企業北里コーポレーション東証プライム:368A】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。ただし、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外も存在し、それらのリスクが影響を与える可能性があります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) リスクマネジメント

① リスクの考え方

 当社グループは、事業上のリスクに対して、的確な管理・実践が可能になるようにするために、「リスク管理規程」の中でリスクに関して、「当社に直接又は間接に経済的損失をもたらす可能性」、「当社事業の継続を中断・停止させる可能性」、「当社の信用を毀損し、ブランドイメージを失墜させる可能性」と定義しております。また、「リスク管理規程」内のリスク管理についての基本方針を以下のとおりに定めております。

・当社は、リスク管理の実践を通じ、事業の継続・安定的発展を確保していく

・製品・サービスの品質と安全性の確保を最優先に、顧客、取引先、株主・投資家、地域社会等の各利害関係者、並びに役員及び従業員の利益阻害要因の除去・軽減に誠実に努める

・社会全般において幅広く使用されている製品・サービスを供給する者としての責任を自覚し、製品・サービスを安定的に供給することを社会的使命として行動する

・役員及び従業員は、コンプライアンスの精神に則り、各種法令、規則等を遵守し、それぞれが自律的に、何が倫理的に正しい行為かを考え、その価値判断に基づき行動する

 上記の基本方針に則り、リスク発生可能性を考慮したうえで、その回避と予防に取り組んでおります。

② リスクマネジメント体制

 当社グループではリスクのみならず、コンプライアンス関連の事象も一連のものと捉え、「コンプライアンス管理規程」を制定し、「リスク管理・コンプライアンス委員会」を設置しており、代表取締役社長がリスク管理・コンプライアンス委員長に就任しています。同委員会においてはリスクを災害リスク、事業中断リスク、情報流出リスク、知的財産流出リスク、情報の正確性リスク、風評リスク、雇用・人事リスク、人材流出リスク、社内不正・犯罪リスクなど29項目に類型化し、リスク管理に取り組んでおります。

 体制については下図のとおりです。


(2) 事業等のリスク

① 事業に関するリスク
イ.会社製品の安全性や品質に問題があった場合に、医療事故、係争、製品回収、出荷停止等が発生するリスク

(影響度:大、発生可能性:高、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループが製造・販売する製品に、販売、製造及びサービスに起因するクレームが発生した場合は、補修等の損失や損害賠償による損失だけでなく、顧客の喪失、患者被害等が発生する可能性があります。

 対応策として、手順書の遵守を周知、再発防止のための是正処置、教育訓練体制の整備と実施、製造と品質管理の連携、賠償責任・製造物責任保険の加入を行っております。かかる対策にもかかわらず、予期しない急激な各国法規制の変更等により、これらの対策が機能しなかった場合、重大な違反の発生や社会的信頼の毀損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ロ.特定の取引先への依存及び代理店との関係悪化や競合による代理店買収等により代理店を通じた取引が停止することに伴うリスク

(影響度:大、発生可能性:中、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループの売上高のうち、主要販売先上位3社の占める割合は下表のとおりとなっております。当社グループと当該販売先との取引関係は非常に良好であり、安定的に継続しております。今後も良好な関係が維持されていくものと判断しておりますが、何らかの理由により当該販売先との関係に変化が生じた場合、あるいは競合による代理店買収等により代理店を通じた取引が停止する場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 対応策として、製品付加価値の創造、既存の代理店との関係維持、新しい商流や新規の代理店の開拓による販売力の強化を行っております 。

主要販売先

第16期

連結会計年度

第17期

連結会計年度

第18期

連結会計年度

Biomedical Supply, S.L.(注)

27.5%

30.5%

33.5%

Biomedical Supply US, Inc.(注)

8.3%

9.9%

上海永遠幸医療科技有限公司

11.7%

9.2%

8.4%

合計

39.2%

48.0%

51.8%

(注) 当社の社外取締役であるイグナシオ・バメホがBiomedical Supply, S.L.のManaging Director(代表者であり業務執行者)及びBiomedical Supply US, Inc.のChief Executive Officerを務めておりますが、これらの会社との取引は独立第三者間取引と同様の一般的な条件にて行っております。

