企業日本軽金属ホールディングス東証プライム:5703】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組み

 ① 戦略

 当社グループは「アルミニウムを核としたビジネスの創出を続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく」ことを経営理念としており、サステナビリティを巡る課題への対応について、社会の持続可能な発展を実現すべく、サプライチェーン全体での環境負荷低減や責任ある調達・生産・供給、従業員の幸せの追求などに取り組んでおります。具体的な事業を通じた取組みとしては、アルミ二次合金(リサイクル)事業はもとより、環境対応車関連事業、半導体(5G)関連事業、インフラ関連事業、コールドチェーン関連事業などを推進してきたとともに、それらの基盤となるものとして、最優先事項である労働の安全衛生の確保や、働きがいのある職場づくりなどに取り組んできました。

 当社グループがサステナビリティを巡る課題への対応に関しどのような外部環境の変化を予測し、それをどのようなリスク・機会と捉えているか、また、財務・非財務の各資本を事業活動へ投入し、ステークホルダーへの価値提供、社会的価値の創出による各資本の循環を通じて人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していくプロセス、今後取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を、統合報告書の価値創造プロセスで開示しております。また、各事業におけるサステナビリティの取組み、価値創造の基礎となる活動についても、統合報告書で開示しております。

 統合報告書2022(https://www.nikkeikinholdings.co.jp/ir/ir-data/p3.html)

 今後、特定したマテリアリティを基に長期的視野で描いた目指すべき姿に照らして現在の事業や各種取組みを評価し、評価結果に基づくサステナビリティ課題への短期・中期の取組み方針を中期経営計画・サステナビリティ推進計画に盛り込み、評価、改善、計画、実行のプロセスを回して、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を推進していきます。また、これと併せて、サステナビリティ経営の視点を踏まえた長期的な取組み方針を、経営方針に織り込んでいきます。

 2022年度においては、上記方針を盛り込んだ当年度を初年度とする中期経営計画・サステナビリティ推進計画を策定するとともに、サステナビリティ経営の視点を踏まえた重要課題(マテリアリティ)を盛り込んだ経営方針(日軽金グループ経営方針)の改定を行いました。その後、当社グループを取り巻く事業環境の変化を受け、改めて2023年度を初年度とする中期経営計画・サステナビリティ推進計画を策定しました。

 また、脱炭素・循環型社会の実現に向けて素材としてのアルミニウムが注目される中、当社グループの脱炭素戦略全般の立案・実行を統合的に推進するため、2023年4月に当社内に「カーボンニュートラル推進室」を新設し、グループを挙げて最適な脱炭素戦略を実行するべく、活動を進めております。

 ② ガバナンス

 当社グループの持続的な成長及び企業価値創造のためには様々な経営課題があります。その中で特に重要な21の課題を重要課題(マテリアリティ)として特定し、それらを「地球環境保護」「持続可能な価値提供」「従業員の幸せ」「責任ある調達・生産・供給」「企業倫理・企業統治」の5つの重要課題テーマに再分類し、グループCSR委員会、グループ経営会議の審議を経て、取締役会で承認しております。重要課題(マテリアリティ)についてはそれぞれのKPI(評価指標)及び目標値を設定し、その達成に向けて、取締役会やグループ経営会議での議論だけでなく、グループ経営会議の下部組織である各種委員会等において、具体的なアクションプランの立案・審議を行っております。

 例えば、「地球環境保護」や「持続可能な価値提供」というテーマに対しては、社長を委員長とする「グループ環境委員会」や「グループCSR委員会」を設置しており、当社取締役(社外取締役を除く)、執行役員及び当社グループ内より広く選出されたメンバーなどで構成されたこれらの委員会のもとで、気候変動への対応を含むサステナビリティ推進計画を策定しております。

 また、「従業員の幸せ」というテーマに対しては、「グループ安全衛生委員会」や主要グループ各社の人事担当部長が参集する定例会議などを設置し、労働の安全衛生、働きがいのある職場づくり、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)、人財の確保・育成といった重要課題についての対応方針を協議し、その達成に向けての取組みを進めております。

 なお、コーポレート・ガバナンス体制については、「第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 2.企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 ①企業統治の体制の概要」に記載しております。

