企業兼大株主河西工業東証スタンダード:7256】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、次の社訓、経営理念、経営方針及び行動指針を経営の基本方針として掲げ、企業活動を行っております。

<社訓>

1.社会の信用を "Gain Trust from Society"

2.企業の繁栄を "Seek Prosperity for Company"

3.相互の幸福を "Share Happiness with Everybody"

<経営理念>

 当社グループは、誠意と新しい技術の創造によって、価値ある商品、サービスをグローバルに提供し、顧客・株主・従業員をはじめ、全ての関わる人々の幸福を実現します。

 当社グループは、過去数年間で毀損した経営基盤を再構築するため、2027年度を最終年度とする中期経営計画「Kasai Turnaround Aspiration ("KTA")」を策定し、2025年4月28日に発表しました。

<目指す姿>

 当社グループは、不透明な事業環境の中、KTAにて以下の三領域を柱に、主要経営課題(収益・財務・ガバナンス)の解決に取り込むことにより、経営再建を果たし、成長軌道へのスタートラインに立つことを目指します。

1. 北米事業構造改革を中心とした収益改善により2027年度営業利益4~5%

2. キャッシュコンバージョンサイクルの改善によるフリーキャッシュフロー創出

3. グローバル組織、グローバルプロセスの構築

また、当社の持続的な成長に向けて、新規事業創出とイノベーション開発投資へのシフト、及び人的資本経営を推進します。当社グループは、このKTAを着実に実行することにより、経営の再建と将来の成長への基盤を確かなものとし、企業価値の向上に努めてまいります。

(2) 当社グループを取り巻く経営環境

<企業構造>

 当社グループは、自動車分野を事業領域と位置づけ、研究開発・生産技術開発・営業活動を担っている当社を中心に、世界各国において製造・販売を行う各事業会社で構成されております。各事業会社は、それぞれの国において、得意先への納入体制を確立し、自律した形で事業運営を行っております。

事業を行う市場の状況

 当社グループの事業領域である自動車業界では、企業間の競争が世界規模でますます激しくなっております。原材料費やエネルギー価格の高止まり、人件費の上昇が続いており、市場の回復は依然として緩やかなものとなっております。さらに、地政学リスクの高まりや米国の関税政策の影響もあり、グローバルサプライチェーンに不確実性が増しております。また、電動化へのシフトは一時的には停滞しているものの、中長期的には技術革新と共に普及していく大きな流れは変わらないと思われ、各メーカーは新型電動車の投入を進めております。

 このような経営環境の中、市場の回復は見通しにくい状況ではございますが、当社グループは経営再建を目指して、事業構造改革の取り組みを進めているところであります。

主要製品・サービスの内容

 当社の主力事業は、ドアトリム・ルーフトリムをはじめとする自動車内装トリムシステム部品の企画・開発・生産であります。当社は独立系部品メーカーとして、全自動車メーカー(OEM)に対しビジネスの門戸を拡げ、高級ブランド車から軽自動車、商用車に至る幅広い得意先ニーズにお応えするために、企画・開発・設計・実験、そして生産に至る一貫した体制で高品質、低コストの製品づくりを追求しております。

顧客基盤

 主得意先は、日本の自動車メーカーであります。自動車メーカー各社の海外現地生産に追従し、当社は1986年(昭和61年)の北米を皮切りに、積極的な海外展開を進めてまいりました。近年、飛躍的な成長を遂げている中国やアジア諸国においてもすでに供給体制を構築しており、全世界にネットワークを確立しております。製品の現地開発・生産を進めるとともに、非進出国における現地部品メーカーとの技術援助契約の締結、そしてこれらを統括管理するワールドワイドな経営の確立にも努め、グローバルな競争力強化を図っております。

<競争優位性>

 当社は内外装トリムシステムサプライヤーとして、キャビントリム・ラゲッジトリム・防音部品など取扱製品の性能向上に取り組むとともに、「快適な移動空間の創造」をありたい姿としてイノベーション開発ロードマップを策定し、未来を先取りする付加価値の高い製品づくりに取り組んでおります。当社は世界各地に生産拠点があり、それぞれの地域や得意先に対応するための開発機能を持っております。製品設計から制作までを一貫して行う開発体制と、お客様にご満足いただける製品を提供するためのグローバルに統一・強化された生産体制で、自動車内外装部品の新しい価値を創造する製品を提供してまいります。

<販売網>

 当社グループは高い技術力とともに、最高の品質と価格競争力をもった製品をグローバルに供給するために、国内はもとより、世界9か国に所在する子会社等を通じて販売網を確立しております。

(3) 会社の対処すべき課題

 当社グループは、販売先OEMの減産や生産の不安定化等の厳しい環境変化に直面した結果、2021年3月期以降は売上高が大幅に減少し固定費の負担も大きくなり、3期連続で大幅な営業損失を計上しましたが、2024年3月期に4期ぶりに営業利益を黒字化しました。しかしながら、2025年3月期は、北米地域では依然として赤字が継続していることから、営業赤字となりました。これが今後の課題となっています。

 今後の見通しにつきましては、足元では米国における関税政策、為替変動、原材料・エネルギー価格の高止まりや賃金上昇の影響等により、厳しい外部環境が継続すると予想されます。

 このような経営環境下、グループの収益力向上及び財務体質の改善・強化を図り、安定した経営基盤を築くべく、 北米地域を中心とした事業改革の継続や不採算事業の撤退等も含めた拠点再編などの抜本的な経営再建策を策定し、実行に取組んでおります。その結果、足元では着実に諸施策の効果が発現し、業績の改善が進んでおります。

 経営体制につきましても、2024年11月1日に日産自動車株式会社を割当先とする第三者割当の方法による優先株式の発行(以下、「本第三者割当増資」といいます。)に係る払込みが完了し、日産自動車株式会社が指名する者2名が当社取締役に就任しております。このうち1名は当社の代表取締役社長 社長役員に、他の1名は、製造部門、北米地域統括を担当する取締役 副社長役員に就任しております。2025年4月に公表した中期経営計画「Kasai Turnaround Aspiration」(以下「KTA」)の策定を主導するなど、経営再建に向けた新たな体制をスタートしております。新経営体制の下、事業構造改革への取組みを更に加速し、経営再建の早期達成に邁進していく所存でございます。

 なお、2026年3月期の連結業績予想を以下のとおり見込んでおります。為替レートにつきましては、1米ドル150円を想定しております。
 

(連結業績予想)

売上高

200,000

百万円

営業利益 

3,500

百万円

経常利益

1,500

百万円

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△2,000

百万円

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