企業兼大株主小野薬品工業東証プライム:4528】「医薬品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。

 以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主要な事項を記載していますが、すべてを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

<リスクマネジメント体制>

 当社グループは、リスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。

 部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、ERM(Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)を2019年度より導入しました。リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(代表取締役副社長/経営戦略本部長)を選任し、リスク・コンプライアンス管理部を主管部署と定め、「リスクマネジメントグローバルポリシー」に基づきリスクマネジメント委員会を定期開催しERMを推進しています。

<ERM体制図> 


1線: 事業推進とリスク管理を実践する役割。

2線: 1線の活動をモニタリングし牽制する役割。

3線: 独立した保証を提供する役割。

ERMを推進するにあたり、経営層にインタビューを行い経営層が重要と考えるリスクを抽出したうえで、各本部から選出されたリスクマネジャーとワークショップ形式でリスクの評価・分類を行っています(発生頻度と影響度から各リスクを特大・大・中・小に分類)。「大」以上のリスクについては「主要なリスク」と位置づけ、本部長・統括部長レベルの部門リスクマネジメント統括責任者が、リスクオーナーとして部門横断の対応策に責任を負い、より経営に密着したERMを推進しています。また、各部門のリスクへの対応は、リスク・コンプライアンス管理部がリスクマネジャーと連携してモニタリングします。このような取り組みを通して、リスクマネジメントの精度を継続的に高め、リスクの低減に努めています。「主要なリスク」では、上記で分類したリスクのうち「大」以上のリスクを記載しています。

 なお、洗い出したリスクは、「戦略上のリスク」「外部要因リスク」「オペレーショナルリスク(業務遂行に伴うリスク)」に3分類し、リスクへの基本的な対応方針や優先順位を決定しています。リスク分類毎の基本的な対応方針は以下のとおりです。

・戦略上のリスク:事業計画の失敗等、ビジネスそのものに伴うリスクで、中期計画等で対応すべきもの。

・外部要因リスク:管理不能な外部要因により発生するリスクで、BCP等を含めERMで対応すべきもの。

・オペレーショナルリスク:想像力を働かせれば避けえた管理の失敗により発生するリスクで、ERMで対応すべきもの。

 この3分類に基づく、当社の「主要なリスク」は以下のとおりです。

分野

主要なリスク項目

リスク分類

(1)新製品の開発について

・新製品の開発の失敗

戦略上のリスク

(2)海外展開について

・欧米自販の失敗

戦略上のリスク

(3)特定の製品への依存について

・特定製品への依存脱却の失敗

戦略上のリスク

(4)コンプライアンスについて

・薬機法違反

・贈収賄防止関連法規違反

・独占禁止法違反

・コード オブ プラクティス違反

オペレーショナルリスク

(5)製品の品質管理について

・製品不具合・回収の発生

オペレーショナルリスク

(6)サプライチェーン(安定供給)について

・サプライチェーンリスク

外部要因リスク

オペレーショナルリスク

(7)新たな副作用について

・新たな副作用等の発生

戦略上のリスク

(8)市場環境の変化(競争環境の変化・医療制度改革)への対応について

・競合品や後発品との競争激化

・医療費抑制策への対応の失敗

戦略上のリスク

外部要因リスク

(9)情報セキュリティについて

・サイバー攻撃・不正アクセス

・社外関係者の個人情報流出

外部要因リスク

オペレーショナルリスク

(10)人財の採用・育成・確保(リテンション)について

・人財の採用・育成・確保の遅延

戦略上のリスク

(11)知的財産について

・第三者の知的財産への侵害

・第三者からの知的財産の侵害

オペレーショナルリスク

(12)減損リスク(販売権、仕掛研究開発費およびのれん等)への対応について

・巨額な減損処理の発生

戦略リスク

(13)自然災害(大規模地震・気候変動)、感染症および事故について

・自然災害・事故等の発生

外部要因リスク

(14)金融市況の変動について

・為替変動

・金融資産の価格変動

外部要因リスク

(15)環境問題への対応について

・温暖化対策コスト増

・環境汚染事故の発生

外部要因リスク

オペレーショナルリスク

<主なリスクとその対応>

(1) 新製品の開発について

 当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされていない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的で革新的な新薬開発に取り組むことを通して、世界のフィールドで闘える開発型国際製薬企業(グローバルスペシャリティファーマ)を目指しています。そのために、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを積極的に進めています。

 しかしながら、長期かつ多額の研究開発投資が実を結ばず、開発中断を余儀なくされ、結果的に独創的な新薬の上市に至らない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

