企業兼大株主大東建託東証プライム:1878】「不動産業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。

 当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は2,451百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。

商品開発部においては、「環境」「防災」「ライフスタイル」をはじめ「少子高齢化」など社会的課題も軸にした「新しい価値」を創造する賃貸住宅のラインナップを充実させるため、上半期7タイプ(7商品)、下半期9タイプ(5商品)の計16タイプ(12商品)を新たに開発いたしましたので、その一部をご紹介いたします。

「環境」に配慮した商品『フォルターブⅢ』は、コンクリートに匹敵する強度を持つ木質系材料「CLT」を採用した3階建商品で、当社オリジナルのCLTパネル工法により中層建築物を可能とした環境配慮型の商品です。

 標準でZEHオリエンテッド基準に対応し、太陽光パネルや建物の高断熱化によりZEHにも対応しており、構造体と合わせまして脱炭素社会の実現に大きく貢献ができる商品です。また、鉄筋コンクリート造でもZEHオリエンテッドに対応した4階建商品『リグノZEH』も開発しております。

「防災」「少子高齢化」に配慮した『シエルクラス』は1階住戸を2LDKとすることで、子育て世帯や高齢者世帯といった幅広い世代へ床段差の少ない日常生活や、災害時の避難のしやすさを考慮した長屋形式の商品です。2階を単身者・カップル向けの1LDKとした新しい住戸構成とすることで特許も出願中です。また国土交通省の「子育て支援型共同住宅事業」に対応した商品『こそだてニューライズ』をはじめ、有料老人ホーム『ソエルガーデン』や障がい者グループホーム『パートナーガーデン』といった商品も拡充することで、多様な入居者様に対応し、安心して暮らせる住まいを開発するとともに、社会課題解決に関与して参ります。

「ライフスタイル」に配慮した『ニューライズアドヴァンス』は、リビングにデスク付きの「多用途ライブラリー」を設けるなど家族の集まる暮らしを考えた新しい住まいです。また都市部向け3階建て長屋商品『ニューデフィⅢ』は、忙しいシングル層向けに最近の部屋干ニーズを反映した「サンルーム」を1階住戸に採用するなど、ライフスタイルニーズを取り入れた商品です。その他にもシングル・カップル向けの『ニューデフィ』など社会環境変化や多様な市場・入居者様ニーズを取り入れた商品ラインナップを取りそろえ、地域に根付く賃貸住宅を供給して参ります。

デジタル技術を活用したDX戦略の1つとしてBIMの研究開発も継続して進めております。BIMによる商品開発により営業・工事・管理までグループ全体で活用し、総合賃貸業の強化を図っていきます。

 技術開発部においては、持続可能な社会、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、継続した賃貸集合住宅の省エネルギー化を推進しており、地域特性に合わせたZEH賃貸住宅の開発に取り組みました。北海道エリアにおいては、積雪量やガスの種類に関わらずZEH基準を満たすパネルヒーター仕様の開発を行いました。また関西電力エリアにおいては、電力単価の影響を受けないよう、低圧一括受電ではなく各戸受電方式を採用したZEH賃貸住宅の開発を完了し、運用を開始致しました。更なる販売エリアの拡大のために塩害の影響を受けやすいエリア向けに塩害対応パワーコンディショナー仕様の開発にも取り組みました。

さらに、現在運用している2×4工法、鉄骨造のZEH賃貸住宅に加え、鉄筋コンクリート造と2×4戸建のZEH賃貸住宅の開発も完了し、主な構造タイプにおいて、ZEH標準仕様での賃貸住宅商品の提供が可能となりました。

また、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)基準を満たす賃貸集合住宅(以下LCCM賃貸住宅)においても、2023年度に引き続き、2024年度も国土交通省所管の補助金事業(サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM低層共同住宅部門)の採択を受けました。本補助事業の採択を受けたのは3年連続して当社だけとなります。今後もZEH賃貸住宅並びにLCCM賃貸住宅等の普及促進を目指し、新仕様の開発に取り組んで参ります。

脱炭素社会への実現に向けた取り組みとして、国産木材の更なる有効活用を推進するために、2019年にリリースしたCLTパネルを採用した商品『フォルターブ(4階建て耐火木造)』に加え、新たに木の現しを室内外に設けて木を身近に感じられる商品『フォルターブⅢ(3階建て準耐火木造)』の販売を2024年5月に開始致しました。

 なお『フォルターブ』・『フォルターブⅢ』ともにZEH-Oriented基準を標準仕様としており、ZEH-Ready基準以上を達成させるため、太陽光発電設備を搭載しても建物意匠性を大きく変更する必要が無い新屋根仕様を開発し2024年10月から運用を開始しました。炭素を固定化するCLTパネルと再生可能エネルギーを創出する太陽光発電設備の相乗効果によりカーボンニュートラル社会の実現に向けて販売促進を図って参ります。

