企業兼大株主朝日インテック東証プライム:7747】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。

(1)経営方針

 当社グループは、研究開発型企業として、『医療及び産業機器の分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現するとともに、広く社会に貢献すること』を企業理念としております。特に、当社グループの医療機器分野事業では、主に傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えています。今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会及び市場から評価される企業として、更なる成長を目指してまいります。

(2)中長期的な会社の経営戦略

① 長期経営ビジョン

 当社グループは、「2035年のありたい姿」として、『健康寿命の延伸に貢献することを使命とし、低侵襲治療において、臨床課題を総合的に解決できるグローバルニッチトップ企業』を目指しております。

 長期的な目標として、2035年6月期に連結売上高3,000億円、営業利益率30%の達成を掲げております。

② 中期経営計画

「2035年のありたい姿」の実現に向けて、新中期経営計画「Building the Future 2030」の2026年6月期~2030年6月期の5会計期間は、「成長戦略加速のための5年間」と位置付け、10年後の2035年6月期において連結売上高3,000億円、営業利益率30%を達成するための準備期間として、事業ポートフォリオの構築と、収益力の強化を基本方針とし、以下の重点テーマに取り組みます。新規事業(高付加価値治療デバイス等)の本格的な売上貢献は2031年度以降に期待されるため、当中期経営計画期間は既存事業の収益力強化によって成長を支えてまいります。

 中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、2030年6月期において連結売上高1,800億円、営業利益率28%を達成することを目標に掲げ、企業価値の拡大を目指してまいります。

(a)グローバル市場での成長再加速に向けた事業ポートフォリオの構築

・循環器領域でのグローバルニッチトップの維持・強化

・非循環器領域でのグローバルニッチトップを目指した販売戦略と製品ポートフォリオ強化

・新規事業の創出と高付加価値治療デバイスへの参入

 当社グループは現在、世界121の国と地域へ製品を供給しております。当社グループの製品が使用される血管内疾患の症例数は、引き続き新興国を中心にグローバル規模で拡大すると予測されております。こうした中、それぞれの地域において販売・マーケティングの機能をより一層充実させることにより、グローバル規模での収益基盤の強化を図る所存であります。

(日本)

 日本市場では、病院などに対して自社ブランド製品の直接販売を行い、循環器・非循環器ともに高いシェアを獲得しています。循環器領域では、世界に発信できる医師の方々との関係性をより強固にしていくことで、引き続き高いシェアを保持していくことを目指し、また非循環器領域では、自社ブランド製品に加えて、直接販売体制を活かした他社製品の販売の強化を進めるなどして多面的な販売力向上に努めてまいります。償還価格下落などの厳しい外部環境がある中、引き続き、シェア拡大と収益拡大を目指します。

(米国)

 米国市場では、循環器・非循環器ともに自社ブランド製品の直接販売を行っております。

 循環器領域の継続的な伸長に加え、非循環器領域の末梢・脳・腹部を重点市場と位置付け、新製品の積極的な投入や、医師に当社製品の技術的優位性と臨床的価値を実感していただける販売体制・活動の強化を通じて、シェア拡大と収益拡大を目指します。

(欧州)

 欧州市場では、自社ブランド製品を、直接販売若しくは現場に密着した複数の代理店を通じて販売しており、主に循環器系製品で高いシェアを獲得しています。段階的に、直接販売化を進めており、2019年7月よりフランス、2021年1月よりドイツ、2021年7月よりイタリアで直接販売に移行し、欧州地域の約半分が直接販売地域です。欧州地域は、薬事法改正などにより、新製品投入に時間を要する地域ですが、医師との関係性強化や営業強化を進め、シェア拡大と収益拡大を目指します。

(中国)

 中国市場では、主に自社ブランド製品について、物流プラットフォームを通した現地代理店による販売を行い、主に循環器系製品で高いシェアを獲得しています。中国市場は循環器・非循環器ともに、症例数の増加が堅調であり、グローバル市場の中でも特に高い成長と発展が見込まれます。

 入札制度などの環境変化が進む中でも、物流プラットフォームを通じた複数の現地代理店との協力的な関係構築や支援体制の強化、医師との関係性強化、新製品の投入、販売活動の充実などにより、更なるシェア拡大と収益拡大を目指します。

(その他地域)

 アジア・中近東・オセアニア・南米地域などにおいて、潜在成長力のある新興国を中心に、現地代理店を通じて、自社ブランド製品を販売しており、循環器系製品において高いシェアを獲得しております。循環器・非循環器領域ともに、現地代理店支援などの販売活動強化により、更なるシェア拡大と収益拡大を目指します。

(ニッチトップNumber One製品戦略)

 循環器領域の主力製品PCIガイドワイヤーや貫通カテーテルについては、引き続き総合的なラインナップの充実などにより、ナンバーワンのポジションを盤石化してまいります。

 さらには、循環器領域のみならず、末梢血管・脳血管・腹部血管・消化器、加えて動物治療・ロボティクス(外科)などの非循環器領域への製品展開を強化する施策を継続して進めてまいります。非循環器領域については、循環器領域で培った技術を応用した横展開や、事業提携の強化などにより、新製品の拡充に努めると同時に、特に海外地域における販売体制を強化し、グローバル規模での市場シェアの獲得に努めてまいります。

(Only One製品及び高付加価値品戦略)

