群栄化学工業
【東証プライム:4229】「化学」
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企業概要
当社グループは、電子材料分野及びグリーン分野を中心に調査研究を進め、技術の拡張と充実を図っております。さらに、産官学連携による新たな技術の創生、社会実装に向けた取り組みも積極的に進めており、社会のSDGs達成及びカーボンニュートラルに貢献する、環境、デジタル、健康の各テーマの技術開発、新製品開発に積極的に取り組んでおります。また、GCIグループ内での連携を強化し、市場ニーズの取り込み及び技術シーズに基づく開発を推進しております。
当期売上高に対する新製品売上高比率は12%(当連結会計年度末現在、上市後5年以内の製品)でした。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,319百万円であり、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。
[化学品事業]
電子材料、機能性材料及び環境対応材料等の開発に鋭意取り組んでおり、ポリマー分子構造設計、アロイ、ブレンド、成形加工及び実用性評価技術に注力し、半導体、電気・電子、自動車及び工業材料分野への新製品上市を進めております。
当連結会計年度では、成長分野である半導体製造の前工程(Siウエハー加工工程)に使用されるプロセス材料各種においてこれまで蓄積した分子設計技術、低メタル化技術を深耕した製品開発を進めております。また、近年注目を集めております後工程(パッケージング工程)向け材料におきましてもフェノール樹脂メーカーとして培った技術を駆使したオリジナリティのある製品開発を推進しております。今後さらに高性能化、高品質化を加速させ、次世代向け材料開発を鋭意進めて参ります。
高速通信で使用される電子機器では、通信速度低遅延化、電気信号低減衰化及び発熱対策の為、低誘電率、低誘電正接、高耐熱性、さらには放熱性(高熱伝導性)の各特性を有する絶縁材料が求められます。当社グループでは、5G、6Gに対応する樹脂開発を継続的に進めております。開発樹脂は電気特性(低誘電率、低誘電正接)が良好であり、さらに基材への密着性、主剤・添加剤との相溶性に優れた特徴を有しており、主にCCL用途に展開中です。また、高熱伝導性を有する開発樹脂はユーザーでの採用が進んでおり、今後の伸長が期待されています。
一方、グリーン分野の活動として、ユーザーの製造プロセスでの二酸化炭素排出量削減に貢献する技術提案を進めております。摩擦材(ブレーキ用途)用樹脂では特殊フェノール樹脂「ミレックス」を軸に、環境対応型樹脂の適用が進んでおります。「鳴き」「振動」「防錆」の課題解決を図り、乗用時の快適性向上に貢献するとともに、製造プロセスでの二酸化炭素排出量削減に貢献する性能向上の実証が進み、海外の展示会等でも高い評価を頂いております。
高機能フェノール樹脂繊維「カイノール」は、炭化・賦活した活性炭繊維(ACF)の吸着速度が速く、さらに各種活性炭繊維の中でも比表面積と繊維強度が高く、均一な細孔が空けられる事が特徴であり、特定の除去したい物質を速やかに吸着できる特性を有しています。
これらの特性が環境浄化に役立ち、需要が高まっております。こうした機会を捉え、市場ニーズに応えるべく、製品の高品質化、高機能化、高性能化及びアプリケーションの検討を推進しております。
当連結会計年度に係る化学品事業の研究開発費は1,271百万円であります。
[食品事業]
近年、当社グループにおいては、機能性食品分野に対して穀物液化糖化技術を活用した商品開発を進めて参りましたが、さらに大学等との連携により新たな機能を見出すべく研究開発に取り組んでおります。当社の強みである化学と糖の基盤技術を融合したグリーンケミストリーを展開し、2つの技術領域をオーバーラップさせた新たな技術の構築を進めております。
活動の一例として天然物を用いた化粧品原料開発を展開中です。現在化粧品市場では天然物を利用した製品の指向性が高まっています。糖類の多くは水溶性であり保湿性などの機能がありますが、さらに付加価値を付けるべく、当社がこれまで培ってきた糖鎖に関する知見、化学合成技術や分析技術を融合させた商品の開発を目指しております。特に近年は新規商品を上市するために、化粧品としての評価技術確立に取り組んで参りました。構築した評価技術をもとに、糖鎖を用いた新たな保湿性化粧品原料「HAGmi」を開発し、複数社から採用をいただき、適用用途を拡大中であります。今後さらに幅広く市場へ展開して参ります。
また、これまで高崎市と共同で高崎市産白加賀梅を活用した製品開発を進めて参りました。研究開発の過程で白加賀梅には豊富なアミノ酸とポリフェノールが含まれていることを確認、化粧品原料としての可能性を見出し、本年化粧品原料用果実エキス及び同エキス活用製品である「tezmi シャンプー/トリートメント」の発売に至りました。今後は高崎市及び当社のチャネルを活用した販売活動を進めて参ります。
なお、開発した化粧品原料は、5月14日から開催された化粧品産業技術展CITE JAPAN (パシフィコ横浜)に出展、発表致しました。
当連結会計年度に係る食品事業の研究開発費は48百万円であります。
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