企業日本精密東証スタンダード:7771】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、上席執行役員を委員長とするリスク管理委員会において、リスクの発生防止、発生した場合の適切な対応に努めております。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 有利子負債について

 当社グループは、設備及び運転資金について、主に金融機関からの借入金に依存しております。財務体質の改善を図るため、キャッシュマネジメントシステムの導入などにより、資金効率の向上と手元流動性の確保に努めておりますが、総資産額に占める有利子負債の割合は当連結会計年度末において59.9%(前連結会計年度末は60.8%)となっており、今後の金融環境の変化や金利動向により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、「(10)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当社グループは、取引先金融機関より借入金元本の一定期間の返済猶予を受けております。

 金融機関等からの借入金等の連結決算日後の1年ごとの返済予定額

 

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

短期借入金(千円)

2,501,500

長期借入金(千円)

251,040

35,190

83,120

33,120

33,120

239,920

(2) 外国為替変動のリスク

 当社グループは、ベトナム、カンボジア、中国(委託生産)に生産拠点が、中国(香港)に営業拠点が存在しております。営業債務の一部につきましては、恒常的に同じ外貨建ての売掛金の範囲内にあります。一部の外貨建て取引については、為替予約などによりリスクの軽減に努めております。在外子会社向けの外貨建債権につきましては、NISSEY CAMBODIA CO.,LTD.に対するデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)の準備を進めておりますが、また、外貨建ての金融負債につきましては、主に外貨により返済しておりますが、外国為替レートの変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 大口取引先の戦略変更のリスク

 当社グループの売上高のうち時計関連は、当連結会計年度末において70.8%(前連結会計年度末は68.0%)となっており、大きな割合を占めております。定期的にバランスのチェックを行い、新規取引先の拡大や他社のシェア拡大など営業力の強化に努めており、また大口取引先との定期的な会議の開催など絶えず情報交換も行っておりますが、大口取引先の戦略変更、製品仕様の変更もしくは、大口注文の解約やスケジュール変更は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 取引先の変化

 当社グループは、与信管理規定に従い取引先の管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制を整えておりますが、取引先の倒産などにより、不良債権の発生や商品の調達に支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 人件費の高騰・人員不足のリスク

 当社グループは、ベトナム及びカンボジアに生産拠点が存在しております。生産性の向上、賃金のベースアップ、賞与の支給などにより、安定雇用に努めておりますが、人件費の高騰や人員不足などにより稼働率が低下した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 人的資本

 当社グループの市場競争力の核は、技術開発力にあるため、国内だけでなく海外においても専門性の高い技術者の確保が不可欠であります。当社グループは、働き方改革やダイバーシティの実現に向けて、優秀な人材の採用、社内人材の育成と確保、外国人の雇用、勤務体制の多様化などに努めておりますが、計画通りに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 減損会計に関するリスク

 当社グループの保有資産につきましては、減損リスクを意識することにより、資産収益性を高める取り組みを行っておりますが、実質的価値の低下等による減損処理が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 災害等予測困難な事象によるリスク

 当社グループは、日本(委託生産)、中国(委託生産)、ベトナム及びカンボジアに生産拠点が、日本及び中国(香港)に営業拠点が存在しております。定期的なリスク管理委員会や各拠点とのテレビ会議の開催など、様々な情報の収集に努めておりますが、当該国における政情の悪化、自然災害、戦争やテロ、経済状況の変動、法律や税制の変更、労働力不足やストライキの発生、感染症の拡大などの予期せぬ事象により、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 環境・気候変動によるリスク

