企業兼大株主日揮ホールディングス東証プライム:1963】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、企業理念である「JGC's Purpose and Values」に基づき、サステナビリティに関する取組みを通じて企業価値の持続的な向上を図るために、「サステナビリティ基本方針」を定め、環境、社会、ガバナンス、品質、安全、健康の分野での活動において、サステナビリティを積極的に追求しております。また、環境調和型社会、世界各地域における共創共生、人権の尊重・働きがい、エネルギーアクセス、生活の質の向上、ガバナンス・リスク対応をマテリアリティとし、経営方針の策定や事業活動の展開を行う上で基本となる重要な課題と位置付けています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

 当社グループでは、代表取締役会長を委員長とするサステナビリティ委員会を設け、気候変動や人的資本を含むサステナビリティ分野に関する方針や行動計画の策定、並びに活動状況の評価・推進に係る審議を行うとともに、内容に応じ取締役会への附議・報告を行っております。また、代表取締役社長が委員長を務めるグループリスク管理委員会を設け、グループのリスク全体の把握・整理、リスク管理システムの維持・構築、改善の提案・審議を行っており、気候変動等サステナビリティに関連するリスクについては、サステナビリティ委員会と連携を図って対処しております。これら委員会の詳細については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治体制の概要」に記載しております。

(2)重要なサステナビリティ項目

 上記のガバナンス及びリスク管理を通じて特定された当社グループにおいて重要と考えるサステナビリティ項目別の対応は以下のとおりです。

① 気候変動への対応

 持続可能な社会の実現に向けて、気候変動への対応は世界的な課題となっています。当社グループはマテリアリティの一つに「環境調和型社会」を掲げ、事業活動を通じ気候変動への対応を図るとともに、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のガイドラインを踏まえて事業戦略を検討・策定、これに基づいた開示を行っております。

 当社グループの気候変動対応の責任者は代表取締役会長であり、上記サステナビリティ委員会の主宰等を通じ、気候関連のリスクと機会を評価・管理するとともに、当社グループの経営戦略や経営目標に反映させる責任を負っています。また、上記グループリスク管理委員会等の枠組みのもと、気候変動を含む様々な具体的なリスクに対して、サステナビリティ委員会とも連携しつつ、低減と未然の防止に努めています。

 当社グループでは、長期経営ビジョン「2040年ビジョン」や中期経営計画「BSP2025」の策定過程において、国際エネルギー機関(IEA)の複数のシナリオ等を前提に行った分析を踏まえ、気候変動関連のリスクと機会を認識し、これらビジョン・計画に反映させ、エネルギートランジション、資源循環などを未来に向けたビジネス領域と位置付けております。具体的には、従来の化石資源関連ビジネスの低炭素化に注力するとともに、カーボンニュートラルに向けて、アンモニア、小型モジュール原子炉(SMR)、持続可能な航空燃料(SAF)、プラスチックのリサイクル、電気自動車(EV)関連の高機能材、洋上風力等再生可能エネルギーなどの分野を機会と認識してこれらのビジネス化に積極的に取り組んでいます。さらに、「BSP2025」において、グループ企業の自社拠点での事業活動に伴う温暖化ガス(GHG)排出量(Scope1+2)について「2050年ネットゼロ」を宣言するとともに、2030年度までの売上高当たり排出量の2020年度比30%削減を目指すこととしています。実績については、2021年度(2021年4月~2022年3月)のScope1+2のGHG排出量は133,573トンCO2で、売上高ベースで前年度から2%の増加となりました。同じく2021年度のScope3排出量は702,873トンCO2でした。なお、排出量実績はいずれもグループ内の6社 (当社、日揮グローバル株式会社、日揮株式会社、日揮触媒化成株式会社、日本ファインセラミックス株式会社及び日本エヌ・ユー・エス株式会社)による排出量であり、前提や内訳など詳細については国際的な気候変動関連の情報開示の枠組みであるCDPへの当社からの2022年7月の報告をご参照ください。

https://www.jgc.com/jp/esg-hsse/environment/climate-change/pdf/climate_change2022_j.pdf

 また、気候変動に伴う機会を踏まえ、BSP2025において上記の各分野を念頭におき、「将来の成長エンジンの確立」を目標として掲げております。

② 人的資本への取組み

 人的資本を重要な経営基盤と位置付ける当社グループにおいては、経営戦略と連動する人財戦略は重要テーマです。本テーマに対し、取締役会の指名を受け戦略的な人事施策の策定と実装を牽引するCHRO (Chief Human Resource Officer) のイニシアチブのもと、経営戦略や事業戦略実現のために必要な人財要件や人財数を特定するための人財ポートフォリオ策定のほか、ポートフォリオ実現のための採用・育成、エンゲージメント向上、Inclusion & Diversityの推進等、重点課題を定め、グループ全体でそれら重点課題の解決に戦略的に取り組んでおります。