 戦略製品の拡大の一環として、高付加価値治療製品領域への進出を目指してまいります。現在、治療が困難とされている石灰化病変については、循環器及び非循環器領域(末梢)ともに、依然として臨床的な課題が残っていると認識しております。

 当社グループは、これまで循環器領域を中心としたCTO病変などの難易度の高い治療も可能な製品群を開発し、CTO領域におけるPCI治療選択率の拡大に寄与してきました。

 今後も、研究開発型企業として、CTO病変も含む石灰化病変などの臨床課題に対して、先端技術を使った新しい機能を保持した製品群を開発し、低侵襲治療の普及や発展に寄与してまいります。

 また、非循環器領域(脳)を中心に、高付加価値品も含めた製品群の拡充を目指し、シナジーを追求してまいります。自社製品での開発に加えて、必要に応じて技術提携、M&A、少数株主投資などを駆使し、外部からの新技術導入や有力パートナーとの戦略的提携も検討してまいります。

 事業ポートフォリオの強化に努め、グローバルで持続的に成長する企業を目指してまいります。

(b)持続的成長に向けた強固な経営基盤の構築と収益力の強化

・グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の強化

 研究開発体制のグローバル化として、米国の直接販売の拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA, INC.において、最終顧客である医師からのニーズや評価をダイレクトに反映でき、試作レベルまでの対応を可能とした研究開発体制を構築しております。また、連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.の研究開発拠点を更に拡充させ、製品仕様の検討を含めた既存製品の改良などをより積極的に進めてまいります。

 国内においては、当社グループの研究開発拠点の中心であるグローバル本社・R&Dセンター(愛知県瀬戸市)において臨床現場と密に連携した製品開発を行っております。また、基盤技術開発強化を目的とした大阪R&Dセンター、次世代医療機器技術の研究開発を目的とした東京R&Dセンター、樹脂技術開発強化を目的とした静岡R&Dセンター、精密加工技術開発強化を目的とした東北R&Dセンターなど、リスク管理のために開発機能の分散をはかりつつ、国内の研究開発体制についてはより付加価値の高い開発機能にシフトさせながら更なる充実を進めてまいります。

・生産性向上への取り組み

 当社グループでは、現在、日本においては研究開発・試作に特化し、量産品については原則として海外の連結子会社に生産移管しており、素材から完成品までの一貫生産が海外工場(ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.(タイ工場)、ASAHI INTECC HANOI CO., LTD.(ハノイ工場)、及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場))で実現できる体制が整っております。その中で、リスク管理や事業継続計画(BCP)の観点から、グループ全体での生産拠点の最適化を図っており、現地事情などにより、一部の工場が操業不能に陥った場合においても、別の工場にて代替生産の大部分を担えるよう体制の構築を進めております。これらの目的に加えて、更なる増産体制を構築するために、ハノイ工場の増設を行っております。

 今後も、グローバル展開に最適な研究開発拠点や生産体制の構築・拡充により、当社グループの成長戦略を下支えしていきます。

・事業戦略と連動した経営基盤の構築

「Building the Future 2030」では、事業戦略を中心に持続的な価値創出の具体策を実行するとともに、それを支える経営基盤の強化に向けて「財務戦略」と「非財務戦略」を推進し、企業価値・株主価値を高めていきます。

 当社グループの重要な経営管理指標である売上高、営業利益、営業利益率について、前述の施策などにより、売上高向上や、生産性向上、コストコントロールの適正化などによる体質強化により、当指標の向上に努めることで、キャッシュ創出力や資本効率を持続的に高めていきます。

 加えて、財務の健全性を保ちながら、資本コストを踏まえた資本政策を推進することで、重要な財務指標であるROE( 自己資本利益率:Return On Equity)及びROIC(投下資本利益率:Return on Invested Capital)について、2030年6月期において、ROE及びROICともに16.0%を超えることを目途として、引き続きの向上を目指してまいります。これらのKPIの分析やモニタリングを継続して行い、改善施策を立案・実行することで、資本コストを意識した取り組みを強化してまいります。

 非財務戦略としては、人的資本の強化、DXの推進、コーポレート・ガバナンスの最適化、サステナビリティの推進などについて取り組んでまいります。

(c)持続的成長に向けた経営基盤の確立

 サステナビリティへの取り組みを推進する体制を構築し、各サステナビリティの重要課題につき基本方針をとりまとめ、戦略的に推進しております。

 現在、この7つの重要課題を中心に、全社的な取り組みを進めております。サステナビリティに関わる当社の考え方や、取り組みにつきましては、統合報告書やウェブサイトにて随時開示してまいります。 

 重要課題1 イノベーションを通じた現場の課題解決

 重要課題2 環境負荷低減への取り組み

 重要課題3 サプライチェーンマネジメント

 重要課題4 安全・安心な製品の供給

 重要課題5 グローバル人財基盤の強化

 重要課題6 リスクマネジメントの強化

 重要課題7 コーポレート・ガバナンスの強化

〔注釈説明〕

 注:CTO/(慢性完全閉塞)

 長期間完全に閉塞した状態の病変のことをいいます。従来は、このような病変は外科手術(バイパス手術)の領域でしたが、当社グループがCTOにも使用可能なPCIガイドワイヤーの開発に成功したことから、現在では、国内においてはPCI治療(カテーテル治療)が主流となっております。

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