日本エアーテック
【東証スタンダード:6291】「機械」
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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、2022年12月に制定した「きれいな空気で、未来を支える。」とのパーパスのもと、当社のクリーンエアーシステム技術は自らの研究・実験に基づくことを主とし、創業以来蓄積された技術力により顧客ニーズに合致した製品を連続的に創造する専業メーカーとして、収益性を維持しつつ企業規模の拡大を図ります。従業員の創造性を第一とし自主性を重んじております。また、ESG・SDGs関連施策に取組み環境側面・社会側面の双方から持続可能な社会と当社の持続的成長の実現を目指し、情報開示を充実させ企業価値を継続的に向上させてまいります。
(2)経営戦略等
当社は、クリーンエアーシステムの専業メーカーとして、半導体・電子工業分野及びバイオロジカル分野の双方に多数の製品及び設計・施工技術を有しております。現在、微粒子・菌・ウイルス等を必要とされるレベルまで除去又は制御する設備機器は、分野を問わず幅広く導入されており今後益々その需要と必要分野は拡大しております。
そのような状況において当社では2024年度から2028年度における中期経営方針を以下のように定めております。
方針1は、標準・準標準品の売上比率の向上であります。2028年までの目標を60%から80%に引き上げました。従来は45%前後でありましたが、2024年度は48%であり目標とは開きがあります。引続き本方針に沿って製品開発・改良を進め、販売に注力してまいります。
方針2は、差別化であります。単なる価格競争に陥らないよう競合他社との差別化をハード面、ソフト面共に創造性を追求することにより脱価格競争に取組み、ブランド価値の向上も図っております。
方針3は、グローバル化であります。東南アジアの各提携会社との連携強化を図り、その後欧米への展開を目標としております。
方針4は、新市場進出への積極的な取組みであります。クリーンエアーシステム(空気清浄化)を必要とする市場が電子分野・バイオロジカル分野共に年々拡大中ですので、B to Bを原則とし各方面の代理店と関係を深め、拡販してまいります。
方針5は、株主還元及び配当に関する基本方針の変更であります。従来は配当性向30%を基本としておりましたが、株主還元を重要課題と捉え、PBRの向上を視野に本計画期間中の総還元性向を65%以上といたしました。2024年度は配当を1株当たり50円とし自己株式取得を318,200株実施した結果、総還元性向は79.3%となりました。
方針6は、サステナビリティ経営への取組みであります。「きれいな空気で、未来を支える。」とのパーパスのもと、各種産業及び技術開発に必要なクリーンエアーシステム技術やノウハウを生かした事業活動によって、環境、従業員、取引先、社会、株主・投資家に関する社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会と当社の持続的成長の実現を目指すものです。さらに、2024年12月には「ありたい姿」を策定し、人的資本向上への注力及び人材育成と環境整備を実施すると共に、SDGs の各目標への具体的な貢献及び温室効果ガス削減に取組んでおります。
(3)経営環境
当事業年度における我が国の経済は、一部に足踏みがみられるものの雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等により景気の緩やかな回復の動きが継続しました。一方で、物価上昇やウクライナ・中東情勢等の地政学的リスクの高まり及び中国における不動産市場の停滞に伴う内需縮小等による海外経済の下振れに十分な注意を要する状況が継続しました。当社における事業環境は、半導体及び関連する材料・電子部品産業及びEV関連投資等が継続しております。一方で、原材料費及び人件費の上昇によるコスト増加に加え、現場作業に関わる作業者不足等により、先行きは引き続き動向を注視する必要があります。電子工業分野では、半導体関連の製造装置メーカー、電子材料関連及び電子部品メーカーのクリーンエアーシステムの設備投資計画が引続き堅調であり、受注残は高水準を維持しております。一方、バイオロジカル分野においては、研究用及び再生医療用クリーンルームの他、製薬分野における設備投資が堅調でしたが、感染症対策機器の販売が減少しました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年度は昨年に引続き電子・バイオ分野市場とも堅調と予想しているものの、各種原価上昇圧力、国内外の不安定な政治・経済状況により先行きは不透明です。そのような市場環境を背景に、社内においては人的資本を向上させ企業基盤を強化し、2023年12月22日公表の「中期経営計画(2024年~2028年)」を推進し、当社のパーパスである「きれいな空気で、未来を支える。」をあらゆる場面で実現するよう、クリーンエアーシステム事業を通じて以下の課題に取組んでまいります。
営業面においては、2025年3月に北海道出張所及び北海道サービスセンターを開所し、同地区の顧客サービスと売上増加を図ります。また、販売コストの回収に向けた価格改定を実施し営業利益の増加に取組んでまいります。
研究・新製品開発においては、省エネルギー化の推進及び特徴付けを継続し、各種標準品の性能向上に取組みます。
製造部門においては、2024年12月に竣工した草加多目的センターを活用し、草加工場の生産・物流効率向上により原価低減を実施します。また、脱炭素化への取組みとして同センターへ太陽光発電・蓄電池設備を設置してまいります。
サービスセンターにおいては、北海道地区の強化に加え全国の空白地域の据付・保守体制の充実を図るため、中部地区にも新拠点開設を検討し、顧客満足度を高めてまいります。
さらに、高いガバナンス水準の維持や積極的な情報開示に努めるとともに、持続的な成長と企業価値の向上に取組んでまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の継続的な成長への戦略は、以下の3点です。① 継続成長が見込まれる半導体を主とした電子工業分野需要の取込み。② CO2削減を目指すEV等への投資及び省エネルギー化推進需要の取込み。③ 顧客ニーズを捉えた潜在的需要の開拓(フィルター交換、定期検査等)。具体的には、市場に必要とされる新製品の開発に注力するとともに、生産性の向上やサービス業務の拡大に取組んでおります。客観的な指標として、「営業利益」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置付けており、2028年12月期の「売上高」の目標180億円に対する「営業利益」については14億円(売上高比7.8%)以上を目標とし、「経常利益」については18億円(売上高比10.0%)以上を目標としております。さらに、2024年11月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた当社の対応について」を公表しました。ROE、PER双方を改善することによりPBRの向上を目指し、中期経営計画(最終年度 2028年12月期)を推進し、その結果としてROE7%以上とすることを目標としております。
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