企業兼大株主三菱化工機東証プライム:6331】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。

当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。

(2) 経営戦略等

 当社グループは、2021年11月に「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」(以下「経営ビジョン」)を策定し公表いたしました。この経営ビジョンは、2050年を最終到達年として、2035年の当社創立100周年を見据えた長期的な道筋を示すものです。当社は、持続可能な発展を目指し、既存技術・製品をさらに深化させ、新しい分野の事業においても成長を遂げ社会の発展に貢献することにより、2035年には事業規模を1,000億円に拡大することを目指しております。

 経営ビジョンでは、2050年までに、5つの社会課題「CO2・気候変動」「資源循環」「水・食料」「自然災害」「労働力不足」の解決に貢献する企業グループを目指し、全社目標に「持続可能な発展に挑戦し、快適な社会を実現する」を掲げ、以下の4つの戦略的事業領域を展開することといたしました。

①持続可能な循環型社会推進事業

②水素を核としたクリーンエネルギー事業

③デジタルを活用した省力・省エネ事業

④水・食・自然災害等の課題解決に向けた次世代技術開発事業

 この度、当社グループは、新たな中期経営計画「『進化と変革へ』2.0」(2025年度~2027年度)を策定いたしました。前中期経営計画は、経営ビジョンの実現に向けた成長の足固め期としておりましたが、本中期経営計画は、成長期とし、GX事業の成長と売上拡大をはかる「飛躍の3年間」と位置づけております。本中期経営計画は、脱炭素化が進展する2035年に向けた動きに呼応し、社会課題の解決に資する「戦略的事業領域」におけるより具体的かつ着実な取り組みを進め、成果を創出し、経営ビジョン実現に向けた大きな飛躍を成し遂げるための活動計画であります。そのための原動力となる「戦略的事業領域」を「GX事業」として全社の注力領域に再定義し、その推進を担う組織として「GX事業推進室」を新設し、さらなる実践につなげてまいります。このような取組を中心に、事業ポートフォリオの進化と、資本コスト・株価を意識した経営を確立し、また、それを支える持続可能な経営基盤の強化、社会課題の解決と成長の具現化をはかってまいります。

(3) 経営環境

 経営環境につきましては、当社グループに関連する分野では、脱炭素社会実現に向けた国家レベルの動きは活発化しており、日本においても、2024年10月、脱炭素社会への円滑な移行を目指し、「水素社会推進法」、「CCS事業法」の2法案が施行、2025年2月には「GX2024ビジョン」が策定されました。また、日本政府の目指す2050年カーボンニュートラルに向けて、GXをはじめとするサステナビリティ推進の動きが加速しております。

 加えて、資本コストを意識した経営の推進など、中長期的な企業価値向上に向けた自律的な取り組みの動機付けとなる枠組みづくりが求められております。

 プラント事業においても、前連結会計年度に引き続き化学関連プラントの需要が堅調に推移している一方で、材料・資材価格の高止まり傾向は継続中であり、労働時間規制などの2024年問題も顕在化しつつあり、プラントコストは増大傾向にあります。

 水素関連においては、カーボンニュートラルに関する案件が増加するとともに、クリーンエネルギーでは、水素関連市場の立ち上がりは依然として途上ですが、水素の利活用・CO2排出削減の社会的要請が強まっており、脱炭素化の加速により、水素のブルー及びグリーン化を求める動きが加速しております。

 環境事業においては、大型案件でPPP/PFIの発注形態が増加しております。主力の下水処理分野における需要は、更新工事を基に需要は安定した状況が続きました。一方で、バイオガス関連では脱炭素化の加速により、民間でのバイオガス利用市場に活発な動きが昨年に引き続きみられました。

 各種産業機械においては、化学・ファインケミカル、医薬、エネルギー・発電の分野で国内生産増強、老朽化設備の更新需要が堅調に推移しております。また、脱炭素化、生産効率向上を目的とした設備投資の検討が具体化しております。

 主力の油清浄機においては、主要顧客である業績が好調な造船業界及び海運業界向けの販売が堅調に推移しておりますが、燃料のクリーンエネルギー化が加速しており、その対応が求められております。

NOx(窒素酸化物)規制においては、NOx3次規制に対応する船舶向けEGRエンジンの需要が増加するなど、欧州及び米国の規制海域(ECA)を航行する船舶向けの環境規制対応機器の販売が堅調に推移いたしました。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社が策定いたしました中期経営計画で対処すべき課題は以下の4点であります。