ハ.システム停止のリスク

(影響度:大、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 電力供給先のトラブル、摩耗・消耗・経年使用による機械の異常や故障等により、機器の故障・停電によるシステム停止が発生する可能性があります。

 対応策として、①手作業による製作、②拠点間の相互バックアップを実施、③将来的にソーラー発電機の出力アップや非常用電源の導入などを行う予定です。かかる対策にもかかわらず、人手不足による製作の遅延、拠点間のバックアップの不備、ソーラー発電機や非常用電源の導入遅延などが生じた結果、システム停止の発生への対応が行えず、当社グループの事業が中断し、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ニ.製品の販売価格引下げによるリスク

(影響度:中、発生可能性:中、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループが製造・販売している製品は比較的ニッチな市場に属しております。また、規制許認可の取得や商流の構築も難しく、参入障壁が高いことから、比較的高い利益率を保持しています。しかしながら、新規参入企業による低価格販売や競合他社による薄利多売等の戦略が採られた場合には、製品の販売価格の引下げを余儀なくされる可能性があります。

 対応策として、顧客との連携や関係構築、代替となる拡販製品の準備を促進することで、当該事象に起因して発生するリスクを最小化するよう対策を行っております。かかる対策にもかかわらず、製品の販売価格を引下げざるを得ない状況に置かれた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ホ.海外販売先のカントリーリスク

(影響度:中、発生可能性:中、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループは、海外事業の拡大を図っており、海外現地における政情不安、相互関税の報復措置として上乗せ関税などの貿易制裁、文化や法制度の相違、特殊な労使関係等によるカントリーリスクにより、円滑な業務運営が妨げられ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 対応策として、サービス開始時には取り扱う商材・サービス単位で法的論点の検証や貿易制裁を含む地政学的リスクの調査を行うとともに、現地事情に精通した協業パートナーと連携してカントリーリスクの最小化を図っております。

ヘ.海外の競合先や市場動向に係るリスク

(影響度:中、発生可能性:中、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループの事業は日本国内のほかに海外を販売市場としており、海外景気の低迷、経済情勢の変化等により、競合状況等が変化し、採算性等が影響を受ける可能性があります。当社では多様なエリアでの製品展開に努め、景気動向等による影響を低減させる方針でありますが、市場動向等様々な要因により顧客からの需要が当社グループの想定どおりに伸張しない場合、あるいは競合等により当社の顧客基盤が弱まる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 対応策として、海外の競合他社の状況や市場動向を早期にとらえるよう努め、適時に対応策を策定できるように体制を整えております。

ト.新製品開発や技術革新の進度に関するリスク

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 科学技術の飛躍的な進化による技術革新のスピードは早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。当社グループでは、そうした事態に対応するために、常に業界動向を注視し、迅速かつ適切な対応をしていく方針であります。しかしながら、何らかの要因のため、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たな開発等による費用の増加等が発生する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

チ.原材料価格の高騰リスク

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループは国内外より部材を調達しておりますが、資源価格及び人件費の増加、円安等の要因により、原材料価格が高騰した場合、仕入先メーカーからの商品調達コスト増加が想定されます。また、そのコストを販売先に転嫁できない場合には収益力の低下も想定されます。

 対応策として発注量を増やすことや、定期購入等のサプライヤーへの提案、あるいは仕入ルートの見直しも含めてコスト低減を図っておりますが、かかる対策にもかかわらず、原材料価格が高騰して利益を圧迫する場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

リ.部材の調達リスク

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 部材の調達先であるサプライヤーの経営状況の悪化、事業計画の変更、自然災害の発生等により、供給の遅延又は停止が生じる可能性があります。

 対応策として、複数のサプライヤーとの取引の確保のほか、半年分程度の在庫確保、サプライヤーとの連携及び教育、受入時の不良検査の徹底を行っております。かかる対策にもかかわらず、生産活動への影響が広範囲にわたる場合、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ヌ.在庫に関するリスク

