企業恵和東証プライム:4251】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

(1) 会社経営の基本方針

 a) 経営理念

 当社並びに海外に展開しているグループ子会社は“自然と産業の調和を創造する”という経営理念のもと、人と自然にやさしい製品やサービスの提供を通じて、社会に貢献してまいります。

 「自然に感謝し、自然と産業とが矛盾しない存在にする」それを実現する製品・技術・サービスの提供が恵和の存在意義であります。

b) 経営ビジョン
  当社は、これまで事業を通じて実践し、そしてこれからも変わらず掲げていく“あるべき姿”をより明確に示すため、「自然と社会との共通価値を『高品質の提供』を通じて実現するCSVグループを目指す」といたしました。

 なお“CSV”とは、企業活動を通じて社会的価値と経済的価値を同時に満足する“共有価値”を創造するという“Creating Shared Value”の略称であり、当社の価値観と合致することから経営ビジョンに取り入れました。今後さまざまな機会を通じて社内外に発信してまいります。

c) バリュー(行動規範)

① 社会貢献・自然貢献

 経営の透明化を図り、健全な経営を実現し、自然と社会に貢献します。

② イノベーション

 新たな価値を創造し、提供し続けることが私達の信条です。

③ 顧客からの信頼

 現在と将来の顧客への信頼を得るために行動します。

④ 品質は競争力

 顧客に選ばれるために高品質を追求します。

⑤ 社員の幸福と自己啓発

 社員とその関係者の健康と幸福を願い、多様性と向上心を尊重します。

⑥ ステークホルダーの満足

 安定的な成長を実現し、適正な利益を確保します。

d) コアコンピタンス

 当社グループのコアコンピタンスは次のとおりであります。

① Ultra-precision Marketing

 当社及び各国子会社のマーケターやエンジニアがブランドメーカーから部材メーカーに至るまで顧客と直接対面する事で精緻な情報収集を行っております。また、需要地の中国に品質保証センターを設置し、現地での迅速なアフターサービスを実現しております。

 ② コア技術SLC×UP

 3つのコア技術(S:シーティング技術、L:ラミネ―ティング技術、C:コーティング技術)と、高精度な先端技術及び高精度な顧客対応(UP:ウルトラプレシジョン)によって、顧客ニーズを具現化した高付加価値製品の提供が可能であります。

③ All Keiwa Innovation活動

 AKI活動は、安全・健全・イノベーションをキーワードにした全従業員が参加する活動です。顧客ミッションを貫くことにより、単なる改善活動ではなく継続的にイノベーションを生む成果を上げており、当社の企業文化と言えます。当社グループの事業の継続的な発展を実現するためには、グローバル市場で活躍ができる人材の育成が重要な課題である中、社員のモチベーションやCSV志向のさらなる向上にも繋がるものであります。

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、事業本来の収益力を客観的に評価できることから、連結営業利益を重要な指標と位置づけておりましたが、新たに中期経営計画「DARWIN」において、投下資本利益率(ROIC)を重要な経営指標として追加いたしました。高付加価値製品の販売に集中し、省力化や歩留の改善を更に進めることにより、営業利益と資本効率を向上させることを目指しております。

(3) 中長期的な成長戦略

① IoTやAIの活用、次世代通信規格の実用化等の技術革新が進むエレクトロニクス市場において、光拡散フィルムや複合拡散板を主力製品として、ブランド力と高品質を活かした高機能光学フィルム等の製品を販売いたします。

② 世界的な環境問題への関心の高まりを背景に、普及が進むとみられる環境適合車等の新エネルギー関連の市場に対し、コア技術を総合的に活用し顧客ニーズに的確かつ迅速に対応することにより、新規事業の創出を行ってまいります。

③ 我が国の労働人口の減少及び就労者の高齢化を背景に、インフラ用構造物の施工簡素化や高耐久化に役立つフィルムやシートの提供を行ってまいります。

④ 国内外の有力顧客に対する競争優位性を引き続き維持向上させるために、顧客ニーズに沿った設計から配送までの改善を進めてまいります。

⑤ グローバルな事業展開に沿った、必要な人材の確保・育成に努めてまいります。

(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により個人消費、インバウンド需要の回復などが見られるなど、経済の持ち直しに向けた動きがみられました。一方、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界的な経済成長率の鈍化、円安の進行、中国における景気減速、欧米におけるインフレの長期化や金融引き締め政策の継続などに加え、中東情勢の不安定化等のわが国の経済活動に大きな影響を与える新たな事象が発生しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く環境におきましては、世界的な在庫調整に伴うノートPCやタブレット等の市場低迷の回復が第2四半期より見られるものの、その足取りは不安定であり、引き続き予断を許さない状況でありました。

 このような状況におきまして、当社グループは、上位機種のノートPC・タブレット向け、車載向け、ゴーグル型端末向けを中心とする光学製品やクリーンエネルギー車向けの特殊フィルム製品などの高付加価値製品の販売促進活動を世界各地の拠点で強化するとともに、生産性の向上と新規事業に対する研究開発に努めました。また、地球の絆創膏事業においては、展示会出展とセミナー開催を始めとするプロモーション活動の強化を通じて、長期的視点での認知度向上を推進するとともに新規のお客様との取引を開始いたしました。