①事業ポートフォリオの進化

1)GX事業の確立

 経営ビジョンに揚げる社会課題解決に資する戦略的事業領域に係わる事業を「GX事業」とし、新たな報告セグメントといたしました。「GX事業」のさらなる推進・拡大に向けて、定量的にモニタリング可能な体制への移行をはかります。新設しましたGX事業推進室によるGX事業の一元管理と部門間調整によりビジネス規模の拡大、事業化を加速してまいります。

2)基盤事業の競争力強化

 既存事業強化の仕組みとして、ROIC(投下資本利益率)を用いた評価ルールの運用を実施しております。成長性と収益性の観点から事業を評価し、低収益事業については、事業の見直し・再構築により、早期の収益改善をはかります。また、各既存事業の競争優位性を維持し、収益性のさらなる向上を実現してまいります。

3)事業拡大戦略の実践

2024年に設立いたしました営業統括本部を中心に、事業部間の連携を加速させるとともに、海外拠点のネットワーク化による販売網を拡大してまいります。また、全社的な海外戦略の再構築を行い、従来のEPC中心の海外アプローチを見直し、各国の市場・現地ニーズに合わせた製品の投入を促進してまいります。

②資本コスト・株価を意識した経営の確立

1)成長投資の実行

 ステークホルダーの信頼に応え、持続可能な成長と経営基盤確保のために、事業成長のドライバーとなるGX事業を中心としたR&D,設備投資、M&A、基盤事業の強化にもつながる人的投資、DX投資を最優先に資本配分してまいります。また、本社・川崎製作所の再編投資を成長投資、ESG関連投資、既存施設の更新投資へ充て、2035年までの中長期的な発展の礎としてまいります。

2)資本効率の向上

 本中期経営計画では、前中期経営計画から取り組んでおります事業ポートフォリオ戦略と資本政策を連動させ、ROICを意識した経営を行い、事業単位での売上拡大・コスト削減といったP/L改善だけでなく、B/Sマネジメントにも取り組むことで、営業CFの改善と非事業性資産の圧縮により資金創出してまいります。また、株主還元と最適資本構成とのバランスを意識した資源配分・調達を行うことによって資本効率の向上をはかってまいります。

3)株主還元の強化・成長期待を高める情報発信

 株主還元につきましては、利益還元の充実をはかり、自己資本比率や業績見通し・外部環境を勘案し、配当性向は40%に引き上げ、配当の下限としてDOE3.5%を設定しております。

また、ステークホルダーとの対話を重視したIR・SR活動の強化、川崎発の脱炭素・循環型技術トップブランドとしての段階的なブランド構築と情報発信と認知拡大を通じ当社グループの成長期待への理解強化を実施してまいります。

③人的資本・技術資本の強化

1)人的資本戦略の推進

 事業戦略実現のために人材ポートフォリオ管理を強化すると共に、GX事業の推進に資する人材育成強化・従業員全体のエンゲージメント強化・技術承継を行ってまいります。

2)モノづくり戦略の実践

 再編する川崎製作所をGX事業の製品開発・生産拠点(マザー工場)と位置づけ、グループ内の各工場と有機的に連携し、事業拡大を実現、あわせて基盤事業のモノづくりを効率化・高度化し、収益性の改善を実現してまいります。

④経営ガバナンスの透明性向上

1)事業ポートフォリオ管理/ROIC経営の浸透

ROICツリーを起点とした経営管理を新たに取り入れ、ドライバー毎にKPIを設定、業務レベルへブレイクダウンし、改善策を実行していくことでそれぞれの指標の改善をはかってまいります。各KPIの達成状況と進捗状況のモニタリングを実施することで目標達成の確度を高め、全社としての営業利益率の向上と資本効率の向上をはかってまいります。

2)サステナビリティの推進

 マテリアリティに係るKPI達成への取り組みを通じて、社会課題への対応を促進し、企業価値の向上及び持続的な成長をはかってまいります。

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)等については、新中期経営計画では、事業ポートフォリオの進化と資本コスト・株価を意識した経営の確立を実現し、また、それを支える持続可能な経営基盤の強化をはかることを目標としており、財務数値指標を市場評価、成長性、収益性、株主還元、財務健全性に分類した目標設定をしております。当社グループでは、利益指標を最重視しており、安定的高収益体制を構築するため営業利益率を、また、資本効率の向上で市場評価を高めることを目的としてROEをそれぞれ収益性の指標として取り組んでおります。

KPI

(連結ベース)

2027/3期目標値

売上高(百万円)

90,000

売上高営業利益率(%)

9.0以上

ROE(%)

12.0以上

(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

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