日阪製作所 【東証プライム:6247】「機械」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
創業100周年に当たる2042年度での「当社のあるべき姿」を描いた長期ビジョンに加え、SDGsの考え方を取り入れたCSR-SDGsビジョンを、当社では独自に定めています。また、これらのビジョン達成に向けたマイルストーンとして、3年毎に中期経営計画も策定しています。2022年度に前中期経営計画「G-20」が終了し、2023年度では新たな中期経営計画「G-23」をスタートさせました。環境やエネルギー問題等の様々な社会課題を解決すべく、「G-20」では成長の実現に向けた戦略投資を推進してきましたが、「G-23」では、これら戦略投資の継続と一部実行に移すステージと位置付けています。前述の要約は以下のとおりとなります。
1. 長期ビジョン
「流体の熱と圧力の制御技術を結集し、 エネルギー・水・食の明日(あした)を、お客様と共に支える企業になる」
2042年度(創業100周年)経営目標 連結売上高:1,000億円 連結営業利益:120億円 |
2. CSR-SDGsビジョン
SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れた企業経営により 自らが持つ総合力で社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する。 |
3. 前中期経営計画「G-20」(2020年度~2022年度)の総括
前中期経営計画「G-20」の期間は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による景気減速、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰等、経済環境が大きな停滞期にありました。そのため、連結業績目標は未達となりましたが、ガバナンスの強化や事業拡大に向けた設備投資を実施したほか、新たなニーズの取り込みを進める等様々な施策を推進しました。
ⅰ.「G-20」における主な取り組み
・カーボンニュートラル関連市場向けの熱交換器の提案、販売
・培養プラントをはじめとする医薬製造設備等大型プラントの販売拡大
・半導体や二次電池等ニーズに合わせた用途限定弁(バルブ)の販売強化
・監査等委員会設置会社移行、指名・報酬委員会設置等コーポレートガバナンスの強化
・モノづくり力強化(生産能力増強、生産性向上)を目的とした新工場「生駒事業所」の開設に向けた取り組み
ⅱ.連結業績目標
(単位:百万円)
| 「G-20」最終年度(2023年3月期) | (参考) 2020年3月期 | ||
当初計画 | 修正計画 | 実績 | ||
受注高 | 35,000 | 35,500 | 34,621 | 31,952 |
売上高 | 34,000 | 34,500 | 34,074 | 32,511 |
営業利益 | 2,720 | 2,500 | 1,912 | 2,274 |
営業利益率 | 8.0% | 7.2% | 5.6% | 7.0% |
経常利益 | 2,920 | 2,800 | 2,392 | 2,573 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,000 | 1,940 | 2,040 | 2,080 |
ROE | 3.8% | 3.6% | 3.7% | 4.1% |
※当初計画:2020年5月に公表した当初の経営目標
修正計画:2022年5月に公表した2023年3月期の業績予想
4. 新中期経営計画「G-23」(2023年度~2025年度)の概要
ⅰ.「G-23」のポイント
・新型コロナウイルス感染症は収束に向かいつつあるものの、地政学リスクの高まり等世界経済は未だ不安定な状況であるが、長期ビジョン達成に向けた成長が必要。
・サステナブル社会の実現に向けたCO2削減やエネルギーシフト、その他環境対策、各種資源のロス削減の動き等、当社の技術や製品の存在感は高まる。
・ワークライフバランスの充実等により、活力ある社員集団を実現させるべく、生産性向上に向けた新たな取り組みが求められる。
・新事業所稼働により売上・利益の向上を図るとともに、引き続き攻めの姿勢で新製品・サービスの開発と更なる戦略投資を推進する。
ⅱ.「G-23」中期ビジョン・スローガン
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ⅲ.「G-23」基本方針
重要課題(マテリアリティ)への対応
事業強化 |
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●新事業所の立ち上げ、既存事業所の再構築による、生産体制強化、収益基盤拡大 | |
