCボックス)用鋳鉄蓋を製造しており、売上の拡大にも貢献しています。さらに鋳鉄製パネル枠体製品である「鋳田籠」の海洋生態環境保全向け海洋プランターとしての利活用を国内研究機関その他と共同で進めております。
鋳鉄以外の分野として昨年1月に子会社化した小口合金鋳造所においてはアルミニウム合金による半導体及び液晶製造装置部材や建設機械用部品の製造を手掛けており、産業装置の省力化や軽量化に大きく貢献しております。
中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司は、鋳鉄材の製造技術及び生産性向上のための技術開発にも取り組み、それに係る特許申請を行っております。上記の取り組みに加えて、ITを活用したモノづくりにも積極的に取り組んでおります。
当事業に掛かった研究開発費は457百万円であります。
2 Environment Field・環境エンジニアリング
送風機事業においては当該事業部の技術スタッフが中心となって研究開発を進めており、これまでにも様々な送風機を開発し、現在の受注増に寄与しております。さらにあらゆる解析を用いて高寿命・低騒音でかつ高い効率を有する送風機を継続して開発中であり、集塵機業界など設備のリプレースも含めた市場シェアの大幅な拡大を目指しております。
環境関連事業では、この事業部の技術スタッフが中心になって研究開発を進めております。これまでに開発されたストーカー式焼却炉は実際の大型ごみ焼却施設として安定的な燃焼効率や大幅な省エネ効果が得られるなどお客様から高評価を得ており、昨年3月に竣工した東京都八丈町のクリーンセンターも現在順調に稼働しています。
また徳島県海部郡衛生処理事務組合と次期ごみ処理施設建設事業の契約を結ぶことができ、当社の高い環境関連技術のさらなる拡充を進めております。また送風機器関連技術のノウハウを生かした新たな商品開発も遂行しており、これら技術の早期実用化をさらに推し進め、鋳物事業に次ぐ中核事業となるように人材を含めた技術的リソースの醸成も深めてまいります。
3 Environment Field・機能材料
機能材料関連事業では、主に開発部と関連事業部の技術スタッフで研究開発を実施しております。
主として自動車の摩擦材として使われているメタルファイバーはその材質、サイズ及び形状の種類を大幅に拡大して様々な用途開発に取り組んでおります。また今後需要が見込まれる電磁波シールド材や素材の熱伝導特性を利用した放熱部材などの分野に向けて、ファイバー素材と様々な媒体との複合化技術ならびにファイバーの焼結技術の蓄積と開発にも着手しています。その過程で昨年11月には名古屋プラスチック工業展に初出展し、その高い機能性を化学業界を含めた広い産業界に喧伝することで、新たな商流への展開を推し進めております。また開発部と共同でオリジナル材料の開発も実施しており、早期実用化に向けた展開も推進して参ります。
当事業に掛かった研究開発費は12百万円であります。
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