企業芦森工業東証スタンダード:3526】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「信用を重んじ、堅実を旨とする」「人の和と開かれた心で活力ある企業を築く」「創意を生かし、社業を通じて社会に貢献する」を企業経営の目標を達成するための活動指針である「社是」に掲げ、事業に対する信頼性と堅実性を経営の基本に位置付け、長期的視野から安定した経営基盤の確立に努めるとともに、卓越した開発力、技術力で多くの新しい商品を世に送り出し、事業活動を通じて社会貢献することを基本理念としております。

 また、会社の存在意義、ありたい姿と価値観を明確にするため「ミッション・ビジョン・バリュー」を策定し、社内の意思統一をはかるためにスローガンを作成しておりますが、今回の新たな中期経営計画の策定にあたり、目指すべき方向性を明確にするため、「ミッション・ビジョン・バリュー」の見直しを行い、ビジョンを更新いたしました。

≪スローガン≫ つむぐ技術(ちから)、つなげる未来

①『ミッション』 “私たちの使命は、命と暮らしを守る製品を提供することです”

 ミッションは当社の存在意義です。

 当社の製品の多くは、事故や災害時に人命を守ることや救助すること、また暮らしの中で事故・災害を未然に防ぐことを目的に使われます。このような製品を確実な品質で提供することにより、当社は社会から存在意義を認められます。

②『ビジョン』 “私たちは、繊維で培ったコア技術を活かして社会課題を解決する企業であり続けます”

 ビジョンは当社がミッションを通して目指す会社の姿です。

 当社は、1878年の創業以来、繊維を基にした様々な製品展開をしてきており、当社はこれからも、原点である繊維で培ってきたコア技術を活かし、社会課題を解決し成長する企業であり続けるという目指す姿をグループ全体で統一し、また、広くステークホルダーの皆さまにお示しするものです。

③『バリュー』 “私たちは、誠実に、ルールを守り、品質最優先のものづくりに取り組みます”

 バリューは当社が重んじる価値観です。

 ミッションを果たしビジョンを達成するためには、製品に求められる品質が揺るがぬよう、あらゆる意思決定と業務実施の場面において高い規範意識が必要となります。

「社是」を経営理念として最上位に位置付け、新たな「ミッション・ビジョン・バリュー」と一体であるべき姿を目指す会社の『道標』とし、日々業務を遂行していく上での指針としております。

(2)目標とする経営指標

 当社は、2025年から3ヵ年に亘る「第126~128期(2026年3月期~2028年3月期)中期経営計画」を2025年5月に策定いたしました。当該中期経営計画においては事業評価としてROICを重要な指数とし、2028年3月期に「5%以上」を目標としております。

 また、配当については、新たにDOE目標を設け、純利益の額に左右されずに安定した配当を株主の皆様に還元することに努めてまいります。

(3)経営戦略

2025年4月からの中期経営計画“Road to 150”は「更なる成長のための基盤整備を推進する期間」と位置付けており、「2030年に向けた足場固めと攻めの投資」を行ってまいります。2030年度の連結売上高900億円、連結営業利益60億円に向けて、向こう3年間で総額210億円の設備投資と研究開発投資を計画しています。当面は投資が先行する計画ですが、従来以上の配当を安定的に行い、投資と株主還元のバランスの取れた経営を行ってまいります。

 各事業および財務・投資戦略は以下のとおりです。

(自動車安全部品事業)

「交通事故死者ゼロに向けた、衝突安全規制の強化」が解決すべき課題であると認識しております。この課題解決のため、豊田合成株式会社とのアライアンスによるエアバッグ、シートベルトの拡販をさらに進めてまいります。

 グローバル市場において、小回りが利くという当社の強みを活かし、他社にない価値を提供し、存在感のあるビジネスパートナーを目指します。

 自動車市場は現在、法規の動向、BEVの進展に伴い、技術競争が激化しております。また、「コストダウンの標準化ニーズ」と「商品力アップのための差別化ニーズ」に対しての迅速な対応が求められております。このような環境に対応するため、4つの重点施策に取り組みます。

①商品戦略

 次世代シートベルトや内装品のラインナップ拡充を行います。また、豊田合成株式会社との協業による両社の強みを活かした、エアバッグの更なる拡販とシートベルトとのセット拡販に取り組みます。

②品質・生産戦略

 ビジネスパートナーを含めた品質アップ活動の拡充に取り組みます。また、現在一部拠点でしか展開できていないTPS(トヨタ流ものづくり)を全拠点に展開し、生産性の更なる向上と事業効率化を行います。

③販売戦略

 拠点運営基盤を安定させ、各市場において拡販体制強化に取り組みます。

④人材戦略

 各階層教育を強化し、次世代幹部職とコア人材の育成に取り組みます。

(機能製品事業)

