企業九州旅客鉄道東証プライム:9142】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針及び経営環境

 当社グループは、経営理念として「わたしたちの夢」、「使命」、「おこない」を掲げるとともに、経営理念から導出したJR九州グループが常に考えるべきことであるマテリアリティを設定しております。

(経営理念)

 わたしたちの夢:「九州の元気を、世界へ」

 魅力あふれるまちづくりを通じて、九州をもっとにぎやかに、もっとおもしろく。

 九州に住む人、九州を訪れる人、そしてJR九州グループをご利用の世界中の人を元気に

 していきます。

 使命:「安全を最優先し、お客さま視点で考え、安心で快適な毎日と わくわくするときをつくる。」

 おこない:「誠実」 常に誠実さを貫き、自分に、そして社会に誇れる仕事をする。

   「共創」 人や地域、多様な仲間と未来につながる価値を共創する。

       「挑戦」 柔軟な発想を持ち、成長のための挑戦を続ける。

(マテリアリティ)

 ①事業

  「最大の使命である安全の創造とお客さま満足の追求」

   ・私たちが営むあらゆる事業は、安全であるというお客さまからの信頼の上に成り立っています

   ・変化する世界の中でも、安心で快適な毎日をつくり出すため、誠実に手間を惜しまず安全を最優先し、

 お客さまにとって価値のある商品やサービスを提供します

  「モビリティサービス を軸に総合力を活かした地域との共創によるまちづくり」

   ・モビリティサービスを軸に多様な商品やサービス、そこから生まれるわくわくの提供を通じて、

 まちとまち、まちと人、人と人をつないでいきます

   ・地域のことを深く理解し、JR九州グループに関わるすべての人と手を取り合いながら、持続可能で魅力

 あふれる、「住みたい・働きたい・訪れたい」まちづくりを推進します

  ②基盤

  「価値創造の源泉である人づくり」

・社員の誰もがやりがいを持ち、いきいきと活躍できる会社をつくるとともに、人間力・実務力を持っ

 た人材を育成します

   ・多様な価値観や能力を活かし、社員のの力の最大化を図ります

    「健全な企業運営」

   ・情報を適切に管理・共有するとともに、法令の遵守を徹底します

   ・持続的な成長のための適切なリスクテイクを実現するガバナンス体制のあり方を常に検討します

   ・ステークホルダーとの対話を充実させ、適切に企業活動に活かしていきます

    「環境と調和した事業展開」

   ・環境優位性を有する鉄道輸送の提供により脱炭素社会の実現に貢献します

   ・効率的な資源利用による資源循環や生物多様性保全の取組みを推進します

   ・ビジネス機会でもある環境課題の解決を通じて、持続可能な社会の形成に貢献します

(経営環境)

 グローバルな社会・経済情勢の変化が、当社グループを取り巻く経営環境に加速度的な変容を及ぼしている現況を的確に捉え、俯瞰的に将来の変化を見据えた経営を行うことが肝要と認識しております。

 特に、国内における物価高騰や労働人口の減少、働き手の価値観の変容を踏まえた待遇改善の必要性については、注視が必要な変化と捉えております。また、諸外国の政策動向や金融資本市場の変動等の影響に鑑みると、今後の経済の先行きには注意する必要があるものと考えられます。

(2)対処すべき課題

2026年3月期よりスタートした「JR九州グループ中期経営計画2025-2027」では、コロナ禍からの成長軌道への復帰を果たした前中期経営計画と当社グループ内外の環境変化を踏まえて、長期的な目線で当社グループが持続的な成長を遂げていくことに主眼を置いた戦略の実行が必要との認識のもと、3つの重点戦略である「サステナブルなモビリティサービスの実現」、「事業間連携の強化によるまちづくり」、「未来への種まき」を推進するとともに、「労働市場の変化を踏まえた人的資本拡充」、「環境課題への統合的なアプローチ」、「DX活用範囲の拡大と深堀り」、「グループガバナンス強化・適切なリスクテイクを可能にするガバナンス体制構築」からなる経営基盤強化の取り組みを進めてまいります。

1.サステナブルなモビリティサービスの実現

 本年4月に実施した運賃改定は、鉄道事業にとって大きな転換点と認識しております。これまで、消費税率引き上げによる改定を除き29年間運賃を維持してまいりましたが、デフレからインフレへ環境が変化する中、運賃改定により物価高騰や人材確保に向けた待遇改善等のコスト上昇に対して、より適切な対応が可能になると考えています。運賃改定を契機として、安全やお客さま満足の更なる向上をはじめ、各種取り組みをさらに強力に推進することで、サステナブルなモビリティサービスを実現し、グループ全体の持続的な成長につなげてまいります。