(影響度:低、発生可能性:高、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループは在庫管理の徹底に努めておりますが、材料調達時の異常検出や、保管期間、あるいは入出庫の管理が適切に行われなかった場合、棚卸評価損の発生が生じる可能性および在庫不足による納期遅延が生じる可能性があります。

 対応策として、適正在庫管理の実施、IT教育、システム自動化の適時見直し、整理整頓の徹底を行っております。かかる対策にもかかわらず、在庫管理上の不備等が生じた結果、過剰在庫又は在庫不足が生じることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

② 法的規制に関するリスク
イ.法的規制及び医療政策に関するリスク

(影響度:大、発生可能性:中、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループは、国内において「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」及び関連法令の規制を受けており、当社が製造する医療機器を販売するためには、品目ごとに厚生労働大臣の登録を受けた登録認証機関の認証(第三者認証)を受ける必要があります。現時点では、許認可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、専門的知識不足等により、法令違反がなされた場合には、薬機法に基づき業務停止などの行政処分や行政指導が発せられる可能性があるほか、使用者への健康被害、当社への風評被害が生じる可能性があります。また、急速な少子高齢化が進む状況下、当社グループが想定していない医療保険制度改革が実行されるなど、医療制度に関する行政施策の動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、海外においては各国・地域の医療機器規制の厳格化の流れに伴い、各国・地域に合わせた医療機器製品登録の必要性が高まっております。各国・地域で適切な医療機器製品登録を行うためには、各国・地域における医療機器規制情報をリアルタイムで入手して対応する必要があります。具体的には、欧州に輸出するためにはMDR(欧州医療機器規制)の要求事項を満たす必要があり、米国に輸出するためにはFDA(米国食品医薬品局)への登録の必要があります。

 対応策として、法規制に関する情報は国内外の関連協会、団体に加入することによって法的規制や医療政策の動向などの情報を適時かつ網羅的に把握するための手立てを講じており、追加対応の必要性を検討するなど、事前に法規制の変更、強化への備えを進めております。また、各国・地域での医療機器規制(MDR、FDA等)の審査を受けることで、各国・地域の法的規制を満たした製品を輸出しております。しなしながら、これらに関連する法規制が変更、強化された場合は対応に時間を要するなど、当社グループの事業の継続に影響を与える可能性があるほか、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ロ.知的財産権の保護について

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループでは、特許権の取得等により知的財産権の保護に努めておりますが、図面等のデータ管理不備、社員による人為的な情報漏洩、取引先からの漏洩等により、当社グループの有する知的財産が流出することで、企業イメージや信頼性が低下するだけでなく、意図せず第三者の知的財産を侵害した場合には、使用差し止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。

 対応策として、①社員・顧客との知的財産に関する契約書の締結、②従業員への知的財産に関する教育・周知徹底、③専門家の活用を行っております。かかる対策にもかかわらず、知的財産の流出や第三者との紛争が発生した結果、将来、損害賠償請求や使用差し止め等の重要な訴訟が提起された場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ハ.契約リスク

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループでは、取引先との契約において契約内容や法解釈上の不透明性が生じる場合は、事前に契約書の内容を顧問弁護士に確認を行うことで、不適切な契約締結、契約違反等を発生させないよう対応しております。かかる対策にもかかわらず、急激な法規制の変更や、社内及びステークホルダーにおける様々な要因により、これらの対策が機能しなかった場合、重大な違反の発生や社会的信頼の毀損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

③ その他のリスク
イ.特定の人物へ依存について

(影響度:大、発生可能性:高、顕在化する可能性の時期:随時)

 代表取締役社長である井上 太綬(戸籍上の氏名:井上 太)は、当社の創業者であり、かつ当社主要株主であります。同氏は、創業以来、最高経営責任者を務めており、当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしていることから、同氏が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合、経営判断や事業推進に遅れが生じ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 対応策として、継続的な経営管理体制の強化、経営幹部職員の育成を進めるとともに、同氏の有する豊富な経験や知識の共有化を図ることで、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。