また更なる国産木材の有効活用と2×4構造材のBCP対策として群馬県並びに鹿児島県での国産スギ材の活用拡大を行いました。

 オーナー様の事業性向上、入居者様の利便性・セキュリティの向上、当社グループ会社の管理業務削減を目的とし、大東建託オリジナルスマートロック(以下スマートDKロック)の開発を行い、2024年10月から全国運用を開始致しました。スマートDKロックはオートロック機能を標準で実装し、戸別玄関鍵の「DKロック」、エントランス集合玄関機の「DKエントランス」、通用口の「DKゲート」にて構成されます。現行の当社戸別玄関鍵はシリンダー錠仕様ですが、「DKロック」は入居者様のスマートフォンや交通系ICカード等で解錠が可能な仕様となっており、「DKエントランス」も同様にスマートフォンや交通系ICカードなどで解錠が可能な仕様、「DKゲート」は「DKロック」・「DKエントランス」と同じ交通系ICカードで解錠ができる仕様となっております。今後も入居者様のライフスタイルの変化に対応できる仕様の開発を継続して参ります。

 オーナー様提案力向上並びに資材安定調達を目的として、2024年10月からお施主様への外壁ご提案資料をメーカー作成から外壁パースセンターに一元化致しました。今後は更なる業務効率化とオーナー様により良いご提案が出来るシステム開発を進めて参ります。

 現場省力化の取り組みとして、2×4工法において、軒の出が短い従来仕様に比べて2つの工程を削減できる「軒ゼロ金物」を開発致しました。また、従来では軒天材と下貼りが必要だった告示仕様を、準耐火45分の性能を持つ「軒天材一枚貼り仕様」に簡略化し、大臣認定を取得しました。さらに、従来の遮音性能を維持しながら資材を軽量化した「直階段」も開発し、運用を開始しています。今後も引き続き、現場の省力化を図るための資材開発を進めて参ります。

 構造開発分野における取り組みとして、2×4工法における「国産材の利活用」、「現場の省力化向上」、「スケルトンインフィル空間の実現」を目的に林野庁補助事業「令和6年度 都市木造建築技術実証事業」に採択された「2×4材を利用した重ね床根太」および「自社実験棟新築工事の建築実証」を継続しています。このプロジェクトでは、住宅だけでなく、木材利用がこれまで少なかった非住宅建築物や中高層建築物にも木材の使用を促進し、建築物全体における木材の利用割合を向上させることを目指し、炭素の貯蔵能力を高めつつ、二酸化炭素の排出削減を通じて脱炭素社会の実現に貢献します。また、都市や地域における快適な生活空間の形成や地域経済の活性化にも大きく寄与することを目指しています。

 環境分野における取り組みとして、「省エネルギー住宅のCO2排出削減量」をクレジット化する方法論を2021年1月に日本で初めてJクレジット制度に登録し、2023年度は498tを創出しました。2024年度においても昨年同様に「いい部屋ネットレディス2024(ゴルフ大会)」、「大東建託オープン2024(テニス大会)」で発生するCO2排出量を算定し、カーボンオフセットを実施しました。

 また、2023年9月に2030年を見据えた次世代型賃貸住宅「ゼロカーボンハウス」が東京都青梅市に完成いたしました。ゼロカーボンハウスは、LCCM住宅に蓄電池として利用する「電気自動車」や昼間の太陽光電力でお湯を沸かす「おひさまエコキュート(オール電化)」、電力需給を自動管理する「EMS(エネルギーマネジメントシステム)」などを導入し、市場電力の調達をできるだけ避け、太陽光発電による創エネ電力で最大限自給自足する住宅です。自給自足率は約80%となり、それでも不足する電力は、木質バイオマス発電の再エネ電力を調達することで、再エネ100%(ゼロカーボン)を実現しています。

 その他の環境分野の取り組みとして、当社グループは2023年6月にサステナブルな世界の実現を目指すイニシアティブ、国連グローバル・コンパクト(以下UNGC)に署名しました。UNGCは、企業が人権、労働、環境保護、腐敗防止の4つの分野において、国際的な原則を遵守することを約束するものです。当社グループはこれに賛同し、持続可能な発展に貢献するためのさまざまな取り組みを進めてまいります。

 また、RE100達成に向け兵庫県朝来市にある「大東バイオエナジー株式会社」は2024年4月より朝来バイオマス発電所の営業運転を開始しました。朝来バイオマス発電所で発電した電力は西日本エリアの自社グループ274拠点に再生可能エネルギーを供給することで、国内RE100達成率50%を達成する見込みとなっております。

 その他、2020年より、弊社品川本社ビルを使いながらZEB(ゼブ:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に向けた改修工事を試験的にすすめ、2023年3月、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)のZEB認証を取得しました。

 当社も、2050年までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指しており、今回のZEB化改修計画により同ビルは、事務所用途部分で基準一次エネルギー消費量から40%以上、建物全体では20%以上削減することができます。国内でZEBの認証を取得した物件の内、10万m2超の既存ビル改修のZEB化は国内初の事例となります。改修工事は2025年度より、当社グループ使用フロアから開始し、順次全フロアに拡大いたします。本社ビルの運用を通じてエネルギー収支を引き続き検証するとともに、2050年ネットゼロ目標の着実な達成と脱炭素社会実現に貢献します。

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