企業兼大株主三井住友建設東証プライム:1821】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループでは、技術の信頼、受注の拡大、利益の向上を目指して、顧客ニーズに応える技術開発をタイムリーに推進することを技術開発の基本方針とし、技術開発本部、土木本部、建築本部、事業創生本部を中心として、技術開発を積極的に進めてきました。
 当連結会計年度の技術開発に要した費用の総額は、2,133百万円です。なお、当該費用については、セグメントに共通する費用を区分することが困難であるため、総額のみを記載しています。

 当連結会計年度における主な技術開発成果は次のとおりです。

(1)「揺動制震システム」を実物件に初適用

地震発生時における多層階での揺れを一括して制御する「揺動制震システム」を開発し、愛媛県新居浜市で建設した社員寮「大志寮」に初めて適用しました。本システムは、多層階の水平変形を一箇所に集約する機能を持ち、少ない制震ダンパー数で制震性能を向上させることが可能となります。これにより、優れた制震性能で地震後の継続使用・早期復旧を実現します。今後は、本システムの新築及び耐震改修への適用を積極的に提案し、レジリエントな建物の提供によるサスティナブルな社会の実現を目指してまいります。

(2)重量床衝撃音を低減させる工法「SSTボイドスラブ®」を初適用

 共同住宅の共用部の一部に重量床衝撃音低減工法「SSTボイドスラブ®」(金沢工業大学、三昌フォームテック株式会社との共同開発)を開発し、初めて適用しました。本工法は、スラブのボイド材の内部に同調質量ダンパー(TMD)を配置し重量床衝撃音を低減させるもので、一般的なハーフPCa板に用いられるボイドスラブに対して、スラブ厚を厚くすることなく室内の静ひつ性を高めることができます。今後は、今回の適用で得られた知見を活かし、より一層のマンション価値向上に寄与すべく、安全・安心・高品質で快適な住まいの創造を目指してまいります。

(3) 大空間の効率的な冷房システム「Cool Factory」の適用

 屋根散水システムなどの暑熱対策エンジニアリングを数多く提案し、Cool Factoryの展開を図ってきました。その実績と経験を活かし、大空間の下部作業空間を効率的に冷房する新たな置換空調方式を、栃木県内の既存実験施設(床面積約400m²、高さ12m)に適用しました。本方式では、一般的な設備機器を利用し、配置がしやすく、短時間で設置が可能になり、コスト削減も可能です。床置型パッケージエアコンと置換空調用吹出口をダクトで接続してユニット化し、通常のパッケージエアコンによる冷房と比較しても使用電力量を約20%削減でき、また自然対流(上昇気流)による高い換気効率を実現可能です。本方式は、新設だけでなく既存の建物にも設置が可能であり、今後も、お客様の様々な暑熱対策のニーズに合わせた提案を積極的に行ってまいります。

(4) PC橋梁「柱頭部の超急速施工法」を初適用

 プレストレストコンクリート(PC)ラーメン橋「柱頭部の超急速施工法」を開発し、新東名高速道路滝沢川橋(発注者:中日本高速道路株式会社)にて初めて適用しました。本工法は、プレキャスト(PCa)部材による柱頭部横桁の急速構築工法「柱頭部SPER工法」と狭隘な橋面で設置可能な新型移動作業車「ガーダー式コンパクトワーゲン」を組み合わせたもので、従来の大型ブラケット支保工を用いた場所打ちコンクリートによる柱頭部の施工と比べて施工日数を50%短縮でき、省力化と生産性の向上を実現しました。今後は、本工法の更なる現場適用と張出し施工部へのPCa部材の活用等により、PC上部工の更なる工程短縮と生産性を向上させてまいります。

(5) 締固めの範囲と時間を見える化する「ARコンクリート締固め管理システム」を開発

 コンクリート打設時にAR 技術を活用して締固め作業の定量的な管理を行う「ARコンクリート締固め管理システム」を開発しました。本システムは、打設したコンクリートの締固め範囲と時間をiPadの画面上に見える化するもので、締固め作業の定量的な管理が可能となり、確実なコンクリート充填と構造物の高品質化を実現します。実現場で試験導入して有効性の確認を行い、実用化に目処をつけました。今後は、本システムをより現場のニーズに沿った仕様になるよう開発を進め、デジタル技術による現場管理の効率化と品質向上に取り組み、建設業のデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります。

(6) 橋梁の出来形検測システム「SMC-スマートメジャー®」の自動化

2018年に開発した橋梁の出来形検測システム「SMC-スマートメジャー®」において、3Dレーザースキャナー(計測機)の自動搬送装置を新たに開発し、計測作業から出来形の検測・帳票作成まで、一連の出来形管理業務の完全自動化を実現しました。施工中の橋梁建設現場で試験運用し、出来形管理業務における生産性が3倍向上することを確認しました。今後は、新たに開発した計測機の自動搬送装置の更なる改良に加え、本システムを他の構造物や工場プレキャスト製品などへの適用拡大を図ることで、更なる省力化・省人化を進めてまいります。

(7) 画像解析を活用してロックボルトの間隔を計測するシステムを開発

 デプスカメラを活用したロックボルトの配置間隔を計測するプロトタイプシステムを株式会社日立ソリューションズと共同開発し、実現場において試行導入して性能確認を行いました。本システムによりロックボルトが埋め込まれた壁面を写真撮影するだけで、ロックボルトの配置間隔を画像上で計測し帳票を自動出力できるため、従来の検測方法に対して施工管理者が拘束される時間を2分の1に縮小できます。さらに、計測時に高所作業車や足場などを必要としないため、安全性が大幅に向上します。今後は、本システムのさらなる開発を進め、引き続き土木・建築分野におけるさまざまな出来形検測への積極的な導入展開を図り、建設業のデジタルトランスフォーメーション推進を支援し、生産性向上と安全性向上に取り組んでまいります。

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