企業東和薬品東証プライム:4553】「医薬品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの取り扱う製品・商品は主として医療用医薬品であり、その中のジェネリック医薬品が中心です。ジェネリック医薬品は新薬の有効性と安全性が一定期間にわたって確認された後に上市され、有効成分が同一でかつ効能・効果、用法・用量が同等の医薬品です。そのために当社グループには医薬品製造販売業としてのリスクに加えジェネリック医薬品メーカーとしての特有のリスクなどがあります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び不測の事態に対する体制整備に最大限の努力をいたします。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 ①医薬品医療機器等法等による規制

 当社グループは医薬品医療機器等法及び関連法規等により医薬品の製造・販売について規制を受けており、各種許認可、免許の取得を必要とします。その主な内容は以下のとおりです。

許可・免許

所管官庁等

許可・免許に関する内容

有効期限

医薬品製造販売業許可

都道府県知事

医薬品医療機器等法第12条

主たる事務所5年ごと更新

医薬品製造業許可

都道府県知事

医薬品医療機器等法第13条

各事業所5年ごと更新

向精神薬製造製剤業者免許

厚生労働大臣

麻薬及び向精神薬取締法第50条

各事業所5年ごと更新

医薬品卸売販売業許可

都道府県知事

医薬品医療機器等法第24条

各事業所6年ごと更新

麻薬輸入業者免許

厚生労働大臣

麻薬及び向精神薬取締法第3条

各事業所最長3年

麻薬製剤業者免許

厚生労働大臣

麻薬及び向精神薬取締法第3条

各事業所最長3年

麻薬元卸売業者免許

地方厚生局長

麻薬及び向精神薬取締法第3条

各事業所最長3年

麻薬卸売業者免許

都道府県知事

麻薬及び向精神薬取締法第3条

各事業所最長3年

 上記規制に関する違反が生じた場合、所管官庁等から行政処分が行われ、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは上記規制に関するリスクに対応するために、関連法規等の情報収集に努め、法令に従った対応を実施しております。また、全社的なコンプライアンス推進計画の策定、体制の整備を行っております。

 ②特許期間及び再審査期間

 新薬の有効成分は通常、特許権により保護されており、その特許期間は出願日から20年間(更に5年を限度とする期間延長が可能)となっています。ジェネリック医薬品は特許期間の満了後に製造販売承認されるため、この期間が延長されることがあれば、当社グループの新製品(追補品)の発売に影響を及ぼします。

 また、新薬については、一定期間後にその医薬品の有効性・安全性等を再確認する再審査制度があり、その再審査期間は原則として新薬の製造販売承認日から8年間となっています。ジェネリック医薬品はこの期間の経過後に製造販売承認申請しますが、新薬の効能追加等により再審査期間が再度設定された場合には、新薬と効能・効果、用法・用量が異なることがあるため、当社グループの新製品の発売に影響を及ぼします。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは特許情報及び再審査期間情報の収集に努め、関連部門との連携を行っております。これにより、新薬の特許期間満了後に速やかに効能追加等の一部変更承認を得る、または再審査期間満了後に一部変更承認申請を行うことで、効能不一致の解消に努めております。

 ③医薬品医療機器等法に基づく再評価

 医薬品の再評価とは、すでに承認された医薬品について、現時点における学問的水準から品質、有効性及び安全性を見直す制度です。薬効再評価で有用性が認められないと製品の回収を行い、当該製品の廃棄を行います。また、品質再評価で新薬と同等でないと評価された場合は、その後の製造販売を中止することがあります。

 こうした事態が生じれば当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは科学的技術の進歩の情報を収集し、医薬品の適正な評価を行っております。

 ④副作用

 ジェネリック医薬品については新薬で長年の使用実績があり、安全性が確認され、再審査の後に発売されるため、予期せぬ重篤な副作用が発生するリスクは小さいですが、もしこうしたことが生じれば当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは、各国の規制に基づき、副作用の発生情報を含む医薬品に関する情報を収集し、評価・検討してその結果に基づく必要な措置を決定、実施しております。

 ⑤薬価制度及び医療費抑制政策

 当社グループの主要製品、商品であります医療用医薬品を販売するためには、厚生労働大臣が定める薬価基準への収載が必要です。薬価収載された医療用医薬品は原則として2年に1回、市場実勢価格の調査を行い、公定価格である薬価に市場実勢価格等を反映させます。その際、ほとんどの品目で薬価は引き下げられています。また、2021年度以降は薬価制度の抜本改革により、中間年においても薬価改定が行われ、毎年薬価改定となりました。増大する医療費の抑制を目的として医療保険制度の見直しや、薬価制度の更なる大幅な変更、医療費抑制政策の強化が行われると、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは製品の価値に見合った適正価格での販売に努めるとともに、原材料等の調達コストの削減や生産効率化による原価低減活動を行っております。

