不動テトラ 【東証プライム:1813】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 経営の基本方針
当社グループは国土づくりを通じて社会に貢献し続けるという使命をステークホルダーの皆様に広くご理解いただき、それに向けた価値観、目標を当社グループ内で共有するため、以下の通り経営理念を定めている。
<経営理念>
Mission (使 命): 豊かで安全・安心な国土づくりに貢献します
Value (価値観): あらゆる変化を進化に換えて未来に向かって歩み続けます
Vision (目 標): 世代を超えて生き続ける独自の技術を提供します
また、この経営理念を実現すべく、「土木、地盤改良、ブロックの3事業が協調し、海に陸に、持続的な成長を目指します」を経営方針としている。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社の主力とする公共建設市場は、2025年度まで「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が実施され、また、2022年度に第2次補正予算も計上されていることから、2023年度も堅調に推移するものと予想している。
また、当社グループの持続的な成長・発展のためには、建設需要の新規建設から維持管理・リニューアル事業への転換、建設物価上昇による事業量の減少、少子高齢化に伴う担い手不足など建設業界でおこる変化に対応して、市場ニーズに応じた技術開発、建設DXを軸とした生産性向上、働き方改革と人材確保などに加えて、カーボンニュートラルへの対応など地球環境や社会の持続性を重視する施策も取り入れながら対処していくことが課題となる。
このため2018年度より、長期的視点に立ち中期経営計画を3期に分け遂行することとし、2期目の当期間(2021~2023年度)は「成長・拡大」の期間と位置づけ、その基本方針に基づいて各種施策の展開に取り組んでいる。
(3) 目標とする経営指標
<長期目標>
| 2017年度 | 2027年度 | |
売上高 | (既存分野) | 628億円 | 800億円 |
(新規分野) | ― | +α | |
営業利益率 |
| 5.9% | 5.0%以上 |
◆前期中期経営計画の基盤整備に引き続き、更なる経営資源への投資、収益基盤の多様化に取り組む。
<中期経営計画(2021~2023年度)の概要と経営目標>
○基本方針
基本方針1 | 持続的な成長に向けた戦略的投資及び事業領域拡大を促進する |
◆事業ポートフォリオの方向性
➢建設分野の幅広い領域を既存3事業でカバーすることによる強みを維持
➢既存3事業のそれぞれが長期的に企業価値を生み出すための成長戦略を促進する
◆成長の方向性
➢将来の追加収益に資する戦略投資、事業領域の拡大(周辺分野、新規分野)
➢ステークホルダーとともに成長(社会貢献、人材活用、環境配慮)
◆持続的な成長に必要なリソースの投入
➢経営資源の適正な配分、外部経営資源の活用(M&A含む)
基本方針2
| 経営理念を基盤としたESG(環境・社会・ガバナンス)経営の実践により社会に貢献する企業グループを目指す |
| 当社が持続的に成長するための6つの重点課題 | |
E | ①環境 | 気象変動の緩和と適応、循環型社会の実現、自然共生社会の実現 |
S | ②消費者課題 | 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラ整備への貢献、イノベーションの推進 |
③コミュニティへの参画及び開発 | 地域の発展、活性化への貢献 | |
④人権・労働慣行 | あらゆる人々の活躍の推進 | |
G | ⑤企業統治 | 企業経営の健全性と効率性の向上 |
⑥公正な事業慣行 | 倫理的行動の徹底 |
基本方針3 | 資本コストを意識した経営を実践する |
◆「資本コストを意識した経営」を実践する期間と位置付け、展開を図る
➢資本コストの認識 | 加重平均資本コスト(WACC)6%程度 |
➢資本コストを意識した投資 | 資本コストを上回る持続的成長に必要な戦略投資 |
➢資本コストの低減 | 最適資本構成を意識した財務レバレッジの活用 |
○経営目標(連結ベース) |
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項目 | 目標 |