 当社グループのパーパス(存在意義)を実現するために必要な組織像を「変化し続ける様々な社会課題に対し、解決に貢献し続けることができる組織」、「深化と探索、そして探索の結果を進化させるサイクルが形成された組織」として定め、この組織像を実現するため、「自ら変化を起こし続ける人財」を継続的に輩出することを人財育成方針とし、国籍・人種・年齢・障がい・ジェンダー・宗教等の違いにかかわらず、すべての従業員に対して能力開発・キャリア開発の機会を公平に提供することとしております。また、指標の一つに管理職に占める女性労働者の割合を用いており、その実績は「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおりです。従来から適任者は性別にかかわらず管理職に登用しており、今後も積極的に女性の管理職への登用を図ってまいります。

 さらに当社グループでは、長期経営ビジョン「2040年ビジョン」のもと、事業環境の変化に合わせ、ビジネス領域、ビジネスモデル、組織のトランスフォーメーションを進めており、日揮グループで働く従業員が、今後益々多様化していくことを想定しております。2023年3月に策定した「Inclusion & Diversity基本方針」においては、多様化する従業員一人ひとりが、能力と活力を最大限に発揮して自分らしく活き活きと働くことができるよう、「日揮グループに集うすべての人に敬意をもって接し、国籍・人種・年齢・障がい・ジェンダー・宗教などを問わず、異なる意見・経験を尊重」すること、「多様な人財一人ひとりの能力と活力を最大限に引き出す風土を大切にし、それを可能にする制度を拡充」すること等を掲げ、社内環境整備を含めこれらを推進しております。指標の一つに男性労働者の育児休業取得率を用いており、その実績は「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおりです。従来から従業員にとって意見・希望を言いやすく、多様性が受容される風土があり、今後も一人ひとりのライフステージと希望に合わせ、男性育休取得のサポートを継続します。

③ 人権対応

 当社グループは「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」等の国際的に認められた人権原則に基づき、当社グループの事業活動において影響を受けるすべての人々の人権を尊重することが、ビジネスの基盤であると認識しています。当社グループでは、代表取締役会長が委員長を務めるサステナビリティ委員会のもと、グループ横断型の人権対応分科会において、当社ガバナンス統括オフィスコンプライアンスユニットが中心となって、人権を尊重する体制を推進しています。その上で、グループ各社の役職員に対し、「日揮グループ行動規範」及び「日揮グループ人権基本方針」を以って人権の尊重を要求しているほか、外部講師を招いて人権に関する研修を実施するなど、社員の意識醸成も図っています。さらに当社グループは、人権デューデリジェンスプロセスの構築にも積極的に取り組んでおります。総合エンジニアリング事業においては、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した人権課題の特定、リスク評価、及びリスク低減措置の整備を進めております。今後は同取組みの機能材製造事業への展開を通じ、当社グループ社員をはじめ協力会社で働く労働者、サプライヤー、パートナー、顧客等、すべてのステークホルダーの人権侵害リスクの排除、その維持、侵害が発見された場合の早期の救済に努めることとしております。また、上述のプロセス構築に加え、人権方針遵守に関する具体的な行動指針を示した規程の整備など、より一層の取組みを充実させてまいります。

④ 品質マネジメントに関する取組み

 当社グループは、プラントなどの施設の安全運転や安定生産を実現するために、品質マネジメントを極めて重要な要素と位置付けており、ISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを構築し、長年に亘って蓄積してきた知識や技術、教訓を結集し、システムと人財をグローバルに活用して、品質確保に取り組んでいます。具体的には、各主要グループ会社において、社長の下に品質保証委員会などの会議体が設置されており、品質マネジメント活動が社長のレビューにて総括される品質マネジメント体制が構築されています。またこれら各社では、上記品質マネジメントシステムに基づき、品質方針を策定しています。組織の各階層が方針に基づく品質目標を設定して組織の課題を明確化し、品質目標とアクションプランのPDCAサイクルを回すことにより、継続的なパフォーマンス改善を図っています。その上で、上記の品質保証委員会などの会議体が定期的に開催され、高品質のプロダクトやサービスを提供するため、品質上の問題の根本原因を究明、有効な再発防止策を含めた改善活動を推進し、その成果を評価して継続的な改善を実践しています。こうした品質マネジメントの活動は、各社において年に一度、社長によるマネジメントレビューを実施して総括し、品質保証に関わる枠組みの整備と改善を継続的に実施しています。

