三菱ロジスネクスト
【東証スタンダード:7105】「輸送用機器」
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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、企業理念及び経営方針を策定しております。
(企業理念)
「世界のあらゆる物流シーンで、お客様にソリューションを提供し続け、未来創りに貢献する」
(経営方針)
①「安全」……………安全がすべての基本であるという理念のもと、常に「安全第一」を心がけます。
②「従業員」…………個性、創造性、挑戦する姿勢を尊重し、働き甲斐のある職場づくりを目指します。
③「お客様」…………物流に携わるすべての人々に心からご満足いただける商品・サービスを提供します。
④「技術」……………最先端の技術により、物流の未来に新しい価値を創造します。
⑤「品質」……………日々の研鑽に努め、世界に選ばれる品質を追求し続けます。
⑥「環境」……………グローバルな視点で地球環境の保全に努め、地域社会の継続的な発展に貢献します。
⑦「コンプライアンス」……法令その他の社会規範を遵守し、誠実かつ公正に事業活動を遂行します。
(2) 経営戦略等
当社は2024年3月に、中期経営計画「Logisnext Transform 2026」を策定いたしました。
中期経営計画「Logisnext Transform 2026」の骨子
① 3つの基本戦略
(a)産業車両領域での成長
・脱炭素社会に向けた新製品の投入
・安心・安全を支える高付加価値製品の拡充
・新市場への展開加速
(b)物流ソリューション事業の飛躍
・AGV/AGFを核とした自動化・自律化商品の投入
・“人機協調”をサポートするシステムの開発
・顧客接点を最大限に活かした“つなぐ力・解決する力”の強化
(c)企業体質改善の継続と事業構造改革への挑戦
・固定費/変動費のさらなる改善
・真のグローバル経営体制の構築
・“働きがい”を重要視した経営の推進
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度を含む直近3連結会計年度の主要な経営指標は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 122期 | 123期 | 124期 |
売上高 | 615,421 | 701,770 | 665,594 |
のれん等償却前営業利益 | 24,995 | 52,876 | 31,081 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,913 | 27,520 | 8,664 |
純資産額 | 76,027 | 117,333 | 124,309 |
総資産額 | 475,432 | 531,495 | 512,144 |
のれん等償却前営業利益率 | 4.1% | 7.5% | 4.7% |
自己資本利益率 | 10.0% | 28.6% | 7.2% |
総資本利益率 | 1.6% | 5.5% | 1.7% |
(4) 経営環境
物流及び物流機器市場を取り巻く経営環境は大きな変化のさなかにあります。世界的な気候変動への対応としての脱炭素社会への移行や物流現場における労働人口の減少及び労働環境の改善要請に対し、当社グループは物流機器の電気化や自動化・自律化製品の投入を通じて貢献していくことが求められております。
また、物流現場の自動化・自律化が進展する中で、有人・無人の物流機器の連携、人と機械の協調を重視した、物流を「つなぐ」ニーズが台頭することを想定いたします。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、物流を取り巻く市場環境の大きな変化が見込まれる中で、さらなる成長を遂げるため、2035年に向けた指針として「長期経営ビジョン2035」を策定するとともに「パーパス」、「重視する価値観」を定め、2023 年11月に発行した「統合レポート2023」の中で公表いたしました。
また、2024年3月には2024年度から2026年度を対象とする中期経営計画「Logisnext Transform 2026」を公表いたしました。この中期経営計画は、「長期経営ビジョン2035」で示したビジョンからのバックキャストによるアプローチで検討を重ね、策定したものです。お客様や社会を取り巻く環境や競合環境が変化する中、物流機器を取り巻くニーズを「安心・安全」、「自動化・自律化」、「脱炭素」と見据え、これらを今回策定した中期経営計画のキーコンセプトとして成長の実現を目指します。
中期経営計画「Logisnext Transform 2026」の基本戦略は、「産業車両領域での成長」、「物流ソリューション事業の飛躍」、「企業体質改善の継続と事業構造改革への挑戦」であり、これら3つの基本戦略を通じて、“私たちがお客様の物流シーンを変える、社会を変える、私たちも変わる”ことを目指し、この計画を「Logisnext Transform 2026」と名付けました。また2026年度財務目標として「売上高7,000億円、のれん等償却前営業利益560億円、同営業利益率8.0%、自己資本比率30%以上、ROE20%以上」を掲げました。
この基本戦略の確実な実行と財務目標値の実現を、さらに「長期経営ビジョン2035」で掲げた目標「売上高1兆円、ソリューション事業売上高2,000億円、バッテリー車比率90%以上」の達成を目指します。
中期経営計画「Logisnext Transform 2026」に定めるキーコンセプトや基本戦略はいずれも、脱炭素、労働人口減少問題への対応、サステナブルな社会の実現といった世界共通の環境課題、社会課題の解決を目指すものでもあります。
当社のパーパス「パイオニア精神とテクノロジの力で物流の安全、自動化、脱炭素を実現し、世界の人々を笑顔にする」も、環境、社会課題の解決に向けた当社グループの考え方を示すものです。 当社グループは「企業理念」、「パーパス」、「重視する価値観」に基づく企業活動を通じて、中期経営計画「Logisnext Transform 2026」及び「長期経営ビジョン2035」の達成を目指すことこそが、当社グループを取り巻く課題への対処であると考えます。
以下に中期経営計画「Logisnext Transform 2026」の基本戦略の最近の取り組みを示します。
(産業車両領域での成長)
・世界でのバッテリー車市場の拡大を見据え、バッテリー車ラインナップの拡充を推進いたします。バッテリー車の製品ラインナップにリチウムイオンバッテリー搭載仕様モデルを加えました。急速充電により充電時間を大幅に短縮することで、従来はエンジン車が採用されてきた長時間稼働が求められる現場にも活躍の幅を広げることが期待されます。また、環境を意識したお客様の様々なニーズに応えるバッテリー車の開発を進め、脱炭素社会の実現に貢献いたします。
・コスト競争力を重視したローエンドモデルのバッテリー車を開発し、2025年5月に中国市場向けに投入しております。市場環境の変化に伴うバッテリー車の世界的な需要拡大と需要の多様化に応えてまいります。
(物流ソリューション事業の飛躍)
・倉庫産業DXの実現を目指すGaussy株式会社との資本提携契約を締結しました。当社は外部パートナーとの連携、協業により、お客様の倉庫内物流現場の物流課題解決を目指します。
・鴻池運輸株式会社と共同で実施していた無人フォークリフトを活用したトラックへの荷積み自動化システムの実証実験を完了し、実運用を開始しました。物流2024年問題の解決に資するソリューションの提供を一層進めてまいります。
(企業体質改善の継続と事業構造改革への挑戦)
・欧州スウェーデン工場の閉鎖とフィンランド工場への生産集約により、従来の欧州生産3工場体制を2工場体制に再編し、生産効率の向上を図り、事業体質の改善を図りました。
・ローカルメーカーの台頭が進む中国市場において経営資源の選択と集中を図るために中国販売子会社の持分を売却いたしました。
・主にトラック部品を製造していた羽生工場の操業を停止し、UDトラックス株式会社に貸与いたしました。ノンコア事業の合理化を進め、主力事業に注力することで収益力の強化を図ります。
・本社の国内営業機能と子会社の国内直系販売会社の一体化による国内事業の再構築を行います。このことにより、効率性の高い事業運営を実現し、迅速かつ的確な市場動向、顧客ニーズの把握、お客様へのサポート体制の強化の実現と国内事業の収益力向上を目指します。
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