ロ.情報漏洩リスクについて

(影響度:大、発生可能性:中、顕在化する可能性の時期:随時)

当社グループのITシステムやファイルサーバーに対する外部からのサイバー攻撃、外部からのメール受信によるウィルス感染、社員による人為的な情報漏洩、取引先からの漏洩等により、情報の漏洩、改ざん、消失又はその他の情報セキュリティ事故が発生する可能性があります。

 対応策として、①ITセキュリティの強化(セキュリティソフトの最新版への自動更新等システム老朽化に対する刷新)、②従業員へのサイバー攻撃の知識の周知と対応の徹底、③規程の運用、④ファイルサーバーへのアクセス権限設定とログの管理、⑤社員との個人情報取扱等の契約締結、⑥取引先等との秘密保持契約締結を実施しております。かかる対策にもかかわらず、予期せぬ要因により情報漏洩が発生した場合や、当社グループと秘密保持契約等を取り交わした第三者が、これに反し、当社グループに知られず情報を不正使用した場合には、企業イメージが低下し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ハ.災害について

(影響度:大、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループの各生産拠点における災害発生の可能性は、それぞれの自治体が公表する防災情報上、以下のとおりとなっております。

[静岡本社工場:2020年8月竣工]富士市防災マップ 南海トラフ地震により市内で想定される地震の揺れ:震度6弱、津波浸水想定区域:災害区域外、土砂災害危険箇所:災害区域外、富士市内水(浸水)ハザードマップ 内水浸水想定区域図:0.5m未満

[東京オフィス:1991年12月竣工]港区ゆれやすさマップ 都心南部直下地震(M7.3)が発生した場合:震度6.4-6.5、港区津波ハザードマップ 防潮施設健全/液状化あり:災害区域外、防潮施設すべて損傷/液状化あり:0.8m-1.5m未満、港区土砂災害ハザードマップ:災害区域外、港区浸水ハザードマップ:0.5m-1.0m未満

 上記のとおり、建物については新耐震基準(建築基準法)施行後の竣工であること及び大規模災害時において甚大な被害の想定はなされていないものの、当社グループは、静岡本社工場に生産機能の大部分が集中しているため、大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等がその想定を上まわり、製造・販売業務の停止、建物・設備の損壊等の不測の事態が発生した場合には、当社グループ事業の継続に支障が生じる可能性があります。

 対応策として、①社内の耐震対策、②緊急時の外注先との協力体制の構築、③一定の製品・原材料在庫のストック(予期せぬ自然災害による供給の一時的な寸断への備え)を実施しておりますが、かかる対策にもかかわらず、生産活動への影響が広範囲にわたる場合、顧客の維持・獲得が困難になる可能性、設備復旧の為の多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ニ.人材の確保について

(影響度:中、発生可能性:高、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループは、将来にわたる持続的な発展のために、優秀な人材の確保が重要な課題であると認識しておりますが、雇用情勢の変化等による採用難や、想定外の人材流出が進んだ場合、生産能力の低下、製品の欠品、納期遅延による販売機会損失、技術継承ができないことによる競争力の低下が生じる可能性があります。

 対応策として、定期的な面談実施、待遇・環境の改善、人事考課制度の運用、外注先の生産数増加、製造員の部署・業務ローテーション等を行い、人材の流出を防止するだけでなく、積極的な新卒採用、WEBを利用した求職者へのDM送付などによる人材の獲得に努めております。かかる対策にもかかわらず、人材流出等の雇用環境の変化があった場合、当社グループが求める人材が計画どおり採用できなかった場合等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ホ.社内不正について

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループの事業拡大に伴い、役職員数は年々増加していることから、役職員等の内部関係者による横領・インサイダー取引等の不正行為が生じる可能性があります。

 対応策として、従業員への必要な教育、リスク管理・コンプライアンス委員会への情報提供促進、外部通報窓口の設置、内部監査での監視、ワークフローでの申請・承認の運用、メール・ログの定期的な監視等を行っております。かかる対策にもかかわらず、事業の拡大により不正行為を適時に発見するための内部管理体制の構築が追いつかない等により、重大な違反の発生や社会的信頼の毀損及び、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ヘ.情報セキュリティ全般のリスクについて

