企業兼大株主三井住友建設東証プライム:1821】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) ガバナンス

 気候変動、人権などのサステナビリティ施策は、取締役会による監督の下、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ推進委員会で審議し、重要な事項については経営会議での審議を経て、取締役会で決議します。

2022年度は開催された取締役会17回の内、13回でサステナビリティ関連の内容を含む議題(気候変動、人権、D&I、人材育成、等)が付議、報告されました。

 サステナビリティに関する取り組みを全社で推進するため、各本部にサステナビリティ推進組織を設置し、経営企画本部長(執行役員)がリーダーを務める組織横断のSX推進プロジェクトを設置し、サステナビリティ施策の立案、展開、進捗管理を行う体制を整えています。

 経営理念に掲げる「社員活力の尊重」については、2022年4月にそれまでの「ダイバーシティ推進委員会」を代表取締役社長を委員長とする「D&I推進委員会」へ改組し、経営トップの強いコミットメントと社員の意識改革の下、女性、外国人、シニア、障がい者等の積極的な登用を図るとともに、多様な人材が活躍できる企業風土づくりの実現に取り組んでいます。

 半数以上の委員を社外役員で構成する指名・報酬諮問委員会の協議を経て、社外取締役を除く取締役及び執行役員を対象として、「平均連結営業利益」、「ESGに関する社外評価」、「人事関連指標」に連動する業績連動報酬制度を導入し、2022年7月から運用を開始しました。


 サステナビリティ基本方針 https://www.smcon.co.jp/company/company-policy/sustainability-policy/

2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ https://www.smcon.co.jp/csr/carbon-neutral/

 人権方針 https://www.smcon.co.jp/company/company-policy/human-rights-policy/

D&Iポリシー https://www.smcon.co.jp/company/company-policy/di-policy/

(2) 戦略

①気候変動

 気候変動が当社に与えるリスクと機会を把握し、その影響を検討するために、移行リスクが最大化する「1.5℃シナリオ」と、物理リスクが最大化する「4℃シナリオ」によるシナリオ分析を実施しました。リスクと機会が影響を及ぼすと考えられる期間は、短期、中期、長期の3つの時間軸を想定しました。

(3つの時間軸)


(主なシナリオの情報源)


 シナリオ分析に基づき、重要な気候変動に関するリスクと機会の要因、そこから想定される財務的影響の概要を整理しました。1.5℃シナリオではZEB/ZEH建築の普及等による利益増加が見込めることから、営業利益が増加するという結果になりました。また4℃シナリオにおいても、現在既に進めている対応策を踏まえると、大きな財務影響は見られないと評価しました。

(気候変動によるリスク)


(気候変動による機会)


②人権

 人権方針に基づき、事業活動における人権への負の影響を特定・評価し、リスクの回避・軽減に向けた対策を講じるため、2022年2月から人権デュー・デリジェンスに着手しています。世界人権宣言をはじめとする国際規範等を参考に、事業活動において重要と考えられる各人権課題に関する影響深刻度・発生可能性を評価するため、国内の拠点から調査を開始しています。今後、海外の拠点、関係会社、協力会社と対象範囲を広げ、サプライチェーン全体の人権侵害リスクを特定するとともに、調査結果を分析し、当社にとって重要な人権課題から優先順位を付けて是正措置を講じるなど、人権への取り組みをマネジメントシステムとして構築していきます。

(人権デュー・デリジェンスの流れ)


 ビジネスと人権に関する指導原則では、人権デュー・デリジェンスを実施する上で、影響深刻度と発生可能性の観点から人権課題のリスク評価を考量的に行うことが求められています。当社では、影響深刻度(範囲、規模、救済可能性)と発生可能性(頻度、地域・事業特性等)を分析し、合わせて、当社の管理体制、予防是正措置の整備状況から人権リスクを評価しています。

(リスクの評価方法)