 当社グループは、ベトナムなどの生産拠点において、工場排水の保全や金属等の産業廃棄物のリサイクルによる廃棄物の削減などに取り組んでおりますが、環境汚染による損害や廃棄物の増加による処理費用の増加などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、サステナビリティ経営を推進しておりますが、気候変動や脱炭素社会への移行にともなう新たな費用の発生などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、平成29年3月期から令和3年3月期まで、継続的な売上高の減少傾向にありました。前連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症という。)拡大の影響はあったものの、売上高は5,739,949千円となり前年同期比971,985千円(20.4%)の増加、営業利益は80,580千円(前々連結会計年度は営業損失481,212千円)、経常利益は189,895千円(前々連結会計年度は経常損失529,040千円)とそれぞれ前連結会計年度までの赤字から黒字に転換しましたが、親会社株主に帰属する当期純損失は、感染症にともなう災害損失の計上などにより128,166千円(前々連結会計年度は631,927千円)と4期連続して最終赤字の計上となりました。また、営業キャッシュ・フローも173,640千円の支出(前々連結会計年度は305,471千円)を計上いたしました。

 当連結会計年度におきましては、売上高は6,900,896千円となり前年同期比1,160,947千円(20.2%)の増加、営業利益は181,175千円、経常利益は257,387千円をそれぞれ計上、親会社株主に帰属する当期純利益は175,553千円と5期ぶりに最終赤字から黒字に転換することができました。営業キャッシュ・フローにつきましても、217,709千円の収入を計上しております。詳細につきましては、「2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。感染症の影響から業績は回復基調にあり、今後は、ウクライナ情勢や世界的な金融引締めなどによる不透明感は残りますが、事業構造改革の継続などにより、更なる収益の拡大を目指してまいります。

 しかしながら、当社グループは、設備及び運転資金につきまして、主に金融機関からの借入金に依存しており、総資産額に占める有利子負債の割合は、当連結会計年度末において59.9%(前連結会計年度末は60.8%)と依然として高い水準が続いております。

 これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。
 こうしたなか、当社グループは以下の施策を事業構造改革として引き続き実施し、収益体質の改善を実現してまいります。
 前年度は、ASEAN地域の製造部門であるNISSEY VIETNAM CO.,LTD.及びNISSEY CAMBODIA CO.,LTD.を中心に、グループ各社が相互協力のもと、連携を密にしながら製造活動を行い、在庫管理の徹底、生産性の向上及び製造原価の改善を図り、今後の受注増加への対応を進めるとともに、サプライチェーンの基盤強化を行いました。前々年度は、ASEAN地域における製造部門におきましては、主要な設備投資の凍結及びそれにともなう減価償却費の削減、人員の適正化及び残業の抑制などによる労務費単価の圧縮、消耗品や電気料などの経費削減、当社及び当社の香港支店、㈱村井の販売管理部門におきましては、役員報酬の減額、人員の適正化や再配置などによる労務費の削減、予算統制の厳格化による諸経費の削減などを、平成31年度より継続して推進してまいりました。これら労務費経費の削減の施策は継続中の一部を除きほぼ一巡しておりますが、当年度は、引き続きASEAN地域の製造部門を中心に、サプライチェーンの基盤強化を推進するとともに、採算性の向上を目指してまいりました。来年度も、引き続きASEAN地域の製造部門の採算性の向上を目指すとともに、徐々にではありますが工場の生産ラインの半自動化または自動化の推進による生産性の向上及び製造原価の低減を進めてまいります。また、既存の事業領域にとどまらず、当社が有する精密加工技術を生かし、将来性のある販路拡大を目指してまいります。
 財務面におきましては、当年度も当社グループの取引金融機関に対し、長期借入金元本の返済条項の緩和を要請し、要請しているすべての取引金融機関から同意を頂いており、今後も継続的な支援を受けられる見込みであります。また、当社は令和2年6月において、第三者割当増資200,003千円を実施しております。
 なお、当社グループは、取引金融機関より借入金元本の一定期間の返済猶予を受けておりましたが、令和4年12月及び令和5年1月において、借入金元本の一部返済を実行いたしました。同時に、NISSEY VIETNAM CO.,LTD.の財務基盤の強化を目的として、同社に対して700,000千円のデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)を実施いたしました。

 これらの具体的な対応策を実施又は継続することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

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