企業兼大株主小田急電鉄東証プライム:9007】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、当報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営の基本方針

当社は、グループ経営の方向性を明確にするために、当社グループが事業を通じて果たすべき役割・責任や社会に存在する意義を示した「グループ経営理念」を掲げ、この理念を実現しグループ価値の最大化を図ることを経営の基本方針としています。

「グループ経営理念」の内容は以下のとおりです。

<グループ経営理念>

1  経営理念

小田急グループは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献します。

2  行動指針

私たちは、経営理念の実現のため、3つの精神を忘れることなく、お客さまに「上質と感動」を提供します。

(真摯)

私たちは、安全・安心を基本にすべての事業を誠実に推進します。

(進取)

私たちは、前例や慣習にとらわれず、よりよいサービスの追求に挑戦します。

(融和)

私たちは、グループ内に留まらない外部との連携、社会・環境との共生に取り組みます。

当社グループでは、「グループ経営理念」を実現するため、財務健全性の確保やアフターコロナの事業環境への適応等を目指した経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業にむけて~」を策定し、グループ価値・沿線価値の向上に努めています。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響が経営ビジョン策定時の想定より長引いていることや、体質変革の取り組みおよび今後の成長投資の効果を反映した成長イメージを描く必要があることを踏まえ、経営ビジョンで掲げている飛躍期の最終年度を2026年度から2030年度に延長しました。

経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業にむけて~」

① 全体方針

「地域価値創造型企業にむけて」

私たちは、小田急沿線や事業を展開する地域とともに成長するために、

既成概念に捉われず常に挑戦を続けることで、お客さまの体験や環境負荷の低減など

地域に新しい価値を創造していく企業に進化します。

② 変革の取り組み

2021年度から2023年度までを体質変革期、2024年度から2030年度までを飛躍期と定めます。体質変革期では、飛躍期に向けて3つの経営課題と3つの発想を通じた事業の変革に取り組み、経営状況の回復を図るとともに、既存のビジネスモデルを見直します。飛躍期では、地域価値創造型企業として新たな価値を生み出します。

体質変革期(2021~2023年度)

■ 変革に向けた3つの経営課題

飛躍期に向けて、「利益水準の回復」と「有利子負債のコントロール」を進めて財務の健全化※を図るとともに、「事業ポートフォリオの再構築」を行い、既存事業の選択と集中により収益力を強化し、投資余力を確保のうえ、新たな収益機会の創出を推進します。

※ 財務健全性の回復の目安として、2023年度における有利子負債残高7,000億円、有利子負債/EBITDA倍率7倍台を目指します。

■ 3つの発想を通じた事業の変革

すべての事業で「DX」「共創」「ローカライズ」の3つの発想を徹底し、業務やサービスに対する考え方の変革を進めるとともに、既存事業の成長や新規事業の創出を図ります。

飛躍期(2024~2030年度)

未来の小田急の持続的な成長につながる事業創造や拡大を進め、地域価値創造型企業として次の100年を歩むため新たな価値を生み出します。

③ 飛躍的成長を実現する3つの柱

ア サステナビリティ経営を推進

 グループ経営理念および経営ビジョンを踏まえて選定した6つのマテリアリティ(重要テーマ)を経営の中心に据え、社会課題の解決を通じた持続可能な成長を実現していきます。

マテリアリティ

1.安全・安心

・安全・安心を最優先した公共交通サービスの提供

・誰もが安心して暮らせる社会の追求

2.まちづくり・地域社会

・職,住,商,学・遊、ウェルネスを兼ねそなえたまちづくりの実現

・地域資源を活かしたまちの発展

3.日々のくらしと観光体験

・テクノロジーを活用したゆたかなライフスタイルの推進

・その地域ならではの観光体験の提供

4.環境(カーボンニュートラル)

・省エネ、再エネ、電動化、地域との連携による脱炭素社会の実現

・「Beyond Waste」を目指した資源循環社会の実現

5.価値創造型人財の育成

・すべての社員が自分らしく働ける企業風土の醸成

・持続可能な経営を実現するための人財育成

6.ガバナンス

・すべてのステークホルダーの期待に応える最適なガバナンス体制の

実現

イ ビジネスの主戦場をシフト

 地域の成長ポテンシャルを最大限引き出すため、中核都市それぞれを“地域経済圏”単位で捉え、郊外⇔都心の輸送を中心とした沿線周辺での事業展開から、中核都市を中心に地域全体を対象とした事業展開への移行を推進します。また、「交通」「不動産」「デジタル」「生活サービス」の4つの事業領域を設定し、自治体や地域のキープレイヤーと連携したうえで、地域の特色に合わせた施策を通じて人流の拡大と地域全体の活性化を図り、地域と当社グループの持続的成長を実現します。

ウ 事業ポートフォリオを刷新

 4つの事業領域において、不動産領域を収益の第一の柱としてリソースを重点的に配分し、収益性を高めつつ利益規模を拡大するとともに、デジタル領域を新たな成長領域と位置付けます。また、交通領域は、効率化を進めて収益性を回復するとともに、突発的な利用者減少等のリスクへの耐性を強化します。さらに、生活サービス領域では、事業の再編等を進めるとともに、他の事業領域とのシナジーを高める施策を推進します。

④ 連結財務目標

 サステナビリティを経営の根幹として、当社沿線や事業を展開する地域とともに成長していく「地域価値創造型企業」を目指すことで、利益成長を実現するとともに、財務健全性を確保しつつ、社会的価値と株主価値の向上を図ります。