 ⑥特許訴訟

 当社グループが発売するジェネリック医薬品には、発売後も原薬の結晶形、製剤、用途等に関する特許権が存続していることがあり、特許権所有者から特許訴訟を提起される場合があります。そうした場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは特許情報の収集に努め、技術部門と開発部門など関連部門間の連携強化を行っております。これにより、他社が有する特許を回避した製剤の開発を行っております。

 ⑦デリバティブの時価評価

 当社グループは半製品や原材料の一部を海外メーカーから外貨建てで輸入しております。円安でコストが上昇してもわが国の薬価制度のもとではそれを販売価格に転嫁することは極めて困難です。

 こうした円安によるコストアップのリスクを回避し、長期的に安定供給していくために、当社は長期のデリバティブ取引を行っています。決算時にはこれを時価評価しますが、前期末に比べて円高、また日米の長期金利差が拡大すれば評価損が出る構造になっていますので、為替レート、日米の金利動向によっては評価損が生じる可能性があります。また、逆の場合には評価益が生じる可能性があります。

 当社では、将来における外貨建て輸入取引量を見積り、その範囲内で長期のデリバティブ取引を行っております。これにより、デリバティブ取引が投機的にならないように留意しております。

 ⑧競合状況によるリスク

 ジェネリック医薬品の競争市場は、先発医薬品からの切り替えが多くの構成割合を占め、その販促会社数による影響を大きく受けます。また、近年ではオーソライズド・ジェネリックの投入等の諸施策を講じる企業も多く、これらの動向次第で当社グループが計画していた売上収益との乖離が想定されます。この他にも、競合他社の供給状況は当社グループ製品への需要に影響を及ぼすため、安定供給上のリスクとなる可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは、設備投資による生産能力の向上や製造所のバックアップ体制の整備に加えて需要量と在庫水準の日々のモニタリングによって、生産面・販売面からの安定供給に努めると共に、透明性のある情報開示による信頼確保にも努めております。

 ⑨災害等による生産の停滞、遅延

 当社グループは大阪府、岡山県、山形県、滋賀県、兵庫県、静岡県及びスペイン・カタルーニャ州に生産拠点を配置しておりますが、自然災害や技術上・規制上の問題の発生により、生産拠点の操業が停止し、製品の安定供給に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害等の要因により原材料仕入先からの仕入れが停止し、その代替が困難である場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは、国内工場間のバックアップ体制の整備、原薬の複数購買の推進に努めております。また、当社グループ内に原薬製造工場を保有し、原薬面からの安定供給に努めております。

 ⑩グローバルリスク

 2020年1月31日にPensa Investments, S.L.(本社:スペイン・カタルーニャ州、現商号:Towa HD)の買収手続が完了しました。Towa HDの買収はグローバル体制の確立と当社の付加価値製剤の欧州・米国市場への提供に寄与するものと考えておりますが、Towa HDの経営環境や事業の変化、各国の制度・規制の影響、当社とTowa HDの統合作業の進捗遅延、デューデリジェンスにおいて判明しなかった事象等に起因して、同社買収において期待されていた効果が得られない場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは、当社とTowa HDの統合作業を通じたグローバル経営体制の強化に努めております。

 ⑪企業買収等のリスク

 当社では、2021年3月24日に株式会社プロトセラを子会社化し、2022年3月7日に三生医薬株式会社の全株式を取得して買収手続が完了しました。当社は、「優れた製品とサービスを創造することによって、人々の健康に貢献する」という理念のもと、「第5期 中期経営計画2021-2023 PROACTIVEⅡ」において、5つの基本方針(①コア事業としてのジェネリック医薬品事業の進化、②海外市場での拡大と成長、③新たな健康関連事業への展開、④技術イノベーションと製品価値の創出、⑤働きがいのある環境づくりと人財育成)を掲げており、ジェネリック医薬品事業をコア事業として、健康に貢献するあらゆる健康関連事業の展開を目指し、健康維持・増進のための製品、サービスのさらなるラインナップ増加に取り組んでおります。両社の買収はこの方針に沿ったものであり、様々なシナジー創出に取り組んでおりますが、経営環境や事業の変化、統合作業の進捗遅延、デューデリジェンスにおいて判明しなかった事象等に起因して、同社買収において期待されていた効果が得られない場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 このようなリスクに対応するために、当社グループでは、当社と各子会社との統合作業を通じた事業計画の立案とシナジー効果の創出、派遣役員を含めた経営体制の強化に努めております。

 ⑫その他

 現時点(有価証券報告書提出日現在)においては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類感染症から5類感染症へ移行し、当社グループにおける同感染症の影響は更に軽微になると予想しておりますが、今後、仮に感染状況が悪化した場合には、当社グループの販売や生産に影響を与える可能性があります。また、ロシア・ウクライナ情勢の変化が世界経済に影響を及ぼすことで、エネルギー価格や原材料価格の高騰を引き起こし、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。

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