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社会・環境課題へ貢献 |
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●新製品・サービス開発の加速、新事業の探索による、サステナブル社会への貢献 | |
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人材育成・体制強化 |
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●ガバナンス強化とワークライフバランス充実による、活力ある社員集団の実現 |
E(環境) |
| G(企業統治) |
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●持続可能な地球環境への貢献 ●CO2排出量の削減 | ●更なるガバナンスの強化 ●ステークホルダーへの公平且つ公正な利益配分 | ||
S(社会) |
| その他 |
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●活力ある社員集団の実現 ●地域社会とのつながり ●BCP運用と継続的な見直し | ●大型投資(新事業所開設、既存事業所再構築) ●収益力の強化 ●新商品開発促進と新規事業の探索 ●DX、デジタル技術の活用 |
ⅳ.「G-23」各事業の重点施策
| 熱交換器事業 | プロセスエンジニアリング 事業 | バルブ事業 |
事業戦略 | 熱ソリューションの提供 ●熱に関する困りごとを 解決する提案力の向上 ●熱交換器、周辺機器の ラインアップ拡充 | エンジニアリング事業強化 ●複数の機器、前後工程等 を組み合わせたプラント の設計、施工 ●メンテナンス事業強化 ●グループ会社再編 | 顧客ニーズに寄り添う製品 の拡充 ●用途限定弁(バルブ)の ラインアップ強化 |
社会課題 解決 | ●カーボンニュートラル 関連市場への納入 (CO2回収装置、水素製造 設備等) | ●食品ロス削減、医薬品 安定供給、水資源保全に 関する製品の開発、提供 ●省人化ニーズへの対応 | ●カーボンニュートラル 関連市場への納入 (二次電池等) |
グローバル 戦略 | ●グローバル生産体制構築 (生産平準化とBCP構築) ●海外メンテナンス事業強化 | ●アジア圏向け食品機器・ 染色仕上機器や中国漢方 薬向け医薬機器等の 販売強化 | ●東南アジアでの販売強化 (現地グループ会社、販売 代理店との関係強化) |
大型投資 | ●既存事業所「鴻池事業所」 の再構築 ●新基幹システムの導入 | ●新事業所「生駒事業所」 の稼働 | ●既存事業所「鴻池事業所」 の再構築 |
ⅴ.「G-23」連結業績目標
受注高 | 410億円 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 26億円 |
売上高 | 400億円 |
| 営業利益率 | 9.0% |
営業利益 | 36億円 |
| ROA (総資産経常利益率) | 4.9% |
経常利益 | 38億円 |
| ROE (自己資本当期純利益率) | 4.5% |
②資本政策の基本的な方針
当社の資本政策につきましては、株主の皆様へ継続的及び安定的な利益還元に努め、強固な財務基盤を確保するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、戦略的投資をバランス良く考慮することを基本方針といたします。
当社は、連結株主資本利益率(ROE)を株主価値向上にかかわる重要な指標として捉えております。中長期的な視点に立ち、効率的な資本政策を実行し資本コストを上回るROEを目指すことで、株主価値向上に努めてまいります。
当社の利益配分につきましては、全てのステークホルダーの皆様に対し「公平」且つ「公正」を念頭に置きつつ、財務体質と経営基盤の強化を図りながら、株主の皆様に対する適正な利益の還元を利益配分の基本方針としています。具体的には、内部留保とのバランスを考慮しつつ、連結純資産及び連結業績の状況を勘案し、連結純資産配当率(DOE)1.5%以上を目途に継続的・安定的な配当に努めます。
剰余金の配当につきましては、中間配当及び期末配当の年2回の配当を基本的な方針としております。配当の決定は、会社法第459条第1項の規定に基づき、株主総会の決議によらず、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。
また、自己株式取得につきましては、必要な内部留保の水準を考慮しつつ、経営環境の変化、株価の動向及び財務状況等を勘案のうえ、弾力的・機動的に対処してまいります。
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