 ③ リスク管理

 当社グループでは重要課題(マテリアリティ)を管理するために、各重要課題におけるリスクと機会の分析を進め、分析の内容については上記の各種委員会等に報告し、リスク管理計画の策定を進めると同時に、取締役会への定期的な報告も行うことでリスクへの対応を強化していきます。

 ④ 指標及び目標

 当社グループの重要課題(マテリアリティ)に設定したKPI(評価指標)、目標値及び2021年度の実績は次の通りであります。なお、2022年度の実績については、統合報告書2023及び当社ホームページにて開示いたします。

5つの

重要課題テーマ

重要課題

主なKPI(評価指標)及び

2021年度実績

目標(*1)

地球環境

保護

●自社での温室効果ガス削減

(スコープ1、2)

●サプライチェーンでの温室効果ガス

 削減(スコープ3)

●気候変動への対応(TCFD)

●水ストレスへの対応

●環境汚染の防止

●スコープ1、2総排出量

(売上高原単位、国内のみ)

 2021年度:1.58㌧‐CO2/百万円

●2013年度比△30%

●2050年度:実質ゼロ

●スコープ3総排出量

(売上高原単位、国内のみ)

 2021年度:4.51㌧‐CO2/百万円

●2013年度比△30%

●2050年度:実質ゼロ

●環境事故・苦情件数

 2021年度:環境事故3件、環境苦情7件

●0件

●2050年度:0件の継続

持続可能な

価値提供

●再生可能エネルギーの利用拡大への

 取組み

●低炭素商品・サービスの開発、提供

●循環型経済・社会の推進

●強靭なインフラ整備、提供

●食料の安定供給への貢献

●イノベーションによる未来づくり

●環境対応車向け売上高伸長率(国内)

●2021年度比:300%増

●外部スクラップ購入比率

●グループ全体:30%超

従業員の

幸せ

●労働の安全衛生

●働きがいのある職場づくり

●ダイバーシティ&インクルージョン

●人財の確保、育成

●休業災害件数

 2021年度:国内15件

●0件

●2050年度:0件の継続

●男性の育児休暇取得率

 2021年度:18.5%(国内)

●2024年度:30%以上(国内)

●2030年度:50%以上(国内)

●女性管理職比率

 2021年度:5.4%(連結)

●2024年度:7%以上(連結)

●2030年度:10%以上(連結)

●次期経営者層研修受講者

 2021年度:13名(国内)

●管理職層研修受講率

 2021年度:100%(日本軽金属㈱単体)

●次期経営者層:毎年10名以上の継続

●管理職層:管理職登用者の100%

5つの

重要課題テーマ

重要課題

主なKPI(評価指標)及び

2021年度実績

目標(*1)

責任ある

調達・生産・供給

●安全、安心な商品・サービスの提供

●人権の保護、尊重

●安定したサプライチェーンの構築

●変化に柔軟で強靭なバリューチェーン

●CSR調達方針の理解と賛同を確認するアンケートに回答した主要サプライヤー(*2)の回答回収率

 2021年度:35%

●100%

●品質速報件数

 2021年度:15件

●0件

●2050年度:0件の継続

企業倫理・

企業統治

●ガバナンスの強化

●コンプライアンス体制の強化

●取締役会の自己評価実施回数

 2021年度:1回

●社外役員への事業所視察等の機会提供の回数

●年間1回以上実施の継続

 

●年間2回以上の実施

●内部通報制度への信頼度

 2021年度:管理職46%、一般29%

●従業員匿名サーベイでのポジティブ回答率:管理職60%、一般50%

●コンプライアンス教育実施率

 2021年度:11%

●役員・従業員の教育実施率:年間80%以上

 (注)*1.特に言及のないものは2030年度目標

    *2.グループ総購買金額カバー率80%を満たすサプライヤー

(2)気候変動への対応(TCFDに基づく開示)

 ① 戦略

 当社グループはTCFDの提言に基づいた開示を行うにあたり、シナリオによる影響の違いが分かりやすいように、成り行きで想定される4.0℃と最も強い規制が整備された場合である1.5℃の、2つのシナリオに基づいた分析を進めております。対象年度については、分析結果に一定程度以上の確からしさを担保するため、2030年度としております。

