旭有機材
【東証プライム:4216】「化学」
へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針及び経営戦略等
当社グループは企業理念の中で、存在価値を「信頼の品質と真摯な対応による安心の提供」と定めております。その実現のために「ものづくりのプロセスを、お役立ちで支える」と使命を定め、使命を果たすための目指す姿として「「はじめて」に挑み「違い」をつくる」と定めています。当社はこれまで、専門性の高い独自の技術をもとに事業を展開し、お客様の課題解決に真摯に向き合うことで、ニッチトップ企業として成長してまいりました。今後もこの企業理念をひとり一人が拠り所として活動を行うことで、より良い企業風土と強い企業文化を磨いて強くし、グレートニッチトップ企業へと飛躍することを目指しています。
当社グループは、これらのことを具体化すべく、2025年度を最終年度とする中期経営計画GNT2025(Great Niche Top 2025)を策定し、以下の4つの経営方針の下事業活動を行っています。
① 海外(管材システム事業・樹脂事業)、半導体関連製品を中心に成長を追求する
② 「違い」をつくり付加価値を高め、利益率を向上させる
③ SDGs視点で事業展開を行い、経済価値と社会価値の両立を図る
④ 新たな社会課題の解決に貢献する新事業を創出する
さらに事業ポートフォリオ戦略として、各事業を3つの基本方針、「強化拡大」、「深化・安定成長」、「再構築」に分類し、それぞれに応じた施策を実行することで、継続的な成長と収益力の向上を目指します。
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、GNT2025に従い、各事業部門が継続的な成長と収益力の向上を目指して課題解決に向けた施策を着実に実行します。2025年度の各事業部門の取り組みは次のとおりです。
管材システム事業は、米国および中国をはじめとする電子産業分野における販路の拡大および深耕に継続して取り組んでまいります。加えて、今後一層の拡大を目指す海外市場の中でも、とりわけ中東・アフリカ地域においては、海水淡水化施設向けに高耐久・長寿命の大口径バタフライバルブ等の戦略商品を投入することにより、事業の拡大を図ってまいります。加えて、設計・加工・施工の技術力を活かしたエンジニアリングサービスを拡充し、工期短縮や人手不足といった社会課題の解決に貢献してまいります。また、最適な耐食ソリューションを提供できる体制の構築にも注力します。
半導体分野では、Dymatrix製品の低パーティクル化による技術革新への貢献や商品ラインナップの拡充を通じて、世界的な需要に応える体制を強化しています。これに伴い、新工場の建設についても具体的に検討を進めています。製造現場では、デジタル化とデータの見える化を推進し、ボトルネックの解消と生産能力の向上を図っております。
樹脂事業は、電子材料分野において、合成・精製・低メタル化といった当社のコア技術を活かし、用途領域の拡大と高付加価値製品の安定供給を推進します。愛知県の第二工場の生産性向上と新製品展開により供給体制を強化するとともに、中国における第二工場の早期稼働を目指します。素形材事業は、薄肉・軽量化や形状の複雑化に対応した次世代鋳物製品の開発に注力し、顧客の生産性向上に貢献します。併せて、CO2削減や作業環境の改善といった社会的要請に応える製品開発を推進し、日本で培った技術を活かして海外市場での拡大を図ります。現場発泡断熱材については、2025年度からの省エネ基準適合義務により、新築住宅での断熱工事が必須となることから、高断熱化へのニーズが急速に高まると見込まれています。この動きを受けて、当社ではBEXURの正式販売を開始し、原液システムや施工機械の開発、さらに断熱性能を確保するための施工および品質管理体制の整備に取り組んでまいります。
水処理・資源開発事業は、水処理事業において排水処理技術と施工力の強化により、最適なソリューション提供を実現し、収益力の向上を図ります。バイオガス発電など省エネ・創エネ分野への展開を進めるとともに、遠隔監視システムの改良による効率的な維持管理サービスの提供を推進します。環境薬剤分野では、水処理改質剤や高分子凝集剤、水質向上剤の開発・販売を展開します。資源開発事業においては、地熱発電の蒸気井案件への積極的な取り組みにより、再生可能エネルギーの普及に貢献します。掘削機材の導入を通じて、工期短縮・コスト削減・安全対策の強化を図ります。
新事業の探索は、タンパク質クライシスなどの社会課題の解決に資する「循環式閉鎖型陸上養殖」の事業化可能性を引き続き検討します。あわせて、スタートアップや大学との連携を通じて、低メタル化技術などの中核技術の深化も推進していきます。
投資戦略については成長を加速化させるべく2023年度中にGNT2025の修正を行い、2025年度までの中計期間に420億円の投資を見込んでおります。財務戦略は、設備投資・投融資の資金の源泉を資産の効率化を含む営業キャッシュ・フローとし、不足分はD/Eレシオ0.3を目安に借入による調達を実施してまいります。従来の方針を見直し、2025年度より、業績動向、財務体質、将来のための投資に必要な内部留保等を総合的に勘案し、2030年度までの期間において、1株当たりの年間配当金は前年以上を維持する累進配当とし、継続的な収益拡大の達成による増配を目指します。あわせて総還元性向は財務の健全性(D/Eレシオ0.5以下)を考慮しながら6年間累計として50%を目安とします。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2025年度を最終年度とする中期経営計画GNT2025における連結数値目標を下表のとおり設定しています。
最終年度(2025年度)における連結数値目標
GNT2025 | 数値目標 |
連結売上高 | 870億円 |
連結営業利益 | 120億円 |
売上高営業利益率 | 14.0% |
EBITDA | 160億円 |
ROE | 11% |
ROIC | 9% |
- 検索
- 業種別業績ランキング