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社グループは、個人情報その他顧客に関する情報を多く取り扱っているため、情報セキュリティについて万全の態勢を期す必要があると考えております。

個人情報の取扱いについては、個人情報取扱規程に基づき運用を行っております。例えば、個人情報の取得にあたっては同規程に基づきプライバシーポリシーを策定し、当社ホームページにおいて公表しております。さらに、個人情報の保管にあたっては同規程の安全管理措置として、情報セキュリティ方針を当社ホームページにおいて公表するとともに紙媒体に化体している個人情報は鍵付きのキャビネットで保管し、デジタルデータ上の個人情報については情報セキュリティ管理規程に基づきファイルサーバーへのアクセス権限の設定とログの管理を行っております。

 また、2025年3月期に当社において、海外の仕入先になりすました送金指示の電子メールに従って海外へ送金した資金を詐取されるといった事案(損害額25百万円)が発生したことを受け、振込先口座変更時の連絡についてはメールだけではなく電話で相手先に確認を取るとともに、海外送金の二段階認証の採用や、専用の書式による部門間の牽制など、QMS(※)における業務フローを変更し、より厳格な情報セキュリティ体制を整備いたしました。

 ※ISOのマネジメントシステム規格の一つで「Quality Management System(品質マネジメントシステム)」の略

 このような対策をとっているものの、情報セキュリティに対して予期せぬ攻撃等があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

ト.当社株式の流動性について

(影響度:中、発生可能性:中、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社の株主は、当社の代表取締役社長である井上 太綬(戸籍上の氏名:井上 太)及びその資産管理会社である北里商事株式会社等で構成されております。また、当社は東京証券取引所プライム市場への上場を予定しており、上場に際しては、株式売出しによって当社株式の流動性を確保することを予定としており、東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において35%となる見込みです。

 今後は、既存株主への保有株式の一部売り出しの要請のほか、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達などにより当社株式の流動性の向上を図っていく方針ですが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係に影響を与える可能性があります。

 チ.Biomedical Supply, S.L.及びBiomedical Supply US, Inc.との取引について

(影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 当社の社外取締役であるイグナシオ・バメホは、Biomedical Supply, S.L.のManaging Director(代表者であり業務執行者)及びBiomedical Supply US, Inc.のChief Executive Officerを務めており、当社とこれらの会社との間には関連当事者取引として当社製品の販売取引があります。

 関連当事者取引には、本来不要な取引を強要されたり取引条件が歪められたりする懸念があり、株主に帰属すべき利益が不当に損なわれるなどのリスクがあります。

イグナシオ・バメホが当社の社外取締役となった経緯につきましては、同氏がスペイン最大手不妊治療施設であるIVIグループの調達部門に在籍していた際に、同グループが当社からの医療機器調達を検討したことで関係が始まりました。その後、現地規制等により、IVIグループに直接当社製品を供給することが難しいということが判明したため、同グループとの取引を開始するには至りませんでしたが、その後、Biomedical Supply, S.L.社が設立され、同氏がManaging Directorとして就任したことにより、当社とBiomedical Supply, S.L.社との事業上の取引が開始しました。同氏は経営者としての経験と業界への深い見識を有していることから、当社の海外戦略において必要不可欠な人材と判断し、社外取締役として招聘しました。

 取引内容や取引金額等につきましては、以下のとおりとなっており、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。

 なお、Biomedical Supply, S.L.及びBiomedical Supply US, Inc.は、世界的なクリニックグループであるIVIRMA Globalのグループ会社であります。

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

種類

会社等の名称又は氏名

事業の内容又は職業

関連当事者との関係

取引の内容

取引金額

(百万円)

科目

期末残高

(百万円)

役員

イグナシオ

・バメホ

当社取締役

Biomedical Supply, S.L.

Managing Director

Biomedical Supply, S.L.は販売先

Biomedical Supply, S.L.に対する

製品販売

3,078

売掛金

322

役員

イグナシオ

・バメホ

当社取締役

Biomedical Supply

US, Inc.

