企業井村屋グループ東証プライム:2209】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当連結会計年度の研究開発活動は、「おいしい!の笑顔をつくる」の社会的使命のもと、高い技術と新鮮な時代感覚をもち、夢のある商品とすぐれたサービスを通じて豊かな生活を提供できるよう、菓子及び食品とその関連分野における活動を行っております。

 すなわち、基礎研究や外部研究機関との共同研究の継続及び事業展開上急務な研究課題に取り組み、お客様の食の安全と安心を提供できるよう、新素材の開発とその応用、製品の改善・改良・品質の向上、生産技術・生産設備の開発などに努めております。

 現在の研究開発は、各事業会社の商品開発部門及び研究・開発部門などにより推進されております。なお、研究開発活動を担当している期中平均人員は72名であり、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は490百万円であります。

 各セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) 流通事業

(基礎研究)

 井村屋のコア原料である「あずき」に関する基礎研究を大学とも連携しながら取り組んでおります。具体的には小豆からGABAを多く生成する条件など小豆の機能性についての研究や、小豆を炊く技術の研究など、商品開発につながるテーマについて仮説検証を行い、開発のサポートとなるよう活動しております。

 また新たにスタートしたアップサイクル事業についても生産過程で発生する副産物(おから、あずき由来副産物など)の有効活用の研究にも取り組んでおります。

(菓子商品)

 ようかんの伝統的なおいしさはそのままに、長期保存が可能な賞味期間5年6か月の「えいようかん」シリーズは、発売開始から約16年が経過しました。不安が高まる地震などへの防災備蓄用商品として、需要が年々増加しております。子供でも食べやすいチョコ味の「チョコえいようかん」は、アレルゲンフリーや点字入り、暗所でも探しやすいホログラム入りなど、有事の際に誰もが安心して使えるような商品設計はそのままに、ビターな味わいからスウィートな味わいへと変更し、より幅広いお客様に喜んでいただけるように改良いたしました。また、ギフト用化粧箱の省資源化によるCO2排出量の削減や、フードロス削減につながる賞味期間の延長にも積極的に取り組んでおります。カステラを中心とした輸出も好調に推移しており、2024年8月には小麦粉不使用の「米粉カステラ」をカナダ向けに新発売し、販売エリアの拡大を続けております。これからも和洋菓子の魅力ある付加価値や可能性を引き出し、特色ある商品開発を行ってまいります。

 (食品商品)

 近年、地震や台風などの自然災害の頻発・激甚化から、防災備蓄用商品への関心が高まっています。そのような背景の中「ゆであずき」シリーズから長期保存が可能な賞味期間5年6か月の「備蓄用ゆであずき85g」を発売いたしました。この商品は、カンパンやパンなどに合わせてもおいしくお召し上がりいただけます。また、野菜を1種類用意し、電子レンジで調理するだけで手軽に煮物ができる「レンジで煮物」シリーズから「レンジで煮物 大根の肉みそ煮」を発売いたしました。井村屋独自の特許製法で作った「あずき味噌」を使用し、コク深い味わいに仕上げております。引き続き「おいしい!の笑顔をつくる」と同時に、お客様のニーズや利便性を意識した特色ある商品づくりを行ってまいります。

 (デイリーチルド商品)

 新たにリニューアルした「4個入り美し豆腐」「美し豆腐 LONG SHELF LIFE 180」および「高カロリー豆腐 LONG SHELF LIFE 180」は、国内外の市場で順調に売上が推移しており、業務用ルートを含めた多岐にわたる展開が続いております。「大豆屋和蔵大豆ッ子」シリーズは、独自製法による美味しさと長期保存が可能なロングライフ商品として、引き続きご好評いただいております。さらに「井村屋雪花菜(きらず)冷凍おから5kg」は、SDGsの観点から副産物であるおからを有効活用した商品として、ますます高い評価を得ております。今後も、消費者のニーズに応えるため、更なる付加価値のある商品開発に取り組んでまいります。

 (冷菓商品)

 主力商品「あずきバー」は2024年度シリーズ累計、過去最高売上本数3億29百万本を達成し、国内外問わず多くのお客様にご愛顧いただきました。前年度に上市した新和風アイス「こしあんバー」を含め、更なる拡売に向けて様々な施策を打っております。「やわもちアイス」は、より美味しく付加価値を高めた品質にポリッシュアップし、ご好評いただきました。また、2025年度の大阪・関西万博の開催を機に、過去のレシピを現代風にアレンジした業務用ラグジュアリーアイス「アンナミラーズアイス」を上市しました。ラグジュアリーアイスとして、今後の販路拡大を目指してまいります。引き続き更なる拡売を目指すとともに、和風を中心とした特色や付加価値のある商品開発に取り組んでまいります。

 (点心・デリ商品)

 点心・デリ商品はCVSを中心に商品提案および供給を行っております。原材料価格高騰の中、価値と価格の整合性のある商品作りを目指しリニューアルを行いました。「肉まんあんまん」は2024年度に60周年を迎えました。復刻商品として「イカスミまん」「プリンまん」、60周年記念商品として三重県の原料を使用した「伊勢海老肉まん」「松阪牛すきまん」を発売し、メディアでも取り上げられ話題となりました。また、環境負荷軽減活動として、2022年度にノートレー化した「ゴールドまん」シリーズに続き、2024年度には「4コ入パックまん」シリーズのノートレー化を実現いたしました。今後も更なる市場拡大に向けて取り組んでまいります。

 (冷凍菓子商品)

 業務用商品の「12コ入冷凍和菓子」シリーズは、利便性向上を目的としたリニューアルを行いました。必要な分だけを簡易に解凍できるミシン目付きのトレーや、シーンに合わせた3種類の解凍方法が選べる仕様変更により、フードロス削減や人手不足の解消に貢献いたします。1粒あたりのボリュームを小さくすることで、従来よりも幅広い食シーンに提案が可能となり、新たな業務用販路への拡売を目指してアプローチを続けております。今後も国内のみならず輸出を含めた事業拡大を目指し、お客様の「おいしい!の笑顔」や、お役立ちにつながる更なる付加価値のある冷凍和菓子商品の開発に取り組んでまいります。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は457百万円であります。

(2) 調味料事業

 井村屋フーズ七根サイトにおきましては、2023年度に更新した新たな大型設備(スプレードライヤ―)が本格稼働し、その能力を評価いただいた顧客のOEMテーマを具現化しております。また、原材料や動燃費の高騰に対し、価格改定が困難な商品においては、配合処方や生産工程の見直しを行いました。より効率化した生産を行うことで、品質を落とさず、コストアップを回避することができました。

 新規素材開発として、アップサイクルの観点から地元の鰻加工会社と共同し、加工工程の中で廃棄されている鰻原料を使った「鰻エキス」の開発を行い、顧客への提案を開始いたしました。また、2023年度から提案を続けている当社豆乳パウダーをベースとした「植物性ミルクパウダー」を更に改良し、顧客がより使いやすいよう溶解性アップや沈降し難い処方への見直しを行い、再度顧客への提案を行いました。また中原サイトのカップレトルト設備を活用したシーズニングソースの開発を行いました。

 引き続き当社の強みを生かした自社品開発や提案商品開発(ODM)を継続し、新顧客および新市場の創出を進めてまいります。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は33百万円であります。

(3) その他事業

 特記事項はありません。

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