| 2022年度目標 | 2022年度実績 | |
①業績目標 | 3ヵ年での営業利益 | 120億円以上 |
| 39億円 | 36億円 |
②資本効率目標 | 自己資本当期純利益率(ROE) | 8%以上 |
| 8%以上 | 7.1% |
③株主還元目標 | 配当性向 | 40%程度 |
| 40%程度 | 42% |
○全社数値目標(連結ベース) |
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| (単位:億円) | |||||
| 中期経営計画 | 累計 |
| 実績 | 計画 | 累計 | ||
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
受注高 | 690 | 724 | 776 | 2,190 | 639 | 740 | 750 | 2,129 |
売上高 | 750 | 777 | 809 | 2,336 | 668 | 705 | 730 | 2,103 |
営業利益 | 38 | 39 | 43 | 120 | 33 | 36 | 37 | 106 |
当期純利益 | 24 | 26 | 28 | 77 | 21 | 22 | 23 | 66 |
○セグメント別の事業方針と戦略
事業 | 事業内容 | 中期経営計画(2021~2023年度) | |
事業方針 | 事業戦略 | ||
土木事業 | 道路・鉄道・港湾・空港などの交通インフラ、河川・海岸などの防災、上下水道・土地造成などの生活基盤、エネルギーなどの施設整備に関わる陸海の土木工事の施工を行っている。近年はこれらの施設の維持修繕に関わる工事にも領域を広げている。 | 陸海の土木工事を施工する総合コンストラクターとして、事業規模・領域の拡大を図るとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進することにより生産性を向上させ、長期的に安定した業績を持続できる体制の構築 | ◆既存市場 ・国直轄工事の維持拡大 ・NEXCO、地方自治体、民間 営業の強化 ◆新市場 ・維持修繕工事への参入強化 ・土壌汚染対策関連業務の取組 み強化 ◆人的資源への投資 ・人材確保・若手技術者の早期 ◆生産性の向上 ・建設DXの積極的推進 ◆気候変動課題への対応 ・カーボンニュートラルの取り 組み推進 |
地盤改良事業 | 建物や道路、河川護岸、港湾空港施設などの社会基盤が、地盤の沈下や地震による液状化など被害を受けることを防ぐためには、地盤の性状をよく理解し、それぞれの構造物に適した地盤を造成することが不可欠である。当事業は地盤改良に特化したエキスパートとして、数多くの独創的な工法を開発し国内外において豊富な施工実績をあげ、業界のトップを守り続けている。 | 地盤改良のリーディングカンパニーとして、多様化する社会的要求への対応に向け、新技術の開発・導入を軸とした持続的な事業の発展と事業領域の更なる拡大 | ◆事業領域の拡大 ・主力工法の改善改良による競 ・新技術・新工法の開発、導入 ・海外事業の強化 ◆体制強化 ・現場生産性の向上 (施工データクラウド化等) ・設備の適正化、効率化 ・研究開発の強化 (ICT、AIによる省力化等) ・人材確保、働き方改革対応 |
ブロック事業 | テトラポッドに代表されるコンクリートブロックを中心に型枠賃貸や環境景観商品の販売を行うとともに、水際線における様々な技術・設計サービス、景観と生態系を護る製品の開発と販売により社会インフラの整備・保全に貢献している。 | 消波・根固ブロックのリーディングカンパニーとして、技術に裏付けされた製品と技術の提供による安定した収益基盤の構築 「防災・減災」、「環境創造・共生」、「海外」市場の強化 | ◆国土強靭化5ヵ年加速化対策へ ◆港湾・空港・漁港市場 ・ICT活用による老朽化対策 み強化 ◆建設市場 ・河川・海岸市場への営業強化 ・砂防市場への取り組み強化 ◆海外事業の強化 ◆グリーンインフラ・ブルーカー |
以上のように、長期目標及び中期経営計画を実現するため、様々な課題への対応と持続的成長に向けて掲げた方針に取り組み、投資と株主還元を両立させながら、更なる企業価値の向上を目指していく。
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