 人権デュー・デリジェンスの結果、事業活動において重要と考えられる人権課題は、①先住民族・地域住民の権利、②労働安全衛生、③消費者利益(消費者の安全・知る権利、個人情報管理)、④ハラスメントと虐待、⑤労働時間(休憩・休日の権利)、⑥法令遵守、賄賂・腐敗防止、⑦差別の禁止と法の下の平等、⑧調達慣行(取引先管理)の徹底、⑨強制労働、⑩児童労働(教育を受ける権利の尊重)となりました。

 引き続き、苦情処理の仕組み(グリーバンスメカニズム)の構築や人権教育に取り組みます。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)、人材育成

 当社グループの「新たな成長」の実現を支えるのは「人材」であり、社員一人ひとりを大切に考え、多様な価値観、多様な意見を許容し尊重しながら、誰もが安心して活躍できる職場環境を構築し、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指してまいります。当社グループにおけるダイバーシティ&インクルージョンの在り方とは、「多様な人材」、「多様な働き方」、「多様なキャリア形成」が確保されている状況を意味し、この実現によって、社員の幸福「やりがい、働きやすさ、成長」が企業の成長「多様な価値観やスキルの活用、社員パフォーマンスの最大化」へとつながる企業を目指してまいります。さらには、「社員の幸福」、「企業の成長」と、社員のエンゲージメントとがお互い高め合う関係性の構築に取り組みます。

 具体的には、①ダイバーシティ&インクルージョンの実現、②エンゲージメントの向上、③人材育成の施策により人材基盤の強化を図り、企業価値の向上を実現します。

(ダイバーシティ&インクルージョンの実現)

1)ダイバーシティ&インクルージョン実現のための主要施策

(a) 人材の確保

・ 多様な人材の採用

・ 定着支援のための環境整備

(b) 成長機会の拡大

・ 早期若手役職登用の推進

・ チャレンジしやすい企業文化の醸成

・ グローバル人材育成

(c) 働き方の変革

・ DXによる労働時間の削減

・ テレワークの促進による柔軟な働き方の実現

(d) 働きがいの向上

・ ウェルビーイング経営の促進

・ キャリアパスの多様化

・ タレントマネジメントによる最適配置

(エンゲージメントの向上)

1)社員エンゲージメントの定義

(a) ビジョンや方針への共感

・ 会社の進むべき方向性、ビジョンを具体的に理解し、達成しようとする姿勢を有すること

(b) 自律的な行動

・ 一人ひとりが会社のビジョンを自分ごととして落とし込み、行動を起こそうとする意欲を有する

(c) 社員間の信頼関係

・ ビジョンに共感し、会社や同僚に対して仲間意識を持ち、お互いが愛着や誇りを持って協力し合うこと

(d) 組織に対する貢献意欲(統制)

・ ビジョンを共有している仲間とともに、統制のある行動によって組織に貢献する意欲を有し、また貢献していることを実感できること

2)社員エンゲージメント向上のための施策

(a) 社内コミュニケーションの充実

・ 充実したトップメッセージの発信による会社の進むべき方向性等の共有を促進

・ 社内SNS等のコミュニケーションツールの活用推進

(b) 適切な人事評価

・ 結果だけではなく「挑戦」を評価する人事制度の運用・構築

・ 社内表彰制度など褒賞機会の充実によるモチベーション向上

(c) キャリア自律の促進

・ 「社内公募制度」による「望むキャリア」の実現

・ 国内外留学制度などを含む充実した教育制度による多様なキャリア形成の機会創出

3)社員エンゲージメントの定期的な調査

・ 定期的なアンケートにより状況を確認、結果に応じた対策を講じることで、エンゲージメントの向上を図る。

(人材の育成)

「新たな成長」の実現のためには、充実した人材育成の実施が不可欠であると考えます。階層別教育や職種別教育を軸とした通常の人事教育に加え、今後の事業戦略に合わせた新たな分野での人材育成も必要となります。特にデジタル人材とグローバル人材の育成・確保は、重要な課題であり、当社グループにとっての「成長投資」という認識にて積極的に取り組む必要があります。