(2) 海外展開について

 当社グループは、独創的かつ革新的な新薬を創製し、世界のフィールドで闘える開発型国際製薬企業(グローバルスペシャリティファーマ)を目指した海外展開に取り組んでいます。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、現在は欧米での開発・自販体制等の整備・強化にも努めています。2024年6月、がん領域における優れた研究開発能力と欧米でのコマーシャルケイパビリティを有するデサイフェラ社をグループ企業として迎え入れ、当社グループのパイプラインの拡充およびグローバル展開を加速させていきます。

 グローバルな事業活動を行うにあたり、開発リスクに対して、開発パイプライン拡充により複数の上市品候補を揃えると共に、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討していますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

(3) 特定の製品への依存について

 当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1/PD-L1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約50%台半ば(2025年3月期)を占めています。薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許等の保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 かかるリスクに対処すべく、当社グループでは、2017年度から展開している中期経営計画の中で、事業のグローバル展開を加速すべく取り組んでいます。これまで、当社では、日本・韓国・台湾において臨床開発・販売を行い、欧米やその他の地域については新薬候補のライセンスアウトを基本とするというビジネスモデルでした。しかし、そのモデルを転換し、自ら欧米での臨床開発・販売を行うべく取り組んでいます。その一環として2024年6月には米国デサイフェラ社を買収し、欧米での臨床開発体制を強化し、世界40数か国での販売網を獲得しました。デサイフェラ社の持っていたアセットであるキンロック、ロンビムザに続き、当社が創製したベレキシブル、更には2025年3月にIonis社から導入したSapablursenを始め、臨床開発段階にある当社の持つアセットをグローバル市場に速やかに投入していくことで、オプジーボに依存した経営体制を一気に改善していきます。

(4) コンプライアンスについて

 当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けています。また、気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更等により事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、ONOグループ コード・オブ・コンダクトのもとに、コンプライアンスグローバルポリシー等を制定しているほか、グループコンプライアンス委員会やコンプライアンス違反通報窓口を社内外に設置する等、コンプライアンス管理の体制を構築しています。さらに、コンプライアンスリスクの洗い出しとモニタリングを定期的に行うことで、違反の未然防止を実現する体制を確立し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底しています。

(5) 製品の品質管理について

 当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った品質の高い医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念や製造物責任(PL)問題等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用低下や損害賠償責任にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 なお、当社グループでは、製品の品質、有効性、安全性に関する懸念が生じた際には速やかに評価を行い、回収が決定された場合は速やかに医療従事者へ情報を提供すると共に、当該製品を回収する体制を整えています。

(6) サプライチェーン(安定供給)について

 当社グループは、自然災害および事故のリスクや薬機法からの逸脱リスクに対応する体制を構築しています。

 しかしながら、地震や台風等の自然災害、大規模感染症の蔓延、火災、システム障害やテロ等の事件、薬機法からの逸脱等により、特定の工場や外部委託先の機能、取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延が起こった場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。自然災害および事故への対応策の詳細については、「(13)自然災害(大規模地震・気候変動)、感染症および事故について」に記載しています。

 薬機法からの逸脱リスクへの対応については、自社に厳格な品質基準を定め、生産に関する記録書類や照査、変更管理、逸脱管理を徹底して行っています。また、自社工場や委託先への品質監査を行い、それらが適切に運用されているかを定期的に確認しています。さらに、社員には患者さん目線の行動や違和感を持った時には迅速に報告、共有することを推奨し、品質文化の醸成、定着に努め、委託先にも同様の行動をお願いしています。このように規格に適合しない製品が出荷されないよう一貫した高水準の品質管理を徹底しています。

(7) 新たな副作用について

 医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が市販後において報告される可能性や、副作用の頻度が高まる可能性があります。新たに重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供等の安全性対策を実施しています。

(8) 市場環境の変化(競争環境の変化・医療制度改革)への対応について

 当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けています。競合品や後発品の販売状況等の医薬品の市場環境の変化や、日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進等の医療制度改革や海外における様々な医療費抑制策の影響により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 これらに対し、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携の強化による製品価値最大化を図っています。医療制度の変化をいち早く察知・対応することに加え、市場環境においても開発早期からその変化を見据え、競争優位性を担保する戦略で臨んでいます。また、製品ライフサイクルでは絶えず市場動向を捉え、製品のポテンシャルを最大限引き出せるようリソースを準備しています。

(9) 情報セキュリティについて

 当社グループは、業務の効率化・高度化はもとより、ビジネス環境に合わせてより柔軟に企業の変革を進めていけるようデジタル・ITの活用を進めています。また、これらのシステムにおいて機密性の高い情報や個人情報を取り扱っています。ビジネスのグローバル化の推進やデータ活用範囲の拡大とともに複雑性が増しており、技術的に発生する可能性がある障害、第三者または社内からの不正アクセスや攻撃によるビジネスオペレーションの停止、重要情報流出の可能性があります。

