積水樹脂
【東証プライム:4212】「化学」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営の基本方針
当社グループは、経営理念「複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境へ貢献する」に基づき、世界で通用する企業グループをめざしてグローバルに展開し、収益力を高めるべく連結経営の強化をはかるとともに、社会的課題に対する解決策を提供する事業展開によって健全な成長を持続することを基本方針としている。
こうしたグループ経営を推進することにより、株主の皆様の信頼と期待、そして満足を担える企業グループであり続けたいと願っており、さらに、企業活動を通じて従業員の幸福、取引先の繁栄に加え、サステナブルな社会実現への貢献を果たし続ける。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、企業として本来の事業活動の成果を示す営業利益を重要な経営指標と位置付け、収益性を重要視し、営業利益率の向上に努めている。また、資本コストや株価を意識した経営の強化を目指す中で、RОEを重要な経営指標として捉え、「積水樹脂グループビジョン2030」の目標であるRОE8%を早期に実現するべく、収益性の向上に加え、資本構成の最適化に取り組み、一層の企業価値向上をめざす。加えて、株主還元にも力を入れ、業績や将来の資金需要などを総合的に考慮しつつ、「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)は累進配当を基本方針として実施し、連結配当性向については40%以上の維持を目指す。また、自己株式の取得や消却に関しても、有効な株主還元と捉え、事業環境や財務状況などを踏まえながら必要に応じて適切に実施し、2027年3月期までは剰余金の配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向については100%以上の維持を目指す。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループでは、「人的資本の価値最大化」「成長戦略による拡大」「サステナビリティ経営の推進」を基本方針とした、長期ビジョン『積水樹脂グループビジョン2030』を2023年4月に発表した。この長期ビジョンの実現へ向けた中間期間となる2025年3月期から2027年3月期の3年間についての成長戦略や人財戦略、資本政策などをまとめた新たな経営計画として、『中期経営計画2027』を策定した。
具体的な戦略としては、成長分野である新領域や新事業、海外事業などへ経営資源を重点的に振り向けるとともに、既存技術の深化と新技術の獲得、次世代交通技術に対応する製品開発を強化し、将来への仕込みを推進する。また、人的資本の価値最大化に向けて、人事制度改定、組織風土改革や人財教育の充実を進めるとともに、ウェルビーイング経営やダイバーシティ&インクルージョンを実践する。サステナビリティ経営の推進については、事業活動を通じて、社会の課題解決と持続可能な未来への貢献を重視し、「サステナビリティ貢献製品」を提供して収益拡大を図るとともに、脱炭素社会、サーキュラーエコノミー、生物多様性保全の実現に向けて積極的に取り組んでいく。加えて、資本コストや株価を意識した経営の強化へ向けて、資本効率の向上や持続可能なキャッシュアロケーションの実現、IR情報発信の充実などを通じて、持続可能な成長と中長期的な企業価値向上を目指す。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢は、国内では、賃金・金利が上昇しつつあり、訪日外国人の増加や、堅調な投資需要も相まって、緩やかな回復が期待されるものの、物価上昇による個人消費への影響や、米国の通商政策の動向による世界的な景気の下振れリスクが懸念されるなど、先行きは不透明な状況が続くと見込まれる。
当社グループを取り巻く事業環境においては、公共投資の底堅い推移や企業収益の改善を背景とした設備投資の回復基調が見られるものの、資源・原材料価格の高止まりや輸送費・人件費を含むコスト上昇、加えて建設業界における労働力不足による工期の遅延リスクなど、不確実性の高い状況が継続するものと見込んでいる。
このような情勢下、当社グループは、「中期経営計画2027」の2年目を迎え、変化する事業環境を的確に捉えつつ、中長期的な企業価値の向上を視野に入れた経営に一層注力し、長期ビジョン「積水樹脂グループビジョン2030」の実現に向けて、これまでの諸施策の効果が早期に現れるよう、取り組んでいく。具体的には、当社事業に関連する公共投資の動向や顧客ニーズの変化に対応した既存事業の着実な成長に取り組むとともに、新たにグループへ迎え入れた各社との相乗効果の発揮、電力インフラ領域や、重点戦略地域と位置付ける関東・北海道地域におけるビジネス拡大等の成長戦略を推し進める。また、脱炭素・循環型社会への移行といった社会的要請を踏まえ、環境や社会課題の解決につながる製品・サービスである「サステナビリティ貢献製品」の創出及び販売拡大を加速させる。
さらに、将来の成長を支える柱として、自動運転の進展を見据え、交通安全・標識関連製品の先進化に取り組むなど、安全・安心に貢献する製品・システムの開発を積極的に推進していく。加えて、欧州及び東南アジアを中心とした海外市場における事業拡大にも戦略的に取り組み、グローバルな事業基盤の強化を図っていく。
また、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務プロセスの高度化・効率化を図り、現場力の強化と収益性の改善を実現することで、グループ全体の競争力を向上させていく。
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