Chief Executive

Officer

Biomedical Supply

US,  Inc.

は販売先

Biomedical Supply

US,  Inc.

に対する製品販売

834

売掛金

228

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

種類

会社等の名称又は氏名

事業の内容又は職業

関連当事者との関係

取引の内容

取引金額

(百万円)

科目

期末残高

(百万円)

役員

イグナシオ

・バメホ

当社取締役

Biomedical Supply, S.L.

Managing Director

Biomedical Supply, S.L.は販売先

Biomedical Supply, S.L.に対する

製品販売

3,448

売掛金

653

役員

イグナシオ

・バメホ

当社取締役

Biomedical Supply

US, Inc.

Chief Executive

Officer

Biomedical Supply

US,  Inc.

は販売先

Biomedical Supply

US,  Inc.

に対する製品販売

1,022

売掛金

65

 同取引は当社製品の販路拡大のため、 Biomedical Supply, S.L.とは2015年9月より、Biomedical Supply US, Inc.とは2023年7月より開始しております。同取引は、「関連当事者取引管理規程」に基づき、適切な社内決裁手続を経て実行されております。さらに、取締役会での審議・承認決議に先立ち、独立社外取締役及び独立社外監査役によって構成される任意の特別委員会において、同取引の必要性及び取引条件の妥当性、並びに当該取引行為の手続の公正性等を審議・検討し、取締役会に答申することで取引の公正性・透明性・客観性を確保するなど、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件であることを担保しております。

リ.北里商事株式会社との関係について

  (影響度:中、発生可能性:低、顕在化する可能性の時期:随時)

 北里商事株式会社は、当社代表取締役社長である井上 太綬(戸籍上の氏名:井上 太)の資産管理会社であり、当連結会計年度末現在において、当社株式の58.5%を保有しております。同社の事業内容は不動産及び有価証券の管理であります。2025年3月期において当社と同社との間には、関連当事者取引として駐車場の賃借取引及び代替駐車場のための不動産の購入に係る取引があります。

 関連当事者取引には、本来不要な取引を強要されたり取引条件が歪められたりする懸念があり、株主に帰属すべき利益が不当に損なわれるなどのリスクがあります。

 現状、同社は企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準第7項」で定める財務上又は営業上もしくは事業上の関係からみて当社の意思決定機関を支配していないことが明らかとはいえない判断から、当社の親会社に該当するものと判断しております。ただし、2026年3月期以降は、当社と同社との取引関係は資本取引を除き解消される見込みであり、監査法人との協議を踏まえ、同社が当社を支配している実態がないと判断した時点より、同社は当社の親会社に該当しなくなる見込みであります。なお、取引内容や取引金額等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。

 駐車場の賃借取引につきましては、静岡本社工場の新社屋建設に伴う従業員の駐車場確保のため、2024年5月より開始しておりますが、2025年3月末の賃借期間満了をもって取引を解消しております。また、代替駐車場のための不動産の購入に係る取引につきましては、2025年3月27日付で土地売買契約を締結し、同日に売買代金を支払うことで履行を完了しております。駐車場の賃借取引及び代替駐車場のための不動産の購入に係る取引は、「関連当事者取引管理規程」に基づき、適切な社内決裁手続を経て実行されております。さらに、取締役会での審議・承認決議に先立ち、独立社外取締役及び独立社外監査役によって構成される任意の特別委員会において、同取引の必要性及び取引条件の妥当性、並びに当該取引行為の手続の公正性等を審議・検討し、取締役会に答申することで取引の公正性・透明性・客観性を確保するなど、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件であることを担保しております。

 なお、当連結会計年度末現在において、当社と北里商事株式会社との間に関連当事者取引は存在しておりません。また、当連結会計年度末現在において、同社と新たな関連当事者取引を行うことは予定しておりませんが、今後、監査法人との協議により同社が当社を支配している実態がなく、この先も含めて当社が同社と関連当事者取引を行わない方針を固めたことを確認するまでの間はリスクとして認識することとしております。

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