 インフラの老朽化、災害・減災、環境保全、物流2024年問題などの社会問題に対応する製品・サービスの開発・販売を進めてまいります。これらを進めていくにあたり、各事業領域でそれぞれ以下の課題があると考えております。

 パルテム関連では、下水道分野における競争激化や、上水道分野への参入の壁、防災関連では、市場自体に新規参入が少なく、限られた会社間の競争の中でどのようにシェアを上げていくか、産業資材関連では、取り扱う製品の種類が多く、どのように差別化を行い独自性をだしていくか、ということです。このような環境のなかで、各事業領域では次の重点施策に取り組みます。

 パルテム関連は、「上下水道管の老朽化への対応」が解決すべき課題であると認識しております。下水道分野は、新工法の開発と新工場の建設で需要の増加に対応してまいります。また、今まではあまり参入できていなかった上水道分野についても、管轄が下水道と同じ国土交通省に変わったことを機会ととらえ、本格参入をできるよう取り組みます。

 防災関連は、「自然災害や大規模火災の増加への対応」が課題と認識しており、「高機能消防・排水ホースの販売拡充」、「大規模事業所向けの、大容量送水ビジネスの提案力の強化」、「防災新資機材の開発」に取り組みます。

 産業資材関連は、「建設土木、物流業界の人手不足等への対応」が課題と認識しており、「広巾の高付加価値製品や物流省力化製品の拡販」、「地盤改良製品の国内外での販売強化」、「金属代替繊維製品の開発」に取り組みます。

 機能製品事業全体で、「人材の確保」、「顧客志向や現場力の向上」、「技術の承継」に取り組みます。

(財務・投資戦略)

 今までの「守りの投資」から脱却し、未来の収益基盤を整備する「攻めの投資」への転換を進めてまいります。「攻めの投資」により、有利子負債が増加する見込みですが、以前に比べ充実した自己資本を背景に、財務健全性は維持されます。

 研究開発において、「軽量繊維コンポジット材の商品開発」などの新規分野の開発や「製織技術の向上」といった機能製品事業支援を行う予定です。

 設備投資につきましては、成長投資枠として80億円、設備更新枠として80億円を見込んでおります。成長投資は、「パルテム関連の新工場建設」、「自動車安全部品事業の新製品の製造設備等への投資」、設備更新は既存設備の生産性向上・環境・省力化に留意した設備への更新等を進める予定です。

 イノベーション戦略につきましては、創業以来培ってきた4つのコア技術を活かし、先ほどの説明のとおり、各事業での製品開発をさらに進めてまいります。そのため、研究開発費は前中期経営計画の3年間で約37億円でしたが、本中期経営計画の3年間では、約50億円に増大させる計画です。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 事業ごとの課題認識と取組みについては以下のとおりです。

(自動車安全部品事業)

 当社が製造する自動車安全部品は、安全規制の強化もあり、今後も需要拡大が見込まれる一方で、更なる安全性能の向上やコスト低減等のニーズが高まるものと予想されます。これらに対応するため、当社は豊田合成株式会社との協業をさらに深化させ、共同調達や設計仕様の統一及び競争力の高い商品開発に継続して取り組むとともに、TPS(トヨタ流ものづくり)の定着により、さらなる生産性の向上と不具合品の撲滅および品質向上をはかります。貿易関税、為替や原材料市況の変動等の外部環境変化や生産変動に対して、耐性のある収益体質の構築が最重要課題の一つと認識しております。加えて、一部の海外グループ会社でのさらなる収益改善が必要であると認識しており、ガバナンスの強化とグローバルでの生産体制の最適化を着実に進めてまいります。

(機能製品事業)

 機能製品事業では、内閣官房による「国土強靭化基本計画」において進められている防災インフラ整備・ライフライン強靭化・地域防災力強化等により、今後も需要の増加が見込まれています。「総合インフラ防災メーカー」としての地位確立に向けて以下の施策に取り組んでまいります。

 パルテム関連は、主力の下水道分野の管路更生需要に対する生産性向上とシェアアップを目的とした次世代工法開発への投資、また上水道・農業用水分野において低環境負荷である管路更生工法の認知度向上と販売拡大を継続して進めます。

 防災関連は、主力事業であるホースの製造・販売における品質面・収益面での安定化を図ります。また注力分野である大口径ホースシステム、防災関連資機材の販売拡大のために経営資源の投入を積極的に進めます。

 産業資材関連は、物流の効率化等の諸課題に積極的に取り組むとともに、既存ビジネスの構造改革を進め、「地盤改良商品」「高機能繊維製品」を事業の新たな柱とすべく対応してまいります。また「地盤改良商品」については、新たな市場での販売拡大を進めてまいります。

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