1)「新たな成長」に向けて核なる主に以下の人材に対しては、人材投資による育成・確保に努めてまいります。

(a) スペシャリスト

(b) マネジメント人材

(c) 若手リーダー(若手社員の早期登用)

(d) SX人材

(e) デジタル人材

(f) グローバル人材

2)DX意識とスキルの向上

 当社グループが目指す「DXの実現」(建設生産革命の実現、ビジネスモデル変革)のためには、全社員のDX意識とスキルの向上が最優先課題であると考えます。まずは、全社的なITリテラシーなどの全社的な底上げに注力し、それに加えてより専門的なスキルを有するDXリーダー層やDXマネージャーなど、より高度なDX人材の育成・確保(採用含む)への取り組みも進めてまいります。

(a) ITリテラシーの向上

・ 全社員を対象にリテラシーの向上を図ります。現状におけるレベルを測定した上で、各自に合わせた育成プログラムの構築し、全社的なITリテラシーの底上げを図る。

(b) DXリーダー層育成

・ 全社から高いレベルを有する人材を選別し、さらに高度な専門教育やDX推進部門への配属などによって、当社グループのDX推進のコアとなる各部門のリーダー的人材、更にはDX推進におけるマネジメント人材の候補者を育成する。

・ このレベル以上の人材の育成には長い時間を要することも踏まえ、必要に応じて外部人材の登用も視野に入れる。

(c) DXマネージャー育成・確保

・ DX推進にとって最も重要な人材となるDXに関するマネジメント人材の育成・確保を推進してまいります。DX推進における全社主導的な役割や戦略や施策の企画・立案・推進を担う人材が対象となり、一般的にはプロダクトマネージャーやビジネスデザイナー、データサイエンティストと呼ばれるような高いスキルを有する必要がある。

3)グローバル人材の育成

2020年のグローバル化宣言以降、一層強力にグローバル人材の育成が行われているが、海外事業の拡大を実現するためには、より積極的な取り組みが求められます。当然ながら、国内社員においてもグローバルで活躍できる人材となるべくHDC(Human Resorce Development Center)のプログラムへの積極参加などの研鑚が求められます。

〈HDCの人材育成プログラム〉

(a) 全社的なグローバル教育

・ 全社員を対応とした、HDC(日本、フィリピン、インド)で開催される人材研修。

(b) グローバル検定

・ グローバル人材としてのじしんのポジションを正しく把握し、自らの成長を促進する仕組み。

(c) 留学制度の運用

・ 当社技術のグローバル展開や、人材の流動化に向けて、社員を各国に留学、当該国の業務に従事させることで学ばせる制度を積極的に展開。

(d) 双方向トレーニング

・ 様々な国の社員が一緒になって自らのスキルを共有し相互に学び合い成長することを目的とした独自のカリキュラム。

(e) 中核人材のネットワーク化

・ 海外拠点の中核を担う人材をネットワーク化、技術スキルや組織運営マネジメントなどのノウハウの共有を図る。

 これらの人材育成プログラムの運用によって、当社グループの海外事業人材における”Global Identity”の醸成と”Localization”の強化を目指してまいります。

(3) リスク管理

①気候変動

2020年度に、当社が取り組むべきマテリアリティの特定を行い、気候変動課題は当社が優先的に取り組むべき課題の一つであるとの結論に至りました。

 気候変動に関するリスクの特定は、サステナビリティ推進委員会が行います。気候変動に関するリスクの評価は、各事業における気候変動要因を特定した上で、1.5℃シナリオ、4℃シナリオそれぞれにおける将来の規制・社会・技術・気象条件等の変化を把握し、財務への影響度を検討し対応策へ反映させます。また、気候変動に関するリスクについては、全社のリスク管理プロセスに統合しています。自然災害などの物理リスク、環境規制の強化に係る移行リスクについても管理の対象として設定しています。

②人権

 人権に関するリスクの特定は、人権デュー・デリジェンスによって行います。自社の国内外拠点、関係会社、協力会社を含むサプライチェーン全体の人権侵害リスクを特定し、当社にとって重要な人権課題から優先順位を付けて是正措置を講じるなど、人権への取り組みをマネジメントシステムとして構築していきます。