⑤ 労働安全衛生

 当社グループでは、Health(衛生)、Safety(安全)、Security(セキュリティ)、Environment(環境) (以下、HSSEという。)を常に追求すべき企業価値と捉え、当社グループのみならず協力会社も含め、国内外事業所や建設現場などで働くすべての人を対象に「すべての人が、健康で安心して働き、家族のもとへ無事帰る」というグループ共通のHSSE基本理念を制定し、グループを挙げてHSSEの推進に取り組んでいます。本理念に基づき、グループ各社が安全衛生方針を掲げ、安全衛生委員会あるいはHSSE委員会を設置し労働安全衛生管理体制を構築しており、HSSEに係る重要テーマに関して審議し、対処しております。また、グループ各社の安全衛生委員会あるいはHSSE委員会は、安全衛生上のリスクを低減する活動を展開しております。重大災害があった場合は各グループ会社の労働安全衛生管理部門が迅速に対処するとともに、当社関連部門に対して緊急連絡し、必要に応じて当社が支援する体制を取っています。労働安全衛生のパフォーマンス向上については、安全衛生意識の向上と安全衛生知識・技術の向上という二つの側面から取り組んでおります。意識向上においては、当社代表取締役社長主催のグループ全体のHSSE大会など各種イベントの開催、知識・技術の向上においては、新入社員や初めて現場赴任する従業員への安全衛生環境教育、国内外の建設現場に対するHSSE監査などを実施しております。HSSE委員会では、国内外の建設現場において、休業災害度数率、記録災害度数率をはじめHSSEに関するパフォーマンスを測定する複数の指標を定め、モニタリングすることで、継続的なHSSE管理の徹底と向上に努めています。

⑥ 情報セキュリティに関する取組み

 当社グループは、情報及び情報システムは会社の重要な資産であり、顧客や取引先からの信頼を獲得・維持する上で必須であることを踏まえ、情報セキュリティは事業活動に係る重要な経営課題と認識しています。「日揮グループ情報セキュリティ方針」及び「日揮グループ情報セキュリティ指針」のもと、情報セキュリティマネジメントシステムを構築し、継続的な見直し、改善、向上を図っています。主要グループ会社それぞれにおいて、各社のトップマネジメントを中心に、情報セキュリティの推進・維持を行う情報セキュリティシステム推進体制を構築しており、法令・規則等に準拠した情報セキュリティ関連規定の策定、各社に配置した情報セキュリティ統括責任者及び情報セキュリティモニタリング責任者を通じた情報セキュリティマネジメントシステムの確立、導入、計画、運用、モニタリング、継続的改善に取り組むPDCAサイクルを実施しています。加えて各社の責任者間で情報共有を行い、コミュニケーションを密に連携することで、グループ横断での適切な情報セキュリティの維持及び向上を図っています。また、当社代表取締役社長が委員長を務めるグループリスク管理委員会において、情報セキュリティに関わるリスク管理について審議しています。さらに、情報セキュリティリスクに対処する具体的な取組みとして、あらゆる技術的サイバーセキュリティ対策を講じているほか、継続的な情報セキュリティ教育や訓練を通じ、グループすべての従業員の情報セキュリティへの意識向上に取り組んでいます。

⑦ コンプライアンスに関する取組み

 当社グループでは、企業理念としての「JGC's Purpose and Values」において、社員が共有すべき価値観の一部として「尊重」と「誠実」を掲げ、コンプライアンスを経営の基軸に据えています。当社グループが国際社会の一員として持続可能な事業展開を図っていくためには、国内のみならず海外関係国の法令を遵守し、さらに、企業倫理に則って公平・公正にビジネスを行うことが必要不可欠です。この認識のもと、企業理念を実践する際に守るべき重要な事項を「日揮グループ行動規範」に定め、社員一人ひとりに遵守を義務付けています。これらに基づき、当社グループでは、グループ各社が高い倫理観のもとに事業活動を行えるよう、グループコンプライアンス体制を構築しています。主要なグループ会社にコンプライアンス責任者を配置し、指揮下のコンプライアンス部門担当者とともに、各社の実情に合った施策を立案・実施しています。また、グループ会社間の垣根なくコンプライアンスの情報共有を行う場としてグループ横断型のコンプライアンス・コミッティーを設けています。当社ガバナンス統括オフィスコンプライアンスユニットが、当社グループ全体を対象としたコンプライアンス推進のための総合的な施策策定や調整等の機能を担っています。また、コンプライアンス向上に向けた取組みとして、階層別及び目的別(腐敗防止も含む)の各種コンプライアンス研修の実施や、コンプライアンスに関する社内及び取引先などの相談・通報窓口として、専門の第三者機関が受付を担当する相談・通報窓口の整備・運用など、コンプライアンス上のリスクの未然防止や早期発見に資する取組みも実施しています。贈賄防止においては、当社グループ贈賄防止関連諸規定の整備及びこれらに基づく贈賄防止プログラムを展開し、当社グループと取引を行うステークホルダーに対するコンプライアンス上の事前審査や契約書への贈賄防止文言の反映等の取組みを行っています。

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