 これらによりコンピュータウイルスの感染、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因により情報の改ざん、悪用、漏えい等が発生した場合には、社会的信用を大きく失うこと等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 これらのリスクを低減するため、セキュリティ関連ポリシーやガイドラインの整備、社会環境の変化に合わせた適切な技術対策・サービス利用に加え、インシデント対応体制の構築、国内外全社員を対象としたトレーニング、第三者によるセキュリティ評価に基づく継続的な対策強化を行っています。

(10) 人財の採用・育成・確保(リテンション)について

 当社グループは、持続的成長のために多様かつ優秀な人財の採用・育成・確保(リテンション)に努めていますが、中長期的に多様かつ優秀な人財が採用・育成・確保できない場合は、事業活動の停滞等が生じ、当社グループの経営成績および財政状態は、影響を受ける可能性があります。

 多様な人財の一人ひとりがいきいきと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる制度や職場環境の整備を進めています。また、働きがいのある魅力的な企業に向けた取り組みを通じて人財の採用・確保を図っており、個々人の成長や能力開発に向けたチャレンジ機会の創出や研修制度の充実を進めています。

 さらに、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、人財の多様性を高めるとともに、相互に尊重しあう風土の醸成を重要視しています。事業成長をリードするマネジメント層において、年齢・性別・社歴の多様化の観点から、若手、女性、キャリア採用者の登用を進めています。あわせて、エンゲージメント調査を通じて、多様な人財が意欲高く働ける風土醸成を進めています。

(11) 知的財産について

 当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っていますが、万が一、抵触があった場合には、損害賠償の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っていますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 更に、当社グループが保有、または他社からライセンスを受けている知的財産権が第三者から侵害された場合には、期待される収益が失われることにより、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

(12) 減損リスク(販売権・仕掛研究開発費・のれん等)への対応について

 当社グループは、予実管理等を通じて業績のモニタリングを行っており、業績悪化の兆候があれば、適時に減損損失の測定等を行う体制を構築しています。今後、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなった場合には、販売権、仕掛研究開発費およびのれんの減損損失が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

(13) 自然災害(大規模地震・気候変動)、感染症および事故について

 大規模地震や気候変動に伴う自然災害、大規模感染症の蔓延等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じること、あるいは、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生することがあります。これらにより、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水等の自然災害および事故発生時に対して、事業が中断した場合でも速やかに復旧・再開できるよう、事業継続計画(BCP)を策定しています。生産拠点をフジヤマ工場、山口工場の2か所、物流拠点を国内の複数個所に確保することで、当社製品の安定的な供給のためのリスク軽減を図っています。重要拠点である本社、東京ビル、各工場および各研究所には、災害対策として非常用電源設備や電力供給ラインの二重化等の停電対策の設備を採用しています。加えて本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、免震装置を導入し地震に対するリスク軽減を図っています。また、大規模災害に備え、本社と東京ビルの2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できるシステムの導入等、社内体制の整備や定期的な訓練等の実施により、継続的な対応力の強化に努めています。事業継続管理(BCM)を担うBCM委員会では自然災害や重大事故だけでなく、様々なインシデントに対応できるオールハザードに対応した事業継続計画の立案に取り組んでいます。さらに、海外子会社を含めたグローバルでの危機対応・事業継続計画の策定を進めています。

(14) 金融市況の変動について

 ・為替変動

 当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしています。しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

 ・価格変動

 当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有していますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しています。しかしながら、資本性金融商品の公正価値が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

(15) 環境問題への対応について

 当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組んでいます。加えて、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言に基づき、気候変動関連、自然関連のリスクの特定とその対応策について検討をし、情報開示をおこなっています。このように、環境に対する企業の社会的責任を認識し、豊かな地球環境の保全に向けて事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進しています。

 医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質や生物由来試料の中には、人の健康や生態系への負荷が高いものもあり、適切な管理が求められます。当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄等の取り扱いに関して、関連する法規制の遵守はもとより、法規制よりも厳しい自主基準を設け、モニタリングによる適正管理を実施しています。(詳細な取組につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。)

 しかしながら、今後、環境に関する法規制の改定により、より厳しい要請への対応が課せられた場合には、その対応のためのコストが増加することに加え、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。また、万が一、環境に関する法規制の不適合や有害物質による予期せぬ環境汚染、それに伴う危害が顕在化した場合には、社会的信頼を損なうとともに、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。

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