重要指標

2026年度

2030年度

 

長期方針

利益の成長

営業利益

460億円

600億円+α

 

持続的な

利益成長

財務健全性の

確保

有利子負債/

EBITDA倍率

7倍台維持

7倍程度

 

利益成長に

よる改善

資本コストを

意識した経営

ROE※

7%

 

さらなる向上

※ 親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(有価証券評価差額除く)

(参考)経営計画体系

(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題

① 経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業にむけて~」の実現

当社グループでは、経営ビジョンの実現のため、事業環境の変化に対応した中期経営計画(2023~2026年度)を策定しました。中期経営計画では、4つの重点施策に取り組むとともに、3つの戦略により経営基盤の強化を推進します。

② 重点施策

ア 交通領域の進化

すべての事業領域の土台となる交通において、持続可能な運営体制の確立と安定的な利益創出に向けた進化を続けます。

今後の具体的な取り組みとして、少人数での鉄道事業運営体制の構築を目指し、箱根登山線(小田原駅~箱根湯本駅間)における2025年度での試験運用開始等に向けて、ワンマン運転に関する検討の深度化を図るとともに、各種業務の効率化を進めます。加えて、耐震補強工事の推進や「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用したホームドアの設置により、安全対策を強化しつつ、大野総合車両所の移転をはじめとした老朽化設備の更新を推進するなど、持続可能な運営体制の強化に努めます。また、鶴川駅および藤沢駅の改良工事を、自治体による自由通路整備事業と連携して実施することで、利便性、安全性、回遊性を向上させるとともに、まち全体の賑わいを創出します。

イ 不動産領域の強化・沿線の再開発

新宿駅西口地区開発計画に加え、沿線中核都市を中心に、自社資産をフックにした周辺再開発を地域と連携して推進するとともに、投資手法・フィールドの拡大により、資産効率や収益力の向上を図ります。

今後の具体的な取り組みとして、新宿駅西口地区開発計画において、東京地下鉄㈱および東急不動産㈱とのパートナーシップのもと、同計画を深度化するとともに、小田急百貨店新宿店本館の解体工事をはじめとした各種工事を推進し、2029年度の竣工を目指します。あわせて、地域イベント等のソフト施策を組み合わせて実施し、西新宿エリアの魅力向上を図ります。また、町田エリアおよび新百合ヶ丘エリアにおいて、将来的な多摩都市モノレールや横浜市営地下鉄の延伸計画を見据え、駅周辺の当社グループ資産を活用した再整備やまちづくり構想を検討します。このほか、SPC(特別目的会社)への投資や回転型投資を通じて、短期的な収益サイクルを向上させるとともに、豪米を中心とした海外への投資の拡大を進めます。

ウ デジタルを活用した新規事業の探索

地域課題を起点としてデジタル領域の新規事業を生み出し、沿線内外の自治体や企業に展開することで、収益化を着実に推進します。

今後の具体的な取り組みとして、資源・廃棄物の収集運搬の最適化に向けたコンサルティングサービス等を提供するウェイストマネジメント事業「WOOMS(ウームス)」において、沿線を中心とした全国の自治体への営業活動を強化し、収益規模の拡大を図ります。また、鉄道やバス等の交通データやデジタルチケットの予約・決済機能を有する共通データ基盤「MaaS Japan」や「EMot」等のMaaSプラットフォームについて、沿線内外の交通事業者や自治体等への提供に努めるほか、スマートフォンでの決済・利用シーンの拡大を進め、駅務機器への投資の効率化に貢献します。

エ コロナ後に対応した観光/生活サービス

観光需要の回復を確実に収益へ結び付けるとともに、新たなライフスタイルに適合した生活サービスを推進します。

今後の具体的な取り組みとして、箱根の自然体験を地域事業者とともに創り、発信するプロジェクト「HAKONATURE」を始動したほか、藤沢市立鵠沼海浜公園改修事業(Park-PFI)等を通じて江の島エリアの活性化を図るなど、沿線観光地の魅力向上を目指します。また、箱根、江の島・鎌倉エリアを中心に、クレジットカードのタッチ決済や「EMot」のQR認証に対応した新たな改札認証機器を導入するなど、観光シーンでのDXによる利便性向上に努めます。このほか、国内旅行やインバウンド需要の回復に伴う観光業界の人手不足を捉え、㈱ヒューマニックが営む観光人材サービス事業の拡大を図ります。

③ 経営基盤の強化

 

戦略の概要と取り組みの例

DX戦略

DXの推進に向けた基盤整備およびデジタルを活用したビジネスの事業変革の取り組みを加速します。

●デジタルを活用した新規事業や鉄道の保守管理の効率化等に資するデジタル関連投資を2023~2026年度総額で約100億円実施

●専門人財の育成に向けて、デジタル知識のレベルに応じた基礎・専門知識の教育機会を提供

環境戦略

行動指針「小田急グループ カーボンニュートラル2050」に基づき、当社グループのCO排出量削減を進めます(2030年:2013年比50%削減、2050年:実質0)。

●電動バスの導入・拡充、PPA(電力販売契約)による太陽光発電の推進(海老名地区)

●「GXリーグ(経済産業省主催)」における参画企業間でのCO排出量取引等を通じた脱炭素への取り組みの加速

●Scope3を含むサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の集計・開示

人財戦略

経営ビジョンの実現に向けた価値創造の担い手となる人財育成を推進します。

●経営戦略と連動した採用・配置の実施

●リスキリングをはじめとした学びの機会拡充

●風土・意識改革による働きがいの向上

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