 当社グループは、売上高の多くを輸出により得ている関係上、グローバル経済の状況が当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を与えます。特に為替相場の変動、大きなマーケットとなった中国の国内経済の動向、海外競合メーカーへの対応等多くの課題が存在します。

 このような環境に対して、当社グループは、高品質・高性能製品の販売を強化することで、利益志向の経営を行ってまいります。また、強みを生かせる領域に資源を集中しつつ、生産コストの低減に努め、急激な為替変動リスクに対応して確実な利益確保に注力してまいります。

① CSV及び経営基盤の強化

 当社グループでは、経営理念に基づき「資源を無駄にしない、エネルギーを有効活用する」といった社会の役に立つ製品の提供を続けてまいりました。これからも、この理念を追求し社会が抱える課題に対して積極的に向き合い、地球と未来社会に貢献してまいります。同時に、安全推進チームの事故ゼロ活動による安全の追求、厳格な品質管理体制による製品の安全性、地球環境の保護に取り組んでまいります。また、情報インフラの整備によるグループ連携の強化やセキュリティの高度化に取り組みます。これらの経営基盤の強化により事業の継続的な発展を推進します。

② グローバルニッチ市場に高付加価値製品を提供

ブランドメーカーから部材メーカーに至るまで顧客と直接対面して精緻な情報を得るウルトラプレシジョンマーケティングと、高性能・高品質な製品を高精度で提供するウルトラプレシジョン生産を戦略の骨子とし、顧客ニーズに適合した高付加価値製品を提供します。グローバルニッチ市場をターゲットに、強みを生かせる領域に集中しつつ確実な利益志向の経営を行ってまいります。

③ コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化

 当社グループは、企業価値の最大化を図るためには、経営の健全性、透明性及び客観性を高めることが必要と考えており、重要な経営課題として、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化に取り組んでおります。当社では、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会等の設置を行っており、海外グループ会社を含めて全社を挙げて強化を進めております。

④ 人材の確保と育成

東京証券取引所プライム市場上場による社会的信用力の増大と知名度の向上により、これまで以上に研究開発職・グローバル人材の確保に重点を置いた採用活動を行ってまいります。また仕事を通して成長を実感できるAKI活動や大学院等の外部機関と連携した社外研修の提供により従業員の成長意欲に応えられるような人材育成に取り組んでまいります。人材の高度化と同時にIT化・自動化を加速し省力化による生産性向上を目指します。

なお、事業セグメント別には以下のとおり対応してまいります。

(光学シート事業)

市場の拡大が見込まれる直下型ミニLED液晶ディスプレイ、高性能のノートPC・モニター、車載ディスプレイ、及びゴーグル型端末用途などへの選択的集中マーケティングを継続いたします。特に、高い技術力が要求される高付加価値ゾーンをターゲットとして、直下型ミニLED液晶ディスプレイ向けの複合拡散板「オパスキ®」や、ゴーグル型端末に使用される特殊な光学シートなど、高品質・高性能な製品を高精度で開発・製造し、従来型の液晶ディスプレイ向け拡散フィルムに限らず、様々な用途でシェアを向上させることで収益性向上を実現いたします。また、製造工程の自動化・省人化などを含めた生産体制の拡充を推進いたします。

(生活・環境イノベーション事業)

当社の有する精密加工技術により差別化が可能であり、今後伸長が見込まれるクリーンエネルギー自動車向けの特殊フィルム製品、転倒時の衝撃を緩和する床材、及び医療・衛生分野向けの高品質・高機能な特殊フィルムの開発及び販売拡大を図り、高付加価値製品の構成比率を高めてまいります。加えて、従来からの安定事業である防錆紙、建材、工程紙、農業資材等については、引き続き収益性の向上に努めてまいります。

(地球の絆創膏事業)

 当連結会計年度に引き続き、各種展示会への出展やセミナーの開催を積極的に実施し、さらなる認知度の向上と販売の拡大を目指します。また、「KYŌZIN Re-Roof®」が他の工法に比べて有する、短い工期で簡便に補修できること、メンテナンスが長期間不要でありライフサイクルコストが低いこと、軽量であるため建物への負担が少なく建物自体が長持ちすることなどの優位性に加えて、遮熱性の向上による建物の空調効率の向上や施工現場で発生する廃棄物の削減などにより、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現にも貢献できることを、当社が提供する価値としてより一層訴求してまいります。

 企業向けに関しては、施工済みのお客様の隣接する建屋や他拠点への採用を推進するとともに、一般住宅につきましては、パートナーとの本格的な販路拡大を開始します。また、「淡路ベース」においては、今後の需要増加に対応する供給能力を確保するために導入した追加設備の稼働を開始します。さらに製品力を向上させ、新しい価値を提供するための開発を推進し、土木インフラ、下水インフラ向けへの展開を徐々に進めるとともに、海外市場への進出のためのマーケティング活動を推進いたします。

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