(4) 指標及び目標

①気候変動

 環境方針"Green Challenge 2030"の脱炭素関連の目標を、2021年度に策定した「2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ」に合わせて見直しました。

「2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ」で定める目標は以下の通りです。

1.Scope1+2のCO2排出量について、2050年までにカーボンニュートラルを実現

2.Scope1+2のCO2排出量の削減(排出量を2030年までに2020年比で50%削減)

3.削減貢献の取り組みを実施し、2030年までに実質的にカーボンニュートラルを実現

4.Scope3のCO2排出量の削減(排出量を2030年までに2020年比で25%削減)

CO2排出量削減目標はSBT(Science Based Targets)イニシアチブの基準「1.5℃目標」に沿って改定し、新たにScope1、2、3に対する目標値を設定しました(SBT認定については申請中です)。Scope2については、当社及び関係会社の作業所及び常設事業所(本支店オフィス、PC工場等)の電力をグリーン電力に切り替えます(2025年度まで)。

(2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ)


(CO2排出量の指標及び目標、当事業年度実績(単体))

No.

指標

2020年度

(基準年)

排出量(t-CO2)

2022年度

(当事業年度)

排出量(t-CO2)

削減

目標(%)

増減率

(%)

Scope1排出量

56,579

65,667

16.1%

Scope2排出量

14,485

9,148

▲36.8%

 

合計

71,064

74,815

▲10%

5.3%

※ Scope1排出量、Scope2排出量それぞれでの削減目標は定めていません。

※ 基準年との比較のため、当事業年度実績における海外工事によるCO2排出量は、国内外の完工高比率に基づいて推計したものです。

2022年度にCO2排出量が増減した主な要因は以下の通りです。

・2022年度は2020年度に比べて売上高が4.8%増加しました。

・CO2排出量の第三者検証に対応した把握精度向上のため、従来のサンプル作業所におけるアンケート調査(2020年度は70作業所、調査期間2ヶ月)に基づく推計値から、2022年度から全作業所における通年調査(2022年度は360作業所)としました。この結果、建築工事における原単位は11.2(t-CO2/億円)から13.5(t-CO2/億円)に増加しました。

・2022年度は作業所で使用する電力のグリーン電力への切り替えを進めた結果、4,922(MWh)をグリーン電力としました。この結果、2022年度のScope2排出量は、2020年度に対して36.8%減少しました。

これらの結果、2022年度のScope1+Scope2排出量は、2020年度に対して5.3%増加しました。

2030年までに実質的なカーボンニュートラルを実現するため削減貢献の取り組みを推進します。再生可能エネルギー設備容量(MW)及び年間発電量(MWh)の実績・目標は以下の通りです。

(再生可能エネルギー事業の実績と目標)


② D&I、人材育成

No.

指標

目標

実績

社員エンゲージメントの向上(注1)

3.8以上

3.6

労働時間の短縮

 

 

 

・社員の時間外・休日労働時間年間720時間以内(達成率:%)

全社員(100%)

96.5%

 

・週休二日(新規着工現場の4週8休以上)(実施率:%)

80%以上

72%

D&Iの推進

 

 

 

・女性部長比率(%)

1.5%以上

1.9%

 

・総合職の定期採用における女性比率(%)

20.0%以上

24.5%

 

・キャリア採用(中途採用)における女性比率(%)

20.0%以上

29.1%

 

・障がい者雇用率(%)(注2)

2.30%以上

2.41%

 

・定年再雇用率・継続雇用率(%)

90.0%以上

91.9%

ワークライフバランスの推進

 

 

 

・社員(管理監督者を除く)の法定時間外・休日労働時間数
(月平均時間)

45時間未満

21.8時間

 

・年次有給休暇の平均取得率(%)

50.0%以上

55.2%

(注) 1 「組織診断サーベイ」におけるワークエンゲージメントに関する指標

 2 月次雇用率の平均

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