 また、当社グループはさまざまな事業領域を抱えるため、2022年度は日本軽金属㈱を対象とした分析からはじめております。リスクと機会の影響度については、日本軽金属㈱における主要部門である、化成品事業と板事業を中心とした算定を進めております。現時点では、2030年度の世界観を外部参考資料を基に想定し、そこで発生し得るリスクと機会をリストアップしました。

 そして、それぞれの項目について想定されるシナリオごとの影響度を、発生可能性と実際に発生した場合の影響の大きさの2つの観点から評価し、マッピングしました。その主な項目は次の通りとなっております。

区分

リスク・機会のシナリオ内容

影響度

4.0℃

シナリオ

影響度

1.5℃

シナリオ

リスク

移行

政策・法規制

リスク

炭素税の導入や炭素価格の上昇が、自社商品にかかわる原材料の調達や製造コストを増加させ、収益を圧迫するリスクがある。

移行

政策・法規制

リスク

CO2排出権取引に係る直接的なコストが発生するほか、排出削減目標の国ごとの相違によるサプライチェーンの地域バランスの変化により、原材料コストが上昇する可能性がある。

中~高

移行

技術リスク

脱炭素やリサイクル新技術の開発などに向けた投資コストが増加するほか、新技術の開発遅延により市場での優位性が低下する可能性がある。

低~中

中~高

移行

市場リスク

気候変動への対応が遅れた場合、顧客要求水準を満たせずにビジネス上の悪影響が発生する可能性があるほか、金融機関の脱炭素方針により資金調達コストが増加する恐れがある。

中~高

物理

急性

大規模な台風や豪雨が高頻度で発生すると、浸水・洪水による生産活動停止やサプライチェーン寸断リスクのほか、設備等の損傷及び補修コスト、損害保険料の上昇リスクがある。

機会

移行

商品・

サービス

環境対応車をはじめとする低炭素製品へのアルミニウム部材の採用が増加し、拡販による増収及び商品ライフサイクルを通じた低炭素社会への貢献が期待できる。

移行

資源の効率性

リサイクル率の向上や水平リサイクルの推進により、資源効率のよい素材として見直され、アルミニウム商品の需要や認知が高まる。

中~高

 ② ガバナンス

 気候変動への対応に関する体制として、社長を委員長とする「グループ環境委員会」や「グループCSR委員会」を設置しており、これらの委員会のもとで、気候変動への対応を含むサステナビリティ推進計画を策定しております。また、当社グループ内より広く選出されたメンバーによるタスクフォースチームが「2050年カーボンニュートラル対応」や「リサイクル推進」をテーマとして活動を展開しております。

 さらに、2023年4月に当社に設置した「カーボンニュートラル推進室」が、温室効果ガスを2013年比で2030年に30%削減、2050年度に実質ゼロという目標に向けて、当社グループの脱炭素戦略の立案・実行を統合的に推進いたします。

 ③ リスク管理

 当社グループは、気候変動リスクを経営上の重要なリスクの一つとして捉え、管理するために、2030年までのリスクと機会のシナリオ分析を行っております。重要性が高いと判断した項目については、今後、定量分析を行った上で開示内容を拡充し、目標達成に向けた取組みを推進していきます。

 また、現時点では日本軽金属㈱のみを対象にしておりますが、2023年度は当社グループ全体における影響度の分析へと範囲を広げる予定としております。その後はさらに長期的な視点に立ち、2050年のシナリオ分析も行っていくことを目標にしております。

 分析内容については「グループ環境委員会」や「グループCSR委員会」に報告し、リスク管理計画の策定を進めると同時に、取締役会への定期的な報告も行うことで、気候変動リスクへの対応を強化していきます。

 ④ 指標及び目標

 スコープ1、2にスコープ3も加えて、2050年のカーボンニュートラルを目指し、2030年の温室効果ガス排出量(売上高原単位)を2013年度(スコープ1+2:2.07㌧-CO2/百万円、スコープ3:5.60㌧-CO2/百万円)比で30%削減する目標に向けた取組みを推進していきます。

 当社グループのCO2排出量(スコープ1、2、3)の実績(2021年度)は、次のとおりであります。2021年度の実績は増産に伴い前年度比で総排出量は増加したものの、2021年度のCO2排出量売上高原単位目標は達成しました。なお、2022年度の実績については、統合報告書2023及び当社ホームページにて開示いたします。