2.事業間連携の強化によるまちづくり

 駅を中心としたまちづくりを核に、各事業の成長に加え、事業間連携を強化し、グループの総合力の最大化を進めてまいります。事業間連携強化のポイントとなるのが、お客さま接点の強化です。当社グループが提供する各種サービス会員の新規獲得等、これまで推進してきたJRキューポの取り組みを強化し、お客さまに寄り添った行動の提案や、特典の付与等による複数サービスの利用促進を通じて、お客さま単価・ご利用頻度の増加につなげてまいります。また、これまで以上に力強いCRM施策の推進に向け、お客さまのご利用データを統合的に分析し、未来の市場の創出のため本 年4月に新たに「未来市場戦略部」を立ち上げました。このサイクルを少しずつ拡大していくことで、中長期的に事業間の相互送客を増やし、にぎわうまちづくりに貢献していきます。

3.未来への種まき

 未来への種まきとして、適切なリスクテイクを通じた新たな事業機会の創出とレジリエンスの更なる強化に積極  的に取り組んでまいります。

 新たな事業機会の創出について、外部環境の変化に対応し、不透明な将来においても当社グループの競争力を維持するためには、新規事業への挑戦が不可欠です。新たな収益源の確保と既存事業の変革・活性化を目指し、本中期経営計画期間においては、ベンチャーキャピタルへの出資等を通じたスタートアップとの協業等を加速してまいります。

 レジリエンスの強化について、資本効率性の向上を意識しつつ、人流依存の事業ポートフォリオの改善、お客さまとの接点の強化・拡大など、当社グループの強みが活かせる事業への投資を行ってまいります。

4.労働市場の変化を踏まえた人的資本拡充

 本中期経営計画期間では、昨今の激しく変化する労働市場に鑑み、長期的に事業を継続し、成長させていくという観点から待遇や働きやすさを改善するための投資を拡充していきます。加えて、マテリアリティや事業戦略と連動して各種研修を拡充するなど、持続的な成長を支える人材の育成を推進いたします。また、本計画の取り組みに応じた人材KPIを細かく設定し、企図した成果が得られているか検証しながら適切な配分につなげてまいります。

5.環境課題への統合的なアプローチ

 従前より取り組んできた気候変動に加え、資源循環や生物多様性も含めた統合的なアプローチを行い、自然と共生した未来を目指す「JR九州グループ環境ビジョン2050」を本年2月に策定しました。2050年カーボンニュートラルに向けては2035年度における野心的な目標として、2023年度比でグループ全体のGHG排出量60%削減を掲げるなど、それぞれの領域において長期的に企業価値に資する取り組みを意欲的に推進してまいります。

  6.DX活用範囲の拡大と深堀り

 本年3月にアップデートしたJR九州グループDX戦略に基づき、「デジタルの力で、まちを、お客さまを、社員を、元気に」を旗印に各種取り組みを推進するとともに、システム・インフラの整備、各層の教育、人材育成、DXによる変革を進める企業文化の醸成を進めてまいります。

  7.グループガバナンス強化・適切なリスクテイクを可能にするガバナンス体制構築

   (1)グループガバナンス強化

 当社は、連結子会社であるJR九州高速船株式会社で発生した安全管理体制に重大な疑義を生じさせる事案を受け、グループガバナンス強化に注力いたします。昨年8月の事案発覚以降、昨年9月に第三者委員会を設置し、調査を実施いたしました。また、第三者委員会からの調査報告書を踏まえ昨年11月に再発防止策を公表し、JR九州グループ会社に対するガバナンス強化策を次のとおり定めております。

 まず昨年7月より開始しましたJR九州グループ全社安全推進会議を毎年開催し、当社グループが提供する商品・サービスの安全を確保し、その取り組みを継続するとともに、安全に関する情報共有や議論を行うことで、グループ会社の安全意識の向上を図ります。また、グループ会社社長に対するコンプライアンス研修や新任役員に対する研修等を通じて、グループ会社役員のコンプライアンス意識向上を図るとともに、グループ会社の監査役に対する研修等を通じて監査役の技能向上を図ってまいります。

 新たな取り組みとして、各グループ会社に安全を担当する役員を選任し、安全に関する定例会議を開催します。加えて、行政処分を受ける等の社会的影響の大きな事象等が発生したグループ会社へのモニタリングの実施や、グループ会社における安全に関するリスク特定及び対策の明確化、グループ全社の業績評価に安全の項目の追加、グループ会社の監査体制強化等により管理体制を一層強化してまいります。

 また、当社グループの内部通報制度について、研修等により再度周知徹底を図るとともに、JR九州グループ企業倫理ホットラインの窓口を本年2月より第三者機関に変更し、より社員が相談しやすい環境を作ってまいります。

 これらの対策を継続し、その実施状況をトレースすることで、グループガバナンスを強化するとともに、当社グループにおける安全意識の向上及び安全管理体制の再構築を図り、グループ全体で安全を最優先とした事業運営を行ってまいります。

   (2)適切なリスクテイクを可能にするガバナンス体制構築

 持続的な企業価値の向上に向けて、取締役会における独立した社外取締役の比率を原則過半数とする方針を定めるとともに、業績・企業価値の向上に対する動機付けをより強くする方向で役員報酬の見直しを行う等の仕組みを強化し、これまで以上に適切なリスクテイクを促進してまいります。

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