日清製粉グループ本社
【東証プライム:2002】「食品業」
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企業概要
当社グループ(当社及び連結子会社)では、当社の組織として主に基盤技術を研究開発する基礎研究所、及び主に各事業に導入する生産技術の開発とナノテクノロジー技術の開発を担う生産技術研究所を設置するほか、連結子会社である日清製粉㈱、Allied Pinnacle Pty Ltd.(以上製粉事業)、㈱日清製粉ウェルナ、オリエンタル酵母工業㈱、日清ファルマ㈱(以上食品事業)、㈱日清製粉デリカフロンティア(以上中食・惣菜事業)、日清エンジニアリング㈱、㈱NBCメッシュテック(以上その他事業)にそれぞれ研究開発組織を配置し、各事業領域に特化した研究開発を行っております。
これらの研究開発組織においては、新製品候補素材の探索や新技術の確立を目的とした基礎研究を行う一方、マーケットのニーズ・ウォンツに適合した新製品や調理加工技術の開発、既存製品の改良、生産システムの自動化、粉粒体関連技術の開発・応用など、幅広い研究開発活動を行っております。いずれも研究領域における専門性を高め最新技術を導入するため内外の研究機関などと積極的に連携を深め、研究開発の効率化と成果の事業化を強力に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は7,983百万円であります。
なお、研究開発費には、特定のセグメントに関連付けられない研究費用1,287百万円が含まれております。
当連結会計年度の研究開発の概要と主な成果は次のとおりであります。
(1) 製粉事業
日清製粉㈱技術開発本部、つくば穀物科学研究所が中心となり、当社の基礎研究所、生産技術研究所と連携して、新しい小麦粉加工技術及び小麦・小麦粉を中心とした穀物科学と穀粉加工技術の研究開発などを行っております。主な成果としては、日清製粉㈱が製造・販売する日本初の高食物繊維小麦粉「アミュリア」において、含まれる多量(小麦粉中、約14%)かつ多様(5種類以上)な発酵性食物繊維の組成を明らかにし、これら発酵性食物繊維による腸内環境改善効果の可能性を培養試験で示しました。また、アミュリアの多様な発酵性食物繊維が、人々のQOL向上への寄与が見込まれることへの期待により、市場に対してインパクトを与える素材として「ウェルネスフードアワード2024」の最優秀賞および食品素材部門の金賞を受賞しました。Allied Pinnacle Pty Ltd.でもWISE WHEATとして高食物繊維小麦粉の市場創造を始めており、引き続き小麦粉、プレミックス、ベーカリー関連原材料の開発活動を行っております。つくば穀物科学研究所では、グルテンネットワークの新規解析手法及びグルテンミクロ構造に関する論文、及び小麦食物繊維の構造変化に関わるフェルラ酸の挙動に関する論文を国際誌に発表しました。
製粉事業に係る研究開発費は1,389百万円であります。
(2) 食品事業
㈱日清製粉ウェルナの商品開発本部が中心となり、当社の基礎研究所、生産技術研究所と連携して、各種プレミックス・乾麺・パスタ・レトルト食品・冷凍食品等の全温度帯製品群の研究開発を行っております。主な成果としては、パスタカテゴリーのNo.1ブランド「マ・マー」のリブランディングに伴い、パスタ(乾麺)・パスタソース・冷凍ワンディッシュパスタの品質改良等を行いました。新製品として、デュラム小麦の製粉技術を駆使して「なめらか」な舌触りと「もっちり」とした食感を両立した「マ・マー なめらかもっちり 早ゆでスパゲティ FineFast 1.6mm チャック付結束タイプ 500g」を発売しました。また、家庭での揚げ物離れ(後片付けの煩わしさ等により、揚げ物の調理を諦めること)に対応する製品として、プレミックスを食材に直接付けて少量の油で焼くだけで、揚げずにサクッとした食感の天ぷらやフライ、から揚げを作れる製品「マジサクット」シリーズを発売しました。当社で独自開発した原料と長年培ってきた配合技術により、従来品では実現できなかった食感や外観を可能にした画期的な製品です。海外においては、ベトナム家庭用製品市場に本格参入しました。日本で培った技術・製品開発の知見を最大限活用しながら、現地の方の嗜好にあった製品の開発を行い、初期のラインアップとして、パスタソース3品、炊き込みご飯の素2品、プレミックス4品を発売しました。オリエンタル酵母工業㈱の食品部門では、食品研究所と3つの食品開発センターでイーストや製パン用をはじめとした食品素材及び日持・品質向上剤等の研究開発を行い、バイオ部門では長浜生物科学研究所と長浜工場CS開発部において再生医療関連製品等の研究開発を行っております。日清ファルマ㈱健康科学研究所では、独自の精製技術で高濃度抽出したタマネギ由来含硫アミノ酸を機能性関与成分とし、健常な中高年男性の心理面をサポートする機能性表示食品「メンズアミノ」を開発し、発売しました。
食品事業に係る研究開発費は3,890百万円であります。
(3) 中食・惣菜事業
㈱日清製粉デリカフロンティアの研究開発部、生産技術開発部が中心となり、当社の基礎研究所、生産技術研究所と連携して、品質・日持向上を目的とした調理加工技術及び微生物制御技術と、省人化を目的とした自動化技術及びロボット技術の研究開発を行っております。これらの研究開発は早期の実用化を目指し、トオカツフーズ㈱、イニシオフーズ㈱、㈱ジョイアス・フーズと連携して取り組んでおります。
中食・惣菜事業に係る研究開発費は610百万円であります。
(4) その他事業
日清エンジニアリング㈱では、粉体事業部が各種粉体の粉砕、分級などの機器、及び熱プラズマ法によるナノ粒子製造技術を当社の生産技術研究所と連携して研究開発しております。また、㈱NBCメッシュテックでは、スクリーン印刷用・産業用資材、化成品の各分野において新製品及び新素材の研究開発を行っており、2024年6月には、研究開発本部内に「スクリーン印刷研究所」を新設しております。
その他事業に係る研究開発費は805百万円であります。
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