 (算定基準)

 *集計範囲:国内連結子会社(製造)31社/海外連結子会社(製造)13社

 *温室効果ガス排出量(スコープ1、2)は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」および「地球温暖化対策の推進に関

 する法律(温対法)」に基づいて計算しており、次のCO2排出係数を使用しております。/国内電力:電気事業低炭素社会協議会公表の前年度

 使用端CO2排出係数/海外電力:IEA「CO2 FCOMB 2017」の各国別CO2排出係数/燃料:環境省令の各燃料の単位当りのCO2排出係数(日本軽金属

 ㈱蒲原製造所の水力発電由来の電気は、国内電力CO2排出係数を使用)

 *実績値はエネルギー起源CO2排出量のみです。

(3)人的資本

(ア)人財戦略

 当社グループは、経営方針で「グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供する」という基本方針を掲げております。お客様への価値提供の前提となるグループ内連携にはグループエンゲージメントの強化が欠かせません。そして価値創出につながるグループエンゲージメントの前提となるのはグループ各社と各従業員との強固な従業員エンゲージメントであると認識しております。当社グループでは「働きがい」と「働きやすさ」が両立した職場づくりを通じて「従業員の幸せ」を向上させることでエンゲージメントの強化に努め、同時にグループ横断的なイベント等の開催を通してグループエンゲージメントの強化に努めております。

(イ)人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針

 当社グループの人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針(人財育成方針)は次の通りです。

〇人財育成方針

 ◆人財が全ての基盤との認識の下、以下の三要件を兼ね備えたグループ中核人財を計画的に育成します。

  ・グループ内外との連携を通じて新たな価値を創出する人財

  ・強い達成志向と高い倫理観を同時に持ち合わせた人財

  ・周囲の人財に健全な関心を持ちその成長を支援する人財

 ◆計画的な人財育成に向けて多様な教育プログラムを整備、提供します。

 ◆従業員の自主性を尊重し本人意向を踏まえたキャリアパスにより個の力の強化を図ります。

 ◆永続的な人財輩出のために後進育成への注力を成果創出と同等に評価します。

〇体制

 人財育成の体制としては、グループ各社で実施される研修・教育に合わせて、近年は特にグループ全体で実施される研修・教育に注力しております。現在では多種多様な研修に延べ約30社のグループ会社が参加するに至っております。

 従来は日本軽金属㈱の研修体系にグループ各社が任意で参加する形を採っておりましたが、総合職に関しては2025年度をめどに国内グループ全社を対象とした必須受講の統一研修に移行する計画です。統一研修への移行によりグループ全体の育成体制のレベルアップを図り、同時に経営方針の共有・理解、教育機会を通じた人的つながりの促進により「チーム日軽金」のさらなる強化を目指していきます。

(ウ)社内環境整備に関する方針

 当社グループの社内環境整備に関する方針(社内環境整備方針)は次のとおりです。

〇社内環境整備方針

 ◆全ての人財が健康で安全に働ける職場をつくります。

 ◆コミュニケーション豊かな安心と働きがいにあふれた職場をつくります。

 ◆多様な価値観を尊重し全員が生き生きと働ける職場をつくります。

〇体制

 職場づくりは、グループ各社の職場単位での取組みによる部分が大きい一方、当社グループとしてはマクロの視点で「従業員の幸せ」につながる取組みについて、主要グループ各社の人事担当部長が参集する定例会議で検討を行い、さらに年1回開催するグループ人事担当者会議で計画及び成果を共有する体制を採っております。

 特に従業員の「働きやすさ」に資する部分の大きい福利厚生投資については、主要グループ会社の投資計画・実績及び中期計画について年次で調査・共有を行っております。好事例のグループ内展開などを通じてより効果的な福利厚生投資を追求しております。

  (エ)指標及び目標

 当社グループは5つの重要課題(マテリアリティ)のテーマの一つである「従業員の幸せ」に関して、指標及び目標を設定し、具体的なアクションプランに基づいてその達成に取り組んでおります。KPI(評価指標)、目標値及び2021年度の実績は「(1)当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組み ④ 指標及び目標」に記載しております。なお、2022年度の実績については、統合報告書2023及び当社ホームページにて開示いたします。

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